災害対応マニュアル 震災編 ( 案 ) 工学院大学 震災対策タスクフォース事務 局 工学院大学 震災対策タスクフォース事務 局
震災対応マニュアルについて 1923 年関東大震災から既に 80 年余を経過した。その間、首 都圏では大きな被害地震はなく戦災の荒廃の一時期をはさ みはしたがおおむね順調に開発・発展を重ねてきた。 しかしながら、内閣府、地震・防災の専門家は近い将来、 首都圏における地震活動が活発化する可能性を指摘してい る。 更に、近い将来に予想される海洋型の東海地震 ( 東南海地 震、南海地震 ) では長周期地震動による影響が懸念されて いる。一方、都市は集積、機能の高度化が進み利便性が高 まった反面災害に対する脆弱性を増していることが199 5年阪神淡路大震災の状況が明瞭に示した。 また、地方における災害脆弱性は2004年新潟中越地震、 2007 年能登半島地震・中越沖地震などの様相が示している とおりである。 首都圏では、関東地震のような海洋型巨大地震に先立ち陸 側直下に中規模な地震が発生するシナリオが想定されてお り、高度に人、モノ、機能、資金など集積の進んだ首都圏 では阪神・淡路大震災と同程度あるいは更に事前の想定を 超えた大規模で広範囲、長期に影響が及ぶ災害状況が予想 される。 工学院大学は都心最大の交通結節点、業務地区、繁華街を 近隣に持つ高層ビルキャンパスであり多様な被害、混乱が 生じる可能性がある。 震災時には迅速な初期対応とその後の的確な行動がその後 の展開を大きく左右する。 本マニュアルは、大震災時に教育・研究機関として的確・迅 速に対応活動を行うことを目的としている。
震災対応の基本的な考え方 大学全体として 人命の安全の確保が第一優先 迅速・的確な震災対応で被害・損害を最小限にとどめる。 地震時には各自で安全を確保すように努める。 ビルの重大な損傷や火災など明らかに危険な場合は教 官・職員の指示・誘導に従い速やかに避難する。 大きなゆれが収まってから周辺の被害の有無を確認、 速やかに周りの仲間などの所在・安否を確認し、可能 な手段により所在、安否状況及び点呼結果、被災状況 を教官・職員へ連絡するように努める。 可能な範囲で初期消火、負傷者の応急処置に努める。 状況確認後、指示に従い定められた避難・待機場所へ 移動する。 外出先においては、周辺状況を把握し、対策本部への 連絡に努める。
緊急初動の基本 地震発生 まず、自分の身を守る! 可能なら火の始末 可能なら出口の確保 揺れが収まってから 火元の確認、初期消火 回りの被災状況確認 実験器具・ OA 機器などの停止 高層階 → 低層階へ退避 周辺の被災を確認 被災者の支援、救助 点呼・不明者の有無を確認 余震に注意 状況により緊急避難 指定避難場所 安全を確保して 下敷き、閉じ込めな ど 同室者の被災の有無 周りの不明者チェック 災害弱者の保護 教職員は学生を誘導 緊急地震速報
緊急地震速報と対応行動 講義室;避難路 ( 出口 ) を確保して落下物から身を守る 実験室;実験機器を停止する、薬品の落下防止、出口を開け る 情報処理;データ・情報の保全、機器の落下防止 研究室;避難路 ( 出口 ) を確保して落下物から身を守る 図書;書架から離れる ホール他;落下物から身を守る エレベーター;最寄階で降り る 避難路の用意;ドア開け 書架の転倒 15) システム天井の照明器具の落 下 実験台の移動・薬品棚の転 倒 火気を使用中なら停止する
緊急対応、危険回避・自己防御 倒壊危険物か ら離れる 落下物を防 ぐ 転等・移動物を 避ける 火災避難;煙 緊急避難路を確保 一斉集中の回避 ● 迅速な初期消火 火災が拡大したらすぐ避難 煙、異臭、破壊音などを察知した ら、すぐ避難しましょう ● パニックにならないで緊急避難 大勢の人が一斉に出口や階段 に殺到すると危険です。落ち 着いて秩序正しく避難しま しょう 閉じ込められたら合図 を 落下破損物に 注意
共助活動 救助・捜索 初期消火;消火器 停電、断水、漏洩危険物、漏水 ( 滑り ) に注意 現場対応態勢 周辺状況確認、緊急避難・応急処置要否判 断 応急処置;止血、骨折処置、火 傷 クラッシュ症候群対応 重量物下敷き; DMAT 負傷者、閉じ込め、火災などの有無確 認 歩行困難者の搬送 1次トリアージュ;歩行の可否、心肺 機能 救護所 ソフト担 架 学生ボランティア ● 協力し合って応急救 護
指定場所へ退避 建築系 → 機械系 → 化学系 → 電気系 → 情報系 → 避難誘導ルート;階段移動ルール リーダー サブリーダー ● エレベーターは使わずに ● 避難は教員の指示に従っ て 緊急初動対応、状況確認 → 低層教室階へ 安否・不明者の確認 → 対策本部連絡 避難、待機;教室 階 5F-8 F 災害対策本部;2 F 救護、地域連 携 避難は 45 分以内を目標に ( 自家発電の容量制約 ) アトリューム・広 場
避難・誘導の留意点 引き続く余震 停電 漏水;滑り易さ 漏洩危険物 火災と燃焼ガス 落下・散乱物 障害者 負傷者搬送 救助チーム 落下・散乱物に注意 冷静に、秩序良く;オ・カ・ シ・モ お ( 押さない ) ・か ( 駆け出さない ) ・し ( 喋らない ) ・も ( 戻ら ない ) の厳守 階段等の混雑場所での譲り合い 災害弱者(負傷者,身障者,外国人等)への援助 裸足では避難しない(散乱したガラスで怪我) 手摺には過度に依存しない 足元に注意して(転倒物,ガラス等の散乱) 荷物は持たない エレベーターは使わない
災害に備える 訓練・役立つ備品など ラジオ ライト 飲料水 非常食 救急薬 ラップ 笛 消火器、消火栓確認 起震車体験 書棚などの固定 非常時の役割確認 非常時の対応行動確認
災害伝言ダイヤル