ICT を活用した地域の安全・安心につ いて 日本生活学会 生活情報化研究会 2010.03.03 三菱電機 ( 株 ) 中原 新太郎.

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ICT を活用した地域の安全・安心につ いて 日本生活学会 生活情報化研究会 三菱電機 ( 株 ) 中原 新太郎

目次 1.はじめに 2.なぜ、安全・安心と ICT なのか 3.自然災害と ICT :教訓と課題 4.重大事件と ICT :教訓と課題 5.総務省、自治体の取組 6.これからの安全・安心対応の ICT - 期待される公共ブロードバンド移動通信システム - 7.三菱電機のソリューション 8.まとめ 参考資料 [ 大安協と、その成果の御紹介 ] 参考文献

1.はじめに: 1995 年から 15 年 1995 年は平成日本の防災の一大エポック 自然災害 1/17 :阪神・淡路大震災 ( 大都市圏直下型地震 ) 事件・事故 3/20 :地下鉄サリン事件 ( 世界初の都市型毒ガステロ ) ↓ 課題先 進国 少子高齢化だけでなく、災害・事件についても日本は「課題先 進国」 ↓ 多発する災害に鍛えられた高度先進技術の応用と運用 ↓ 日本の経験と日本発の ICT による対策を世界へ提供 世界に貢献できるのは環境技術だけではない。 世界に提供できるソフトもゲーム・アニメだけではない。 対策:技術+人・組織の対応 ( ソフト )

2.なぜ、安全・安心と ICT なのか 社会環境の変化:災害の質の変化と劇場型事件の増加 ICT 技術の発達:一部の専門家の世界 → 利活用の多様化 ICT の活用がもたらすものは ?( 期待をこめて ) ICT をテコにしたコミュニティーの力の復活へ – 防犯カメラの活用 – 地域 SNS( ひょこむ、はまっち、大津 SNS 等 )/mixi のコミュニティ – 電子メールの活用など ICT をテコにした組織間の壁を打破した防犯体制へ – 学校、 PTA 、自治会、警察、地元企業などが瞬時にやりとりで きる – 作法を決めておく必要があるが、決めておけば、 組織の長を通さなくても、現場同士でやりとりできる

2.1.社会環境の変化 by 大安協 ( 一部加筆 ) 犯罪に対する住民の不安増大 –90 年代後半から犯罪認知件数は増大 – 犯罪件数: 95 年: 178 万件、 03 年: 279 万件、 08 年: 182 万件 – 検挙率: 95 年の 42.2% か。 03 年の 23.2% まで低下 – なお、 02 年からは改善、犯罪件数も 03 年がピーク(警察白書) 自治体財政の緊迫化 –ICT 活用によるコストダウンと選択による受益 –NPO 、コミュニティーと行政、産業界との連携 コミュニティーの力の衰退 – 核家族化 – 単身世帯の増加 ( 独身者、独居高齢者 ) –( 自営ではない ) 共働きの増加 – 近所の気配のしない住宅 ( 気密性増大、壁の遮音性向上、高層住 宅 ) –→ 不安な状況の進展に対し、コミュニティーの力が発揮できない

2.2.技術の発達と社会構造 by 大安協 ( 一部加筆 ) ICT の発達と普及 – パソコンの普及 – インターネットの普及 –RFID( 無線 IC タグ ) の進化と普及 – 通信容量の増大と低廉化 – モバイル通信・機器の普及 – カメラ、センサー、表示装置の低廉化 –GPS などの位置情報測定技術:高度化と低廉化 –GIS( 地理情報システム ) :同上 社会の組織構造の変革 – 地域社会に混在する性格の異なる組織間の連携構造 =多様な主体が安全・安心まちづくりという目的で結集 できる – 既存の縦割り型情報システムの壁を撤廃するポテンシャル – 組織の壁を超える動き 技術スタッフとしての NPO などの発達 ( 地域 SNS/IX 、 FM 局の運 用 )

2.3. 縁 by 大安協 縁 ( しょくえん ) =地縁=コミュニティ =地面に打つ「くい」 志 (1) =こころざし 志 (2) =しるし 幟 ( のぼり、シ ) =志 (2) 織縁=同じ企業や NPO に属する 職縁=同じ仕事をしている 識縁=同じことに興味がある 幟縁 ( しえん ) = ICT の支援で結集できる同じバ ナー ( 幟 ) のもとに集う ( この指とまれ ) ソサエティ 近世まで縄張りといえば、地縁中心主義 のことだったが、近代は縄張りに対する 横串 だったはずの職能系列などを縦割りと呼 ぶ

3.自然災害と ICT :課題と教訓 災害発生の度に、その教訓と ICT 進歩で、対応が進化 ・ 1995 年:阪神・淡路大震災 → パソコン通信+スニーカーネット ( 死者: 6,434 名 行方不明者: 3 名 負傷者: 43,792 名 ) 課題・教訓:電話の輻輳、安否確認・生活情報提供の必要性 ・ 2004 年:新潟県中越地震 → 緊急地震速報、 GIS 、無線 LAN 課題・教訓:速報システム、映像情報の重要性認識 ( しかしシステム貧 弱 ) ・ 2005 年:スマトラ沖地震 → 特定非営利活動法人 BHN(Basic Human Needs 1992 年設 立 ) を経由した業界団体 (CIAJ) 主体の支援 ( 通信業界 OB からなるスタッフを派遣、救援チームのための無線 通信網と被災者のための FM 放送局構築 +FM ラジ オ 16 千台寄贈 ) 課題・教訓:日本の社会システムは世界に通用、人というソフトの強 さ ・ 2007 年:新潟県中越沖地震 → 緊急地震速報、 BCP( 事業継続 )(← リケン工場被害 ) 、 コミュニティ FM ( 日経地域情報化大賞 2007 特別賞 ) ( 部品工場被災、死者 15 名 負傷者 2345 名 ) 課題・教訓:複数機関 ( 警察・消防・防衛・県庁 ) での情報共有 の重要性 ・ 2009 年:台風 9 号 → 地域 SNS 、 SNS コミュニティ ( 兵庫県の佐用町、穴粟市中心に多数の家屋が床上浸 水、倒壊 ) 課題・教訓: SNS によるコミュニティ力回復で被害の局限化 / 復旧加 速

3.自然災害と ICT :課題と教訓 ( まとめ ) 発生直後は 多 ( 被災地 )→ 一 ( 首長 ) の情報集約 次いで 多 ( 指揮命令 )→ 多 ( 被災地現場部隊 ) 復興時は 一 ( 公的機関 )→ 多 ( 被災者 ) の情報提供 と時期により、情報伝達の形態が異なる。 また、情報伝達の形態により、最適な通信システムも異なる 映像情報 ( 特に現場からのもの ) の有用性と、 複数機関 / 組織 ( 警察・消防・防衛・県庁 ) での情報共有の重要 性 しかし、緊急時に実際に使える通信システムは少ない。 通信インフラの重要性の再認識:被害の局限化に必須。 ↓ 復旧の加速にも寄 与。 途切れない通信網への期待 国際貢献としてのソフト ( 人 ) も含めたシステムの提供

4.重大事件・犯罪防止と ICT :課題と教 訓 1995 年:地下鉄サリン事件 1999 年:京都市立日野小学校児童刺殺事件 2001 年:大阪教育大学附属池田小学校事件 2008 年:秋葉原通り魔事件 教訓:映像監視の大切さ ( プライバシー保護のバランスの学習 ) 対策 不審者情報の提供 (HP/ メール ) 監視カメラの設置 ( 目的は監視のみならず、威嚇による犯罪抑制効果 も )

5.総務省・自治体の取組 情報通信審議会情報通信技術分科会公共無線システム委員会公共ブロードバンド移動通信システムの技術的条件 案 5.1.非常災害対応のための関係機関の重要通信網の現状

主な対応機器:防災情報システム by 総務省

参考:防犯カメラのネットワーク利用 by 大安協

参考:子どもの登下校見守り実証実験 by 大安協

参考:ユビキタス街角見守りロボット by 大安協

参考:総務省地域安全安心情報共有システム by 大安協

大阪の先進事例 ( 大安協 ) 門真市PTA協議会「セーフティネットワークシステム」