オリオン星形成領域における 前主系列星の X 線放射の 長期的時間変動 京大理 ○ 兵藤 義明 中嶋 大 高木 慎一郎 小山 勝二 2004 09/23 天文学会 秋季年会 P39a もくじ  星の長期的変動  今回行った解析  まとめ.

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オリオン星形成領域における 前主系列星の X 線放射の 長期的時間変動 京大理 ○ 兵藤 義明 中嶋 大 高木 慎一郎 小山 勝二 /23 天文学会 秋季年会 P39a もくじ  星の長期的変動  今回行った解析  まとめ

星の長期的変動  主系列星については数年程度の周期的な 変動が知られている ↑ 自転の微分回転による磁場活動  前主系列星については分かっていない ↑ 太陽とよく似たフレアを起こす ← CaII line 強度 HD81809( 主系列 ) 太陽

宇宙のクリスマスツリー 前主系列星でも X 線を放射している 頻繁に flare を起こす ← 激しい磁場活 動 30″ keV keV keV Chandra による 5000 秒ごとの image

可視 20′ オリオン星形成領域 近い:~ 450pc 若い:~ 1Myr 明るい前主系列星が密集:~ 1600 個 /17’×17’ 明るい前主系列星が密集:~ 1600 個 /17’×17’ 観測回数が多い: Chandra,XMM-Newton で 4 回ずつ 5° X-ray 5′ keV keV keV Chandra

解析方法  各観測において 1bin が 5000 秒の light curve を作り constant model で fitting し、 1. 棄却される確 率が 99% 以下なら、 静穏時 とみなす 1. 棄却される確 率が 99% 以下なら、 静穏時 とみなす 2. 棄却されたら、 count rate が大きい bin からきっていく 2. 棄却されたら、 count rate が大きい bin からきっていく × ×  静穏時のスペクトルを抽出し、 model fitting によ り、温度と flux を求める 秒 Counts/s

I258 の各観測の光度曲線 10 30(ks) '01-03 XMM-Newton 30 60(ks) 10 30(ks) 20 40(ks) 10 30(ks) 10 20(ks) (ks) (ks) '01-10 XMM-Newton '03-03 XMM-Newton'03-09 XMM-Newton '99-10 Chandra '00-01 Chandra '00-04 Chandra '03-01 Chandra  1bin は 5000 秒  XMM-NEWTON は MOS1 と MOS2 を足したもの

I 258 のスペクトル  classIII の前主系列星  質量:~ 0.15Msun 極大時 極小時 スペクトルの形は変化していない としても consistent 8 つのスペクトルを N H =4.8×10 21 cm -2, kT=0.64keV の熱的 plasma モデルでフィット → 放射機構は変化なし? Chandra XMM-Newton MOS1,MOS2,P N Flux [erg/cm 2 /s] flare 時 kT=1.2keV

静穏時の光度曲線 縦軸は keV の flux [erg cm -2 s -1 ](log スケール ) 横 軸は観測した年 I211a I225 I I × hy3hy12hy15 hy19

I147:NH=4.8×10 21 cm -2, kT=2.5keV の熱的 plasma モデルでフィッ ト I211a:NH=9.6×10 21 cm -2, kT=2.8keV の熱的 plasma モデルでフィッ ト スペクトルの形に変化なし

まとめ  前主系列星の長期的変動を初めて発見した  flux は変わっているがスペクトルの形に変化 なし → 放射機構は変化していないようだ → 放射機構は変化していないようだ さらに現在解析継続中 …