X線CTと中性子線CTボリュームデータの 3次元位置合わせ 1.研究背景 2.中性子線CT,X線CTおよ び試料計測について 3.相互情報量(MI)最大化を用 いた3次元位置合わせ 4.終りに,および今後の課題 中性子イメージング専門研究会 2011年1月7日 和歌山県工業技術センター ○徳本真一
和歌山県工業技術センター http://www.wakayama-kg.go.jp/ 組織 研究開発 試験・分析 相談・指導 研 修 食品産業部 生活・環境産業部 機械金属産業部 化学産業部 電子産業部 薬事産業部 副所長(事務) 所長 企画総務部 機械金属産業部 副所長(技術) 政策調整課 技術企画課 相談・指導 研究開発 試験・分析 研 修 情報提供 和歌山の産業 ニット、パイル織物 染色・繊維織物・衣料縫製品 家庭用品、プラスチック 機械・金属、鋳物 化学 漆器、家具・建具 皮革 果物、その他農産物 etc
機械金属産業部業務
1.研究背景 非破壊での物体内部計測 超音波探傷 磁粉探傷 X線検査 測定対象物の表面の傷や内部の状態(傷,ヒビ,巣など)を観測
産業用X線CTスキャン TOSCANER 24200AV TOSCANER 24200AV 産業用X線仕様 スキャン:トラバースローテーション方式(第2世代) X線出力: 400kV,透過限界 鉄100mm,アルミ 300mm スライスエリア: φ150mm,φ300mm,φ600mm 可変 スライス厚: 1.0mm,2.0mm,4.0mm 可変 再構成画素: 512×512 or 1024×1024 or 2048×2048 スキャンモード: nomal(fast) or fine(slow) ful(360) or half(180) ・鋳物等の金属物体の内部欠陥 ・柔軟物の内部変形 ・樹脂プラスチックなどの内部変形 比重が大きな物質(金属等)が多ければ多いほど撮影が困難となる
中性子線による計測 京都大学原子炉実験所 中性子線とは・・・・・粒子線.原子核を構成する粒子電荷が0で電磁気力の影響は小さく,透過性が高い.しかし,水素に対して感度が高い. 原子番号と質量減衰係数の関係 X線と中性子線は相補的関係
相互情報量(MI)最大化を用い,X線CTと中性子線CTの3次元データの位置決め技術の開発を行う 金属部品の中に水等の液体を利用する物体の計測に,中性子線は有効である 金属物にコントラストを持つ 水などにコントラストを持つ X線 中性子線 高度で高精度な解析に利用 本研究では... 相互情報量(MI)最大化を用い,X線CTと中性子線CTの3次元データの位置決め技術の開発を行う
2.中性子線CT,X線CTおよび試料計測について 2.中性子線CT,X線CTおよび試料計測について 風鈴(黄銅) 高さ:10cm 直径:7.6cm 厚さ : 約 5mm 木片 : 厚さ 約 6mm
HANARO・NR port 中性子線CT 試料位置中性子束:6 x 106 n/cm2/sec 画像取得時間: 12 sec/image 1CTあたり200画像
産業用X線CT X線CTスキャナTR方式のデータ収集法 産業用X線仕様 スキャン:トラバースローテーション方式(第2世代) X線出力: 400kV,透過限界 鉄100mm,アルミ 300mm スライスエリア: φ150mm,φ300mm,φ600mm 可変 スライス厚: 1.0mm,2.0mm,4.0mm 可変 再構成画素: 512×512 or 1024×1024 or 2048×2048 スキャンモード: nomal(fast) or fine(slow) ful(360) or half(180) Turn Table X-ray Source Detector 投影データ 収集 前処理 画 像 再構成 CT断面像 CRT スライス厚 トラバース ローテーション α角度割り出し 多チャンネル検出器(176) X線ファン角 α(30°) X線管 X線CTスキャナTR方式のデータ収集法
X線CTボリュームデータ 中性子線CTボリュームデータ X線CT断層データ 中性子線CT断層データ
3.相互情報量(MI)最大化を用いた3次元位置合わせ ある情報を知った時,別の情報に関して得られる情報量 相互情報量(MI)とは... ある情報Aと別の情報Bが共有する情報量の尺度 H(A|B) H(B) H(A) H(B|A) MI(A,B) H(A,B) Aを知った時 Bに関して得られる情報量 Bを知った時 Aに関して得られる情報量 相互情報量が小さいほど 事象A,事象Bは独立 相互情報量が大きいほど 事象A,事象Bは依存性が高い エントロピー: n個の事象が確率p1,p2,・・・,pn で発生するものとするとき,どれが発生したかの不確定さを表す尺度
画像への適応 A,Bを確率変数とする時... 事象A,Bが同時に起こる確率分布と 差を測る量。 独立であれば0となり,依存するほど、大きな値 画像への適応 2枚の画像が正しくレジストレーションされた時に、 対応する画素の統計的な依存性が最大になる。 画像Aの濃淡 画像Bの濃淡 Joint histgram 確率分布にヒストグラムを利用 ヒストグラム 周辺確率分布 結合確率分布 ジョイントヒストグラム 2枚の画像が正しくレジストレーションされた時に、 MIは最大となる
位置合わせ前 位置合わせ後
X線CTデータ 中性子線CTデータ
X線CTデータ 中性子線CTデータ
今後の課題 4.おわりに,および今後の課題 ・X線CT,中性子線CTで試料の計測を行った 4.おわりに,および今後の課題 ・X線CT,中性子線CTで試料の計測を行った ・両CTにより計測したデータを,相互情報量(MI)最大化を用いて位置合わせを行い,位置決めが可能であることが分かった 今後の課題 ・さらに様々な試料にて検証 ・位置決めの計算時間の短縮 ・内部が不鮮明または,アーチファクト等のノイズが大 きい場合の位置決め精度について検証 ・仮想モデル(ファントム)でのシミュレーション検証の実施