ヒートポンプによる冷暖房の原理 物理化学III http://tethys.shinshu-u.ac.jp/?pc3.

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製販体制 ■ 地区販売会社 北日本電線㈱、北陸電気工事㈱、 ㈱トーエネック、 中国電機製造㈱、 四変テック㈱、㈱菱熱、㈱日本イトミック ■ 全国販売会社 ㈱ネスター及、㈱日本サーモエナー、㈱関電工 ■ 製造および販売 ㈱イトミック環境システム ※ 2004 年 12 月 28 日、製造元の㈱西淀空調機が民事再生を申請し、
電動式冷凍機の構造 電動式冷凍機の構造 建築環境工学・建築設備工学入門<空気調和設備編>建築環境工学・建築設備工学入門<空気調和設備編> 1 [ Last Update 2015/04/30 ]
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地球温暖化.
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13 室内空気環境 ○気温、気湿:アスマン通風湿度計 ○カタ冷却力:カタ温度計(カタ係数÷カタ温度計が38℃から35℃に下降するまでの時間)
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気体の熱的挙動 KANO 気体の挙動.
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2009年7月2日 熱流体力学 第12回 担当教員: 北川輝彦.
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
厚生労働省 ラベル表示を活用した労働者の教育推進事業 委託先 株式会社三菱化学テクノリサーチ
回収フロンの再利用 新聞発表 6月25日 上野 雅史 坂中 遼平 松崎 翔太朗 河原塚 裕美.
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これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
熱量 Q:熱量 [ cal ] or [J] m:質量 [g] or [kg] c:比熱 [cal/(g・K)] or [J/(kg・K)]
エアコンで使われるヒートポンプ <ヒートポンプのなぞ>
コージェネレーション(ヒートポンプ編) 基礎知識.
13 室内空気環境 ○気温、気湿:アスマン通風湿度計 ○カタ冷却力:カタ温度計(カタ係数÷カタ温度計が38℃から35℃に下降するまでの時間)
イミダゾリウム系イオン液体(3)ー分子性液体(2)混合溶液の二酸化炭素溶解度(1)
代表的なフロン類の特徴 フロン類の概要 ウレタン発泡用途は2003生産中止 スチレン発泡は2010生産中止
空気の熱の利用<ヒートポンプは省エネルギー>
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
2009年6月18日 熱流体力学 第10回 担当教員: 北川輝彦.
K2 = [ln K] = ln K2 – ln K1 = K1.
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ヒートポンプによる冷暖房の原理 物理化学III http://tethys.shinshu-u.ac.jp/?pc3

高温源から熱を取り出して仕事として使う (カルノーサイクル) A→B 等温膨張 熱|qh|を吸収 B→C 断熱膨張 温度が下がる C→D 等温圧縮 熱|qc|を放出 D→A 断熱圧縮 温度が上がる T A B D C S 東京化学同人 アトキンス「物理化学」上

仕事を加えて熱を低温部から高温部へ移す (逆カルノーサイクル) A→D 断熱膨張 温度が下がる D→C 等温膨張 熱|qc|を吸収 C→B 断熱圧縮 温度が上がる B→A 等温圧縮 熱|qh|を放出 T A B D C S 東京化学同人 アトキンス「物理化学」上

ヒートポンプによる冷暖房 <冷房時> 実際には凝縮も利用 <暖房時> 熱を吸収: 断熱膨張+気化熱 熱交換器 実際には凝縮も利用 熱を吸収: 断熱膨張+気化熱 熱を発生: 断熱圧縮+液化熱 <暖房時> 図は(株)ヤンマー HPより http://www.yanmar.co.jp/products/energy/GHP/

冷媒(循環ガス)について 冷媒に求められる性質 化学的に安定で、目的の温度(通常は室温)に近い温度で 状態変化(液体⇔気体)する かつてはフロンが用いられた(1995全廃) CCl2F2(CFC-12) b.p.-29.8℃ C2F3Cl3(CFC-113) b.p.47.6℃ 用途 … 冷媒、半導体の洗浄、発泡剤、噴射剤  代替フロンが代わって用いられているが C2F4H2(HFC-134a) b.p.-26.5℃ 炭化水素系冷媒 (CH3)3CH (イソブタン) b.p.-11.7℃ 水や吸着現象の利用など オゾン層破壊の原因に 温室効果あり 引火、爆発性