観測手法と望遠鏡の 仕様について 矢野太平(理研) ●大角度はなれた同時サーベイについて ●サーベイ方法について ●観測精度について ●衛星光学系について 矢野太平(理研)
Introduction JASMINEでは銀河面及びバルジのサーベイをおこなう計画である。以上の目標を達成するためのサーベイ方法や観測方法、更には目標精度達成のための光学系の仕様を紹介する。
大角度離れた同時サーベイについて 1.年周視差の見積もり 2.衛星回転則と星の位置との分離 以上のため大角度はなした2方向を同時に観測し2方向を含む平面内で回転させ、サーベイする必要がある。 ⇒大円上を回転しながらサーベイし、回転方向に観測精度が得られる。
JASMINEの概観
銀緯±3.5°内を銀河面サーベイするため銀極から3.5°傾けた軸周りに自転させながら歳差運動させる。 サーベイ方法 銀緯±3.5°内を銀河面サーベイするため銀極から3.5°傾けた軸周りに自転させながら歳差運動させる。
JASMINEは銀河面サーベイを目指しているが、銀河面と黄道面は交わっているので銀河面に太陽が入ってくる時がある。 観測可能期間 JASMINEは銀河面サーベイを目指しているが、銀河面と黄道面は交わっているので銀河面に太陽が入ってくる時がある。 この時、銀河面とは異なる大円サーベイをおこなう。
太陽が銀緯±45°以内に入ると銀河面サーベイを止める。 ⇒年間のうち50% 観測可能 銀河面と黄道面の関係 太陽が銀緯±45°以内に入ると銀河面サーベイを止める。 ⇒年間のうち50% 観測可能
●ある天体に対し、2つの大円 ●サーベイ方向への1次元データ圧縮 この時、銀緯方向に どれだけの精度が 得られるか? 銀緯方向の精度の見積もり ●ある天体に対し、2つの大円 ●サーベイ方向への1次元データ圧縮 この時、銀緯方向に どれだけの精度が 得られるか?
銀緯方向の精度の見積もり 銀経方向の観測精度の10倍程度悪くなるだけですむ(10kpc先での固有運動の誤差5km)。 ただし年周視差に関しては問題ない。 明るい星に対しては2次元データを取る計画である。そのデータにより銀緯方向の精度向上を目指す。さらに、銀河面サーベイできない期間を利用し銀緯方向のサーベイにより、精度向上を目指す。
光学系 JASMINEの仕様 口径 2m 焦点距離 65m(K-band) 130m(z-band)
検討している光学系 1.Ritchey-Chretien系 2.Korsh系(3-mirror system) (1)焦点引出し量が小さい場合 (2)焦点引出し量が大きい場合 (3)補正レンズ 2.Korsh系(3-mirror system) (1)像面が平坦な場合 (2)像面に曲率を許した場合
検討している光学系 1.Ritchey-Chretien系 2.Korsh系 (1)焦点引出し量が小さい場合 像面湾曲 (1)焦点引出し量が小さい場合 像面湾曲 (2)焦点引出し量が大きい場合 折りたたみの困難 (3)補正レンズ 色消しの困難 2.Korsh系 (1)像面が平坦な場合 有力候補、中心視野欠落 (2)像面に曲率を許した場合 有力候補、中心視野欠落
Korh系
スポット図(Korsh系1)と視野 図13 K1のスポット図 図15 K1の視野
スポット図(Korsh系2)
まとめ ●一次元圧縮したデータのみでも銀緯方向に対する観測精度は銀経方向の10倍程度悪くなるだけですみ、サイエンスには充分。年周視差は問題なく求まる。 ●光学系はKorsh系が有力候補となっている。現在は視野欠落のないKorsh系を検討中である。