農業部門の改革 世界の7%の耕地で、世界の22%の人口を養う(可耕地面積は国土の10%) 改革開放以前 「食糧を要とする」

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第 13 章 制度設定の変更が必要な 社会保障制度. 社会保障制度の重要性と それに対する根強い不安感 不景気の一因 不景気の一因 1997 年以降 かつてない不況 原因 ① 消費税率の引き上げ 原因 ① 消費税率の引き上げ ② タイや韓国を中心とした アジアの通 貨危機 アジアの通 貨危機 ③ 山一證券の経営破綻に代表さ.
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人口 1949 年 5 億 4167 万人 自然増加率 49 ~ 58 年 人口の年平均増加率 2.3 % 馬寅初『新人口論』 → 毛沢東が批判 大躍進の失敗 60 年 - 4.57 ‰ 62 年からベビーブーム 64 年計画生育委員会 産児制限 → 文革で活動停止 73 年 「晩 稀 少」 毛沢東の死(
人口 1949 年 5 億 4167 万人 自然増加率 49 ~ 58 年 人口の年平均増加率 2.3 % 馬寅初『新人口論』 → 毛沢東が批判 大躍進の失敗 60 年 - 4.57 ‰ 62 年からベビーブーム 64 年計画生育委員会 産児制限 → 文革で活動停止 73 年 「晩 稀 少」 毛沢東の死(
井手 鑑人 岡村 佳祐 中嶋 仁 橋本 佳奈.  生活水準の向上には、物価上昇しないことが関係  衣料費の場合 ファストファッションブランドが多数誕生  その背景には 安価 安価 良質 安い労働力を提供する中国などの発展途上国が役割担う安い労働力を提供する中国などの発展途上国が役割担う.
少子高齢化社会と年金 澤崎 下村 戸田 山川 中京大学総合政策学部 大森ゼミⅱ. 労働力の枯渇 生産年齢人口の減少 参照 平成 25 年度総務省「人口統計」 現状 高齢者を労働力として活躍させよう.
食物自給率の向上 無駄のない社会を目指して 農業クレジットカードの提案. 問題点 自給率はカロリーベースで 40% 、生産額ベースで 66% ( H19 年度・農林水産省) 農業就業人口 299 万人のうち 60% は 65 歳以上 田面積は 252 万 ha 、作付面積は 162 万 ha (生産調整)
制度経済学Ⅰ ①. 制度経済学とは何か 制度 institutions 最も根本的な制度は・・・・ 言語、法、貨幣 いずれも経済、そして経済学に関係する それらなしに、経済は成立しない.
なぜ貧しい国はなくならないのか 第4章 飢餓は是が非でも避けた い 堀佑太. 第1節 経済発展と農業問題 第一の農業問題 食糧不足 人口増加により未開の耕地が減少、また畑の休閑 期間が短くなり、土地の肥沃度が減少する にもかかわらず、生産性を上げる技術が開発され ないと食糧不足が起こる.
~国民経済的な視点から見た社会保障~ 2000/6/14 木下 良太
農業部門の改革 世界の7%の耕地で、世界の22%の人口を養う(可耕地面積は国土の10%) 改革開放以前 「食糧を要とする」
最低賃金1000円の是非.
重不況の経済学 第3章1節 前半 09BA390L 山村美帆.
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第16章 総需要に対する 金融・財政政策の影響 1.総需要曲線は三つの理由によって右下がりである 資産効果 利子率効果 為替相場効果
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5 国際貿易の構造と理論 ーーグローバル化と貿易理論ーー
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<キーワード> 生産関数、労働、資本 限界生産物
日本の農業の問題点 1126599c 野喜崇裕.
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民営化とグローバリゼーション 国家の役割は何か.
GDPに関連した概念.
2004年度入門経済学2A 担当教員:奥井克美.
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中国における格差問題及び消費動向 4年8組 番 呉仁強.
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公共政策大学院 鈴木一人 第7回 政治と経済の関係 公共政策大学院 鈴木一人
政府活動報告のポイント~和諧(調和のある)社会・世界の構築~
計画の制度化 = 交通サ-ビス向上に資する ハ-ド施策とソフト施策の(最適)組み合わせ
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東アジア文化論(11/6) 『成長するアジアと日本の位置づけ』.
農村部の貧困問題 1978年の中国の一人当たりGDP340㌦ 12年で6071㌦→ただし13億の人口と所得格差
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稲葉ゼミ第二回書評 「データブック 食料」西川 潤 岩波ブックレット (2008年8月6日発行)
デフレ・スパイラル 2009年以降の事例から 長谷川 正
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「ベトナムにおける協同組合とマイクロインシュアランスを活用した保険市場開拓の可能性」
中国の石油戦略 張世鎬.
国際分業と途上国の経済 先進~後進国関係の背景
世界の農業 世界国勢図会2002/2003 単位 米国 ドイツ フランス 日本 ブラジル インド 中国 世界 陸地 1000km2
第8回講義 マクロ経済学初級I .
Maertens and Swinnen (2009) “Trade, Standards, and Poverty: Evidence from Senegal” World Development 37(1): 報告者:有本寛 2009/12/9.
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日本の経常収支黒字  → 外国に失業輸出? 高齢化の進展 → 日本の国内貯蓄超過の減少         → 日本の経常収支黒字は減少へ.
財市場               マクロ班 Congratulations! 財市場.
経済の状況と投資のチャンス.
労働市場 国際班.
古典派モデル(1) 基本モデル 生産要素市場の均衡(労働市場,資本市場) 生産関数 消費関数,投資関数 財市場の均衡 政策の効果
計画と市場の比重 計画>市場 計画=市場 計画<市場
厚生白書 人口減少社会の到来と少子化への対応 971221 波多野宏美.
80年代のアメリカ経済 現代資本主義分析.
Presentation transcript:

農業部門の改革 世界の7%の耕地で、世界の22%の人口を養う(可耕地面積は国土の10%) 改革開放以前 「食糧を要とする」 改革開放以前 「食糧を要とする」 食糧生産 53年(1億6683万㌧)→77年(2億8273万㌧)          (年平均増加率は1.9%) 人口 53年 5億8796万人→77年9億4974万人 一人当たり食糧生産高  66年 287kg/人 76年 297kg/人 毛沢東「消費する口は1つだが生産に携わる手は2つ」       (人口資本説)、 「新人口論」を提出した馬寅初を批判

請負制の導入 (建前として)土地は共同所有 人民公社が一括して管理→請負制の導入 労働力あるいは家族数に応じて農地を分割   労働力あるいは家族数に応じて農地を分割  政府への農業税(全国平均で正常生産量の15.5%)と義務供出量を農地ごとに割り付け、請け負わす  82年には人民公社の解体正式決定(第5期全人代第5回会議)  請負期間 当初は2~3年(収奪農業に)→15年→30年に

買い上げ価格の引き上げ 義務供出分については20%引き上げ 超過分についてはさらに50%上乗せ(1.8倍に) 以前の価格 20% 超過分 50%

買い上げ価格の引き上げ 農産物買い上げ価格の引き上げ⇒豊作、販売価格は小幅な上げ→財政赤字 84年から義務供出の廃止→契約買付  (契約以外は自由市場で販売)  (食糧問題からの脱却)  供給が増加し、自由市場での価格が下がる→食糧生産が少なく(徘徊) 食糧価格上昇⇒食糧生産が増加

三農政策の移り変わり 農業、農村、農民 改革開放前 農業から工業への資本移転の制度化、土地の資源制約、働くインセンティブの欠如 →農業の停滞、農村の疲弊、農民の貧困化 改革開放後 農家自身の判断で農業経営 郷鎮企業 労働移動 農業増産、農村繁栄、農家増収

「工業をもって農業を促進し、都市をもって農村を牽引する」 「大いに与え、少なめにとり、規制を緩和せよ」 85年以降 戸別経営と市場化の矛盾 (82~86年 1号文件農業、農村問題、 その後17年間扱われず、政府の失策) 胡錦濤・温家宝政権後 「工業をもって農業を促進し、都市をもって農村を牽引する」 「大いに与え、少なめにとり、規制を緩和せよ」 農業税の廃止、農村義務教育の無償化、新型農村合作医療制度・低所得者生活保障制度・新型農村社会養老保険制度・食糧農家への直接支払い制度の導入・普及、道路・文化施設等への財投拡大

国民経済における三農の位置づけ 計画経済期 進んだ工業と遅れた都市化 改革開放期 78年→14年 第一次産業のGDPおよび就業者割合 計画経済期 進んだ工業と遅れた都市化 改革開放期 78年→14年  第一次産業のGDPおよび就業者割合    28.2%→4.8%、70.5%→29.5%  総人口に占める農村人口(14年)                            82.1→45.2%、   農業戸籍人口(08年)     84.2→67.4%

農業と農村の役割 ①農産物の供給、投資拡大の原資の調達 ②90年代前半まで農産物貿易は黒字 ③農村からの安価な労働力の供給 ④工業製品の消費市場 ⑤農村から都市への資金移動

食糧の増産・工業製品の市場 82~08年生産者価格年平均6.2%の伸び (96年以降10年間は上がらず) 78~13年総人口41.4%増、食糧生産97.5%増 (85~13年人口28.6%増、食糧生産58.8%増) 消費財の普及 生産財の普及は遅れていたが、僅かづつだが普及に転じる

2 経済成長の礎石としての農業と農村 (2)賃金財である食糧の増産 2 経済成長の礎石としての農業と農村   (2)賃金財である食糧の増産

食糧~8年連続5億㌧超 2014年は6億710万㌧

2 経済成長の礎石としての農業と農村 (3)工業製品の市場としての農村 2 経済成長の礎石としての農業と農村 (3)工業製品の市場としての農村 2014年 115.6 215.0 74.8 77.6

農業の成長要因 アジア的農業(フロンティアの消滅) 非農業用地への転用が規制(しかし問題も) 収量の増加 *83~06年で作付面積1割超減少したが、食糧の総生産量は3割近く増加 *ときには行政指導も   たとえば食糧生産の省長責任制

『中国統計年鑑2013』p.449

2013年の耕地面積 耕地面積 1億3516.34万ha 減少した耕地面積35.47万ha 違法な用地行為は8.1万件(3%減)で、4.1万 ha(0.7%減) (『中国信息報』2015年4月24日)

農家所得・消費 所得 ①現金収入が増加 ②郷鎮企業の増加~兼業の割合が増加 ③出稼ぎ送金の増加 消費 ①エンゲル係数の低下 ②肉類・嗜好品の増加

4 家計調査にみる農家経済の姿 (1)農家所得の構造変化 4 家計調査にみる農家経済の姿  (1)農家所得の構造変化

4 家計調査にみる農家経済の姿 (2)消費構造の高度化 4 家計調査にみる農家経済の姿 (2)消費構造の高度化

中国農村・農業の行方 ①食糧の自給率95%以上を保持できるか ②都市農村間の所得格差を是正できるか (社会保障も含めて)  (社会保障も含めて)  農村から都市への人口移動の自由化  一方で農村の高齢化と低学歴化がすすむ ③農民の政治的権利をどこまで保障するか