蒸気養生を行なった高炉セメントコンクリートのスケーリング評価に関する検討 161006 安司 聖史 161148 中野 友則
背景ー1 コンクリートのスケーリング劣化 1991年スパイクタイヤの全面使用禁止の法制化 冬期間における融雪剤の散布量増加 背景ー1 1991年スパイクタイヤの全面使用禁止の法制化 冬期間における融雪剤の散布量増加 融雪剤と気象作用による凍結融解の繰返し まず背景としまして、1991年、スパイクタイヤの全面使用禁止の法制化により、冬期間における融雪剤の散布量が飛躍的に増加しています。それに伴い、融雪剤と気象作用による凍結融解の繰り返しにより、表層の剥離いわゆるスケーリング劣化が起こります。 コンクリートのスケーリング劣化
背景-2 高炉スラグ微粉末を混和した高炉セメント 工場製品としての用途拡大も期待 工場製品はおもに蒸気養生で作られる 背景-2 高炉スラグ微粉末を混和した高炉セメント 工場製品としての用途拡大も期待 工場製品はおもに蒸気養生で作られる 蒸気養生を行った高炉セメントコンクリート を用いた工場製品は希少である
目的 蒸気養生を行った高炉セメント コンクリートのスケーリング劣化 凍結融解試験 高炉セメントコンクリートの 耐久性および美観
実験概要
コンクリートの示方配合 フレッシュ性状 Gmax Slump W/C Air s/a Unit Content(kg/m³) (mm) コンクリートの示方配合 Gmax Slump W/C Air s/a Unit Content(kg/m³) (mm) (cm) (%) W C S G AE剤 水中養生 20 10±2.5 55 5.0 45 172 313 813 1049 0.844 蒸気養生 0.969 808 1043 1.09 1.19 普通ポルト ランドセメント (OPC) 高炉セメント B種 (BB) フレッシュ性状 OPC55(水中) スランプ=12cm 、 Air=4.5% OPC55(蒸気) スランプ=9.5cm 、 Air=4.4% BB55(水中) スランプ=10.5cm 、 Air=4.6% BB55(蒸気) スランプ=11.0cm 、 Air=5.0%
養生方法 水中養生 (RILEM-CDF) 蒸気養生 打設 水中養生 気中養生 前浸漬 蒸気養生 水中養生 凍結融解試験 7日間 21日間 養生方法 水中養生 (RILEM-CDF) 水中養生 7日間 気中養生 前浸漬 打設 21日間 7日間 蒸気養生 水中養生 1日間 6日間 凍結融解試験 蒸気養生 30日(60サイクル)
蒸気養生の温度履歴 温度一定 4h 昇温 20℃/h 降温 前養生 4h 4.5℃/h
凍結融解試験方法 凍結融解試験 :RILEM-CDF(1998)に準じた毛管浸透法 凍結融解サイクル :1日2サイクルで60サイクルまで 凍結融解試験方法 凍結融解試験 :RILEM-CDF(1998)に準じた毛管浸透法 凍結融解サイクル :1日2サイクルで60サイクルまで 試験温度範囲 :+20℃~-20℃ 試験溶液 :3%のNaCl水溶液 断熱材
測定方法 スケーリング量測定方法 試験供試体形状(円柱供試体) φ150mm エポキシ樹脂 100mm 6サイクル毎に剥離したコンクリート片を回収し、供試体 断面積で除した値をスケーリング量として算出 試験供試体形状(円柱供試体) φ150mm エポキシ樹脂 100mm
粗骨材露出面積の測定 スケーリング劣化により 粗骨材が露出 画像解析ソフトにより、 粗骨材の面積を測定
凍害 コンクリート中の水分 凍結による膨張 融解による収縮 ひび割れ発生
実験結果
圧縮強度試験結果 材齢 28日 材齢 35日 材齢 1日 材齢 7日 ほぼ一定 水中<蒸気 OPC55>BB55
スケーリング量 BB>OPC BB 蒸気 蒸気>水中 水中 蒸気≒水中 OPC
水中 蒸気 OPC55 BB55 粗骨材上のモルタル部が剥離 60cycle 36cycle 48cycle 24cycle 12cycle 水中≒蒸気 粗骨材の 露出が顕在 水中<蒸気 全体的にモルタル部が剥離 7.31% 4.65% 6.23% 4.30% 3.27% 7.87% 6.46% 3.92% 4.80% 4.34% スケーリング劣化 11.37% 6.42% 8.04% 2.72% 5.14% 9.45% 18.27% 25.18% 21.46% 17.78%
微細ひび割れ BB55蒸気 蒸気養生 微細ひび割れが 発生 粗骨材が多く露出
まとめ
粗骨材露出面積率は、高炉セメントコンクリートを蒸気養生することにより、粗骨材の露出が顕著に見られ、美観上の問題となりうる結果となった。 まとめ 高炉セメントコンクリートは、普通セメントコンクリートよりスケーリング抵抗性が劣り、また、スケーリングに及ぼす養生の影響は、蒸気養生は水中養生に比べスケーリングしやすい傾向にあった。 粗骨材露出面積率は、高炉セメントコンクリートを蒸気養生することにより、粗骨材の露出が顕著に見られ、美観上の問題となりうる結果となった。
今後の展望 今後は、各コンクリート表面部分の気泡性状 および塩分浸透性に関する評価を行い、セメント 今後の展望 今後は、各コンクリート表面部分の気泡性状 および塩分浸透性に関する評価を行い、セメント の種類および養生方法がスケーリング抵抗性に 及ぼす影響を総合的に検討していく予定である また配合と養生方法をコントロールしスケーリング抵抗性の高い物を作る
凍結融解サイクル
蒸気養生の温度履歴 温度一定 4h 昇温 降温 20℃/h 4.5℃/h 4h 前養生
粗骨材露出面積率とスケーリング量
粗骨材露出面積 BB55蒸気が最も 大きい値となった BB55蒸気が大きい OPC55による差は あまり見られなかった