資料-3 府域水道の将来像(運営基盤の強化) ~水道広域化のロードマップ~ 平成22年9月6日 大阪府健康医療部環境衛生課
説明内容 1.これまでの検討委員会を振り返って 2.大阪府域で想定される広域化の形態
1.これまでの検討委員会を振り返って ■第1回検討委員会■ [議事内容] ■第2回検討委員会■ [議事内容] ■第3回検討委員会■ 府域水道の現状・課題 広域化の効果と府域水道の方向性 ■第2回検討委員会■ [議事内容] 水道事業体の現状・課題の聴き取り 水道広域化に関する意見交換 ■第3回検討委員会■ [議事内容] 運営基盤の強化~水道広域化のロードマップ~
■第1回検討委員会 ■事務局からの説明■ [府域水道の現状と将来見通し(課題)] 給水人口、給水量の減少に伴う収入の減少 収益の増加につながらない更新事業等に伴う支出の増加 経験豊富な50代職員の大量退職に伴う技術力の低下 各市町村水道事業の効率化はかなり進んでおり、更なる経営強化策の模索は市町村共通の課題。 [府域水道の将来像の設定に向けて] 持続的な水道事業運営を行うためには、広域化による水道事業の運営基盤(技術基盤・経営基盤)の強化が必要 淀川を主たる水源とする大阪の地勢的条件を考えると、将来的な「府域一水道」を目指した更なる広域化による運営基盤の強化が有効 水源を淀川に依存する中での危機管理方策の検討(地域自己水の活用、他水系との緊急連絡等)や人材育成も重要 経営の悪化
■第1回検討委員会 ■委員からの主な意見■ [広域化について] 経営の効率化や最適化について、個別対応では限界に達しており、今後の環境の変化に対応するためには、広域化に踏み込まなければならない局面を迎えていると言える。 広域化に伴う効率化によって生み出される資金も考慮した上で、施設の再整備に投資する財源構成(自己資金、企業債等)を検討していくことが重要と考えられる。 大阪府の用水供給事業と末端給水事業は、実態としてグループ経営と捉える見方もできる。 一括即時に府域一水道を実現することは困難である。そこで、順次統合を進めていくことになるが、そこまでのプロセスをどう描くかが問題となる。 緊急性、必要性が高いところから個別に対応していくことが考えられるが、水源や施設の統廃合、料金・会計など、最終的な統合システムとの整合を図りながら推進していくことが重要である。
■第1回検討委員会 ■委員からの主な意見■ [水道料金の格差について] 住民の目線に立って、水道料金の格差の克服を考えていく必要がある。 水道料金の決定は首長の判断によることが大きい。 施設の維持管理、更新をきちんと行いながらも、経営が成り立って、はじめて健全な経営をしていると言える。 [水源の有効活用] 水需要量と水源・浄水場の施設能力のバランスをどうとるかが課題となっている。 大阪府域では、水源のほとんどが淀川で占められているため、大阪府域で淀川以外の自己水源を共有することも含めて検討していくべきである。 奈良県や京都、滋賀などの議論も十分背景に入れた上で、他府県との連携についても視野に入れていただきたい。
■第2回検討委員会 ■事務局からの説明■ [第1回委員会の意見を踏まえた補足説明] [府域水道の将来像に関するアンケート調査] 府内市町村が保有する水源の一部については、水質・水量面の不安、施設の老朽化等の課題がある一方で、経営面や危機管理面から存続する意向も持ち合わせている。 府内の水道料金は、規模が大きいほど水道料金が安くなる傾向にある。 他都県における広域化の事例(東京都)や検討事例(千葉県、埼玉県)を見ると、都県全体の一元化には長い年月がかかることや、段階的に統合を図っていくことが示唆される。 [府域水道の将来像に関するアンケート調査] 府域一水道を目指すことについては概ね理解されているものの、消極的な意見も見られる。 規模の小さい事業体の方が、広域化に参画したい意向が強いと言える。 府域一水道の阻害要因として、事業体間格差(料金水準、施設水準)を挙げた事業体が多い。他にも職員給与体系、不良債務・欠損金の解消も過半数に達している。その他の意見として、自己水源の扱い、取り扱い業務の違い、及び下水道との関係についても挙げられている。 各事業体が考える府域一水道の実現に向けたプロセスは多岐に渡る。
■第2回検討委員会 ■水道事業者からの主な意見■ [府内水道事業の現状] 特に規模の小さい事業体は、人、資金、資産などの経営基盤が深刻な状態にあると言える。 耐震化、及び非常時における水質検査体制や代替手段の確保など、危機管理面で大きな不安を持っている事業体が多い。 自己水源について、渇水や原水変動の対応に苦慮しているところもある。 ブロック内で広域化の勉強会を進めている。 大阪市とその隣接都市では、 「大阪市隣接都市協議会」により、水道部門についても連携を図っており、密接な関係がある。
■第2回検討委員会 ■水道事業者からの主な意見■ [広域化の進め方] 技術の継承、施設の共有化、危機管理の対応から、広域化は避けて通れないと考える。ただし、料金格差の調整や施設統廃合の具体化など多くの課題がある。 水質に関する技術支援など、技術力のある事業体が支援できることを考えていく。 広域化について、理念を掲げて推進することも必要であるが、まず、規模の小さい事業体が傘下に入る形から行っていくことが現実的と考えている。 将来的には水源の状況や費用対効果を考慮して、自己水源の廃止(用水供給事業への切替)も視野に入れた検討が必要と考えている。 一方で、供給安定性の確保から自己水と府営水の二元給水を維持する意向もある。 地域ブロックの統一化を行っていくべきとの意見もある。 水道で必要とされる技術や業務量から、人員やその形態を分析した上で、人材確保や技術の継承について検討していくべきではないかと考えている。 企業団が設立されることにより、大阪府抜きで府域一水道に向かっていけるのか懸念している。 水資源や更新事業に関する政策・補助について、国家レベルでの戦略が必要と考えている。
■第2回検討委員会 ■水道事業者からの主な意見■ [大阪市の状況(大規模事業体としての取組)と広域化に関する意見] 大阪市では、配水システムを活用した施設運用の効率化と経営改革により、事業の持続性を確保している。 大阪市では以下の経営改革に取り組んでいる。 少数精鋭型組織を目指した人員の削減と効率的な人材育成システムの構築 (体験型研修施設の整備) 自己資本構成比率の改善(繰り上げ償還) アセットマネジメントに基づく、施設・管路の維持管理と施設投資の効率化 「震災プラン21」に基づく耐震性の向上 食品安全マネジメントの導入による品質の確保と継続的改善 大都市水道としての広域貢献に関する取組の実施と継続 他都市との連携協定に基づく技術支援 災害時の相互応援協定の締結とそれに基づく合同訓練の実施 水道の広域化や府域一水道を実現するためには、事業者の努力とユーザーの理解、水道行政を扱う部門の支援が必要と考えている。
■第2回検討委員会 ■委員からの主な意見■ [広域化を検討するにあたって考慮しておく事項] 前提条件の確認 バックキャストとフォアキャスト 将来に亘り、持続可能な安全かつ安定的な水供給を確保すること 人口減少、需要減退により施設、能力規模の余剰化が生じ、大幅なダウンサイジングが避けられないこと 効率的な事業経営と水道施設の適切な更新、耐震化が求められていること 市町村及び地域住民の意思が反映できること 府域全体(大阪市を除く)として府営水道の受水比率が約7割であること 水道施設や料金水準の格差、自己水源の保有状況など市町村の状況が異なること バックキャストとフォアキャスト バックキャスト(将来のあるべき姿を先に設定し、そこから現在を照査して今後の採るべき方策を考える)の発想が、より重要。 一方で、将来のあるべき姿を実現するためには、フォアキャスト(現状を基に具体的な条件を実行可能な形で整えていく)により、具体的に検討していくべき。
■第2回検討委員会 ■委員からの主な意見■ [広域化の進め方] 広域化については避けて通れない一つの大きな流れと感じている。 広域化を計画的かつ着実に進めていくことが大事であり、その課題を具体的、工程的にどう解決していくかが、この場で問われている。 大阪府全体で効率化を図った場合の効果を把握する他にも、地域や隣同士でどう協力するかという点も検討していく必要がある。 十分な資料に基づいたアセットマネジメントの検討が行える状況になっていない。 そのため、基礎資料を揃えた上で、大阪府全体の最適化とその際に生じる個々の事業体の問題とのギャップを明確にすることから始める必要がある。 その上で、ギャップをどう埋めていくのか、埋まらない部分は、行政からの応援を検討するなど、全体に効果のある仕組みを構築する必要がある。 ノウハウの共有や継承から始め、次に、資産を一箇所に帰属させた上で、最適なところから施設の更新に資金を投資していくと言った仕組みを、府域全体で考えることが必要と感じている。 今後も企業団(府域市町村)と大阪市で連携を図りながら、大阪府全体の底上げに尽力していただきたい。
■これまでの検討委員会の意見のまとめ(1) ■府域水道の方向性■ 広域化に踏み込んでいく局面にあることは、関係者間で共通認識 府域一水道を目標にすることは、概ね理解を得るも市町村により温度差 規模の小さい事業体ほど、広域化への意向が強い傾向 ■広域化のプロセス■ 一括即時に府域一水道を実現することは困難 最終形(府域一水道)との整合を図りつつ、緊急性、必要性が高いところから段階的に広域化を推進 地域や隣接都市間での協力・連携
■これまでの検討委員会の意見のまとめ(2) ■広域化の推進に向けた留意点■ 十分な基礎資料に基づいたアセットマネジメントの検討 全体最適と事業体個別課題とのギャップの明確化とその埋め合わせ 水道料金をはじめとする事業体間格差の克服 必要性の高い施設に対する更新資金の重点投資 人材の確保・育成(ノウハウの共有・継承)、技術支援の推進 市町村及び地域住民の意志の反映 企業団と大阪市の協力・連携 ■安定給水の強化■ ※次回検討委員会の議題とします。 水需要と水源、施設能力のバランスの確保 非常時における代替手段の確保 淀川以外の自己水源の活用 他府県との連携
2.大阪府域で想定される広域化の形態 大阪府域の広域化を考える2つのポイント (1) 府域一水道の実現に向けた広域化のプロセス 大阪府域の広域化を考える2つのポイント (1) 府域一水道の実現に向けた広域化のプロセス 一括即時に府域一水道を実現することは困難であり、段階的 な広域化の推進プロセスをどのように示すか。 (2) 地域、事業体ごとの広域化に対する温度差(必要性、緊急性) 地域に応じた現実的なアプローチと効果をどのように示すか。 水道広域化の形態には、一般的に「業務の共同化(管理の一体化、施設の共同化)」 「経営の一体化」 「事業統合」 があり、それぞれ期待される効果や範囲が異なることから、地域の実情に合わせて選択することになる。 業務の共同化 経営の一体化・事業統合 広域化による効果、影響範囲 限定的な業務での効果、範囲 事業運営全般に影響 事業体間格差の調整ハードル 比較的小さい 大きい
(浄水場、水質検査センター・緊急時連絡管等) ■水道広域化のイメージ図 大 経営の一体化 施設の共同化 (浄水場、水質検査センター・緊急時連絡管等) 管理の一体化 事業統合 広域化による効果・影響範囲 事業体間格差の調整ハードル 業務の 共同化 小
■業務の共同化(施設の共同化) ■施設の共同化■ ■期待される効果■ 取水場、導水管、浄水場、配水池、水質検査センター等の共同施設を建設、保有する方法 ■期待される効果■ 共同で保有する施設に関して、施設整備水準の向上、また緊急時対応等の面で効果が期待できる。
■業務の共同化(管理の一体化) ■管理の一体化■ ■期待される効果■ 単独あるいは複数の水道事業等が、技術基盤が強固な水道事業等に管理を委託する方法 複数の水道事業等が別途に一元的に管理を行う組織(一部事務組合又は民間法人)へ業務を共同で委託する方法 受水団体からの委託によって水道用水供給事業者が一元的に管理を行う方法 ■期待される効果■ 一体化する業務内容に応じて管理体制やサービス面で、強化や向上が期待できる。
■業務の共同化の対象(1) 事務 業務の共同化の対象 1.総務関係 人事給与システム、文書管理システム等の構築・保守の共同化 広報宣伝事務の一部共同化 (広報グッズの開発、新聞等へのPR広告の掲載) 職員研修の共同開催、事業体間相互の派遣研修など 2.経理関係 財務会計システム、固定資産管理システム等の構築・保守の共同化 普通財産の管理・処分事務の共同化 3.営業業務関係 共同サービスセンター(受付・収納・その他窓口業務)の設置・運営 料金管理システム等の構築・保守の共同化 営業業務全体の共同化 (検針業務、納入通知・督促状の作成・送付など) 共同プリントセンター(帳票等の大量印刷及び発送)の設置・運営 4.給水装置関係 給水装置の管理に関する技術上の業務(審査、竣工検査など)の共同化 メーター管理の共同化 給水台帳管理システムの共同化 各種基準類の共同作成 事故受付センターの共同化 5.建設・工務関係 水源開発、取水・導水施設、浄水場、配水池等の共用施設の建設 緊急時用連絡管の整備 積算システム等の構築・保守の共同化 工事標準仕様書等の基準類を共同で作成 出典:水道広域化検討の手引き
■業務の共同化の対象(2) 事務 業務の共同化の対象 6.維持管理関係 (取水施設、浄水場、配水池、ポンプ所など) 浄水場等の運転監視業務の一体化 集中監視施設の共同設置 浄水場等の保守点検業務の一体化 7.維持管理関係 (送配水管路) 管路診断業務の共同化 管路等の保守点検業務の一体化 他企業工事立会業務の一体化 漏水調査業務の一体化 【再掲】事故受付センターの共同化 管工事組合等への修繕業務の共同委託(待機、修繕) 管路情報システムの構築・保守の共同化 資機材の共同備蓄 8.維持管理関係 (水質) 水質試験センターの共同設置 水質試験・検査業務の共同化 水源から蛇口までの水質管理の一元化 危機管理マニュアル等を用水供給事業者と受水団体が共同で作成 9.災害対策 災害時相互応援協定の締結 (応急給水・応急復旧及び資器材の融通など) 【再掲】資機材の共同備蓄・共同管理 【再掲】緊急時用連絡管の整備 出典:水道広域化検討の手引き
■経営の一体化 ■経営の一体化■ ■期待される効果■ 県や市町村が複数の水道事業等を経営する方法(例えば、複数の用水供給事業を経営する県営水道) ■期待される効果■ 経営主体が一つになることで、施設整備水準の平準化や管理体制の強化、サービス面での利便性の拡大などの効果が期待できる。
■事業統合 ■事業統合■ ■期待される効果■ [事業統合] 経営主体も事業も一つに統合された形態 [水平統合] 複数の水道事業又は複数の水道用水供給事業が認可上で事業を一つに統合する方法 [垂直統合] 水道用水供給事業と受水団体である水道事業が統合し末端まで給水する水道事業とする方法 水平統合 垂直統合 ■期待される効果■ 施設整備、管理体制、事業の効率的運営、サービスなど広範囲にわたり技術基盤や経営基盤の強化に関して効果が期待できる。
■大阪府域における水道広域化イメージ(たたき台) 現状 来年度 広域化推進期 最終目標 大阪府営水道 (用水供給事業) 大阪広域水道 企業団〔仮称〕 (用水供給事業) この期間のプロセス (広域化の進め方)が課題 【広域化の形態】 ・業務の共同化 ・経営の一体化 ・事業統合 【選択のポイント】 ・段階的な広域化の推進 ・地域に応じたアプローチ 府域一水道 (末端給水事業) A市水道事業 (末端給水事業) A市水道事業 (末端給水事業) B町水道事業 (末端給水事業) B町水道事業 (末端給水事業) C市水道事業 (末端給水事業) C市水道事業 (末端給水事業) D市水道事業 (末端給水事業) D市水道事業 (末端給水事業) E市水道事業 (末端給水事業) E市水道事業 (末端給水事業) F町水道事業 (末端給水事業) F町水道事業 (末端給水事業) 大阪市水道事業 (末端給水事業) 大阪市水道事業 (末端給水事業) 大阪市水道事業 (末端給水事業)
■広域化推進期の形態とプロセス(たたき台) 考え方 広域化について地域、事業体間で温度差があり、求められる広域化の形態やプロセスは異なる。 全体最適を見据えつつ、地域に応じたアプローチから段階的に広域化を進めることによって、その効果を見せることが、更なる広域化の推進に向けた条件(事業体間格差の縮減等)を整えるとともに、利用者の理解と合意を得ることにつながる。 広域化推進期における広域化の形態とプロセス 大きく2つの段階(ステップ)を想定。 ◆ステップ1(短~中期):「業務の共同化」の段階 ・業務毎に、事業体の緊急性、必要性に応じた選択が可能。 ・経営主体が変わらない。適正な負担によりモラルハザードを抑制。 ・当該業務水準が平準化。 ◆ステップ2(中~長期):「経営の一体化」、「事業統合」の段階 ・関係事業体における共通基盤、統合条件等が整った上で実施。
■広域化推進期におけるプロセス(たたき台) 短期 (~10年後) 中期 (10~20年後) 長期 (20年後~) ■現状の課題■ 〔技術基盤の強化〕 ◇施設の老朽化、 耐震化 ・施設の更新 ・適正な維持管理 ◇技術力の低下 ・人材・技術力 の確保 〔経営基盤の強化〕 ◇経営効率化 の限界 ・広域化による 経営の効率化 【ステップ1:業務の共同化】 《期待される効果》 ●共同業務に関して以下の効果が期待される 施設→整備水準の向上・平準化、統廃合・効率的な更新 管理→管理体制の強化、効率化 多様な人材の確保(設備職・水質職等) 技術力の確保・強化 運営・サービス→利用者サービスの向上・効率化 等 ◇課題の改善効果(一部の業務・範囲に限定) ◇更なる広域化に向けた共通基盤の整備 ◇事業体間格差の縮減、平準化 【ステップ2:経営の一体化、事業統合】 《期待される効果》 全体→ステップ1の効果範囲が事業全体に拡大 施設→水需給の不均衡解消・水源の多元化 施設の効率化、最適化(施設配置・能力等) 管理→人材・技術力の統合と適正配置、組織の再構築 経営→投資の効率化、重点化 府 域 一 水 道 へ
優先的に共同化を図ることが考えられる業務 ■大阪府域における業務の共同化の例 優先的に共同化を図ることが考えられる業務 期待される効果 技術基盤の強化 経営基盤の強化 高度な技術を要する業務 水質検査、水質管理 管理体制強化、水質技術者の共有 組織・検査機器の効率化 計画、設計、積算、工事監理 整備水準の向上、平準化 技術者の共有、技術力の確保 広域的な取組が期待されている業務 資機材・薬品等の共同購入、共同備蓄 危機管理体制の強化 購入コスト削減 外部委託が進んでおり、共同化が期待できる業務 受付業務、検針・料金徴収、滞納整理等 事務の効率化(一括委託等) 浄水場、配水池等の運転管理、施設管理 管理体制強化、設備技術者の共有 組織の効率化 老朽化施設の更新(条件(立地・時期)の合うもの) 施設の統廃合、施設規模の検討 効率的な更新 更新・運用コストの削減 共同施設の建設、運用 施設水準の向上、平準化 人材育成 職員研修の共同開催、人事交流 技術力の強化 利用者サービスの向上
■ステップ1(業務の共同化)の連携イメージ(たたき台) 大阪広域水道企業団〔仮称〕(用水供給事業) 一部 業務委託 (垂直連携) 一部 業務委託 (垂直連携) 一部 業務委託 (垂直連携) A市水道事業 C市水道事業 D市水道事業 間接的な 水平連携 E市水道事業 F町水道事業 B町水道事業 一部業務の共同化 (水平連携) 段階的に ・対象業務の拡大 ・参画市町村の拡大 を図る。
■業務の共同化(施設の共同化)のメリット、課題 項目 一体化の状況 特徴 メリット 実施に向けた課題 施設 △ 水源、施設の共同管理、運用 水源の多元化 施設整備水準の平準化 施設統廃合、効率的更新 効率的な水運用 危機管理面にも配慮した施設統廃合及び施設運用の検討 組織・ 人材 人材、技術力の共有 施設管理または水質管理に関する技術力の確保 共同化する水道事業者間の役割分担の調整 施設更新や事業内容の変更に伴う意志決定 料金 × - 会計 水道事業者間で費用負担 水道事業者間の費用負担の調整 管理 その他 料金格差は残るが、事業経営の合理化により、ある程度緩和されることも見込まれる。 [凡例] ○:一体化されている △:一部一体化されている ×:一体化されていない
■業務の共同化(管理の一体化)のメリット、課題 項目 一体化の状況 特徴 メリット 実施に向けた課題 施設 × - 組織・ 人材 △ 不足する人材、技術力を委託、連携により確保 委託、連携による効率的な組織体制の再構築 多様な職種の人材、技術力の確保 組織の整理、職員の再配置 削減人員の検討 料金 会計 関係者(水道事業者間、企業団と水道事業者間)で費用負担 [水平連携] 水道事業者間の費用負担の調整 [企業団への委託] 企業団への費用負担 企業団における特別会計の構築 管理 業務の一体化 管理体制の強化 利用者サービスの向上・効率化 一体化する業務内容の検討、調整 業務仕様、様式、情報システム等の統一化 その他 料金格差は残るが、事業経営の合理化により、ある程度緩和されることも見込まれる。 [凡例] ○:一体化されている △:一部一体化されている ×:一体化されていない
■広域化推進期におけるプロセス(たたき台) 短期 (~10年後) 中期 (10~20年後) 長期 (20年後~) ■現状の課題■ 〔技術基盤の強化〕 ◇施設の老朽化、 耐震化 ・施設の更新 ・適正な維持管理 ◇技術力の低下 ・人材・技術力 の確保 〔経営基盤の強化〕 ◇経営効率化 の限界 ・広域化による 経営の効率化 【ステップ1:業務の共同化】 《期待される効果》 ●共同業務に関して以下の効果が期待される 施設→整備水準の向上・平準化、統廃合・効率的な更新 管理→管理体制の強化、効率化 多様な人材の確保(設備職・水質職等) 技術力の確保・強化 運営・サービス→利用者サービスの向上・効率化 等 ◇課題の改善効果(一部の業務・範囲に限定) ◇更なる広域化に向けた共通基盤の整備 ◇事業体間格差の縮減、平準化 【ステップ2:経営の一体化、事業統合】 《期待される効果》 全体→ステップ1の効果範囲が事業全体に拡大 施設→水需給の不均衡解消・水源の多元化 施設の効率化、最適化(施設配置・能力等) 管理→人材・技術力の統合と適正配置、組織の再構築 経営→投資の効率化、重点化 府 域 一 水 道 へ
■ステップ2(経営の一体化・事業統合)のイメージ(たたき台) 関係事業体間の一体化に向けた共通基盤、統合条件等が整った上で実施。 【時間軸】 大阪広域水道企業団〔仮称〕 (用水供給事業+末端給水事業) 大阪広域水道企業団〔仮称〕 (末端給水事業) 経営の一体化(A市水道事業) A市水道事業 経営の一体化(B町水道事業) B町水道事業 事業統合(垂直統合) 経営の一体化 (X地域水道事業) C市水道事業 X地域水道事業 事業統合(水平統合) D市水道事業 E市水道事業 Y地域水道事業 事業統合(水平統合) F町水道事業 G市水道事業
■経営の一体化 項目 一体化の状況 特徴 メリット 実施に向けた課題 施設 組織・ 人材 料金 会計 管理 その他 × - 施設整備水準の平準化 (経営主体が同一) 組織・ 人材 ○ 組織体制の一体化 組織体制の一体化に伴う人材、技術力の統合 効率的な組織体制の再構築 多様な職種の人材、技術力の確保 緊急時の柔軟な人員配置 組織の整理、職員の再配置 上下水道一体の組織体制のあり方 削減人員の検討 職員待遇の調整 料金 会計 △ 用水供給事業会計 水道事業会計 複数の水道事業を経営する場合は、その数だけ会計(水道料金)が存在 管理 業務の一体化 管理体制の強化 利用者サービスの向上・効率化 利用者の利便性、職員の機動性に配慮した地域拠点、営業所の整理 業務仕様、様式、情報システム等の統一化 その他 料金格差は残るが、事業経営の合理化により、ある程度緩和されることも見込まれる。ここでは、大阪広域水道企業団と参画する受水市町村間の調整となる。 [凡例] ○:一体化されている △:一部一体化されている ×:一体化されていない
■ステップ2(経営の一体化・事業統合)のイメージ(たたき台) 関係事業体間の一体化に向けた共通基盤、統合条件等が整った上で実施。 【時間軸】 大阪広域水道企業団〔仮称〕 (用水供給事業+末端給水事業) 大阪広域水道企業団〔仮称〕 (末端給水事業) 経営の一体化(A市水道事業) A市水道事業 経営の一体化(B町水道事業) B町水道事業 事業統合(垂直統合) 経営の一体化 (X地域水道事業) C市水道事業 X地域水道事業 事業統合(水平統合) D市水道事業 E市水道事業 Y地域水道事業 事業統合(水平統合) F町水道事業 G市水道事業
■事業統合 項目 一体化の状況 特徴 メリット 実施に向けた課題 施設 組織・ 人材 料金 会計 管理 その他 [凡例] ○:一体化されている △:一部一体化されている ×:一体化されていない 項目 一体化の状況 特徴 メリット 実施に向けた課題 施設 ○ 水源、施設を一体的に管理、運用 水需給の不均衡解消 水源の多元化 施設整備水準の平準化 施設統廃合、効率的更新 効率的な水運用 危機管理面にも配慮した施設統廃合及び施設運用の検討 集中監視制御システムの整備 施設水準格差の調整 組織・ 人材 組織体制の一体化 人材、技術力の統合 効率的な組織体制の再構築 多様な職種の人材、技術力の確保 緊急時の柔軟な人員配置 組織の整理、職員の再配置 上下水道一体の組織体制のあり方 削減人員の検討 職員待遇の調整 料金 料金の統一 料金格差の是正 料金水準格差の調整 (統合効果の公平性の確保) 会計 会計の一本化 - 不良債務、欠損金の解消 他会計繰入金の調整 管理 業務の一体化 管理体制の強化 利用者サービスの向上・効率化 利用者の利便性、職員の機動性に配慮した地域拠点、営業所の整理 業務仕様、様式、情報システム等の統一化 その他 〔水平統合〕統合対象は、隣接する市町村水道事業者間、または地域ブロックであり、その関係者間での調整となる。 〔垂直統合〕大阪広域水道企業団【仮称)と受水市町村水道事業者間の調整となる。垂直統合には受水市町村の一斉参画が 必要と想定した。参画事業体が多く、より大きな効果が期待できるが、格差に関する調整に長い期間が必要。
■ ま と め (大阪府域で想定される広域化の形態について) ■ ま と め (大阪府域で想定される広域化の形態について) ≪大阪府域水道の現状と課題≫ 大阪では、水源を淀川に依存している地勢的な条件から、府営水道を核とした水道システムが広域的に整備され、水源から送水までの広域化が進んでいる状況。 府域水道の課題には、施設更新の増加と給水収益の減少に伴う経営環境の悪化や大量退職に伴う技術力の低下等があり、対応としては「技術基盤」「経営基盤」の強化が必要。 個別事業体の経営の効率化はかなり進んでいるが、更なる経営の効率化を求めるためには広域化が必要。 ≪府域水道の広域化の形態とプロセス≫ 地域、事業体ごとの広域化に対する温度差(必要性、緊急性)があることから、全体最適(府域一水道)を見据えつつ、地域に応じたアプローチから段階的に広域化を進める。 広域化推進期をステップ1「業務の共同化」とステップ2「経営の一体化・事業統合」の2つのステップに分けて、事業体の状況に応じて業務の共同化から着手。 ステップ1で課題の改善効果を見せつつ、事業体間の共通基盤の整備や格差の縮減・平準化を行い、統合条件が整った時点でステップ2へ移行する。 ≪広域化の推進(ステップ1)に向けて検討が必要な事項≫ 地域や事業体に適した共同化業務の絞込み、効果予測 アセットマネジメント、ストックマネジメントによる更新需要・経営予測 大阪広域水道企業団・周辺市町村との情報共有(施設・経営・計画・サービス等)