第2章競争戦略 梶田 真邦 桑原 雪乃 斉藤 晋世.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
ビジネスプランセミナー 第 5 回 事業計画書の作成 時 山 山
Advertisements

事業計画フォーマット 応募書類「事業計画書」の作成・提出にあたっての留意事項 – 事業計画書は、一人一事業計画をご提出ください。 – 目次は変更しないでください。 – 収支計画などエクセルで作成いただいたものはサマリーをページに貼付ください。 エクセルを別添いただいた場合は評価の対象外となる場合があります。
© Japan Marketing & Consulting System 研究開発型 三つの関門 件数 時間 基礎研究 製品化 事業化 市場導入 魔の川 死の谷 ダーウィンの海.
5フォース(5fo rce) BIZテンプレートNo. 002. 経営資源の投入の優先順位付や新規参入の判断に役立つフレームワーク 5フォース フレームワーク NEXT フレームワークの解説と、分析の方法 同業他社との競合 売り手の交渉力 (供給業者) 買い手の交渉力 (顧客) 新規参入の脅威 代替品の脅威.
マーケティングとマーケティ ングリサーチ. マーケティングとは何か? アメリカ・マーケティング協会の定義 「個人と組織の目的を満たすような交換 を生み出すために、アイデアや財やサー ビスの考案から、価格設定、プロモー ション、そして流通に至るまでを計画し 実行するプロセスである」
日本の電機産業の敗因と 今後の展望 竹永徹之介 石塚理紗 西山夏穂.
ブランド戦略.
市場機会の発見・評価・選択.
製品とブランドに関するトピックス.
大和証券の新たなビジネスモデル 07ba200w.
M.E.ポーターの競争戦略論 M.E.ポーターの競争戦略論は、「競争優位」に関する理論的フレームワークを提示した基本的理論である。SCPパラダイムという考えをもとに持続的な競争優位を確立するための戦略である。 SCPとは、市場構造(structure)、企業行動(conduct)、業績(performance)の略語であり、市場構造と企業行動が業績を決めるという考えである。
事業システム分析の基本テンプレート 氏名 この分析の詳細については、加護野忠男・井上達彦『事業システム戦略』有斐閣僚、
マーケティングの管理(1) 最近のマーケティング理論 (事例:デジタルカメラの開発)
第六章 コモディティ化をいかにして回避するか
競争の戦略 大阪大学MOT勉強会 Sep. 27, 2007.
インターネットの本質を見極めよ インターネットの出現:大きな注目を集めるのも、驚くには及ばない、 世間の熱狂に煽てられて
第三章要約 りんご.
第9章 新規参入と既存企業の優位性 帝国.
テスト段階.
第5章 要約 イノベーション・プロセスを設計する
第3章 組織構造の基本 担当 しーそー 100% くろい.
第2回 バリューチェーン1 【 Value Chain(価値連鎖) 】
最低価格保証 MR1004 めい.
グループ研究1班 第一章 経営戦略とは何か 雨森 彩 大嶋 健夫 小沢 博之.
特許戦略 2002.10.18.
絞り込み:多様化の必要性を減らす ●製品の絞り込み 適応という課題に取り組むのに最強のツール!! 現地市場で有利に競争していこうというときに
4/30 第3回発表 藤井海太.
マーケティング計画.
製品ライフサイクルと マーケティング戦略.
大阪大学工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻 座古研究室 修士2年 百々路裕二郎
第三章 会社のグループを形成する.
経営学Ⅰ 競争優位.
電力自由化の是非 肯定派.
大阪大学工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻 座古研究室 修士2年 百々路裕二郎
ライフサイクルマネジメントと 製品ラインの管理
自動車産業:補足 2002年度企業論.
資源ナショナリズムについて 2012/01/20 長谷川雄紀.
中小企業の発展と管理会計 ~戦略とBSCに焦点を当てて~ 発表者:商学部3回生 萬徳貴久.
第一生命株式会社化の是非 否定派 新井 上原 山村 新井.
この章で学ぶこと: ①増収・増益とは? ②よい経営とは? ③企業の総合力とは?
マーケティング概念.
マーケティングの歴史と定義の変遷 マーケティングとは
経営戦略論参考資料(2) 2007年8月3日.
賃金分析 -現行の賃金制度を客観的に分析する-
前期ゼミまとめ スラックス経済.
導入段階.
情報技術とビジネス・プロセス革新②(第8章) 2.プロセス革新と企業戦略
Analysis for Marketing Planning
顧客関係性マネジメント.
管理的側面 管理者に必要な経営知識 経営学の基本 ②環境と戦略と競争優位.
ブランド戦略.
航空輸送産業:参考資料 2002年度企業論講義 川端 望.
社員育成 ~企業変革における社員教育の重要性と戦略との適合性~
会社名 ビジネス プラン プレゼンテーション.
競争の戦略 マイケル・E・ポーター 藤井 海太.
クロスSWOT分析 社外 社内 (顧客、市場、競合、 マクロ環境) (自社) O:機会 T:脅威 S:強味 課題:S×O 課題:S×T
市場機会の発見と市場の規定.
製品に関する意思決定.
製品またはサービスの販売 サブタイトル.
[製品名] マーケティング プラン [氏名].
[製品名] マーケティング プラン [氏名].
第1章 まえがき アパレル業界とは市場の変化が速く、常に変化対応が求められる。例えば衣服の「トレンド」は常に時代と共に移り変わっていく。そのため、市場に対する変化対応スピードが遅いと、消費者はそっぽ向いてしまうと言えるのではないか。
CSR 5 すぅ.
新製品開発戦略.
マーケティング.
市場細分化 ターゲットの設定 ポジショニング
航空輸送産業:参考資料 2004年度企業論講義 川端 望.
イノベーションと異文化マネジメント(P17~P35) 質問・コメント・問題提起
マーケティング・チャンネル戦略.
データ・ベース・マーケティングの概念.
Presentation transcript:

第2章競争戦略 梶田 真邦 桑原 雪乃 斉藤 晋世

目次 競争戦略の課題 2つの概念について 課題1:競争者に対して差別優位をどのように確保するか 移動障壁について 課題1:競争者に対して差別優位をどのように確保するか 移動障壁について 課題2:市場環境の変化に対して戦略をそう切り替えるか 市場の知識体系の変化

競争戦略の課題 競争戦略とは、経営資源をもとに競争相手に対し差別的な競争優位性を確立するための指針を決定すること。  課題1.競争者に対して、長期的にわたる持続的な差別優位をどの      ように確保するか。  課題2.激変する市場環境に対して適切なタイミングで、戦略をどう      切り替えられるか。

2つの概念 市場とは     各社の事業の重なり合う部分 戦略グループとは     各社の事業、それぞれの競争戦略

課題1 競争者に対して、長期にわたる持続的な差別優位をどのように確保するか。 課題1 競争者に対して、長期にわたる持続的な差別優位をどのように確保するか。 ⇒他の戦略グループの企業や新規参入企業の脅威から、移動障壁を高く築くことで競争優位を保つことができる。

移動障壁 経済障壁 組織的障壁 戦略的障壁

経済的障壁 製品ラインの広さによる経済的障壁 垂直統合による経済的障壁

製品ラインの広さによる経済的障壁 例)自動車業界  製品ラインの広さ⇒各社の市場シェア、利益率の格差、安定性の違いを生み出している。

上位企業と下位企業の違い トヨタ スズキ フルライン体制 特化 軽自動車~大型車 軽自動車 4年に1度のモデルチェンジ

フルライン化によるメリット・デメリット(1) 〔メリット〕 市場の顧客の大部分を獲得できる。 製品流通や広告やサービス面で規模の利益を得ることができる。 顧客、特に流通業者との取引を有利に展開できる。 ラインの製品間で部品の共通化による利益が得られる。

フルライン化によるメリット・デメリット(2) 〔デメリット〕 巨額の投資と危険を負担しなければならない。 例)自動車では1回のモデルチェンジだけで100億を超える資金が必要であり、この多額の投資資金によって下位企業のライン拡張意欲がそれる。

垂直統合による経済的障壁(1) 垂直統合によって生まれるメリット 生産、販売、購入、管理などを同期化することによるコスト削減 技術の修得

垂直統合による経済的障壁(2) 垂直統合によるデメリット 垂直統合のための必要資本量が必要になる。 垂直統合でコストを削減するためには生産の規模の経済性を得られなければならない。

組織的移動障壁 企業組織の構造、特性自体のために戦略グループ間を移動できない状況

企業組織の構造の違い 専門メーカー 研究開発とマーケティング面で生じる高い 危険性を積極的に負担できるよう、マネジャーを   専門メーカー 研究開発とマーケティング面で生じる高い 危険性を積極的に負担できるよう、マネジャーを 方向付けする組織構造   全国ブランド企業 マネジャーが短期利益、キャッシュフローから 業績評価し、技術と市場の危険を進んで引受け ようとしない組織構造

結果 全国ブランド企業が専門メーカーに参入し、市場を奪うには・・・・ 自身の組織を変更し、業績評価制度を直さなければならない

戦略的障壁 別の戦略グループに移動しようとするときに新しいグループで必要となる戦略が従来の戦略と矛盾する時、他の戦略グループへの移動が困難になる

キリンの戦略: 競合会社の新発売ビールに対して、追随しない キリンの戦略:     競合会社の新発売ビールに対して、追随しない ビールは生ビールという通念が広がってはラガービールの市場が縮小する。 キリンが生ビールに参入すると今までのマーケティングとの矛盾が生まれる。 ⇒生ビール市場で競争している企業はキリンに戦略的移動障壁を形成できる。

課題2: 激変する市場環境に対して適切な タイミングで、戦略をどう切り替えるか 課題2:    激変する市場環境に対して適切な    タイミングで、戦略をどう切り替えるか ⇒「市場の知識体系」の変化に応じて、タイミングよく戦略を合わせていくことが必要になる。  その事が競争戦略を成功に導く上で重要になる。

「市場の知識体系」の変化 生成 標準規格・業界の知識体系が決ま る前 発展 標準規格・業界の知識体系が決 まった後 生成 標準規格・業界の知識体系が決ま    る前 発展 標準規格・業界の知識体系が決     まった後  安定 寡占メーカーが知識の独占を通じて   利益を上げる時期 衰退 業界の知識独占構造・利益独占体   制が崩れる時期

市場の生成期 新しい製品に対してどのような要素技術が必要になるか どのような具体的なニーズが表面化するのか 第2章 競争戦略グループ研究 市場の生成期 新しい製品に対してどのような要素技術が必要になるか どのような具体的なニーズが表面化するのか 「技術と市場についての知識の体系」についての理解が市場のメンバーの間で共有されていない 標準化による競争優位性の変化

市場の発展期 製品が市場に浸透されるまでの時期である。 業界標準の決定によって生じて競争環境が大きく変化する。 競合他社が参入してくるため、それらとの差別化が必要となる。

市場の安定期 *寡占メーカーによる寡占体制 安定期に入った企業は、それまでの投資に見合った利益を取り戻さなければならない。 競争者は、激しいシェア争いと投資競争の中で小数になる。 新たに多額の投資を行う必要がなくなる。 製品技術や工程技術に変更が起きる可能性が小さい。

市場の衰退期 知識の衰退とは消費者ニーズも技術シーズも自己発展する可能性が乏しくなっている。 新しい技術の      生産がシステム化        PB(プライベート 出現がない        され生産での優位性      ブランド)の出現                 は消失                  PBの出現によって市場における、利益の分け前は大きく減少を始める。

知識体系の変化に伴う特徴・目的・戦略

課題2のまとめ 企業にとって重要なことは、市場競争環境の変化に対してタイミング良く、自らの競争戦略を適合させる事。