日本の計画 Japan Perspective 背景

Slides:



Advertisements
Similar presentations
「公益学のすすめ」 Ⅱ公益学の見方・考え方 第1章 環境と公益 専修大学3年 長谷川聡 2002年5月23日.
Advertisements

制度経済学Ⅰ ①. 制度経済学とは何か 制度 institutions 最も根本的な制度は・・・・ 言語、法、貨幣 いずれも経済、そして経済学に関係する それらなしに、経済は成立しない.
21世紀の東アジアと日本 柿澤弘治 大阪市立大学国際シンポジウム 
富山大学教育学部 附属教育実践総合センター 助教授 小川 亮
地域社会論 第5回 Ⅴ.国際環境 11月9日.
総合演習(国際理解教育) 学籍番号10341229 法学部法学科 森 健志.
アジア開発銀行(ADB)の 融資による途上国の経済成長への影響
1 生命倫理学とは何か 倫理学Ethicsは哲学の1部門 善、道徳を追求する学問 規範倫理学normative ethicsとメタ倫理学
In larger Freedom 平和構築・人権擁護・開発援助 日本から国際社会へ
平和研究Ⅰ 第2回 積極的平和と消極的平和 2007年4月18日 広島平和研究所 水本和実.
リスク評価 ・管理技術開発 有害性評価手法 暴露評価手法 リスク評価手法 リスク管理手法 化学物質総合管理分野のロードマップ(1) (目標)
第4回(10月30日) 豊澄智己 講義:エコビジネス論 第4回(10月30日) 豊澄智己
新学期にあたって 作花 一志.
グループ研究1班 第一章 経営戦略とは何か 雨森 彩 大嶋 健夫 小沢 博之.
ラーニング・ウェブ・プロジェクト(Learning Web Project) -自立・共愉的な学習ネットワークの形成に向けて-
「環境教育概論」資料置き場 yosemite
子どもたちが発達段階に応じて獲得することが望ましい事柄
4 第3次障害者基本計画の特徴 障害者基本計画 経緯等 概要(特徴) 障害者基本法に基づき政府が策定する障害者施策に関する基本計画
土木って何? コンクリート工学研究室 岩城 一郎
新しい環境行動のスタイル 環境市民「グリーンコンシューマーガイド」から
少子高齢化について 商学部 2307068 李海燕.
アジア恊働大学院(AUI)構想 AUI推進機構/設立趣意書
失われた10年 日本経済の現状と課題 日本の平和への貢献
日本学術会議の新しいビジョンと課題 学アカデミア信頼の確立: 21世紀のパラダイム
Ⅲ.サービス開発の方法.
生物多様性の危機 「精神のモノカルチャー」の説明 経済開発が削減した知識体系・ローカルな知識: 生態系と共同体との間の体系
日本学術会議の新しいビジョンと課題 学アカデミア信頼の確立: 21世紀のパラダイム
九州大学を学問の府に 小 田 垣 孝 学問の府 ・真理を求め、真理に基づいた発言と行動 ・市民全体に対して直接責任を負った発言と行動
「環境教育概論」資料置き場 yosemite
Let‘s Study Biodiversity 生物多様性保全 従業員教育エッセンス版
食糧自給率低下によって 日本が抱える危機とその対策
COBIT 5 エグゼクティブ・サマリー.
人間性豊かな人材の養成を通じて、科学技術と人間社会の調和的発展に寄与する
ヘルスプロモーションのための ヘルスリテラシーと 聖路加看護大学『看護ネット』
人工知能特論2007 東京工科大学 亀田弘之.
現代の経済学B 植田和弘「環境経済学への招待」第3回 第7章 環境制御への戦略と課題 京大 経済学研究科 依田高典.
1.情報文化の枠組み 情報と文化 情報 文化 情報文化.
経営情報論B ⑬ 情報技術と社会(第11章).
循環型社会と木質資源 戸木 七瀬  富田 真帆 中新 絵里  野口 希恵.
中国の石油戦略 張世鎬.
図3 地球環境変動の中核的課題と動向 自然圏(Natursphäre) 人類圏(Anthropophäre) 生物圏 大気圏 水文圏 土壌圏
文化戦争の世紀末 文化戦争の世紀末 文化戦争の世紀末 1990年代.
地球環境と技術 エネルギー安全保障と技術開発
国家構築の際におけるタイの「標準化」、 国民の統一化
世界の食糧問題 ~国際社会という視点から慢性的飢餓に どう立ち向かうか~
ソーシャルワークの価値と倫理 ~国際ソーシャルワーカー連盟の議論を踏まえて~
科学・技術と社会 ◎科学・技術: 現代社会の基礎; 人類の物質生活を豊かにするもの
地球温暖化防止に必要なものは何か E 石井 啓貴.
第60回 北海道小学校長会教育研究 宗谷・稚内大会
「人生100年時代」に求められるスキル 【OS】 【アプリ】 人生100年時代の働き手は、【アプリ】と【OS】を
ビジネスチャンス① ‐物流形態‐ ● 従来の物流パターン ● 近年の物流パターン
心理科学・保健医療行動科学の視点に基づく
フィランソロピー都市宣言について 資料3 フィランソロピー都市宣言(宣言文)
『組織の限界』 第1章 個人的合理性と社会的合理性 前半
環境・エネルギー工学 アウトライン 序 章 環境・エネルギー問題と工学の役割 第1章 バイオ技術を使った環境技術
事業目的・概要等 イメージ 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業 背景・目的 期待される効果 事業スキーム 事業概要
2 生態系の危機への対応 エコロジカル・フットプリント ミレニアム生態系評価 生物多様性条約 国内対策.
5本柱 運動推進の 時代の変化に即応した、金属運動のさらなる強化と発展の追求 勤労者に安心・安定をもたらす雇用をはじめとする生活基盤の確立
2013/5/25 3.人による自然の利用(世界).
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)について
CSR 5 すぅ.
(木) 駒澤大学経営学部市場戦略学科 MR9092 奈良坂 舜
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2019年4月19日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
‐サブタイトル‐ 都市農業大国キューバ・リポート 06A2137C 長谷川泰史
図15-1 教師になる人が学ぶべき知識 子どもについての知識 教授方法についての知識 教材内容についての知識.
文脈 テクノロジに関する知識 教科内容に関する知識 教育学 的知識
環境学 第9回目 (H ) 環境法と循環型社会 p.68~
新しい日本の安全保障戦略ー多層協調的安全保障戦略
次期循環型社会推進計画について 現行計画の概要 ● 目指すべき循環型社会の将来像(長期的視点) ● 施策の基本方針 現状と課題
Presentation transcript:

日本の計画 Japan Perspective 背景 1.日本の計画が目指すもの 2.20世紀における科学技術の発展と科学者の責任 3.21世紀の問題群:既存の価値観を見直す必要性 4.地球的規模の問題群に対する日本からの貢献の   可能性

1.「日本の計画」が目指すもの 21世紀の人類が歩むべき道を設計し、科学者コミュニティーとして、地球規模の問題解決に積極的に貢献する。 人類が直面する様々な問題を俯瞰的にとらえて、根源的な問題構造を明らかにして、30~50年後を見据えた解決の方向性を提案する。

これからの科学 1.俯瞰的視野   学術対象                          学術領域 2.開かれた学術 可能性の共有 社 会 学 術 動機の共有

Perspective View of Human History and Activation 未来 ②未来予測 ③戦略研究 人間活動(社会) 大気圏 生活 現在 生態圏 人の心 人間活動 産業 政治 水圏 土壌圏 人の活動 地下圏 文化 ①原因分析 過去 空間的に俯瞰する+時間的に俯瞰する+社会を俯瞰する→地球を俯瞰する 地球の俯瞰 Perspective View of Human History and Activation

日本の計画Japan Parspective の検討スコープ見取り図 日本の計画Japan Parspective の検討スコープ見取り図                                                                         日本 アジア 世界 日本的なもの/アジア的なものの有効性をどう取り出すか 20世紀         20世紀をどう評価するか       科学技術の発展、生産性の向上、経済発展             豊かさの向上医学の発展           民族独立・人権・民主主義の前進          都市化、資源エネルギー消費、戦争                生態系破壊・・・・       現在の社会をどう位置付けるか  2001         グローバル化の進展       地球環境問題、人口爆発・・・・ 日本の計画 Japan Perspective 持続可能な社会に至る人類が歩むべき道        21世紀の発展モデル  21世紀 持続可能な社会 持続可能な社会  2101 ~ ~ ~

2.20世紀における科学技術の発展と科学者の社会責任 20世紀の100年間に爆発的に進歩した科学技術は、人類社会を豊かにし、ライフスタイルと価値観を大きく変化させたが、一方で軍事技術の高度化、環境破壊などをもたらした。 人類は物質・エネルギー消費を拡大し、人口を爆発的に増加させる一方、かってない規模で凄惨な世界戦争を引き起こした。 科学者は、自らの研究が人類社会に与える影響をこれまで以上に慎重に考慮しなければならない。

今までの科学と将来のあり方 1.科学の自己完結性 (科学者の責任) 科学=真理の探究 → 社会 (無矛盾性) (応用) 科学=真理の探究 → 社会 (無矛盾性) (応用) 2.学術・科学の破綻 (善意の科学者) (1) 局所的破綻 (価値の破綻) 原爆・クローン等 (2) 大局的破綻 (現実の破綻) 新興感染症、                      オゾン層、温暖化等 (3) 領域間破綻 (制度の破綻) 産業廃棄物、巨大科学 3.科学者の好奇心 開発主義から循環主義へ

シナリオ別の年間エネルギー消費量比較 億トン(石油換算) 93億人が現在の日本並に消費 93億人が現在のG8諸国並みに諸費 5.3倍 (496億t) 4倍 (376億t) 93億人が現状に消費(人口増加率に比例) 1998年 1.5倍 (142億t) 93億t  現状        シナリオⅠ    シナリオⅡ     シナリオⅢ

人間活動が地球環境に与える影響 人類が自然資源を消費することにより地球環境に与える影響を測定する指標であり、WWFが考案した。

人 口 と 国 民 所 得 国民総所得 人 口 世界平均5.020ドル 3% 8% 15% 9% 40% 10% 79% 35%    人 口 と 国 民 所 得 9、266以上 9,265~2,996ドル 2,996~756ドル 755ドル以下 世界平均5.020ドル 3% 8% 15% 9% 40% 10% 79% 35% 国民総所得 人 口

21世紀初頭の人類社会が直面する問題群 ◎人口増加による環境負荷・不安定要因の増大 ◎軍事利用がもたらした技術進歩と脅威  ・地球の許容量の限界:エネルギー、食料、水 etc  ・耕作による周辺環境の破壊  ・効率的な食糧供給の必要性と人体への影響:遺伝子組み換え生物、狂牛病  ・生存のためのニーズが新たな地域紛争、国際紛争の要因に ◎軍事利用がもたらした技術進歩と脅威  ・戦車、戦闘機、潜水艦、原子力爆弾(核兵器)、大陸間弾道ミサイル  ・インテリジェンス、コンピューター、サテライト、スペースシャトル

◎豊かなライフスタイルの可能性と不安定要素 ◎新しい戦争  ・地域間・宗教・文明間、テロ  ・安全保障の概念の変化、ヒューマンセキュリティーの高まり ◎ビジネスと経済の新たな基盤  ・新素材、コンピューター、航空機、インターネット ◎豊かなライフスタイルの可能性と不安定要素  ・先進国における文明的なライフスタイル  ・都市化、核家族化、価値観の変化  ・高齢化の進展と疾病のパターンの多様化  ・糖尿病、動脈硬化、ガン、高齢化、アルツハイマー  ・人口増加と南北問題(二極化)

◎グローバリゼーションの可能性と不安定要因 ・輸送技術、通信技術の進展 ・グローバル経済の進展と連鎖関係 ・南北問題、第4世界  ・輸送技術、通信技術の進展   ・グローバル経済の進展と連鎖関係  ・南北問題、第4世界  ・発展途上国における金融問題  ・世界の時間距離の短縮とボーダーレス化  ・グローバリゼーションによる新しい価値観 ◎医学と公衆衛生の進歩がもたらす光と影  ・疾病管理予防、予防接種  ・抗生物質の発見、ペニシリン、耐性ブドウ球菌  ・DNAの発見  ・医療技術、CT、MRA  ・長寿化と乳幼児死亡率の低下による人口増大  ・遺伝子の機能、構造の分析の進展と、遺伝子操作  ・人工授精(試験管ベビー)  ・哺乳類のクローンおよびヒトへの応用の可能性  ・ヒトゲノムのシーケンスの解読

◎コンピューター技術が創出する新たな世界 ・我々の生活に身近になるインターネットおよび衛星通信によるグローバルコミュニケーション  ・高速かつ信頼性の高い大容量メモリーと再生能力  ・我々の生活に身近になるインターネットおよび衛星通信によるグローバルコミュニケーション  ・情報の流通による市民権力へのシフト  ・経済および教育のグローバル化 ◎グローバリゼーションと経済発展がもたらす新たな軋轢、  環境問題  ・e-ワールド、e-ファイナンス、e-ビジネス、e-エデュケーション  ・持てるものと持たざるものとの格差問題・南北問題・第4世界問題の深刻化  ・文明、宗教、歴史による人生観、価値観の違い  ・国、宗教、都市化の進展によるライフスタイルの違い  ・問われる「国家」の定義、国家主権の相対化  ・CO2排出量の増加と温暖化の進展  ・汚染物質の排出と公害の悪化  ・環境破壊と多数の生物の絶滅  ・資源と製品のリサイクル(コンピューター、車、家電)

3.21世紀の問題群 既存の価値観を見直す必要性 3.21世紀の問題群   既存の価値観を見直す必要性 経済活動が巨大化・グローバル化、高速化し、地域的・民族的な価値観が錯綜する中で、我々は、地球という限りある惑星でどのように生きるかという根本的な問題に直面している。 環境・資源絶え間ない地域的紛争などの解決には国際協力が不可欠となっている。 20世紀における人類社会の変動と科学技術の発展の結果、多くの領域で既存価値観のとらえ直しが必要とされてきている。

「行き詰まり問題」の構図 地球 逃げ道がない 外には解決策がない 人間活動(国家/ 民族/ 集団など) 地球    逃げ道がない      外には解決策がない          人間活動(国家/ 民族/ 集団など)     地球          人間活動(国家/ 民族/集団など)       逃げ道がない      外には解決策がない 人間活動(国家/民族/集団など) 地球 軋轢/対立/不調和/ 不均衡/不公平 人間活動(国家/民族/集団など)

4.地球的規模の問題群に対する 日本からの貢献の可能性 日本は東アジアの文化的土壌に西欧的科学技術をいち早く導入し、世界第二位のGDP規模を有するに至っている。 しかし、現在では、日本社会のシステムが個人の能力を十分発揮できる可能性を阻害する構造になっている。 日本が世界に開かれた社会になることで国際貢献の展望が見出せる。

日本からの3つの視点 視点①【世界】への貢献 世界 日本 アジア 視点②【アジア】への貢献 視点③日本社会自身の再活性化 ・・・・世界のリーダーとしての日本 製造技術、環境対策、人材養成  日本 世界 アジア 視点②【アジア】への貢献 ・・・・東洋と西洋の接点としての日本 アジアで最も進んだ経済先進国 視点③日本社会自身の再活性化 ・・・・日本固有性・特性の再評価    「和を尊ぶ」「わび・さび」    「国土の7割が森林」等

日本の計画の提案 1.人類的課題への対応 2.進化する人類社会へのシナリオ 3.学術により駆動される情報循環モデルの 構築   構築 4.4つの再構築への挑戦

1.人類史的課題への対応 (1)人類史的課題としての「行き詰まり問題」 21世紀初頭の人類的課題は、根本的には地  21世紀初頭の人類的課題は、根本的には地 球の物質的有限性(地球の有限性)と人間活 動の拡大によって生じた「行き詰まり問題」と してとらえられる。 (2)21世紀の学術・科学に求められる人類社    会に対する貢献:持続可能な開発の具体化

「行き詰まり問題」の構図 地球 逃げ道がない 外には解決策がない 人間活動(国家/ 民族/ 集団など) 地球    逃げ道がない      外には解決策がない          人間活動(国家/ 民族/ 集団など)     地球          人間活動(国家/ 民族/集団など)       逃げ道がない      外には解決策がない 人間活動(国家/民族/集団など) 地球 軋轢/対立/不調和/ 不均衡/不公平 人間活動(国家/民族/集団など)

政府民間 これからの社会における科学者のあり方 政府民間 政府 民間 科学者 民 間 政 府 科学者 コミュニティー 20世紀 科学者           科学者  政府民間      科学者 政府主導の近代化     (日本) 政府  民間   科学者  21世紀 世界戦争・人口増加・ 科学技術の発展 社会と科学者の主体的活動         社   会 政  府 民 間 産業・経済・社会 科学者 コミュニティー

2.進化する人類社会へのシナリオ (1)「行き詰まり問題」への視点 (2)「持続可能性への進化」 (Evolution for    Sustainability)を遂げた人間社会の展望 (3)適切な情報循環システム構築の必要性 (4)「多様化の受容とその上での新たな展望」    を図る情報循環の創出

2.進化する人類社会へのシナリオ (1)「行き詰まり問題」への視点 解決する方法は? ○問題を取り巻く環境を改革する。        解決する方法は?  ○問題を取り巻く環境を改革する。  ◎問題に直面している主体の意識や価値観   を変革する。   とくに、この能力を備えた個人や集団の意    志決定システムの進化が必要である。

2.進化する人類社会へのシナリオ (2)「持続可能性への進化」 (Evolution for    Sustainability)を遂げた人間社会の展望   地球の有限性の中での人類社会の持続可能な開発は、欲望の抑制や欲望の方向転換を通じて確保されるべきである。その過程では、文化の多様性を尊重する中でさまざまな格差や不平等を解消し、人類社会の基本的な普遍性に基づく平等性を確保する必要がある。このような欲望の抑制や方向転換、多様性の尊重、平等性の確保に特徴づけられる意思決定システムの進化を「持続可能性への進化」と呼ぶ。

人 口 と 国 民 所 得 国民総所得 人 口 世界平均 5.020ドル 3% 8% 15% 9% 40% 10% 79% 35% 人 口 と 国 民 所 得 9、266以上 9,265~2,996ドル 2,996~756ドル 755ドル以下 世界平均 5.020ドル 3% 8% 15% 9% 40% 10% 79% 35% 国民総所得 人 口

2.進化する人類社会へのシナリオ (3)適切な情報循環システム構築の必要性 人間社会の持続可能性は、物質循環と情報循環が  人間社会の持続可能性は、物質循環と情報循環が 同時かつ調和的に実現されることによって、そしてそ のときに限り獲得される。科学技術による物質循環の 利用に加え、これまで学術的に体系づけられてこなか った「情報循環」に着目し、両者の調和を図ることが 必要である。

「情報循環」とは ①情報の時間的循環 ②情報の空間的循環 ③情報の定性的循環 情報の記録・保存・再生の3つのフェーズにより情報が貯蔵・  情報の記録・保存・再生の3つのフェーズにより情報が貯蔵・  伝達されていく。   例)伝承、教育、図書館(での学習)など ②情報の空間的循環  情報の発信・送信・受信の3フェーズにより情報が伝達されて  いく。   例)電話、テレビ放送、インターネット通信など ③情報の定性的循環  情報を担う媒体の変換(例:紙→電波)、記号の変換(例:日本語→英語)、意味の変換(例:白い色→純白さ)等、貯蔵・伝達されるべき情報の内容や形式の変換

2.進化する人類社会へのシナリオ (4)「多様化の受容とその上での新たな展望」 を図る情報循環の創出    を図る情報循環の創出  「行き詰まり」を克服する鍵は情報の創造にあり、そのためには「多様性を受容する」という基本的な考え方が必須である。  「情報の創造」は「情報の伝承・伝播」とは異なり、情報循環に関与する主体の「自立性と自由な発想」を必要不可欠とする。  画一的・均質的な思考回路のみが存在する世界では、情報循環が成立しても新しいアイディアが生まれてくる可能性は少ない。

3.学術・科学により駆動される情報循環モデルの構築 (1)学術アカデミーが行う助言   科学技術が人類社会の隅々にまで浸透した現在、「持続可能性への進化」の実現のために科学者コミュニティーが果たすべき役割と責任は重い。   世界各国のアカデミー、および科学者の国際組織は、目標に向けて協力・強調を強化すべきである。 (2)学術により駆動される情報循環モデル   「持続可能性への進化」を実現するためには、情報循環の組織化とこれを原動力として「行き詰まり問題」を乗り越える「学術により駆動される情報循環モデル」の実現が必要である。   科学研究:観測型研究と設計型研究、俯瞰型研究 

学術により駆動される情報循環モデル 設計型 研究 観測型 研究 俯瞰型 研究 政府 民間 評価 分析 助言・提言 助言・提言 「行き詰まり問題」を乗り越える情報循環 科学者による情報循環の組織化 助言・提言 助言・提言 科学者コミュニティー内の情報循環 設計型 研究 観測型 研究 評価 分析 俯瞰型 研究       科学者コミュニティー

Perspective View of Human History and Activation 未来 ②未来予測 ③戦略研究 人間活動(社会) 大気圏 生活 現在 生態圏 人の心 人間活動 産業 政治 水圏 土壌圏 人の活動 地下圏 文化 ①原因分析 過去 空間的に俯瞰する+時間的に俯瞰する+社会を俯瞰する→地球を俯瞰する 地球の俯瞰 Perspective View of Human History and Activation

4.4つの再構築への挑戦 (1)人類の生存基盤の再構築 (2)人間と人間の関係の再構築 (3)人間と科学技術の再構築 (4)知の再構築    循環型社会の実現、自然環境の価値・多面的機能 (2)人間と人間の関係の再構築    多様性を受容する価値観、男女共同参画社会 (3)人間と科学技術の再構築    人類生存の基盤の強化    人間と科学技術の関係の再構築 (4)知の再構築    新たな俯瞰的研究、人材養成    関係者間の行動の調和

4つの再構築と検討課題 ? 知の体系 人間と人間の関係 人間と科学技術の関係 人類の生存基盤 教育体系 (情報循環) 情報技術革新  (情報循環) 情報技術革新     ? 価値観・ライフスタイル 循環型社会 (物質循環) 人間と人間の関係 ジェンダ問題 農業・森林の多面的機能 人間と科学技術の関係 ヒューマン・セキュリティー 生命科学・生命倫理 人類の生存基盤 ?

日本の計画Japan Parspective の検討スコープ見取り図 日本の計画Japan Parspective の検討スコープ見取り図                                                                         日本 アジア 世界 日本的なもの/アジア的なものの有効性をどう取り出すか 20世紀         20世紀をどう評価するか       科学技術の発展、生産性の向上、経済発展             豊かさの向上医学の発展           民族独立・人権・民主主義の前進          都市化、資源エネルギー消費、戦争                生態系破壊・・・・       現在の社会をどう位置付けるか  2001         グローバル化の進展       地球環境問題、人口爆発・・・・ 日本の計画 Japan Perspective 持続可能な社会に至る人類が歩むべき道        21世紀の発展モデル  21世紀 持続可能な社会 持続可能な社会  2101 ~ ~ ~