「ひさき」衛星(EXCEED)による ジオコロナ観測と プラズマ圏のEUV 観測 1.イントロダクション 2.地球周辺の電離大気の撮像 3.EXCEED/ひさきの観測 東京大学 吉川 一朗
中性/電離大気の高度分布 (ジオコロナ) 電離大気 中性大気 ひさき(Sprint-A) EXCEEDの飛翔高度 H、He スケールハイト 化け学反応が存在比を決めている電離層E領域、運動、輸送が組成比を決めているF領域 ひさき(EXCEED)の観測対象は太陽系惑星の大気であるが、地球大気の中から観測するしかない。 中性大気
地球周辺の概観 プラズマ圏、リングカレント 広義には、地球起源の冷たいプラズマをジオコロナ、というのかな?
磁気嵐の最中に, 水素原子の総量(3Reから8Reの範囲)の増加が報告されている 比較的最近の話題 磁気嵐とLy-αの相関 -40nT程度のDsTの減少でもLy-α強度に増加が見られる Dst index(上)とTWINS/LADで得られた3〜8RE までの水素原子数(下) [Bailey and Gruntman, 2013] 磁気嵐の最中に, 水素原子の総量(3Reから8Reの範囲)の増加が報告されている
観測のgeometry EXCEED/ひさきの視線方向 あとでおはなししますが、ひさき衛星の観測では磁気嵐中にLy-alphaの増加は見られない。
地球電離層外側(プラズマ圏) の成因 + ① ② ② ① ①+② ①+② 西田先生が1966に説明 太陽風に引き起こされる、磁気圏内の大規模な流れ = コンベクション (変動) 地球の自転に引きずられることによる、磁力管の流れ (定常) + ① ② 地球の固有磁場 コンベクション ② 地球 太陽 ① 赤道面 ①+② ①+② 閉じた領域 : 開いた領域 : 電離圏から粒子が供給 され続ける→高密度 磁気圏外部に流されてしまう→低密度 西田先生が1966に説明 赤道面における磁力管の流れ
分布の変動は大きい - 太陽風に対するプラズマ圏の応答- 赤道面上における粒子がE ×Bドリフトに従うと仮定 惑星間空間磁場(IMF Bz) 対流電場 プラズマ圏 北向き 弱い 大きい 南向き 強い 小さい = 太陽風のもつ電場 (IMF Bzの極性) 対流電場 太陽風の変動 プラズマポーズ の動き 遅れ 夕方側にでっぱりがある。西田説でも説明できる。 太陽風の持ってくる磁場により、プラズマ圏の様子が変わる コンベクションの変動によるプラズマポーズの運動の概略図 プラズマポーズの運動は対流電場に支配される
プラズマ圏の撮像@30.4nm 程よい距離:Apogee: 8Re 太陽共鳴散乱光による撮像@EUV 地球の影 IMAGE衛星 太陽光 90年後半には、ヘリウムイオンの太陽共鳴散乱光(極端紫外光)による2次元像が得られるようになった。 太陽共鳴散乱光による撮像@EUV 地球の影 程よい距離:Apogee: 8Re IMAGE衛星 11時間の軌道周期のうち、遠地点付近で5~6時間の撮像を2000-2001年の間おこない、十分なデータベースを作成。 太陽光
90年代に撮影した 最初のプラズマ圏の画像 日本のグループ プラズマポーズがはっきりとは見えないが。 あけぼの SMSのほぼ同時刻の観測
月の周回から撮影 by かぐや衛星 日本のグループ
月から見た地球のHe+コロナ かぐやが撮影したプラズマ圏。プラズマポーズの凸(赤矢印)が約26時間で地球の周りを運動しているのが分かる。
NASAのIMAGE衛星でも撮影@30.4nm 形成の瞬間を捉えた映像はない。(突然発生する) 2000年の5~12月までの観測で8例を見つけた。 形成の瞬間を捉えた映像はない。(突然発生する) 太陽風の擾乱による、地球周辺に特異な電場構造が生成の原因、という説が有力
月の周回軌道中に故障(?) Equatorial mounting EUV telescope UPI is only instrument, which did not focus on lunar science, but geophysics.
全天MAP 銀河座標系(銀経, 銀緯) EUV sky map Clear EUV point sources are indicated as red dots. すべての画像の重ね合わせ。明るい領域は太陽光の混入。「明らか」に星だと分かる像には赤点を付した。
EXCEED(on ひさき) is an existing Earth-orbiting spectrometer working in the EUV spectral range, still observing planets Sprint-A (Hisaki) with EXCEED was successfully launched by epsilon rocket from Uchinoura last September.
What is EXCEED doing now? (Now he is orbiting around the earth.) EXCEED is now watching Venus with the slit placed on the equator to witness the atmospheric outflow via SW interaction.
EXCEED/Hisakiによる金星の観測 60” slit Venus & Mars 10” 60” ←太陽 流出大気 O+ at 83.4nm 太陽共鳴散乱光で撮像 百武彗星 (EUVE)
The spectrum of Venus ? 1190 NI, OI, CO (B-X (0,0)) ~1150 NI 1134 CO(4P) A-X (14,2) 1282 blended with CI (1277) CO(4P) A-X (14,3) 1317 CO(4P) A-X (14,4) 1354 blended with OI (1356) CO(4P) A-X (14,5) 1392 CO(4P) A-X (14,6) 1432 blended with CI(1422) ? 1190 NI, OI, CO (B-X (0,0)) ~1150 NI 1134 ?, CO (C-X, E-X), N II 1040 ~ 1090 OI 989 CII(1335) or (10,1) (12,2) 2 3 4 ? 5 ?6? ? Geocorona illuminated Overall slit! He I (584) O II (834) O I (1304) Lyman-β(1025) Lyman-α(1216) Figure 4: A large number of individual bands of the carbon monoxide spectrum (4P, Hopfield Birge) are clearly identified as well as carbon emission line. Carbon monoxide spectrum is complex result of several process. Solar Lyman-α line optically pumps up to (14, 0) band system and cascading are seen. Transitions at (10,1) and (12,2) are the 2nd-cascading product.
Long-team exposure can visualize the outflow of atmosphere from Venus O+ N+ C+ He I (584) O II (834) O I (1173) O I (1304) Lyman-β(1025) Lyman-α(1216)
Geocorona measurement (observation) Figure 8. A variation of intensity of He I, O II, Lyman-γ, -β, -α, and O . They have 100-minute periodic variation due to the spacecraft orbital period. The variation can be estimated by simple numerical formula. Numerical formula itself does not have geophysical meaning, but it is important to subtract terrestrial emissions from the observation.
ジオコロナ 地球の電離大気(He+)を起源とするEUV(He II 30.4nm)は空間分布、強度ともに変動が大きく、現在でも研究も活発。Image衛星の後継機を日本で打ち上げるという機運もある。 水素やヘリウム原子を起源とするEUV強度は、(私自身に測定の経験はなかったが、)ひさき衛星による長時間観測により、大気光強度のモデリングがひさき衛星から可能かも。 惑星(金星)の上層大気で起こる電荷交換反応で発せられるEUV検出に期待。