東日本大震災支援 「お産の宿 project」 情報

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防災部会 平成23年度前期総会. The table of contents 1 東日本大震災概要(寺林) 2 被災地現状(下山 SV) 3 トンガでの影響(工藤)
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東日本大震災支援 「お産の宿 project」 情報 2011年4月7日 東日本大震災支援 「お産の宿 project」 情報 ここでは、被災地の妊婦さん、お産直後の方々に、安心な滞在先と 分娩施設を一緒に提供する取り組みについてご紹介します。 編集:北里大学医学部産婦人科 海野信也 E-mail: Unno-tky@umin.ac.jp Twitter: NobuyaUnno Website: http://shusanki.org

被災地およびその周辺の産婦人科医療供給体制 人口* 分娩数** 診療所分娩率 全体 病院 診療所 (%) 青 森 1388000 11242 5168 6074 54 岩 手 1347000 11624 6058 5566 47.9 宮 城 2329000 18536 9001 9535 51.4 秋 田 1105000 8107 5559 2548 31.4 山 形 1182000 10437 6183 4254 40.8 福 島   2043000 18594 8068 10526 56.6 茨 城 2923000 24483 13839 10644 43.5 * 2008年 人口動態調査より ** 2010年 日本産婦人科医会施設情報調査より 岩手、宮城、福島3県で48754分娩 日本医科大学 中井章人教授ご提供

3県合計 14798/45218 (32.7%) 日本医科大学 中井章人教授ご提供 被災3県の津波被害と原発避難地域の市区町村別分娩数(2009年人口動態調査より抜粋) 県 岩手県 宮城県 福島県 県民分娩総数 9904 18988 16326 実際の分娩数* 11624 18536 18594 1720 -452 2268 市区町村 洋野町 119 気仙沼市 407 相馬郡新地町 55 久慈市 297 本吉郡南三陸町 105 相馬市 335 九戸郡野田村 28 石巻市 1112 南相馬市* 604 普代村 20 牡鹿郡女川町 58 浪江町* 169 田野畑村 15 東松島市 378 双葉町* 52 下閉伊郡岩泉町 64 宮城郡松島町 78 大熊町* 128 宮古市 413 利府町 274 富岡町* 138 下閉伊郡山田町 塩竈市 337 楢葉町* 50 上閉伊郡大槌町 89 七ヶ浜町 139 広野町* 32 釜石市 286 多賀城市 649 いわき市* 2925 大船渡市 243 仙台市宮城野区 2112 陸前高田市 143 仙台市若林区 1210 *原発避難地域 名取市 546 川内村 16 岩沼市 446 田村市 279 亘理郡亘理町 255 葛尾村 6 亘理郡山元町 81 計 1822 8187 4789 18.4% 43.1% 29.3% * 2010年日本産婦人科医会施設情報調査より 3県合計 14798/45218 (32.7%) 日本医科大学 中井章人教授ご提供

被災地の分娩施設の状況 (2011年3月31日と2011年1月との比較) 全分娩施設数 病院数 診療所の分娩取扱率 診療所数 分娩対応可能 分娩対応中止 合計 岩手県 38 10 47.9% 20 8 (29%) 28 宮城県 49 18 51.4% 9 22 (71%) 31 福島県 54 23→20 56.6% 17 14 (34%) 142 52 44 (49%) 90 日本産婦人科医会提供の資料より作成

妊婦の県外転院相次ぐ…福島・いわき 2011年4月2日 読売新聞 妊婦の県外転院相次ぐ…福島・いわき 2011年4月2日 読売新聞  東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、福島県いわき市の産婦人科医院に通院する妊婦が相次いで県外などに転院し、出産することが分かった。  この産婦人科医院は原発の半径30キロ圏外にあり、避難指示の対象地域に入っていない。長距離の移動で母体への負担は少なくなく、医師らは「遠方の病院に移っての出産が必要なのか、冷静に判断してほしい」と指摘している。  いわき市の「村岡産婦人科医院」では、通院していた妊婦の半数にあたる約30人が県外や市外に転院。村岡栄一院長によると、転院した妊婦の多くは放射能の影響に不安を覚えているようだったという。  移動中に破水した妊婦もおり、電話相談を受けた同院マネジャーの村岡真理子さんは、最寄りの病院へ行くよう指示して事なきをえた。「状況によっては流産する恐れもある」と気をもむ。  一方、先月11日の東日本大震災発生以降、同院で約20人が無事に出産している。26日に長女梨杏(りな)ちゃんを産んだ同市の根本美幸さん(32)は「安心して産める場所を選んだ」と話す。夫の勝さん(32)も「環境が変わるストレスを考えると、母体にとって避難が必ずしも良いとは思わない」と語った。村岡院長は「30キロ圏内で屋内退避指示が出ていれば、通院できないのでやむを得ないのだが、必要性が低ければ、今まで通りの場所で産む方が母体にもいい」と話している。  受け入れる側の医療機関も心配する。福島総合病院(福島市)は震災後、南相馬市などから移ってきた3人の妊婦を受け入れた。いずれも無事に生まれたが、母子手帳のない妊婦を受け入れれば、母子の情報が不足する中で診察することも考えられる。同病院では「元々の場所で出産できるのなら、母子の安全面からも移動はできる限り避けるべき」(事務部長)としている。

震災後の大阪府への妊婦さんの転入状況 2011年3月30日現在(大阪府立母子保健相互医療センター光田先生ご提供) 都道府県名 人数 宮城県 15 福島県 23 茨城県 9 栃木県 4 群馬県 埼玉県 29 千葉県 34 東京都 89 神奈川県 山梨県 1 静岡県 3 福井県 その他・不詳 26 合計 272 地震「被災地域」への里帰り予定を変更   25 茨城2、福島3,宮城3 千葉4、東京4、神奈川2,栃木1、新潟1 不明5 地震「被災地域」から大阪へ里帰り      74 大阪方面に旅行中で帰ることができない   2 大阪へ避難・予定していない里帰り  158 その他                10 無回答                    3 総計                   272

平成23年3月22日付事務連絡:厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課、家庭福祉課、 厚生労働省社会・援護局総務課 東北地方太平洋沖地震で被災した妊産婦、乳幼児の 住居の確保及び出産前後の支援について 被災し避難している妊産婦、乳幼児については、災害時要援護者として、優先的に住まいの確保に努めるとともに、母子生活支援施設(被災地以外の都道府県に所在する施設を含む)等の利用も可能であるので、担当課と連携を密にすること。 仮設住宅、公営住宅等に入居した妊産婦、乳幼児に対しては、市町村母子保健事業(保健師・助産師等による訪問、母子保健推進員等のボランティアの活用等)により支援を行うこと。 被災者のうち、妊婦、褥婦及び新生児については、特に保健上の配慮を要するため、医療機関や医療関係団体等と相談して、助産師等相談にあたる職員を配置し、避難所として適切な施設を確保することが可能であること。また、これらの者に対しては、市町村、医療機関、関係団体等が連携し、産前産後ケアや申請によるメンタルケア等、必要かつ可能な支援を行うこと。さらに、できる限り、間仕切り用パーテーションの設置を行う等配慮を行うこと。これらの支援については、災害救助法の国庫負担の対象となること。

避難所の妊婦さんに関する情報 2011年4月1日現在:北大小児科 長先生よりの情報 避難所の妊婦さんに関する情報 2011年4月1日現在:北大小児科 長先生よりの情報 女川の避難所におられる妊婦さんは9名 3名:宿泊施設が用意されるなら、利用を希望 3名:交通手段の提供のみを希望 3名:自力(自家用車)などで移動可能で、分娩後の行く先に目処がある 差し迫った問題として、4月7日に受診予定の 方が複数おられる。早急に移動手段の確保が必要 自力で移動可能な3名の方のうち、1名は石巻 日赤での帝王切開が決まっているが、「3日で退院」と言われていて不安。

「お産の宿」構想 出産前後の妊婦さんとその家族の滞在施設 青森県 宮城県立こども病院マクドナルドハウス 出産前後各1ヶ月程度を想定 災害救助法の要援護者として補助金を支給 自己負担ほぼゼロで、食事と住居を提供 母乳指導・育児指導・生活支援等を行う 青森県 県外からの一時避難者の一般の方々に対しては、三食付きで30日間の宿泊施設(ホテル旅館)を無料で提供しています。 3月26日から開始。4月1日日現在、石巻の妊婦さん親子1組が利用、近辺の開業医の先生のところで健診を受けています 宮城県立こども病院マクドナルドハウス 妊娠37-38週になったら,産科を受診して手続きの後,マクドナルドハウスに分娩開始まで滞在する こちらに来るための交通手段は別に確保が必要 1泊1000円 自炊になります.当院への支援物資の配給が一部可能 ファミリールームを使うので,子どもさんやご主人など2-3人までは可能。陣発,分娩で母体が入院している間は,マクドナルドハウスで誰か面倒をみてくれる人が必要 退院後の産褥期の滞在は2-3日くらいまで

日本産婦人科医会の取り組み 妊産婦さんのための地震関連情報のportal siteの設置 http://www.jaog.or.jp/index02.html

東京都の取り組み 出産施設は東京都産婦人科医会が紹介 東京都港区で提供予定の住宅 グランドプリンスホテル赤坂: 出産育児一時金の範囲内なので、お産に関する自己負担は生じません。 東京都港区で提供予定の住宅 港区港南3丁目にある区営住宅の7室 仲間がいる安心感がもてるのではとの配慮です。 3ないし2LDK。 50m2程度 家族での利用も可能。シェアーして使うのも可能 交通手段は来る自治体からお願いします。 期間:6か月。 グランドプリンスホテル赤坂: 条件:今年の6月30日に必ず退所 現在34~35週以降の妊婦さん 現在、被災県か東京都の防災本部への正式な依頼待ちの状態。

「赤ちゃん一時避難プロジェクト (東京女子医科大学大学院の保田典子先生より) http://baby.wiez.net/ 避難所や自宅で不自由なお子さんとお母さんorご家族を一時湯沢町の旅館やホテルなどで過ごしてもらおうという企画です。 私は3月27日から29日まで南三陸町で対象となるご家族をピックアップしました。南三陸町では町、県の保健師さんと支援に来られている全国の保健師さん達ですでに乳幼児、妊産婦、高齢者や疾患をもっておられる方のピックアップを避難所や一戸一戸を戸別訪問して作成されておりました。 その情報は町長さんのいる町で一番大きな避難所の保健師ゾーンにデータがありました。 妊産婦さんや赤ちゃんは避難所には少なく、津波の被害をまぬがれた個人宅に身を寄せている方が多かったです。 赤ちゃんがいる避難所や個人宅をひとつひとつ訪問させていただいていたのですが、南三陸町の方々はライフラインもない劣悪な環境の中でも食料があることなどに感謝して生活されていました。 また、年長者の方は生まれ育った土地を一瞬でも離れる事に非常な抵抗感を示す方が多く、「今まで2週間以上元気だったのだから、特に移動する必要はない」と言われることが多かったです(ご自分のことだけでなく赤ちゃんを含めたご家族にもこの考えは適用されます)。 

富山県の取り組み 黒部市商工会議所支援プラン APAホテル・賃貸物件利用プラン(赤ちゃん安心お出迎えプラン) 連絡先:富山大学産科婦人科医局 対象:宮城県の方々。家族単位を考えておられます。 物件:生活用品(冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、家庭用品等)完備の住宅 20軒 その他:就労先(製造業、建設業、小売、サービス業など)100人分を確保していますので働くことができます。 APAホテル・賃貸物件利用プラン(赤ちゃん安心お出迎えプラン) 対象:震災で困っておられる妊産婦(特別料金で対応) 物件: アパホテル富山 シングル  2ヶ月分189,000円 アパホテル富山駅前 ツイン 2ヶ月分378,000円 富山地区賃貸物件  2DK  寝具・家電なし 2ヶ月分128,000円 寝具・家電付  2ヶ月分174,000円 1LDK 寝具・家電なし 2ヶ月分161,000円 寝具・家電付  2ヶ月分207,000円 2LDK 寝具・家電なし 2ヶ月分185,000円 寝具・家電付  2ヶ月分231,000円 協力産婦人科施設:富山赤十字病院、済生会富山病院、黒部市民病院、厚生連滑川病院、富山大学附属病院、岡田産科婦人科病院、石川産婦人科病院、さたけ産婦人科、佐伯レディースクリニック、レディースクリニックむらた 連絡先:富山大学産科婦人科医局 FAX:076-434-5036  TEL:076-434-7357 e-mail: s30saito@med.u-toyama.ac.jp

東京里帰りプロジェクト http://www.satogaeri.org/ 『東京里帰りプロジェクト』は、「寒い被災地にいる妊婦さんや赤ちゃんに一刻も早く安心できる環境・温かいお部屋と食事を!」をスローガンに、東日本大震災で被災され、東京に避難を希望する全ての妊産婦さんが東京に避難し、安心して産前産後の生活を送れるよう、東京都助産師会を母体として始動したプロジェクトです。 被災地では、雪が降るほど寒い中、車の中や暖房のない場所で連日寝泊まりしている妊産婦さんが大勢います。 食料不足のため母乳がうまく出ず、しかしながらミルクも十分に与えられない環境下で、赤ちゃんに十分な栄養が行きわたらなかったり、また、流産や出産のリスクが高まったりしてしまう悲惨な状況が続いています。 このプロジェクトは、助産師が出産および産前産後の生活をボランティア家庭と協力してお手伝いすることで、被災地の妊産婦さんが実家に「里帰り」するような気持ちで安心して過ごせる環境を提供します。 東京都内にある25ヵ所の助産院では、常時、産前産後の方約50人の受け入れが可能です。 助産院では約1週間から1ヶ月間、助産師常駐の快適な環境のもと、温かい雰囲気で心身ともにリラックスして過ごすことができます。病院でご出産後の方も受け入れます。 一定期間滞在後は、 ①助産院と提携を結んだ一般協力家庭に移り、ホームステイ ②行政・企業が準備する施設に入居 の形で数ヶ月間の都内滞在を続け、その間、助産師が定期的に訪問し、ケアを行います。 費用として、東京都助産師会が独自に募る寄付、自治体からの補助金、ジョイセフからの寄付金等を充当予定です。震災後約1年間の期間を予定しています。

「お産の宿」の課題 受入側の条件と避難妊婦さんのニーズのマッチングが難しい。 課題 情報提供自体が困難 妊婦さん側のニーズには個人差が非常に大きい 基本的に地元を離れられない人が残っている現実がある 全く土地勘のないところに個別に移動することには心理的抵抗が大きい 課題 ニーズを詳細に把握すること 多様なニーズに応える多彩なプランを提示すること 地元にできるだけはやく戻ることができるようにすること

震災時の母子保健医療支援1 震災時こそ母乳栄養が重要。 その実施を支援するために避難所でもプライバシーが守られる空間の確保(授乳室、衝立など)。 子供が泣いても気兼ねせずにいられるように別室か別施設の確保。 母乳栄養が困難な場合でも、避難所では粉ミルクが支給されても、お湯を沸かすことが困難で、調乳や哺乳瓶・人工乳首の消毒が容易でない。また水道水の放射線汚染が深刻化した場合の対応。→法的規制のために日本では利用できないが、海外で市販されているような調整液状乳の緊急輸入 避難所に配置または巡回していただきたい職種 助産師または保健師→毎日相談窓口を開く 母子関係や小児心理に精通した臨床心理士→必要に応じて相談窓口を開く 保育士→毎日巡回 遊戯の専門家(child life specialists)→毎日巡回 小児科医→毎日巡回

震災時の母子保健医療支援2 必要に応じて医療・保健機関等の受診に必要な情報と移動手段 受診できる医療機関・予防接種の接種場所・健診の受診場所・電話相談窓口の情報提供 送迎のマイクロバス・タクシー券およびタクシーの配車 震災後に出生した新生児の退院先の把握と継続的ケアが必要:特に避難所に戻らざるを得ないような場合の支援。 小学校が再開されつつあるが、幼児の対応は不十分(child life specialistなどの支援が必要) 震災で中断されている乳幼児健診・予防接種の速やかな再開が必要 特に肉親を亡くした子どもの心のケアが出来る臨床心理士が重要 被災地や避難所周辺地域の基幹病院の疲弊(小児入院患者の増加や巡回診療に伴う医師・看護師の疲弊)の対策が必要(⇒県単位でなく全国的規模での人的支援の奨励)