国際海上コンテナ輸送におけるCO2排出量削減策の実行可能性に関する研究

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国際海上コンテナ輸送におけるCO2排出量削減策の実行可能性に関する研究 海運ロジスティクス専攻 0855015 高野 智貴 指導教員 黒川久幸

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論

研究背景と必要性 温暖化問題について 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によればこれ以上温暖化が進んだ場合には気候システムに大きな影響があり、積雪面積の減少や海面水位の上昇、生態系の変化、洪水・干ばつの増加などの影響があるとされる。 この温暖化の原因は人為起源の温室効果ガス(GHG)の増加である可能性が高いとされている 近年地球温暖化が問題になっております。 たとえばIPCCの報告書によればこれ以上温暖化が進んだ場合には気候システムに大きな影響があり、 積雪面積の減少や海面水位の上昇、生態系の変化、洪水・干ばつの増加などの影響があるといわれております。 そして、その原因はCO2等の温室効果ガスと言われております。 それを受けて世界全体で温暖化防止に取り組むために京都議定書が議決されました。 この議定書により先進国全体で5%、日本においては6%の削減が義務付けられました。 ・世界全体で温暖化防止に取り組むために、1997年12月11日第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で京都議定書が議決された。 ・先進国には温暖化防止のために温室効果ガス(GHG)削減が義務付けられ、日本においても1990年比で6%の削減義務が定められた。

外航海運におけるCO2排出量削減への取り組みは必須といえる。 外航海運におけるCO2削減について  外航海運についてはその複雑性、専門性から京都議定書では検討されず、国際海事機関(IMO)に任されることになった。しかし、現状では具体的な数字目標は何も決まっていない。 外航海運から排出されると思われる温室効果ガス(GHG)はIMOの推定値で8.5億トンといわれ、国別でみるとインドに次ぐ世界第6位の数字になる。 外航海運の荷動き量、船腹量は今後増加すると考えられ、それに伴い温室効果ガス排出量(GHG)も増加すると考えられる。 しかし、外航海運については外航海運についてはその複雑性、専門性から京都議定書では検討されず、 国際海事機関(IMO)に任されることになった。しかし、現状では具体的な数字目標は何も決まっていません。 外航海運から排出されると思われる温室効果ガスはIMOの推定値で8.5億トンといわれ、 国別でみるとインドに次ぐ世界第6位の数字になります。 また、外航海運の荷動き量、船腹量は増加傾向であり、それに伴い温室効果ガス排出量も増加すると考えられます。 ですので、外航海運におけるCO2排出量削減への取り組みは必須と言うことができます。 外航海運におけるCO2排出量削減への取り組みは必須といえる。

研究目的 既存研究 IMO IEA 国土技術政策総合研究所 シップ・アンド・オーシャン財団 研究目的 問題点 削減策を行うに当たり、どの程度費用、運航価格、必要隻数が変化するか考慮されておらず、実行可能性が分からない。 船舶の大きさ、速力などは地域ごとに異なる。そのため、地域ごとに有効な削減策は異なるため地域別の検討が必要になる。 既存研究 IMO IEA 国土技術政策総合研究所 シップ・アンド・オーシャン財団 海上輸送におけるCO2排出量の既存の推計としてはIMO、IEAによる推計、 国内では国土技術制作総合研究所、シップ・アンド・オーシャン財団があります。 しかし、それらの研究では削減策を行うに当たり、どの程度費用、運航価格、必要隻数が変化するか考慮されておらず、実行可能性を判断することができません。 また、船舶の大きさ、速力などは地域ごとに異なります。そのため、地域ごとに有効な削減策も異なるため地域別の検討が必要になります。 そこで、本研究ではCO2排出量削減策における実行可能性を地域別に求め、地域別にどのCO2排出削減策が有効か明らかにすることを目的としました。 研究目的 CO2排出量削減策における実行可能性を地域別に求め、地域別にどのCO2排出削減策が有効か明らかにする。

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論 ***1分30秒***

IMOにおける取組み IMOにおいては現在こちらに示す4つのことに取り組んでいます。 ①GHG排出削減対策に関する原則の制定 九つの原則 ②CO2排出設計指標の開発 エネルギー効率運航指標の開発等 ③経済的手法 排出権取引、燃料油課税 ④船舶からのCO2排出削減のためのベストプラクティス  減速運航、ウェザールーティング、適切な船舶管理などのCO2排出量を削減する行動 IMOにおいては現在こちらに示す4つのことに取り組んでいます。 1番目は温室効果ガス削減における原則の制定で、こちらはすでに9つの原則が制定されています。 2番目は船舶からのCO2排出量を評価する指標の作成で、こちらは日本が現在エネルギー効率運航指標等を開発中です。 3番目は経済的手法でこれは排出権取引等の仕組みを指します。 4番目は船舶からのCO2排出量削減のためのベストプラクティスは 減速運航など船舶の運航方法を変化させることでCO2を削減することを指し 本研究における削減策はこちらにある減速航海等を対象にしています。 順に読む ↓ ④のベストプラクティスに減速航海が含まれる。 *IMOは2008年3月の第57回海洋環境保護委員会(MEPC57)で議論された内容

①GHG排出削減対策に関する原則の制定 ここに示したのが先程の①に示したGHG排出削減対策に関する原則です。 1.地球規模のGHG総排出量の削減に効果的に貢献すること 2.抜け道を防ぐため、拘束力を有しすべての旗国に平等に適用されること   3.費用に見合う効果が得られること 4.市場歪曲を防ぐ(少なくとも効果的に最小化する)ことができること 5.世界貿易と成長を阻害せず、持続可能な環境上の措置であること 6.目標達成型アプローチに基づくものとし、具体的手法を規定しないこと 7.運産業全体における技術革新・研究開発の促進・支援に役立つこと 8.エネルギー効率分野における主導的技術対応していること 9.実用性があって、透明性があり、抜け道がなく、管理が容易であること ここに示したのが先程の①に示したGHG排出削減対策に関する原則です。 ここの3,4,5に示すように費用を考慮すること等が重要と定められています。

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論 ***2分30秒***

海上コンテナ定期航路 次にコンテナ輸送における航路を説明します。 図は航路の例になります。 この図に示すように、定期船の航路は特定の港を一定間隔で周回しております。 また、基本的にWeeklyサービスでどの港においても週に1回港に入港し、 この例では1隻の航海日数は56日でweeklyサービスを維持するため8隻で運航しています。 本研究ではこのような航路1つ1つを対象に速力等のパラメータを変更して CO2排出量、費用の計算を行い。 削減策の検討をおこないました。 参考資料:今井昭夫著、国際海上コンテナ輸送概論

地域別の航路の数値 こちらは国際輸送ハンドブックに記載されていた航路のデータをまとめたものです。 横に航海地域を、縦に項目を示します。 国際輸送ハンドブックには東アジアを中心とした航路のデータしか載っていないため 本研究では東アジアを中心とした航路のみしか対象にしておらず。 この表における地域は東アジアから見た航路の行き先の地域になります。 航路数については東アジア域内の地域が372ととびぬけて多く、アフリカ航路が28と少ないです。 船型TEUは平均が大体3000TEUに対して北米、欧州が約5000、6000TEUと高く、反対に東アジア域内は1000TEUと低い 数値を示します 速力はハンドブックに記載の速力とは別に計算から実際の航行速力を求めました。 記載速度、実速度共に北米、欧州航路の数字が高く、 実速度においては平均が大体16ノットに対し、北米地域が約19ノットと高く、東アジア域内航路が約12ノットと低い数値を示します 平均船齢、運航間隔は中東・南ア地域が高い数字を示し、 隻数については、平均が7隻に対し、南米、欧州地域が平均9隻と高い数値を示します。反対に東アジアは約2隻と少ない極端に少ない数値になります。 輸送量は北米、欧州、東アジア域内地域がどれも100万TEU以上と著しく多く 輸送距離は東アジアから遠い北米、南米、欧州航路が20000マイル以上と長い数字を示します。 消席率は半分以下の地域が多いが、北米、欧州地域は約80%と高い数字を示しています。 全体で見ると、北米、欧州、東アジア域内が輸送量が多く重要な航路ということができる。 また、北米、欧州航路が船型が大きく輸送距離が長い航路なのに比べ、 東、アジア域内航路は船型が小さく、輸送距離も小さいが、 航路数が多く小さい船舶が大量に航海している航路と言えます。

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論 ***3分30秒***

CO2排出量計算式 :航路iにおけるCO2排出量 :航路iにおけるCO2排出原単位(t-CO2/TEU/マイル) 航路iにおけるCO2排出量=輸送時のCO2排出量(CO2排出原単位×輸送トンキロ)+荷役時のCO2排出量 総CO2排出量=全ての航路のCO2排出量の合計 :航路iにおけるCO2排出量 :航路iにおけるCO2排出原単位(t-CO2/TEU/マイル) :航路iにおける輸送TEUマイル :荷役時におけるCO2排出量(t-CO2/年) :北米航路全体のCO2排出量(t-CO2/年) 上の式は1航路におけるCO2排出量の計算です。 Cが輸送TEUマイル当たりのCO2排出原単位を、TRが輸送TEUマイルを示し。 CO2排出原単位と輸送TEUマイルの数字から船舶の輸送時におけるCO2排出量を計算しています。 Pは荷役時のCO2排出量になり、これを合計することで航路における輸送時のCO2排出量と荷役におけるCO2排出量を計算しています。 総CO2排出量はこの計算から全ての航路のCO2排出量をもとめ、それを合計して求めます。 ここに示す全ての要素の計算手法を説明する時間がないので、重要なところ CO2排出原単位の計算に関わるところのみを説明します。

国土総合技術研究所のCO2推計における燃料消費量の計算式 満水排水トン、載貨重トンの推計 :航路iにおける燃料消費量(kg/km) :航路iにおける船舶の船型TEU :航路iの地域における消席率 :航路iにおける船舶の満水排水トン :航路iにおける載貨重トン :航路iにおける平均船齢(年) こちらはCO2排出原単位を求める前の燃料消費量を求める式になります。 CO2排出原単位はこの式から求められた燃料消費量を輸送TEUでわり、 Kmをマイルにj換算した後、CO2排出係数2.999を掛けることで求められます。 この式にあるように燃料消費量は船型、速度、消席率により数値が変化します。 ですので、船型、速度、消席率が変化するとCO2排出量が変化します。 船型は大きくなるほど1km当たりの燃料消費量は増加しますが、船型1TEU マイル当たりのCO2排出量は減少します。 速力は2乗で計算に影響を与えるため、速力の増加はCO2排出量の増加に極めて大きな影響を与えます。 消席率は小さいほど、貨物の積載量が減少するので、ここの式から見ると小さいほど1km当たりのCO2排出量は小さくなりますが、 CO2排出原単位に換算するとき積載した貨物の量で割るため、結局は消席率が高いほどTEUマイル当たりのCO2排出量は少なくなります。 また、本研究ではシップ・アンド・オーシャン財団の研究を基に10年で5%のCO2排出量増加で船齢の影響を考慮しています。

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論 4分30秒

総費用=1つの航路における費用合計=1つの航路における荷主の費用合計 費用計算式 荷主費用 = = 輸送費=船社費用 総費用 :本研究における計算項目 総費用=1つの航路における費用合計=1つの航路における荷主の費用合計 :全航路における費用合計 :航路iにおける荷主費用(円/年) :航路iにおける船社費用(円/年) :航路iにおける運行費(万円) :航路iにおける船費(万円) :航路iにおける仕入費(円/年) :航路iにおける輸送費(円/年) :航路iにおける保管費(円/年) :航路iにおけるリスク費(円/年) 本研究ではコンテナ船の運航に関わらない仕入れ費は対象としない。 また、リスク費については算定が推計が困難であるため今回は計算を見送った。 次に費用について説明します。 費用は荷主費用、船社費用があり、それを合わせて総費用を計算します。 しかし、船社の費用は荷主費用の輸送費に含まれるので、本研究では荷主費用が総費用と等しくなります。 荷主の費用は仕入れ費、輸送費、保管費、リスク費があります。 仕入れ費は商品の原料費、輸送費は海上輸送の費用、保管費は在庫の費用、リスク費はリスクの費用になります。 船社の費用は運航費、船費があります。 運航費には燃料費、港の入出港費、荷役費があり、 船費は船員の人件費、船舶の維持管理に必要な費用があります。 ***アニメーション、クリック*** しかし、本研究では海上輸送の費用を対象とするため、仕入れ費は考慮しません。 また、リスク費は算定が困難なため計算の対象から外しました。 以上から本研究では荷主の費用は輸送費、保管費、船社の費用は運航費、船費を対象に計算します。

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論 5分

CO2排出量妥当性考察 ここでは本研究の計算の妥当性を検討します。 ます、CO2排出量の脱オ性を考慮します。 本研究の対象範囲は東アジアを含む航路のみで その範囲のみのCO2排出量は1億1800万トンであり、 そこから全世界のコンテナ船のCO2排出量を推定した結果1億7900万トンとなりました。 図に示したのがIMOにおけるCO2排出量の推計結果で約1億6000万トンとなります。 IMOでは計算の不確定さとして20%の範囲を定めており、この範囲は コンテナ船のCO2排出量は1億2800万トンから1億9200万トンになります。 ***アニメーション、クリック*** 本研究の計算結果はこの範囲内に含まれるため妥当性があるといえます。

費用妥当性考察 費用の妥当性は費用の内訳と総学で検討を行いました しかし、発表時間が足りないため、ここでは費用の内訳のみを示します。 この図は本研究における費用の計算結果になります。 合計で9兆9千万円となりました。 費用の内訳は船費が57%と最も高く、次に荷役費の29%、燃費の11%が続きます。

これは一番上に先程の計算結果から保管費を除いた図を示します。 次に左下に日本郵船の決算短信から求めた費用の内訳、 右下に川崎汽船の内訳を示します。 日本郵船において費用の内訳は船費42%、燃費23%、荷役費28%となりました。 川崎汽船は船費40%、燃費24%、荷役費29%となりました。 本研究では実際の船社の費用に比べ船費が高く、燃費、港費が小さくなっております。 この原因としては 船費については国際輸送ハンドブックにはデータが未記入の航路が1/3ほどあったためその誤差と考えられます。 もしくは、本研究は船費の計算に既存研究の定数を使用しているため、その定数の違いが原因とも考えられます。 燃費については、本研究では2007年度のデータ計算してるのに対し、 船社の方はデータの関係で2008年のデータを使用しているため、近年の燃料費高騰を受け値上がりしていることが原因だと思われます。 港費は本研究ではトランスシップを考慮していないため、低めに出たと考えられます。 それらを考慮すれば、本研究の計算結果は大体正しい構成比になると思われるので、妥当性があると考えます。

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論 6分30秒

分析項目 ここでは計算結果を示し地域別に分析を行います。 CO2排出量と費用にごとに その地域の総量、 1TEUマイル当たりの効率 地域別CO2排出効率(CO2/TEUマイル)分析 地域別1航路当たりCO2排出量分析 定期コンテナ船運航費用の分析 ・地域別総費用分析 ・地域別費用効率(費用/TEUマイル)分析 ・地域別1航路当たり費用分析 ここでは計算結果を示し地域別に分析を行います。 CO2排出量と費用にごとに その地域の総量、 1TEUマイル当たりの効率 1航路当たりの数字を示します。

CO2排出量と費用の関係 この図は各地域の総CO2排出量と費用総額を示しています。 青棒がCO2排出量で左に数字を示します。 赤線が総費用で右に数値を示しますになります。 総CO2排出量では北米、欧州航路の数字が平均の1700万トンにくらべ約3500万トンと高いことが分かります。 総費用においては同様に北米、欧州航路の数字が平均約1兆4000億円にくらべ、約3兆円と高いことが分かります。 東アジア域内航路は輸送量は多かったですが、低速度で消席率が高いことからCO2排出原単位が低く、輸送距離も低いためCO2排出量は約1300万トンと少なく、費用も1兆2000億円と低い数字になりました。

CO2効率と費用効率の関係 今度は地域ごとの効率を見ます。 見方は先程と同じで 効率で見ると、南米、オセアニア、中東・南ア航路はCO2排出効率がTEUマイル当たり0.0003トン以上と高い数字を示し 費用効率はTEUマイル当たり15円以上と高い数字を示す。 総額と反対に輸送量の少ない地域ほど高い数字を示し。 輸送量の多い地域は効率が良く、少ない航路は効率が悪いことが分かります。

CO2排出量と費用の1航路当たりの関係 最後に1航路当たりの数字を示します。 1航路当たりの費用で見ても北米航路、欧州航路が約25万トンと高い数値を示し。 それに次いで、輸送距離、隻数の多い南米航路が約15万トンと高い数字を示しています。 費用で見ても北米・欧州航路の数字が高く どちらも約200億円と高い数字を示す。

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論 8分

削減策検討 ここでは削減策の効果を検討し、 実現可能性について考察します。 削減策はここに示す4パターンで検討を行います。 1.減速航海 2.船型大型化 3.消席率向上(船型小型化) 4.消席率向上(寄港頻度) ここでは削減策の効果を検討し、 実現可能性について考察します。 削減策はここに示す4パターンで検討を行います。 ***アニメーション、クリック*** ただし、ここでは時間がないため、 最もCO2排出量が少なかった3の消席率向上は省略します。

評価方法 上の表は削減策の概要を示しています 減速航海は速力を減らし、寄港頻度を保つ代わりに隻数を増加させる削減策であり、 船型大型化は船型TEUを大型化させる代わりに寄港頻度を減らし、隻数を減少させる削減策。 消席率の向上は船型を小型化させるパターンと寄港頻度を減少させるパターンの二つで検討を行います。 下の表は削減策の実現可能性の評価手法を示しています。 削減策の実現可能性は 社会、船社、荷主の3つの主体ごとに0‐5の6段階で相対評価を行い そのそれぞれの評価の合計から地域別に◎、○、△、×の4段階で評価を行いました。 社会的な視点ではCO2削減量を評価しました。 船社の視点では船社費用と必要な投資として隻数の変化を評価しました。 荷主の視点としては荷主費用とサービスのレベルとして運航間隔の変化を評価しました。

減速航海CO2排出量変化 速度を半分に抑えることで CO2排出量を約8800万トン削減でき 約3/4のCO2を削減することができる また、下の表に減速航海における各項目の変化を示します。 減速航海を行った結果CO2排出量はこの図のように急激に減少しました。 ***アニメーション、クリック*** この図から、速力を半分に抑えることで CO2排出量を約8800万トン削減でき 約3/4のCO2を削減することができることが分かりました。 減速割合 100% 90% 80% 70% 60% 50% 平均実速度(ノット) 15.4 13.9 12.3 10.8 9.2 7.7 航海日数(日) 34.5 38.0 42.4 48.1 55.7 66.3 平均隻数 4.5 5.7 6.2 7.0 7.9 CO2排出原単位(t-CO2/TEUマイル) 0.00032 0.00026 0.00021 0.00016 0.00012 0.00008

減速航海費用変化 速度を半分に抑えると 費用が約4兆7千億円増加し 約5割の費用が増加する 次に減速航海における総費用の変化を図に示します。 横軸が減速の割合で、縦軸が総費用です。 水色が荷役費、紫が港費、緑が燃費、赤が船費、青が保管費を示します。 これを見ると船費の増加が大きいことが分かります。 燃料消費量も減少していますが、船費の方が割合が大きいため 総費用は大きく増加しています。 ***アニメーション、クリック*** ここから速度を半分に抑えると 費用が約4兆7千億円増加し 約5割の費用が増加することが分かります。

減速航海社会的視点 次に社会的主体の評価を行います。 社会的主体としてはCO2排出量の削減を見ます 下の表には総CO2排出削減量、1航路当たりの削減量、TEUマイル当たりの効率の変化、総CO2排出削減量の削減割合を示します。 最後にCO2排出量の相対評価からもとめた評価を記します。 地域別にみると平均1300万トンの削減にくらべ、北米地域、欧州地域が約3000万トンと高い数字を示し、評価も高い5となります。 ただし、効率で見るともともと効率の悪い南米、オセアニア、中東・南ア地域が高い改善を示します。

減速航海船社の視点 次に船主の主体で評価を行います。 先程と同様に50%減速時における船主費用の増加額を上のグラフに示します。 下の表には船主費用の総額、TEUマイル当たりの効率、1航路当たりの数値、船社費用の増加割合を示します。 最後に、船社費用の評価を示します。 その下には減速航海において必要となる隻数の増加を示しています。 こちらは地域における必要な総隻数と1航路当たりの必要隻数、隻数の増加割合を示し、 船主費用と同じように相対評価の値を示します。 船社の主体で見ると 北米、欧州地域の費用増加が平均7千億円にくらべそれぞれ1兆円、1兆5千億円と高い数字を示します。 しかし、増加の割合で見ると北米航路、東アジア域内航路は平均50%にくらべ39%、24%と低い数字です。 ***アニメーション、クリック*** こちらに示すグラフは50%減速時における合計必要隻数のグラフです。 隻数の増加は北米航路、欧州地域が合計で1000隻以上必要であり投資額が大きいことが分かります。 東アジア域内航路においては1航路当たりの必要隻数が2隻であり、1航路においては必要な投資が少なくなります。

減速航海荷主の視点 次に荷主の主体による評価を行います。 荷主においても上に50%減速時における荷主費用の増加額のグラフを示し 下に、荷主費用総増加額、1航路当たりの荷主費用増加額、荷主費用増加割合を示し、最後に相対評価を示します。 荷主の視点から見ると 費用は船社と同じく北米、欧州地域が高い数字を示します。 また、割合で見ると北米、東アジア域内地域が低い数字を示します。 運航間隔はここでは寄港頻度一定で変化しないので全地域で評価は5としました。

減速航海まとめ 最後に減速航海の実行可能性について評価を行います。 上には先程の主体別の検討で示した表をまとめたものを示します。 下には主体別の評価をまとめたものを示し。一番下で実行可能性について評価しています。 減速航海についてまとめて考えると CO2排出量の削減が大きいが、費用の増加も大きいということができます。 その為、荷主や船社の負担が大きく、荷主、船社の理解がなければ実行が難しい削減策ということができます。 地域別に見ますと 北米、欧州地域ではCO2排出量が多いため社会的な主体の評価は高いですが、 船社、荷主にとっては費用が増加すること、必要隻数が増加することから評価は低くなります。 ですので、総合的に考えると実行可能性は少ないと考え△にしました。 総合的に見るとCO2排出削減量が少なくなく、費用の増加が少ない東アジア域内航路で実行可能性が比較的高いと考え、○としました。

船型大型化CO2排出量変化 船舶の船型を2倍にすることで CO2排出量を約3400万トン削減でき 約3割のCO2排出量を削減することができる 次に船型大型化の検討に入ります。 この図は船型大型化におけるCO2排出量の変化です。 下に船型大型化における各項目の変化を示してあります。 この図を見ると減速航海に比べ減少は緩やかであることが分かります。 ***アニメーション、クリック*** 船型が2倍にして計算した場合、 CO2排出量を約3400万トン削減でき 約3割のCO2排出量を削減することができることが分かりました。

船型大型化費用変化 船型を2倍にすることで 費用を約2兆円削減することができ 約2割の費用を削減することができる 次に船型大型化における費用の変化を示します。 200%大型化における船主費用の増加額を上のグラフに示します。 下の表には船主費用の総額、TEUマイル当たりの効率、1航路当たりの船社費用、費用の減少割合を示します。 最後に、船社費用の評価を示します。 この削減策では隻数が減少するため、船費が減少し、総費用が減少しています。 ただし、運航間隔が増加するため、保管費が増加しています。 ***アニメーション、クリック*** 計算結果から船型を2倍にすることで 費用を約2兆円削減することができ 約2割の費用を削減することができることが分かりました。

船型大型化社会的視点 次に社会的主体による評価を行います。 上の図は200%大型化におけるCO2排出量削減量を示し、 下の表には総CO2排出量、1航路当たりのCO2排出量、TEUマイル当たりのCO2効率、CO2の削減割合、最後にCO2排出量の相対評価を示します。 CO2排出量は北米、欧州地域の約1000万トン削減と最も多いですが、 減速航海の約3000万トン削減に比べると低い数字の為、相対評価は2となりました。 割合で見ると東アジア域内航路の36%が最も高い数字になります。

船型大型化船社の視点 船型大型化を船社の主体から評価します。 先程と同様に200%減速時における船主費用の増加額を上のグラフに示します。 下の表には船主費用の総額、TEUマイル当たりの効率、1航路当たりの数値、船社費用の減少割合を示します。 最後に、船社費用の評価を示します。 船社の視点から見ると 平均約3000億円の削減に対し 欧州地域が1兆円削減と大きい数字を示します。 また、割合で見ても34%と最も高い数字を示します。 ***アニメーション、クリック*** このグラフは地域別の合計隻数の減少を示しています。 隻数の点から見ても欧州地域は648隻減少と最も高く、 隻数における船主の評価は高くなります。 また、欧州地域以外も費用、隻数が減少するため全体的に評価は高くなりました。

船型大型化荷主の視点 次に荷主の主体における評価を行います。 上に200%大型化時における荷主費用の増加額のグラフを示し 下に、荷主費用総減少額、1航路当たりの荷主費用減少額、荷主費用の減少割合を示し、最後に相対評価を示します。 荷主の視点で見てみると、 費用については船主と同様に欧州地域の数字が高いことが分かります。 荷主においては保管費が増加しているため、費用の削減が少なかった東アジア域内航路では費用が増加に転じています。 ***アニメーション、クリック*** このグラフは200%大型化における、地域ごとの運航間隔の増加を示しています。 運航間隔はどの地域でもほぼ同じ増加量であり、 大体weeklyサービスから週2回にサービスレベルが低下しています。

船型大型化まとめ 減速航海と同じように上に今までの表のまとめを 下に評価のまとめと実行可能性の評価を示します。 船型大型化についてまとめると CO2排出量は減速航海ほど多くないが、 費用、隻数が減少するため船社の評価の高い削減策ということができます。 荷主においては費用はほぼ減少するが 運航間隔が増加してしまい、サービスレベルは減少する。 しかし、荷主における費用の削減と相殺すると考えれば、 荷主においてもマイナスは少ないため、比較的実行しやすい削減策ということができる。 地域別で見ると、CO2排出削減量が多く、費用の減少が極めて大きい 欧州航路で船型大型化の効果の実行可能性が高いと考えられます。

消席率向上(寄港頻度減少)CO2排出量変化 消席率を50%向上させることで CO2排出量を約9700万トン削減でき 約8割のCO2排出量を削減することができる 最後に消席率向上(寄港頻度減少)について説明します。 この図は消席率向上(寄港頻度減少)におけるCO2排出量の変化で、 下の表は各項目の変化になります。 ここから、消席率向上(寄港頻度減少)は最初の、10%、20%で大きくCO2が削減できることが分かります。 ***アニメーション、クリック*** 計算結果から消席率を50%向上させることで CO2排出量を約9700万トン削減でき 約8割のCO2排出量を削減することができることが分かりました。

消席率向上(寄港頻度減少)費用変化 消席率を50%向上させることで 費用を約7千億円削減することができ 約1割の費用を削減することができる 次に費用について説明します。 総費用では燃費の減少により総費用はわずかに減少します。 しかし、運航間隔は増加しているので保管費は増加しています。 ***アニメーション、クリック*** 計算結果から消席率を50%向上させることで 費用を約7千億円削減することができ 約1割の費用を削減することができることが分かりました。

消席率向上(寄港頻度減少) 社会的視点 次に社会的な主体による評価を行います。 上の図は50%消席率向上におけるCO2排出量削減量を示し、 下の表には総CO2排出量、1航路当たりのCO2排出量、TEUマイル当たりのCO2効率、CO2の削減割合、最後にCO2排出量の相対評価を示します。 削減額で見ると、北米、欧州航路が約2100万トン、約2600万トンと平均1200万トンに比べ高い数字を示します。 削減割合で見ますと、南米、アフリカ、オセアニア、中東・南アの消席率の小さい地域が削減割合が高いことが分かります。 ここでは、CO2の削減量の多い北米、欧州の航路の評価が高くなります。

消席率向上(寄港頻度減少)船社の視点 次に船社の主体から評価を行います 50%消席率向上時における船主費用の増加額を上のグラフに示します。 下の表には船主費用の総額、TEUマイル当たりの効率、1航路当たりの数値、船社費用の減少割合を示します。 最後に、船社費用の評価を示します。 船社の視点で見ると 北米、欧州航路の削減額が平均1300億円の削減にくらべ、 2200億円、3000億円削減と比較的高い数字を示します。 また割合で見ますと南米、オセアニア航路の数字が高くなります。 隻数はこの削減先では変化しないため、一律2の評価を行いました。

消席率向上(寄港頻度減少)荷主の視点 荷主の主体による評価を行います。 上に50%消席率向上時における荷主費用の増加額のグラフを示し 下に、荷主費用総減少額、1航路当たりの荷主費用減少額、荷主費用の減少割合を示し、最後に相対評価を示します。 荷役の視点から見ると 費用は船社と同様に北米、欧州航路の数字が平均1000億円削減に対し 約2000億円削減、2300億円削減と高くなります。 また、割合で見ますと南米航路の10%が高い数値を示します。 ***アニメーション、クリック*** このグラフは地域別の運航間隔の増加を示したグラフです。 このグラフから、運航間隔の増加は北米、欧州、東アジア域内航路では2~4日と増加が少ないことが分かります。 しかし、南米、オセアニア、中東・南ア航路では8~9日と増加が大きく、運航間隔の相対評価は低くなります。

消席率向上(寄港頻度減少)まとめ 最後に消席率向上(寄港頻度減少)の実行可能性を評価します。 上に今までの表のまとめを、下に評価のまとめと実行可能性の評価を示します。 消席率向上(寄港頻度減少)についてまとめると、CO2排出量が大きく削減でき、費用も若干減少するが運航間隔が増加する。 なので、社会的評価、船社の評価は高いが、荷主の評価は低くなる削減策であり、 船型大型化と同じく、運航間隔の増加を費用の削減で相殺できれば実行可能性があるといえます。 地域別で見ますと、北米、欧州地域ではCO2の削減、費用の減少が多い。 そして、運航間隔の増加も少ないため実現可能性は高いと考えられます。 南米、アフリカ、オセアニア地域はCO2の削減割合が大きく、費用の削減割合も低くない。 その為、運航間隔が大きく増加するが、削減策の中で消席率向上(寄港頻度減少)が比較的実現可能性が高いと考えました。

目次 研究背景・目的 IMOにおける取組み 海上コンテナ輸送の現状 CO2排出量計算式 海上輸送費用計算式 妥当検討 地域別分析 削減策検討 結論 18分

結論 最後に結論としては、本研究では地域ごとにCO2排出量、費用を求め、 北米 CO2排出削減量が多く、運航間隔の増加の少ない、消席率向上(寄港頻度減少)の実行可能性が高く、有効だと考えられる。 南米 CO2排出割合が多く、費用削減割合の大きい、消席率向上(寄港頻度減少)の実行可能性が高く、有効だと考えられる。 欧州 CO2排出量が削減でき、費用削減額の大きい、船型大型化の実行可能性が高く、有効だと考えられる。 アフリカ CO2排出割合の大きく、運航間隔が大きく増加しない、消席率向上(寄港頻度減少)の実行可能性が高く、有効だと考えられる。 オセアニア CO2排出割合が大きく、費用の削減額の大きい、消席率向上(寄港頻度減少)の実行可能性が高く、有効だと考えられる。 中東・南ア CO2排出量の削減割合、費用の削減割合の大きく、デメリットの少ない消席率向上(船型小型化)の実行可能性が高く、有効だと考えられる。 東アジア域内 CO2排出量が削減でき、費用増加の少ない、減速航海の実行可能性が高く、有効だと考えられる。 最後に結論としては、本研究では地域ごとにCO2排出量、費用を求め、 削減策における実行可能性を評価することができ、地域ごとに有効な削減策を明らかにすることができました。 地域別で見てみますと。 北米地域では、CO2排出量の削減な大きく運航間隔の増加の少ない消席率向上(寄港頻度減少)が最も実行可能性が高いと考えられます。 南米地域では、消席率向上(寄港頻度減少)が最もCO2の削減が大きく、費用も削減割合も大きいことから、実行可能性が高いと考えられます。 欧州地域では、費用の削減額の大きい船型大型化が実行可能性が高いと考えられます。 アフリカ、オセアニア地域では南米地域と同様にCO2排出量削減が大きく、費用の削減割合が多いことから消席率向上(寄港頻度向上)の実行可能性が高いと考えられます。 中東・南ア地域では消席率向上(船型小型化)がCO2、費用共に著しく効果が大きく実行可能性が高いと考えられます。 東アジア域内航路においては、CO2削減量が多く、費用の増加も少ない減速航海の実行可能性が高いと考えられます。

ご清聴ありがとうございました