H21年度 新任研修 東京都環境マネジメント システム(ISO14001)について 東京都 環境局 (社)日本能率協会 2009年4月9日(木)、13日(月) ◎新任研修において新規採用職員全員が東京都環境マネジメントシステムを学んでいただける、ということは、早い段階から、皆さん一人一人が、それぞれの業務の局面で環境への配慮を行う意識を持ってもらえる。という利点があります。
はじめに 皆さんの業務は、環境にどのような負荷を与えていますか? 皆さんの業務は、環境にとって、どのような良い影響を与えていますか? ◎早速ですが、皆さんの業務は、環境にどのような影響を及ぼしているか、少し考えてみてください。2分ほど時間をとりますので、配付資料の端に2つ以上、書き出してみてください。大きなことでも小さなことでも構いません。指名して答えてもらいますので、真剣に考えてくださいね(笑) ・(2分後)「出来ましたか?二つ以上挙げられましたか?」 (前のほうの2人くらいを指して、所属と、業務上の環境への影響を答えてもらう。思いつかない、答えられないということであれば、それはそれでよい) →当てた人の答えに対するコメント ・工事の発注や施工など直接的に環境への影響をイメージしやすい業務から、事務的な業務などで紙資源の利用くらいしか思いつかない業務もあるかもしれません。といっても、まったく環境への影響がない業務というのは、まずありません。 ・一般に「環境への影響」というと「悪い影響」ばかりが浮かびがちですが、環境マネジメントシステムでは「環境への悪い影響=環境負荷」のほか「良い影響=環境保全等」についても検討していきます。 ・「ISO」という言葉を知らない人はあまりいないと思いますが、具体的に「ISOとは何か」「環境マネジメントシステムとはどんなものか」ということはイメージしにくいのではないでしょうか。 ・今日は、これらについて概要を学ぶ研修となっていますので、今後皆さんの業務にあたって環境への配慮を考えるきっかけにしていただければと思っています。
本日の研修内容 はじめに (導入部) 1 環境マネジメントシステムとは 2 ISO14001について 3 東京都におけるしくみについて はじめに (導入部) 1 環境マネジメントシステムとは 2 ISO14001について 3 東京都におけるしくみについて 4 東京都におけるEMS事例紹介 ・本日の研修内容ですが、まず、①「環境マネジメントシステム」という一般的な用語の説明、それから、②「ISO14001」という規格についての説明、最後に、③東京都における環境マネジメントシステムのしくみについて、という順でご説明したいと思います。 ・資料の最後には、都庁の各局で実際にEMSを活用している事例が載せてありますので、参考にしてみてください。
温暖化の影響!? 『STOP THE 温暖化 2008』 環境省より
「オフィスビル」、「家庭」の排出削減が課題 『STOP THE 温暖化 2008』環境省より
破滅のシナリオ 削減 発展 科学的知見 温暖化優先 CO2=温暖化 ECO logy ECO nomy 経済優先 第1のシナリオ CO2 第2のシナリオ ECO logy ECO nomy 経済優先
第3のシナリオ:持続可能な発展 発展 環境 持続可能な発展 ECO ECO 経済優先 温暖化優先 第3のシナリオ CO2 SUSTAINABILITY ECO ECO
なぜ、都庁にISOが必要なのか? 個人プレー 組織プレー 環境行動を起こすときに必要な2大要素 個人プレー ⇒ 組織的にできる! マインド(意識)の向上 主義・ルールの設定 個人プレー 組織プレー 個人プレー ⇒ 組織的にできる! 思いつき ⇒ 計画的にできる! 三日坊主 ⇒ 継続的にできる!
環境問題をどう実行する? 自分で頑張る 考えて買う 誰かに頼む 環境に配慮した・・・ 配送の依頼 工事の依頼 設計の依頼 条例の提案 補助金の新設 セミナーの開催 環境に配慮した・・・ 物品購入 入札条件の提示 メーカーへの要求 誰かに頼む
1 環境マネジメントシステムとは 事業活動において、①環境への負荷を軽減し、②環境に優しい活動を促進するための手法 1 環境マネジメントシステムとは 事業活動において、①環境への負荷を軽減し、②環境に優しい活動を促進するための手法 環境に関する方針や目標等を自ら設定し、その達成 に向けて取り組むしくみの総称 ◎まず最初に、「環境マネジメントシステム」という用語についてですが、一言で言うと「事業活動において、環境への負荷を軽減し、環境に優しい活動を促進するための手法」ということになります。 ・実際には、「環境に関する方針や目標等を自ら設定して、その達成に向けて取り組むしくみ」の総称で、 例えば「事務所内での手続き」や「内規」「事務所内の体制」などがあります。 事業所内の体制 内部規則 事業所内の手続き
2 ISO14001について 2-1 ISOという組織 国際標準化機構(ISO) 設 立: 1947年 2 ISO14001について 2-1 ISOという組織 国際標準化機構(ISO) International Organization for Standardization 工業分野(電気分野を除く)の国際標準規格を策定するための民間非営利機関 設 立: 1947年 本 部: スイスのジュネーブ 参加国:156カ国(各国1機関) 日本からは、日本工業標準調査会 (JISC)が加盟。理事国となっている。 ・次に、ISO14001という規格の説明に移ります。 ◎ISO=International Organization for Standardization=日本では、「国際標準化機構」と称している、電気分野を除く工業分野の国際標準規格などを策定するための民間非営利機関です。 ・国際標準規格が存在することによって、物やサービスの交換がスムーズにできるようになるというメリットがあります。 ・ちなみに、「ISO(アイエスオー)」はギリシア語で「均質・均等」を表す単語(isos・アイソス)に由来していて、英語標記の頭文字ではありません。異なる言語圏などで「国際標準化機構」という組織を簡略に表記するために用います。 ・設立は1947年で、スイスのジュネーブに本部があります。 ・現在の参加国数は2005年12月末日現在、156カ国で、各国の代表的な1機関のみが登録できることになっています。 ・日本からは、 (JIS規格)日本工業規格を定めている日本工業標準調査会が、1952年に閣議決定の上、加盟しています。
2 ISO14001について 2-2 さまざまなISO規格 「工業」から広がっている適用分野 ISO9000シリーズ 2 ISO14001について 2-2 さまざまなISO規格 ISO9000シリーズ 品質マネジメントシステム ISO14000シリーズ 環境マネジメントシステム ISO27000シリーズ 情報セキュリティマネジメントシステム など ・ISOで策定された国際標準規格(IS、International Standard)には、「ISO ~(何々)」という形式で名称がつけられます。特に有名なのは、品質管理のための「ISO9000シリーズ」や、環境マネジメントシステムを扱う「ISO14000シリーズ」などです。 ・こういった規格のほかにも、一般仕様書(PAS)、技術仕様書(TS)、技術報告書(TR)、なども作成しています。 ・ISOの適用分野は、狭義の「工業」にとどまらず、様々な分野へと広がっています。 ◎以上のように、「ISO14001」という規格は、数あるISO規格のうちの一つ、という位置づけであることを認識しておいて下さい。 「工業」から広がっている適用分野
○ 事業者の経営面での管理手法を 一般的な記述により定めたもので、 2 ISO14001について 2 ISO14001について 2-3 ISO14001の概要 ISO14001は、「環境マネジメントシステムの 仕様」を定めた国際規格(※法的拘束力なし) ○ 事業者の経営面での管理手法を 一般的な記述により定めたもので、 =「道具(ツール)」 であって × 具体的な対策内容や 数値(水準)を定める ものではありません =「目的そのもの」 ではない 次に、ISO14001についてご説明いたします。 ◎ISO14001は、「環境マネジメントシステムの仕様」を定めた国際規格です。 ・ただし、法的拘束力を持つものではありません。 ◎ISO14001の規格は、「事業者の経営面での管理手法を一般的な記述により定めたもの」であって、「具体的な対策内容や数値基準」ではありません。 ・道具(ツール)であって、「目的そのもの」ではない、と言えます。 ◎つまり、どう使うか(運用)が大事 ・ISO14001の規格は、画一的なシステムを強制するものではなく、それぞれの組織や事業所の実体にあったやり方を許容するしくみです。 ・それぞれの組織に合ったシステムを構築し、運用していくことが重要なのです。 つまり、どう使うか(運用)が大事!!
2 ISO14001について 2-4 ISO14001の概要 特徴: ・PDCAサイクル ・最高経営層の責任ある関与 Plan Do 2 ISO14001について 2-4 ISO14001の概要 特徴: ・PDCAサイクル ・最高経営層の責任ある関与 都庁では、知事 方針、計画 目的、目標 Plan Action 経営層による見直し 継続的改善 点検、是正措置 ◎ISO14001規格の要求事項として、ベースとなるのが、「プラン、ドゥー、チェック、アクション」の4つから成る「PDCAサイクル」です。 ・ Plan:方針、計画、目的、目標の設置 Do:実施、運用 Check:点検、是正措置 Action:継続的改善、経営層による見直し ・このPDCAサイクルの手順を踏んで、循環させることをISO14001規格は求めています。 実施・運用 Check Do
2 ISO14001について 2-5 データで見るISO14001 適合組織の推移(国内) 2008.12.31現在 20,777件 2 ISO14001について 2-5 データで見るISO14001 適合組織の推移(国内) 2008.12.31現在 ◎ISO14001の要求事項に適合しているかどうかを審査登録機関が審査し、適合していると認められれば、その事業者等を登録・公表する制度があり、これは、「マネジメントシステム審査登録制度」と呼ばれています。 ・よく、企業が「当社はISO14001認証を取得しました」等の広告を打つ場合がありますが、これはその会社の環境マネジメントシステムがISOの要求事項に適合することが認められ、その会社が適合組織として登録されたことを意味します。なお、ISOの認証は無期限ではなく、数年ごとに更新審査を受けないといけないことになっています。 ・日本には、いくつかの審査登録機関があり、企業などの登録録審査を行っていますが、審査登録機関自体を審査・認定する機関が「JAB:(財)日本適合性協会」です。1993年に当時の通産大臣、運輸大臣の許可を得て、日本で唯一の審査登録機関・審査員研修機関の認定機関になっています。 ◎ISO14001の認証を取得している組織は、日本国内で20,000件以上と、現在も増え続けています。 20,777件 日本適合性認定協会 http://www.jab.or.jp/cgi-bin/jab_statistic_14_j.cgi より引用
2 ISO14001について 2-5 データで見るISO14001 産業分野別取得件数 2009.3.1現在 2 ISO14001について 2-5 データで見るISO14001 産業分野別取得件数 2009.3.1現在 ◎認証を取得した組織、企業等を産業分野別で見ると、サービス業が1/3を占め、「金属業」「電気・電子業」「建設業」がそれに続いています。 ・製造業以外の分野からも関心が高いことが分かりますね。 ・ちなみに東京都は公共行政というジャンルになり、この円グラフですと「その他」に該当します。 日本適合性認定協会 http://www.jab.or.jp/cgi-bin/jab_statistic_14_j.cgi より引用
2 ISO14001について 2-5 データで見るISO14001 都道府県別取得件数 東京都 大阪府 愛知県 2009.3.1現在 2 ISO14001について 2-5 データで見るISO14001 都道府県別取得件数 2009.3.1現在 東京都 大阪府 愛知県 ◎国内の組織、企業等の認証取得数を都道府県別で見てみると、事業所数の多い東京都が2500件以上と突出しています。大阪、愛知、神奈川の大都市圏がそれに続いています。これは、本社を東京に置く企業が多いためでもあります。 日本適合性認定協会 http://www.jab.or.jp/cgi-bin/jab_statistic_14_j.cgi よりデータ引用
H17年度 ISO14001(2004年版)に移行 (影響を及ぼす範囲として、一部出先機関等も 2 ISO14001について 2-6 東京都とISO14001 東京都では、 H11年度 IS014001(1996年版)を取得 (新宿本庁舎のみを対象とする) H17年度 ISO14001(2004年版)に移行 (影響を及ぼす範囲として、一部出先機関等も 環境マネジメントシステムに組み込む) 次に、東京都EMSとISO14001についてご説明します。 ・東京都では、平成11年度に、新宿本庁舎を対象として、ISO14001の認証を受けました。 ・平成17年度には、ISO14001の2004年版への移行審査を経て、現在に至っております。 ・2004版では、ISOの要求事項としての適用範囲が広がったため、都では、一部出先機関を環境マネジメントシステムの対象に加える等の対応措置を取っています。(これについては、後ほど詳しく説明します) ・なお、廃棄物埋立管理事務所や下水道局、交通局などのように独自にISOを取得している機関もありますので、注意してください。 ◎「東京都環境マネジメントシステム」は、ISO14001規格の要求事項を満たした総合的な環境対策システムですが、都庁のすべての組織、すべての活動を網羅したシステムというわけではありません。 ※ 廃棄物埋立管理事務所や交通局大島車両検修所のように、 独自に環境ISOを取得しているところもあります。
3 東京都におけるしくみについて 3-1 東京都環境マネジメントシステムの背景 「地球をまもる都庁プラン」 「地球温暖化対策都庁プラン」 3 東京都におけるしくみについて 3-1 東京都環境マネジメントシステムの背景 計画終了 「地球をまもる都庁プラン」 計画期間:2000(平成12)年度~2004(平成16)年度 都庁の総合的な環境配慮のための実行計画 継承 一部 継承 「地球温暖化対策都庁プラン」 計画期間:2005(平成17)年度~2009(平成21)年度 都庁全体の事務事業活動に伴う温室効果ガス排出量を 2009年度までに、2004年度比10%削減する。 強化 「東京都気候変動対策方針」 (平成19年6月策定、東京都全体の温室効果ガス排出量を 2000年比25%削減する)に基づき「地球温暖化対策プラン」の強化、改定を進める。 ・ 「東京都環境マネジメントシステム」以外の環境対策プランとしては、現在、「地球温暖化対策都庁プラン」とうものがあります。 このプランは、平成12年度から始まった「地球をまもる都庁プラン(通称:まもるプラン)」が平成16年度で計画終了となったことから、 平成17年度に新たに策定されたプランです。 ・ 「地球温暖化対策都庁プラン」の計画期間は平成17年度から平成21年度までの5年間で、都庁全体の事務事業活動に伴う、CO2に代表される温室効果ガスの排出量を10%削減する、というものです。 ・ 「地球をまもる都庁プラン」では、警視庁、消防庁、議会局も含めたすべての東京都の組織においてコピー用紙や廃棄物の削減、グリーン購入を実施することなども計画の対象としていましが、新しく「地球温暖化対策都庁プラン」を策定するにあたり、これらの項目を「東京都環境マネジメントシステム」に継承することになりました。 ・「地球温暖化対策都庁プラン」では、計画の実効性を高めるために、局ごとに「局温暖化対策実行プラン」を策定しています。環境局のホームページ上で概要を見ることができますので、是非後で確認してみてください。 ・そして、平成19年6月、「東京都気候変動対策方針」が策定され、「地球温暖化対策プラン」の強化・充実をはかっています。 「東京都環境マネジメントシステム」 H17年度大幅改定(コピー紙の削減管理など) ★ISOだけではない 環境対策プラン
3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 すべての事業 活動において 環境配慮を行う 協力組織 あ 日常業務活動に おける 環境配慮を行う 実施組織 実施組織 に準ずる 組織 内部監査員 等を相互派遣 する組織 ・「東京都環境マネジメントシステム」の対象となる組織は、「実施組織」「実施組織に準ずる組織」「協力組織」「内部監査員等を相互派遣する組織」の4つに分類されます。 ・さきほど、「都庁のすべての組織、すべての事業が対象となるわけではない」と説明をしたのは、この4つの分類によって環境マネジメントシステムへの関与度合いが異なるからです。また、この4つのいずれにも該当しない組織も若干あります。 ・なお、環境マネジメントシステムのことを、Environmental Management Systemの頭文字をとって「EMS(イーエムエス)」と呼称することも多いです。 EMS: Environmental Management System
3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 一 実施組織 3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 一 実施組織 東京都組織規程8条に規定する組織(交通局、水道局、下水道局を除いた全ての局)、並びに以下に示す組織 青少年・治安対策本部、 東京オリンピック・パラリンピック招致本部、 病院経営本部、中央卸売市場、教育庁 選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局 監査事務局、労働委員会事務局、収用委員会事務局 ・「実施組織」は、すべての事業活動において環境に配慮することが求められます。 ・本庁22局(本部・庁・行政委員会を含む。) すべての事業活動において環境に配慮する
3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 二 実施組織に準ずる組織 3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 二 実施組織に準ずる組織 議会局、警視庁、消防庁、及び別表に示す組織 (1) 実施組織に準ずる組織のうち、以下の組織は日常 業務活動において、環境配慮を行う。 議会局、警視庁、消防庁 日常業務活動:紙の使用量、グリーン購入、廃棄物 (2) 実施組織に準ずる組織のうち、別表に示す組織は 日常業務活動及び環境負荷活動のうち、別に定める 活動において、環境に配慮する。別に定める:公共工事 ・「実施組織に準ずる組織」は、議会局、警視庁、消防庁及び「環境マネジメントシステム規程」別表の出先機関がこれに該当し、一部の業務活動において環境に配慮することが求められます。 ・議会局、警視庁、消防庁は、業務内容の特殊さから、紙の使用量や廃棄物の削減など、日常業務活動においてのみ、環境マネジメントシステムの対象としています。 ・一部出先機関については、これらの日常業活動に加えて、公共工事について環境に配慮することが定められています。
3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 別表 ※実施組織に 準ずる組織 3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 別表 ※実施組織に 準ずる組織 (組織名称等は、2007.6.29現在)
3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 三 協力組織 交通局、水道局、下水道局 3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 三 協力組織 交通局、水道局、下水道局 四 内部監査員等を相互派遣する組織 環境局 廃棄物埋立管理事務所 研修への参加、内部監査員の養成等について協力する ・「協力組織」である交通局、水道局、下水道局については、独自に環境マネジメントシステムを確立している等の理由により、東京都のEMSで直接管理はしておりません。研修への参加や内部監査員の養成などで協力しています。 ・また、環境局の出先機関である「廃棄物埋立管理事務所」は、事務所単独で別途ISO14001を認証取得しているため、独自の扱いになってます。 内部監査員を相互に派遣し、情報交換を行う
3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 3 東京都におけるしくみについて 3-2 東京都環境マネジメントシステムの対象組織 東京都EMSに含まれる活動範囲 活動の種類 環境 保全事業 負荷事業 日常業務活動 提出する様式 実施組織 ◎ A1~A3 G1G2 T1 実施組織に準ずる 組織 警察 消防 議会 × G2 別表 出先 機関 ○ (工事のみ) A1A2 (注:以下の説明は前のスライドと重複している。提出する様式についての話など、表を見ながら再度説明する) ・「実施組織」とは……組織規定第8条に規定される本庁組織や各行政委員会 ・環境保全事業・環境負荷事業・日常業務活動のすべてにおいて、環境に配慮することが求められます。 ・提出する様式は、……(略) ・「実施組織に準ずる組織」とは……議会局、警視庁、消防庁、「環境マネジメントシステム規程」別表の出先機関 ・一部の業務活動において環境に配慮することが求められます。 ・議会局、警視庁、消防庁は、業務内容の特殊さから、紙の使用量や廃棄物の削減など、「日常業務活動」においてのみ、環境マネジメントシステムの対象としています。 ・ 「実施組織に準ずる組織」のうち別表出先機関については、「日常業務活動」に加えて、「環境負荷事業のうち工事」について、環境に配慮することが定められています。
環境マネジメントシステム=Environmental Management System:EMS 3 東京都におけるしくみについて 3-3 東京都環境マネジメントシステムの理念 環境方針 ◎基本理念:「需要者からの環境革命」 需要者から供給者へ、環境に配慮した製品やサービスの提供を働きかける。 ◎基本方針:3つの柱 A 環境改善への積極的な努力 B 事業活動における環境配慮の徹底 C 自律的な行動を起こす環境づくりの推進 次に東京都環境マネジメントシステムの内容についてご説明します。 まず、環境方針についてです。 ・EMSの基本となる「環境方針」の中で、都は、基本理念として「需要者からの環境革命」を挙げています。 「需要者から供給者へ環境に配慮した製品やサービスの提供を働きかける」。都が直接的に工業製品を生産するなどということはありませんが、大規模事業者(需要者)として、率先して事業活動における環境配慮をすすめていくという責務があります。 ・そのための柱となる基本方針が、 A:環境改善への積極的な努力 B:事業活動における環境配慮の徹底 C:自律的な行動を起こす環境づくりの推進 の3つです。 ・Aは、規制的・誘導的手法のほか、環境負荷の少ないまちづくりの手法などにより良好な環境の創出につとめることを、内容としています。 ・Bは、都が事業活動を行う際の環境汚染防止,環境負荷の軽減。また、日常活動において省資源・省エネルギー、廃棄物の削減とリサイクルの推進を徹底することを内容としています。 ・Cは、都民や事業者などへの普及啓発、支援などをすすめることを内容としています。 環境マネジメントシステム=Environmental Management System:EMS
3 東京都におけるしくみについて 3-4 東京都環境マネジメントシステムのしくみ 特徴: ・環境方針に沿ったPDCAサイクル 3 東京都におけるしくみについて 3-4 東京都環境マネジメントシステムのしくみ 特徴: ・環境方針に沿ったPDCAサイクル ・内部監査による制度点検 環境目的 環境目標 の設定 Action Plan 計画・目標の見直し 継続的改善 内部監査 定期審査 監視測定結果 年度ごと、局・部ごと ・東京都環境マネジメントシステムのしくみは、当然に、ISO14001の要求事項にあった「PDCAサイクル」を基本にしています。 ・年度ごと、部局ごとに、「環境方針」に則した「環境目的・環境目標」を設定し(Plan)、実施・運用し(Do)、内部監査や監視測定、定期審査による点検を経て(Check)、計画・目標の見直しなど継続的改善につなげていきます(Action)。 ・具体的には、毎年度、各局で定めた目的・目標を環境局の本部事務局で取りまとめ、年度終了後、実施報告を受けるしくみになっています。 実施・運用 Check Do
3 東京都におけるしくみについて 3-5 PDCAサイクルの流れ(実務) 環境目的 環境目標 プログラム 監視測定 環境側面調査 3 東京都におけるしくみについて 3-5 PDCAサイクルの流れ(実務) 各事務事業について 調査・検討 環境目的 環境目標 プログラム 長期的視点 中期的視点 具体的対策 様式G1、G2 監視測定 結果確認 (様式G1・G2) 環境側面調査 法的要求事項 ・PDCAを具体的にどのように実施していくかについてですが、 ・実務的には、毎年度、各局で定めた目的・目標を環境局の本部事務局で取りまとめ、年度終了後、実施報告を受けるしくみになっています。 ステップ1)各事務事業について、環境側面と法的要求事項、環境負荷の程度の調査 ステップ2)環境目的・環境目標・プログラムの設定 ステップ3)監視測定 ・これらについて、順に説明していきます。 (※以下、「3-9」~「3-13」までは用語説明なので、スライド画面は「3-8」のままで説明する。「お手元の資料の○○を見てください」) 様式A1・A2
環境目的・目標の設定(環境局の場合 その1) 3 東京都におけるしくみについて 3-6 東京都環境マネジメントシステムの運用例 環境目的・目標の設定(環境局の場合 その1) ・ここからは、実際に東京都のEMSを運用している例をご紹介します。 局ごとの環境目的・目標の設定を抜粋したもので、PDCAサイクルの「P」の部分にあたります。 ・環境局の例が2枚と、他局の例を1枚載せてあります。 ・なお、ご自分の局で環境目的・目標の記載がないという局もあるかと存じます。東京都EMSでは、予算書に記載されている事業ごとに環境負荷事業か、環境保全事業か、日常業務活動なのかを分類しますが、すべての事業について、環境目的・目標を設定しなければならない、というものではありません。
環境目的・目標の設定(環境局の場合 その2) 3 東京都におけるしくみについて 3-6 東京都環境マネジメントシステムの運用例 環境目的・目標の設定(環境局の場合 その2)
3-6 東京都環境マネジメントシステムの運用例 3 東京都におけるしくみについて 3-6 東京都環境マネジメントシステムの運用例 環境目的・目標の設定(他局の場合)
3 東京都におけるしくみについて 3-7 東京都EMSの監査・審査 ☆ 局相互の内部監査の実施(年1回) 3 東京都におけるしくみについて 3-7 東京都EMSの監査・審査 ☆ 局相互の内部監査の実施(年1回) ・ 内部監査員=課長・係長級職員約40名 (1チーム2~3名ずつのチーム制) ・ 他局の事務事業をチェック ・ 各事業の進行管理を含む ・ 内部監査員養成研修あり → 監査員の拡充 東京都EMSの監査・審査 ・東京都のEMSの運営管理については、年1回行われる「局相互の内部監査の実施」が特徴となっています。 ◎内部監査員は、課長・係長級職員約40名で、2~3名ずつチームを組んで、他局の事務事業をEMSの視点からチェックします。 ・内部監査では各事業の進行管理を含んでおり、事業課としても、他局の目があることで一定の緊張を保てるというメリットがあります。 ・また、環境局では毎年「内部監査員養成研修」を実施して、監査員を拡充しています。 ・また、毎年1回、ISO規格の審査登録機関の審査を受けることが規定されています。ISO規格の審査登録機関は国内外に複数あり、東京都はJQA(財団法人 日本品質保証機構)という機関を利用しています。 ・3年に1度、ISO14001の認証を継続するために更新登録審査を受ける必要があります。 ☆ 外部審査の受審(年1回) ・ 外部(審査登録機関)の視点からのチェック ・ 3年に一度、ISO14001の更新登録審査あり
3 東京都におけるしくみについて 3-8 東京都環境マネジメントシステムの研修 ☆ 環境マネジメントシステム科研修 3 東京都におけるしくみについて 3-8 東京都環境マネジメントシステムの研修 ☆ 環境マネジメントシステム科研修 ・ H18年度からは、新任研修で必修課目として実施 ・ 基礎的知識の習得 ☆ 環境マネジメントシステム基幹要員研修 ・ 各局のEMS担当者及び講師候補者のための研修 ☆ ウェブを利用したフォローアップ研修 ・ 一般職員向け、年1回 ・ 局ごとに期間中の受講率ランキングを発表 ・環境マネジメントシステムの研修については、先ほど簡単に説明しました「内部監査員養成研修」のほか、職員への基礎的知識の付与を目的とした「環境マネジメント科研修」、各局の取りまとめ担当者等向けに、より専門的な知識を付与することを目的とした「基幹要員研修」などがあります。 ・また、ウェブを利用したフォローアップ研修を毎年2月頃に実施しており、これについては基本的に全職員が対象です。EMSの基礎知識を忘れないための簡単な内容で、局ごとに受講率ランキングを発表しているので、皆さんも必ず受講するようにしてください。 ☆ 内部監査員養成研修 ・ 内部監査員養成のため、年1回
事例①市場における大気汚染対策(中央卸売市場) 4 東京都におけるEMS事例紹介 事例①市場における大気汚染対策(中央卸売市場) 【課題】 市場に出入りする自動車から排出される排気ガス そこで・・・ H19年度環境目標 小型特殊自動車における電動車等の比率を56.7%に引き上げる。(H18年度末実績49.7%) 目標達成のための具体的な計画を立て、実行する ・施設使用料の減免による導入促進 ・電動車等の購入費・リース料に対する費用補助 の実施 ・電動車または低排出ガス車への転換計画の作成 ・充電設備の整備 築地市場
事例①市場における大気汚染対策(中央卸売市場) 4 東京都におけるEMS事例紹介 事例①市場における大気汚染対策(中央卸売市場) それらの施策を 実施した結果・・・ H19年度環境目標に対する監視測定 H19年度末で電動車等の割合60.8% 目標達成! 次の展開は・・・ H20年度環境目標 更なる普及を目指して、目標値を67%に引き上げ 引き続き、環境対策の取組みを 続けていきます。
事例②エネルギーのグリーン購入の促進(環境局) 4 東京都におけるEMS事例紹介 事例②エネルギーのグリーン購入の促進(環境局) 【課題】 地球温暖化の防止・再生可能エネルギーの利用拡大 そこで・・・ H19年度環境目標(環境局) 地球温暖化対策の有効な手段として、エネルギーのグリーン購入の実施に向けた取組を日本全国に拡大する。 目標達成のための具体的な計画を立て、実行する ↑グリーンエネルギー購入 フォーラムセミナーの様子 ・グリーンエネルギー購入フォーラムを設立し、日本全国の地方自治体、NPO、事業者にネットワークを拡大する。 (50団体以上の加入を目標)
事例②エネルギーのグリーン購入の促進(環境局) 4 東京都におけるEMS事例紹介 事例②エネルギーのグリーン購入の促進(環境局) 【課題】 地球温暖化の防止・再生可能エネルギーの利用拡大 結果・・・ H19年度環境目標に対する監視測定 ・グリーンエネルギー購入フォーラムの拡大は目標を大幅に超えて達成! (81団体加入) ・各種セミナー・イベント等を通じ再生可能エネルギー普及への取組を実施したほか、国に対する要望も実施 現在では・・・ グリーンエネルギー購入フォーラムへの加入拡大を進め、2009年2月27日現在101団体が加入
4 東京都におけるEMS事例紹介 事例③環境対策型舗装の取組み(建設局) 【課題】 夏季における路面温度の上昇(ヒートアイランド) 事例③環境対策型舗装の取組み(建設局) 【課題】 夏季における路面温度の上昇(ヒートアイランド) そこで・・・ H19年度環境目標 路面温度上昇の抑制を図るため、都心において保水性舗装の敷設を推進する。(H19年度目標 24,800㎡) 結果・・・ H19年度環境目標に対する監視測定 35,439㎡を施行。 目標達成(目標達成率143%) 次の展開は・・・ H20年度環境目標 遮熱性舗装の敷設面積 2km 保水性舗装の敷設面積 1km 遮熱性舗装の例
4 東京都におけるEMS事例紹介 事例③環境対策型舗装の取組み(建設局) 遮熱性舗装 保水性舗装 遮熱材 保水材 赤外線 反射 基 層 蒸発 事例③環境対策型舗装の取組み(建設局) 遮熱性舗装 保水性舗装 遮熱材 赤外線 反射 基 層 アスファルト 混合物 アスファルト 混合物 蒸発 吸水 基 層 路面の熱 保水材
事例④公共施設の建築工事(教育庁、財務局) 4 東京都におけるEMS事例紹介 事例④公共施設の建築工事(教育庁、財務局) 【課題】 公共工事における周辺環境への配慮 そこで・・・ H17年度環境目標 都立学校の増改築等の大規模工事(4件)について、周辺景観との調和を図る。 そのために利用するのは・・・ 東京都「周辺景観に配慮するための手引き」(1997年) ※次ページ参照 結果・・・ H17年度環境目標に対する監視測定 4件についてすべて、デザイン上の留意点に配慮した。 目標達成! 都立総合工科高等学校 (H18年.4月開校) H18、19、20年度も引き続き、「周辺環境への配慮」の取組みを実施しています。
東京都「周辺景観に配慮するための手引き」(1997年) 4 東京都におけるEMS事例紹介 事例④公共施設の建築工事 いわゆる「自然環境(みどり)」だけが「環境」ではありません。 都市環境や住環境など、身の回りのすべてが「環境」です。 東京都「周辺景観に配慮するための手引き」(1997年) 景観への→ 配慮例
より高度な情報を得るためには ◆東京都環境局ホームページ >都庁舎ISO14001(環境マネジメントシステム)のページ http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kikaku/iso/iso.htm ◆環境省>総合環境政策局>環境マネジメントシステム http://www.env.go.jp/policy/j-hiroba/04-1.html など ・以上、駆け足で概要をご説明しましたが、より詳しい説明をご希望の方は、環境局ホームページや環境省総合政策局のホームページを参考にしてみてください。
誰のための環境だろう? 青い地球 赤い地球 現 代 未 来
皆さんの業務における環境負荷を低減する ために、どうしたらよいでしょうか? さいごに 皆さんの業務における環境負荷を低減する ために、どうしたらよいでしょうか? ・「さて、いかがでしたか? 最後に、皆さんの業務における環境負荷を低減するために、具体的にどういった工夫ができるか、最初と同じように考えてみてください」 (時間が余っているようだったら、最初と同じように、時間をとって作業→指名→コメント、を追加。時間がなければ飛ばす)
環境マネジメントシステム本部事務局 問い合わせ先 東京都 環境局 環境政策部 環境政策課 TEL 03-5388-3426(直通) 東京都 環境局 環境政策部 環境政策課 TEL 03-5388-3426(直通) 内線 42-152 FAX 03-5388-1377 iso@kankyo.metro.tokyo.jp