TCPコネクションの分割 によるスループットの向上

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TCPコネクションの分割 によるスループットの向上 2009年度 卒業論文 後藤滋樹研究室 1G05R110-9 高田 綾香 

発表の流れ 研究の背景 TCPコネクションの分割 中継ノードの選定 研究の目的 実験の結果と考察 結論 今後の課題

研究の背景 TCP スループットを向上させるためにRTTを小さくする技術が提案されている TCP分割手法

TCPコネクションの分割   図.TCPコネクション分割でのデータ転送の様子

中継ノードの選定 TCPを分割するとき、どのノードで中継させるかが重要 この2つを満たすのが理想 ノード間のRTTが最小 中継ノード数は少ない この2つを満たすのが理想

研究の目的 提案されている手法はRTTをできるだけ 小さくすることだけでしか有効性を検討していない ⇒ 中継ノード選定にかかる時間     ⇒ 中継ノード選定にかかる時間         中継ノード数 に無駄がないかを検討する

実験1 昇順に整列させたデータと未整列のデータを用いて処理時間を測った     ⇒ どちらも0.1ms以下 ええええ

実験2 中継ノード数と性能向上率の2 つを記録   ⇒ 中継ノードは少なくとも1~2 個、性能向上率を           なるべく高くするのならば7 個程度

実験3 (1) 中継ノード数に上限を1 個~7 個まで設け、それぞれの性能向上率と無制限の性能向上率との比を算出した。    ⇒ 性能向上率の落ち込みは上限2~6 個の時は0.6 倍、        1 個の時は0.8 倍、7 個の時がもっとも小さい

実験3 (2) 得られた性能向上率を実現する中継ノード数を上限ごとに求めた     ⇒ ほとんどの場合、余分な中継ノード数を用いている

結論 TCP 分割手法はデータの構成に関わらず処理にかかる時間は極小 ほとんどの場合で余分な中継ノードを使っている ノード群10個で形成されるネットワークに対しては中継ノード数はせいぜい2個か、より高い性能向上率を求めて7個までに設定すると良い

今後の課題 ボトルネックの大きさを多少犠牲にしてでも、 小さいボトルネックと少ない中継ノード使用数を両立した最適なルートを探索できるよう改良 ボトルネックの大きさを多少犠牲にしてでも、  小さいボトルネックと少ない中継ノード使用数を両立した最適なルートを探索できるよう改良 どの中継ノードを減らせば最も性能向上率の 落ち込みを防げるか検討

ご清聴ありがとうございました。

参考文献 [1] planet-lab.org,”Planet Lab”, https://www.planet-lab.org/   https://www.planet-lab.org/ [2] 小林弘和, 中山雅哉, ”仮想リンクを利用した送受信ノード間のRTT 分割による転送スループットの向上”, http://www.internetconference.org/ic2006/PDF/regular-paper/nakayama-masaya.pdf [3] 榑林勇気, 中山雅哉,   ”ボトルネックRTT の最小化に基づくTCP 分割手法の提案とPlanetlab 環境による実証評価”, http://www.internetconference.org/ic2009/PDF/regular-paper/IC2009_Proceedings_02.pdf.

付録1. 帯域遅延積 帯域遅延積(BDP: Bandwidth Delay Product) WindowSize[bits] =           bandwidth[bits/sec] × RTT[sec] Throughput[bits/sec] = bandwidth[bits/sec] WindowSize[bits] RTT[sec] =