野辺山レガシープロジェクト:星形成チーム2013年観測報告

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Observations 2013 年 2 月下旬と 5 月下旬に野辺山 45m 鏡を利用 受信機: TZ1H & TZ1V 分光計: SAM45 観測周波数: 81 GHz–116 GHz 観測点: (l, b) = (0”,0”), (+46”,0”), (−40”,0”) の 3 点(右 図)
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野辺山レガシープロジェクト:星形成チーム2013年観測報告 中村文隆(国立天文台)

メンバー (実動メンバーのみ) 野辺山: 島尻芳人(PD→6月よりCEA/Sacley) 西谷洋之 天文台: 中村文隆        西谷洋之 天文台: 中村文隆 東大:原千穂美(D1) 大阪府大:田中智博(M2) 学芸大:土橋一仁、下井倉ともみ、山日(M1)、片倉(M1)

Star Formation in our Galaxy molecular cloud     dense core tenths of a pc 10’s of pc 10’s of kpc evolution time ~106-107 yr protostar + outflow 自由落下時間で銀河系の全分子雲が星になると SFR ~ 1000 M8/yr observed SFR ~ 1 M8/yr (Zuckerman & Evans 1974) SF is inefficient! stars

Hacar et al. (2013) 太さ0.1 pcのフィラメント Andre (2011)より転載

星形成レガシー研究の目的 How do stars form in various environments? Clustered SF and Distributed SF large-scale flow, cloud-cloud collision, UV radiation, stellar feedback, local turbulent flow, magnetic field cloud (~10pc) ⇒ clump (~1pc) ⇒ core (~0.1pc) ⇒ low-mass stars 102 cm-3 103-4 cm-3 105 cm-3 high-mass stars Filaments, Fibers 分子雲全体を20”分解能でマッピング

FORESTレガシーターゲットリスト (2012年度NROUM資料より) Nearby star forming regions - from dense core (~ 0.05pc) to cloud scale (1-10 pc) from the first year Orion A 400 pc (0.04pc @20”) Aquila Rift 415 pc (0.04pc @20”) California 450 pc (0.045pc @20”) from the second year M17 (Sagittarius arm) 2.1kpc (0.21pc@20”) clump formation massive star formation Observed lines large-scale mapping obs. 12CO, 13CO, C18O, N2H+ (FOREST) dense cores multi-line obs. HCO+, H13CO+, N2H+, …. (FOREST, TZ)

今年度の観測成果 FOREST稼働せず→ BEARS, TZによる観測 (FORESTのためのPilot観測) Orion (BEARS+AC)   47/78時間 原、島尻のポスター参照 CARMA + NRO45m Joint Project Aquila Rift (TZ+SAM45)   40/80時間  田中、西谷のポスター参照 M17 (TZ+SAM45)   1.5時間    中村のポスター参照 NRO45m + SIRPOL赤外線暗黒星雲プロジェクト California (TZ+SAM45)   76/135時間  山日のポスター参照 NCS      (TZ+SAM45) 土橋のポスター参照 DR21 (TZ+SAM45)            片倉のポスター参照

オリオン座A分子雲に対するマッピング観測 Orion-A分子雲北部に対する13CO(1-0)及び C18O(1-0)の広域(0.4deg2)観測。 X13CO/XC18O [目的1]X13CO/XC18OによりPDRを診断。 [目的2] 1.1mmで検出された高密度コアの物理状態を調査 観測詳細 N13CO-NC18O相関図 NC18O 観測時間: 計47時間 (割当時間78時間) Shimajiri et al (2013)として論文準備中 N13CO Shimajiri et al. 2011でPDRとして同定された領域及び分子雲外縁部: X13CO/XC18O~10 Shimajiri et al. 2011でPDRとして同定された領域及び分子雲外縁部以外: X13CO/XC18O~5 → FUV照射によりC18O分子が13CO分子と比べ選択的に破壊されている (Yurimoto + 2007)

Orion A:CARMA+45m joint project CARMA(PI: J. Carpenter)+Nobeyama 45m joint project 1°x1°のモザイクデータ+NROレガシーデータ  2000 AU (6”)スケールから10 pcスケールのダイナミックレンジ 45mレガシー:12CO, 13CO, C18O, CS, CN, SO

Aquila Rift領域に対するマッピング観測 に対するマルチライン観測。 color : SiO(2-1 v=0) contour : HCN(1-0) [目的]物理状態の異なる2つのクランプのマルチラインによる詳細な物理状態を調査 HCO+ (1-0) 観測詳細 Line H13CO+ (J=1-0) HCO+ (J=1-0) Freqency 86.7543 GHz 89.1885 GHz H13CN (J=1-0) HCN (J=1-0) 86.340184 GHz 88.6318 GHz HN13C (J=1-0) SiO (J=2-1 v=0) 87.0907 GHz 86.84701 GHz Receiver TZ Observing mode OTF Mapping size 3’×3’×2box Typical r.m.s. 0.1 K in Ta* Total Obs Time ??hours 12CO(3-2) color : H13CN(1-0) contour : HN13C(1-0) cf.) Nakamura et al. 2011 12CO(3-2) 観測時間: 計??時間 ( 割当時間??時間) ・HCO+がNakamura et al. 2011でoutflowをとらえている12CO(3-2)と似たような分布  →HCO+がoutflowをトレース ・HCNがショックトレーサーSiOと似たような分布  →HCNが若いoutflowをトレース ・H13CNとHN13Cが異なる分布  →過去の温度情報を反映 田中智博 修士論文

Aquila Rift 領域 (バックアップ観測) 観測緒言 観測ライン NH3 (J, K) = (1, 1), (2, 2), CCS JN = 21-10 ...etc 12 lines @ K band 空間分解能 ~0.09 pc @ 260 pc (~73”) バックエンド SAM45 速度分解能 ~0.1 km/s 帯域幅 16MHz (~200 km/s) 観測モード、領域サイズ  OTF, 7’x7’ マップx3 観測時間 ~24時間 rms  ~0.15 K calibration error ~20-30% NNH3 (cm-2) NCCS (cm-2) 目的   low mass cluster-     formation in IRDCs - IRDCs の 物理的化学的進化  今期 Serpens South main filamentに沿って 3ボックス観測 ⇒ NH3 – CCS で分布に明らかな差異 [NH3]/[CCS] (NNH3/NCCS) vs Trot Clusterが付随するclump Trot NNH3/NCCS ⇒ 温度依存性あり?? ( NH3(1, 1), (2, 2), CCS, 全てを検出できた観測点 に限定) 観測ボックス NNH3 / NCCS Trot (K) (*分解能 ~2.5 pixel分相当) (Andre et al. 2010)

Nobeyama + SIRPOL 赤外線暗黒星雲プロジェクト Sugitani et al. (2013)として論文準備中

M17 SWex (flying dragon) M17 - prototypical sequential SF region ~ 2.1kpc (Elmegreen & Lada) Sugitani et al. (in prep) Trms ~ 0.2 K @ 0.1km/s ~ 4M8 200 hour ターゲットライン (12CO), 13CO, C18O, N2H+, NH3 (Back up)

カリフォルニア星雲の分子輝線観測 観測諸元 概要 観測期間 2013年3月〜5月 受信機 100GHz帯(Tz)・20GHz帯(H20) 分光計 SAM45 ノイズレベル(Ta*) H20受信機:0.5 K(速度分解能 0.05 km/s) Tz受信機:0.2 K(速度分解能 0.1 km/s) 観測手法 OTF(On The Fly) 観測領域 13′×12′ 観測時間 27時間 カリフォルニア星雲は、質量1×105M◉、サイズは80pcもあり、この質量とサイズは Orion A 分子雲に匹敵する。一方で、両分子雲の星形成活動は、カリフォルニア星雲の方が Orion A 分子雲よりも低い(Lada et al.2009)。しかし、近赤外線の減光量マップ(Dobashi 2011)を見ると、クラスターが形成されている領域がある。そこで、野辺山45m鏡を用いて、クラスターを含む領域を様々な分子輝線で観測した。 2mass Kバンドによるイメージ カリフォルニア星雲内における クラスター形成領域 12CO( J = 1 - 0 )の積分強度 13CO( J = 1 - 0 )の積分強度 クラスター クラスター 分子雲コア 分子雲コア 結果 クラスターは巨大な分子雲コアと繋がっており、 分子雲コアがクラスターからの星風により掃き寄せられている ような構造を持つことが分かった

TZの強度補正について TZで得られたデータのアンテナ温度が過去の観測で得られた値よりも1.5~2倍ほど大きくなることがあった    → 標準天体でのキャリブ推奨 L1641N H13CO+ (1-0) Orion KL HCO+ (1-0) 過去のS100受信機で測定された 強度に比べて2倍程強い

おわり