都市マイクロシミュレーションに基づく 課題の抽出と政策立案

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都市マイクロシミュレーションに基づく 課題の抽出と政策立案 都市マイクロシミュレーションに基づく 課題の抽出と政策立案 東京都市大学 大谷紀子 (株)ドーコン 杉木 直 東京都市大学 宮本和明

背景 都市モデル開発の動向 メゾモデルからマイクロモデル 世帯マイクロシミュレーション 個々の世帯の属性状況と分布,交通状況,アクティビティ等に関する膨大な情報 一種のビッグデータ 潜在的な発展可能性

マイクロシミュレーションの応用事例 既存マイクロシミュレーションモデルの政策評価への応用状況レビュー (UrbanSim/TRUMIP2/ILUTE/DELTA/IRPUD) 適用政策 ・個別交通事業の評価  (特に土地利用・雇用等の経済・環境面の評価) ・総合的な政策検討・ビジョン検討 ・都市計画の策定 ・土地利用と交通の総合的な施策の策定 マイクロシミュレーションによる膨大な情報を活用するような分析はなされていない データマイニングによる政策課題の抽出方法に  ついては検討の余地が残されている

目的 マイクロシミュレーションの適用方法に関する全体的な枠組みの構築 具体的な適用方法の提案 政策の立案と実施手段の選択

従来型モデルとマイクロモデルの比較 従来型モデル ゾーンごとの均衡に基づく確定的な結果 世帯を一律 or 少数の世帯群として扱う 世帯一般に対する政策手段を暗示 シミュレーション結果は唯一解 → 現実の不確実性との乖離大 マイクロモデル 個々の世帯の詳細な属性も表現可 求める公共サービスの違いにも対応可 政策の立案と手段選択を効率化する情報を含む 複数回シミュレーション結果の分散により政策手段がもたらす効果の分散を表現 → リスク分析

政策評価 政策:概念的な実現目標 富山市都市マスタープラン:公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり 政策手段:政策実現のための具体的な施策 富山市:公共交通の整備,まちなか居住補助金制度等 政策立案 中長期的な都市の将来予測が不可欠 各地区別の課題の点検が不可欠 マイクロシミュレーションの適用

マーケティングに基づく政策手段選択 ターゲットとなる世帯セグメントの生成 購買可能性のある世帯の抽出 マーケティングアプローチ ゲノム解析に基づくオーダーメイド医療 富山市における交通軸上の集約政策では,「望ましい住み替え」が商品 世帯セグメントごとに政策手段を選択 世帯別の購買可能性が高まる政策手段の選択

ターゲットとなる世帯の特徴抽出 対象世帯と非対象世帯の特徴の相違の明確化 分類規則の生成 データマイニング手法 統計的手法 決定木 相関ルール ニューラルネットワーク サポートベクターマシン etc. 分類基準の明確な表現可

決定木 木構造による分類規則 予測正解率 木の簡素さ 生成手法 CART ID3 C4.5 SESAT 状態 水滴 氷結晶 氷粒 雨 雪 直径 <5mm 5mm≦ 固い 雹 false true 雪霰 氷霰

アンケート調査に基づく試行 データ 富山市で実施したアンケート結果 市外からの転入者を除く1929世帯分 住宅の選択理由や転居理由などの79属性 クラス A: 駅勢圏内 → 駅勢圏内 (859) B: 駅勢圏内 → 駅勢圏外 (208)望ましくない C: 駅勢圏外 → 駅勢圏内 (117)望ましい D: 駅勢圏外 → 駅勢圏外 (107) E: 転居なし (638)

生成された決定木 どのような世帯が転居するか? 正解率:81.0% 住宅選択理由 親同居・相続 No Yes 住宅 居住年 住宅選択理由 職場近い 24年以下 25年以上 No Yes 住宅 延床面積 住宅 所有関係 住宅 所有関係 転居あり 160m2未満 借家・その他 借家・その他 160m2以上 持家 持家 転居あり 住宅 所有関係 住宅 居住年 転居あり 転居なし 転居あり 借家・その他 61年以下 持家 62年以上 転居なし 転居あり 転居なし 転居あり

生成された決定木 どのように転居するか? 正解率:78.1% 未就学児 2人以下 3人以上 前住宅の駅までの距離 2.0kmより遠い どのように転居するか? 正解率:78.1% 未就学児 2人以下 3人以上 前住宅の駅までの距離 2.0kmより遠い 前住宅の駅までの距離 2.0kmより遠い 2.0km以下 2.0km以下 内→内 現住宅理由 公共交通利便性 内→外 外→外 No Yes 車台数 外→内 2台以下 3台以上 現住宅理由 広さ 外→外 No Yes 前住宅理由 家族・親戚近い 外→外 No Yes 前住宅理由 学校近い 外→外 No Yes 外→内 外→外

まとめ マイクロシミュレーションの適用手法の提案 ターゲット世帯の抽出 政策手段の選択 アンケート調査で得られたマイクロデータに基づいて試行 基本的な方法論に関して確認