4.ニコングループのCSR 最新状況と推進協力のお願い. CSR:. Corporate Social Responsibility 寺東副社長 2010年1月12日 社外秘
目次 I. ニコンのCSR ①外部からの評価 ②海外グループ各社でのCSR活動事例 ③国内グループ社員対象 意識啓発活動 ③国内グループ社員対象 意識啓発活動 II. ニコンを取り巻くCSRの環境 ①消費者のCSRへの関心 ②投資家のCSRへの関心 ③CSR調達 ④低炭素社会への対応 III. CSR中期計画 社外秘
「ニコンCSR報告書2008」 国連グローバル・コンパクトで「優れた活動報告」に選定 I. ニコンのCSR: ①外部からの評価 「ニコンCSR報告書2008」 国連グローバル・コンパクトで「優れた活動報告」に選定 日本企業の選定実績 リコー 東芝(2回) セイコーエプソン 三井物産 アンリツ 花王 日本郵船(2回) ニコン 大阪ガス 伊藤忠 ニコングループでは、2006年にCSR委員会を発足、以来ニコンCSR憲章の制定など、CSR活動に取り組んできました。最近では、外部からもニコングループのCSR活動に高い評価をいただくようになっています。 ニコングループは、2007年7月に日本では53番目の企業として、国連グローバル・コンパクトに参加し、2009年8月には、ニコンが2008年に提出した「ニコンCSR報告書2008」が、事務局より「優れた活動報告」として選ばれました。 2009年12月現在で、国連グローバル・コンパクトには世界で7155団体が参加、日本からは102の団体が参加しています。 「優れた活動報告」に選ばれた日本企業は、ごらんのようにこれまでにニコンを含めて10社だけです。また、2008年に優れた活動報告として世界で選ばれた企業は44社です。 こうした高い評価を嬉しく思うと同時に、これからも社会からの期待に応えられるようにより一層の努力する必要があります。 社外秘
I-②海外グループ各社でのCSR活動事例 Nikon Imaging (China)Co.,Ltd 2008年無錫新区CSR先進企業に認定(2009.6) Nikon(Thailand)CO.、Ltd 社員参加型のCSRイベント開催(2009.1) ニコングループのCSR活動は、国内だけでなく海外にも広がっています。 2007年からは、海外現法で行動規範やホットラインの構築などのコンプライアンス体制の整備に着手し、現在、連結31社、非連結8社で社員への教育活動などを行なっています。 海外の活動事例として、2社の事例を紹介します。 2008年6月には、Nikon Imaging (China) Co.,Ltdが、無錫市より「2008年無錫新区CSR先進企業」として認定されました。無錫新区にある7000以上の企業を対象に選定が行なわれ、30社が選ばれました。 Nikon タイでは、2009年1月に社員参加型のCSRイベントとして、安全衛生、環境、麻薬撲滅などをテーマに、約4000人の社員が参加し、クイズやゲームを通じて、楽しみながらCSR憲章や行動規範、安全衛生などへの理解を深めました。 社外秘
I-③国内グループ社員対象 意識啓発活動 =CSR・地球温暖化 フィードバックセミナー(2009年度上期) 目的 「CSR・地球温暖化に関する社員意識調査」(2008.8に実施)の結果を各職場に持ち帰って共有し、CSRや地球温暖化の理解を促す GM、M対象のフィードバックセミナー 実施回数 15回 参加者 642名(参加率 86%) 全社員対象のeラーニング 対象者 約 12,600名 修了率 約90% 2009年上期には、国内グループ社員全員を対象にした意識啓発活動も行ないました。 GM、M対象のフィードバックセミナーは15回で、642人が参加され、全社員対象のEラーニングの終了率は約90%でした。多くの社員の皆さんにご参加いただき、どうも有難うございます。 課題が多かったので、大変だったという声も聞こえてきましたが、CSRを考えるよい機会となったので継続的に実施してほしいという意見も多く寄せられました。来年度は、国連グローバル・コンパクトの10原則についての社員教育活動を行なうことを計画していますので、積極的にご参加下さい。 社外秘
II.ニコンを取り巻くCSRの環境 ニコン お客様 (消費者) NGO 調達 パートナー 投資家 お客様 (企業) 主な社会的課題 SRI 調達 パートナー 投資家 ニコン お客様 CSR調達 お客様 (企業) 投資家 主な社会的課題 ニコングループのCSRの取組みは様々な領域で進展しましたが、まだまだ充分ではありません。 この図は、ニコンを取り巻くCSRの社会環境を示したものです。 最近では、消費者や投資家が企業のCSRの取組みに大きな関心を寄せています。対応を誤ると大きなダメージを被ることになりかねません。 ニコンに関する具体的な事例を使って、説明します。 労働問題(主に途上国) ・強制労働、児童労働 ・職場の安全・衛生 ・適切な労働管理 ・差別の撤廃 環境問題 ・CO2削減 ・有害物質対応 社外秘
II-①消費者のCSRへの関心 ICRT加盟の欧州消費者団体のコンパクト・デジカメのCSR調査 欧州10カ国の10の消費者団体が参加 対象は欧州での有名ブランド(低価格モデルのみ) グループ企業と主な外注工場を訪問調査 人権、労働、環境対応などを調査 結果は来春に欧州各国の雑誌やネットで公表 ※ICRT(International Consumer Research & Testing Ltd.) ロンドンに拠点を置く国際的な消費者テスト機構で、37カ国から40の消費者団体が加盟。多くの市場で販売される商品を調査する体制を整えている。2003年からはCSR調査も開始。 欧州10カ国の10の消費者団体が、欧州で有名なブランドのコンパクト・デジカメの低価格モデルの生産工場について、CSR調査を行なうことを決め、11月には欧州からCSR専門の調査官がNICやニコンの外注先を訪れ、詳しい調査を行ないました。 調査結果は来年の春にインターネットなどで公表される予定です。 この調査は、ICRTという世界的な消費者テスト機構が推進しているもので、2003年頃から様々な製品のCSR調査を行い、最近では薄型テレビも調査されています。 欧州の消費者は、購入の際、労働慣行や安全衛生、そして環境に配慮されて製造されたものなのかの情報を参考にするのがトレンドとなってきているようです。 この他にも欧州のいくつかの団体が、欧州での有名ブランドのCSR調査結果をインターネットで公開しています。 社外秘
Socially Responsible Investment 社会的責任投資 II-②投資家のCSRへの関心 SRIとは 通常の財務分析による投資判断だけでなく、社会、環境、ガバナ ンスなどの非財務要素を評価に加えて投資判断する手法 Socially Responsible Investment 社会的責任投資 SRIの規模(2007年) 米国: 2兆7110億ドル (米国の金融資産総額の10%強に相当) 欧州: 2兆6654億ユーロ (欧州運用市場に占める比率は17%以上) 日本: 7470億円 次に投資家のCSRへの関心の高まりについてお話します。 2000年頃から、財務分析による投資判断だけでなく、社会、環境、ガバナンスなどCSRについても評価して投資を行なう手法が広がってきました。 このような投資をSRI、社会的責任投資と言います。日本ではSRIの規模が小さいので、なかなか実感がわかないのですが SRIは欧米で特に発達しており、欧米合わせると、その資産総額は約600兆円にのぼり、企業に対する影響力を増しています。 社外秘
II-③CSR調達 ニコン調達パートナー CSRガイドラインを制定(2007.12) 国内調達パートナー向け説明会の実施 約1200人が参加 国内調達パートナー向け説明会の実施 約1200人が参加 国内調達パートナーのCSRアンケート実施 686社から回答回収 海外調達パートナー対象に活動開始 2009年度下期 精機C、インストCのお客様もニコンにCSRを要求 CSRの取組みは、グループ内だけでなく、調達パートナーとも一緒になって推進しています。このような取組みを「CSR調達」と言います。 2007年には、CSRを重視した調達の方針である「ニコン調達パートナー CSRガイドライン」を制定し、今年度下期からは、活動を海外の調達パートナーにも広げています。 CSR調達は、世界の大手電機・電子業界で活発に行なわれており、精機カンパニーやインストルメント・カンパニーでは、国内外のお客様がニコンに対してCSRの取組みを要求しています。 サプライチェーンを通じて、CSRは世界に広がっており、事業を行なう上で必須の活動となっています。 社外秘
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト II-④低炭素社会への対応 2020年のCO2削減の目標の例 リコー 2000年比30%削減(ライフサイクルで) 富士ゼロックス 2005年比30%削減(ライフサイクルで) 三菱電機 1990年比30%削減(本体) オリンパス 2007年比50%削減 コニカミノルタ 2005年比20%削減 (ライフサイクル、2015年に達成) カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト 2003年から毎年、企業に対してCO2排出量などの情報開示を要求する機関投資家によるプロジェクト 2009年(7回目の調査)には、世界の471の機関投資家が参加し、世界の企業3700社に情報開示を要求 日本企業は約200社が情報を開示(ニコンも参加) 低炭素社会への対応についての関心の高まりについては、昨今の報道を見るとおり、説明するまでもないでしょう。 社会の期待に合わせて、2020年や2050年といった中長期的な目標を掲げて、CO2削減の活動を強化する企業が増えています。 消費者、投資家などが企業のCSR評価をする際にも、この項目は欠かせないものとなっています。 一例を紹介しますが、気候変動の情報開示に特化したカーボン・ディスクロージャー・プロジェクトという世界的なプロジェクトがあります。 2009年には、世界の471の投資機関がこのプロジェクトに参加し、世界の企業3700社に対して、気候変動に関する情報開示を求めました。 日本ではニコンも含めて約200社が情報開示を行ないました。 ニコングループでは、国内外の主な事業所で、3ヵ年の目標を掲げてCO2削減活動を進めてきましたが、まだ充分とは言えません。 CO2削減は、無駄を省き、業務の効率化を促進するものであり、コストダウンに直結するものです。 全ての職場で積極的に取り組んでいただきたいと考えています。 社外秘
ステークホルダーとのコミュニケーション促進 III. CSR中期計画 CSR1012計画 (重点活動方針) 環境経営の拡充・推進 コンプライアンス活動のグローバルな推進 社会貢献活動のグローバルな展開 ダイバーシティ活動の推進 CSR調達のグローバルな推進 ステークホルダーとのコミュニケーション促進 リスク管理活動のPDCA実施 人権・労働のグローバルなマネジメント これらの社会の動きに対応するために、ニコンのCSR委員会では、具体的な活動計画を検討しています。 こちらがCSRの1012計画での重点活動方針です。今回から、先ほど述べましたICRTの活動に代表される動きに対応するため、人権・労働のグローバルなマネジメントを追加しました。 この他、社員の皆さんに、世界の社会的課題や社会貢献を身近に簡単に感じていただけるように、社員食堂の食事代の一部が寄付に回るというメニューを間もなく新たに設ける予定です。 まずは、大井製作所の社員食堂から開始しますが、様子を見て、順次、広げていきたいと考えています。メタボ対策などに配慮したメニューにして、寄付だけでなく、皆さんの健康にも役に立つものを検討していますので、是非、ご利用下さい。 日本では、CSRというと、コンプライアンスや慈善活動のことだけだと思い込んでいる人が依然として多くいるそうです。 また、CSRを事業活動とは関係ない、ただ負担ばかりが増える余計なものと考え、できれば、関わりあいたくないと考えている人も、まだニコングループには多くいるようです。 しかしながら、CSRとは社会や環境を意識した事業活動の行ない方そのものであり、企業価値に影響を及ぼすものです。 是非、この点をご理解いただき、CSRの推進に積極的に取り組んでいただきたく、お願い致します。 社外秘