中部国際空港の地盤沈下の状況と対策について 中部国際空港の地盤沈下の状況と対策について グループ 2班 C09008 河合 基樹 C09017 竹腰 悠司 C09024 村瀬 将史
調査方法と目的 将来的に増設が予想される海上空港 ―その問題点、特に人工島の宿命ともいえ る地盤沈下について調べる 調査対象 ―その問題点、特に人工島の宿命ともいえ る地盤沈下について調べる 調査対象 ①近年開港した中部国際空港 ②地盤沈下の被害が著しい関西国際 空港 問題点、対応(解決)策を列挙し、海上空 港の今後の在り方について意見をまとめる。
発表構成 1.地盤沈下についての一般概要 2.中部国際空港、関西国際空港の概要 3.地盤沈下による問題、現状、および対 策 4.まとめ(意見)
地盤沈下のしくみ① 沈下の要因となる地層 沖積層 ・・・ 水を含んだ柔らかい粘土層(水分: 約7割) 洪積層 ・・・ 固い粘土と砂や礫の層が交互に重 なった層 (同:約4割) ・「沖積層」 ・「洪積層」
地盤沈下のしくみ② 埋め立ての土の重さにより 海底の粘土の水が押し出されることにより沈下 これが何十年といった長い時間をかけて起こる (地質学の分野ではこの現象を「圧密」という) 構造物の重さを支えられるまで固くなると 沈下は止まる
沈下の種類①―不同沈下 不同沈下 建物が傾いたり路面に凹凸や 亀裂を生じるなど、 地盤沈下で最も問題となる。
沈下の種類②―抜け上がり 抜け上がり
中部国際空港 2005年2月17日- 開港 海流への配慮 ・空港島によって海流を阻害 しないように、Dの字のような平面形状。 面積:5.80km²(南北4.3 km)、うち空港部分4.7km² 残り1.1km²は愛知県企業庁が地域開発用地として造成した 「空港島」。 海流への配慮 ・空港島によって海流を阻害 しないように、Dの字のような平面形状。 ・直線部分についても、 角を丸めることにより渦の発生を防止。
関西国際空港 1994年9月4日に開港。 日本の空港で初めて、旅客・航空貨物の両方の24時 間運用を開始した。24時間運用開始は新千歳空港の ほうが先だが、こちらは貨物便のみ。 すべてが人工島からなる 海上空港としては日本初。 →日本初の海上空港は 長崎空港
関空の地盤沈下による被害 開港からでは約3メートル沈下している。開港時は年間 50センチの沈下がみられたが年々減少し続けている。 開港からでは約3メートル沈下している。開港時は年間 50センチの沈下がみられたが年々減少し続けている。 しかし、現在でも年間7センチ程度沈下している状態 沈下量
対策①-Ⅰ(関西国際空港) ベタ基礎: コンクリートの土台を直接、地面に置くことで、 不同沈下しても、建物全体が沈下するようにしたもの。 ベタ基礎: コンクリートの土台を直接、地面に置くことで、 不同沈下しても、建物全体が沈下するようにしたもの。 べた基礎の柱列を通る断面図
対策①-Ⅱ(関西国際空港) ジャッキアップ ジャッキアップ ジャッキアップ : 不同沈下でわずかに建物に傾きが出てきた場合に、建物の1本1本の柱をジャッキで持ち上げて鉄板のプレートを挟み、建物の傾きを調節する仕組み。
対策②(中部国際空港) 工事開始から地盤沈下が一番進んでいるところは 空港の南東部で最大3メートル沈下しているが、開 港後はほとんど沈下していない。そのため今のとこ ろは地盤沈下への対策はとられていない。 両空港を地層面から違いをみる なぜか?
地層面の違い 関西国際空港 中部国際空港 沖合:5km 水深(平均):20m 直下に沖積層が 平均18mほど堆積 さらに下層に洪積層も存在 沖合:5km 水深(平均):20m 直下に沖積層が 平均18mほど堆積 さらに下層に洪積層も存在 沖合:1.5km 水深(平均):6m 直下に沖積層が 平均7mほど堆積 洪積層は存在しない
まとめ―空港建設における立地条件 水深:平均5~10m 地層:沖積層、洪積層が少ないor 存在しない場所を選択 存在しない場所を選択 その他:沖合からの距離(騒音) :建設後の生態系への配慮 :運営する上での環境対策(横風等) etc…
役割分担 Power Point(補佐) 最終調整 (竹腰):情報収集、 Power Point(補佐) (河合):レジュメ ポスター作成 Power Point(補佐) 最終調整 (竹腰):情報収集、 Power Point(補佐) (村瀬):Power Point作成 レジュメ ポスター (補佐) 最終調整
参考文献 1)関西国際空港オフィシャルサイト 2)関西国際空港株式会社 3)中部国際空港株式会社 4)ウィキペディア http://www.kansai-airport.or.jp/ 2)関西国際空港株式会社 http://www.kiac.co.jp/ 3)中部国際空港株式会社 http://www.cjiac.co.jp/ 4)ウィキペディア (関西国際空港、中部国際空港、ピサの斜塔) http://ja.wikipedia.org/wiki/%-E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 5)MEPPLP 地図 http://www.chizumaru.com/czm/objlist-27G0402X486890.573Y123954.516S5000D542@000044.htm 6)(財)経済広報センター 国内広報部 http://www.kkc.or.jp/society/conference/kdk_030128.html
地層①―関西国際空港 関西国際空港 沖合:5km 水深(平均):20m 直下に沖積層が 平均18mほど堆積 さらに下層に洪積層も存在
地層②―中部国際空港 中部国際空港 沖合:1.5km 水深(平均):6m 直下に沖積層が 平均7mほど堆積 洪積層は存在しない
今後の課題 中部国際空港の地盤沈下についての情報不足 →もう一度、現地に赴き関係者に直接、話をうかがう。 地盤沈下についての図が不十分 →もう一度、現地に赴き関係者に直接、話をうかがう。 地盤沈下についての図が不十分 →インターネット等を利用しデータ収集。 グループメンバーの連携がうまくとれなかった → 今までよりも多く連絡を取り合い全員がそろうよ うに日程を調節する。
資料 関空 中空
沈下の種類①―不同沈下 同沈下 不同沈下 同沈下 沈下の種類①―不同沈下 同沈下 不同沈下 ある施設において、場所によって沈下量の異な る地盤沈下を不同沈下(ふどうちんか)若しくは不等 沈下(ふとうちんか)という。 建物が傾いたり路面に凹凸や亀裂を生じるなど、 地盤沈下で最も問題となる。 具体的に、空港の滑走路であれば、離着陸時の安 全性に問題が生じる。 不同沈下の事例として最も有名な建物としてイタ リアのピサ大聖堂のピサの斜塔がある。 同沈下 ある施設において、場所によらず同一に沈下して いく場合
地盤沈下に関係のない層によって支えられていることが多い。 抜け上がり 地盤沈下に関係のない層によって支えられていることが多い。 周囲の地盤が沈下するが、支持層で支えられている建物は沈下 しない →周辺地盤より相対的に高い位置になる抜け上がりを起こす。 (なお地震等の地盤の揺れによる液状化現象が生じた場合にも、見 かけ上、同様に抜け上がり現象が発生する。) <問題>建物周辺に埋設してあるガス管や水道管等の埋設管 は、地盤沈下とともに挙動する。 しかし、建物は元の位置を保つため、埋設管と建物の接合部で 破断する。よって建物が機能しなくなるおそれがある。