薬事衛生指導員 学校薬剤師 研修会 平成22年1月17日 福山商工会議所 おくすりの正しい使い方 薬事衛生指導員 学校薬剤師 研修会 平成22年1月17日 福山商工会議所
薬剤師とは (薬剤師法第1条) 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。
薬事衛生とは ○ 製薬企業:医薬品の研究・開発・品質 管理・情報管理 ○ 卸販売業:品質管理・情報管理 ○ 製薬企業:医薬品の研究・開発・品質 管理・情報管理 ○ 卸販売業:品質管理・情報管理 ○ 薬局:薬物教育・環境検査・ 禁煙支援など (学校薬剤師)
改正薬事法 附帯決議(抜粋) 新たな一般用医薬品の販売制度について、十分な周知を図るとともに、医薬品を使用する消費者が医薬品の特性等を十分に理解し、適正に使用することができるよう、知識の普及や啓発のための施策の充実を図ること。 また、学校教育においても医薬品の適正使用に関する知識の普及や啓発に努めること。
改正薬事法 第77条の3の2 (医薬品等の適正な使用に関する普及啓発) 改正薬事法 第77条の3の2 (医薬品等の適正な使用に関する普及啓発) 国、都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、関係機関及び関係団体の協力の下に、医薬品及び医療機器の適正な使用に関する啓発及び知識の普及に努めるものとする。
「教育課程部会における審議のまとめ」パブリックコメント(H19.11.8~12.7)への日薬提出意見(概要) ①中学・高校の保健体育中に「医薬品に関する内容を追加・改善する」旨の記載がなされたことに賛意を表する。 ②一方、小学校高学年の段階から医薬品に関する基本的知識を学習するとともに、中学・高校と段階的に学習内容のレベルアップを図ることが大切。 ③したがって、小学校の学習指導要領においても、医薬品に関する学習が反映されるよう、配慮願いたい。 ④併せて、児童生徒の健康や選手生命の保持、スポーツの健全な発展という観点から、中学・高校の保健体育において「アンチ・ドーピング」の教育がなされるよう、配慮願いたい。
社会的要請に基づく学校薬剤師活動 (日本薬剤師会 学校薬剤師活動方針/平成19年9月) 社会的要請に基づく学校薬剤師活動 (日本薬剤師会 学校薬剤師活動方針/平成19年9月) 1.医薬品の適正使用の啓発 2.薬物乱用防止の啓発 3.アンチ・ドーピングの啓発 4.思春期の保健教育 5.新たな環境対策(内分泌かく乱物質等) 6.災害時の対応 7.実務実習における薬学生への指導
医薬品の適正使用の啓発 1.日本薬剤師会(学校薬剤師部会) 厚生労働省、文部科学省、(財)日本学校保健会、くすりの適正使用協議会等との連携を図り、学校薬剤師の教育現場等におけるくすり教育活動を支援するとともに、支援体制を整備する。 また、学校薬剤師が使用する資材の作成と提供を行う。平成19年度においては、医薬品適正使用啓発推進等事業を実施する。
医薬品の適正使用の啓発 2.都道府県薬剤師会(学校薬剤師部会) 都道府県教育委員会、薬務主管部局等との連携を図り、学校薬剤師の教育現場等におけるくすり教育活動を支援するとともに、体制整備に努める。
医薬品の適正使用の啓発 3.支部薬剤師会(学校薬剤師部会) 市町村教育委員会、薬務主管部局等との連携を図り、学校薬剤師の教育現場等におけるくすり教育活動を支援するとともに、体制整備に努める。
医薬品の適正使用の啓発 4.学校薬剤師 児童生徒及び教職員・PTA等を対象に、次の項目を中心として医薬品の適正使用推進の啓発活動を実施する。 児童生徒及び教職員・PTA等を対象に、次の項目を中心として医薬品の適正使用推進の啓発活動を実施する。 ①薬の種類(一般用医薬品と医療用医薬品等) ②薬の正しい使い方(服用方法、保管等) ③薬を正しく使うための制度(薬事法、かかりつ け薬局等) 等
くすりとは、どういうもの? からだの状態を変えるもの 変調を正す → 病状の改善(治療) 正常な状態を変える → 副作用 変調を正す → 病状の改善(治療) 正常な状態を変える → 副作用 医薬品は、一般に、使用することにより人体に作用を及ぼして 効能効果を発現させるものであるが、同時に、程度の差こそあれ、何らかのリスクを併せ持つものである。 【平成17年12月15日厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会報告書】
健康な人生をすごすために セルフメディケーションの必要性 健康な人生をすごすために セルフメディケーションの必要性 セルフ:自分あるいは自己 メディケーション:病気を治すこと「医療」 両方をつなげると「自分で疾病を治す」 ? 「自分で自身の健康を管理する」 背景:生活習慣病の増加など 身体をこのような疾患から守るのは、「自分で自身の健康を管理する」ことです。これがセルフメディケーションの概念といってよいでしょう。 「健康管理」 自分の健康に関心をもつ 身体はかけがえのない「自分自身のもの」であり他人や医療関係者任せにしない ⇒自分の健康状態を常にチェックする ⇒自分で病気にかからないための生活改善を実践する ⇒⇒自分の健康、病気、薬に関する知識を高める 医師や薬剤師、その他の医療関連の専門職能従事者: セルフメディケーションを支援する役割を担う
日本薬剤師会の「セルフメディケーション」の考え方 1. セルフメディケーションとは 薬剤師が関わるセルフメディケーションとは、次のように位置付けることが できると考える。 「セルフメディケーションとは、自己の健康管理のため、医薬品等を自分の意思で使用することである。薬剤師は生活者に対し、医薬品等について情報を提供し、アドバイスする役割を担う。」 2. セルフメディケーションを普及・啓発するにあたり必要な事項 (1)小学生のうちから、医薬品等に関する正しい知識を持たせるだけでなく、 セルフメディケーションについても指導に入れるよう、文部科学省を通じ、 関係方面に働きかける。 (2)生活者に対しては、行政および日本薬剤師会が中心になって、日本大衆 薬工業協会および製薬企業の協力を得て、各所で講演会等を継続的に 実施する。 (3)薬剤師は、一般用医薬品等に関する幅広い知識と最新の情報を入手し、 セルフメディケーションの普及に寄与する。
セルフメディケーションのための行動様式 薬剤師:セルフメディケーションを支援する役割を担う セルフメディケーションのための行動様式 薬剤師:セルフメディケーションを支援する役割を担う 一般市民 診察、治療 医療機関 処方箋 指導 薬 指導 薬 公共(行政)機関 団体 相談 紹介照会 国、都道府県、市町村 医師会、歯科医師会、 薬剤師会、看護協会 薬局・薬店 ドラッグストア (かかりつけ薬剤師) 情報 製薬企業 セルフメディケーションネットワーク 相談室
医薬品販売に関する国民意識等調査に関する研究 「医薬品販売制度改正検討部会報告書」より 購入者の誤解や認識不足 専門家による適切な情報提供がなされていないため、購入者側が、リスクについて誤解したり、認識が不十分であったりすることもあると考えられる。 医療用医薬品と比較して一般用医薬品のリスクは概ね低いが、副作用による健康被害が起こっている。 そのことが広く購入者に認識され、服用前に添付文書を必ず読む等の適切な行動がとられるよう促していくことが必要。 購入者への啓発とその環境整備 専門家による適切な情報提供 医薬品販売に関する国民意識等調査に関する研究 (平成17年)
くすりの 正しい使い方 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 ■自己紹介 【講義例】 ○皆さん、おはようございます(こんにちは)。 正しい使い方 ■自己紹介 【講義例】 ○皆さん、おはようございます(こんにちは)。 ○私は、この学校の学校薬剤師を務めている(あるいは「薬剤師の」)○○○○と 言います。 ○今日は皆さんと一緒に「薬の正しい使い方」を勉強していきたいと思います。 短い時間ですけど、よろしくお願いします。 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会
病気かな と感じたとき、 あなたはどうしますか? くすりの適正使用協議会 ■病気のときに薬が果たす役割を理解させる。 【講義例】 あなたはどうしますか? ■病気のときに薬が果たす役割を理解させる。 【講義例】 ○じゃあ、まず皆さんと、薬の役割について考えてみましょう。 ○皆さんは、「病気かな?」と感じたとき、どうしますか? くすりの適正使用協議会
そのような時は、 以下の3つの方法から選びましょう 安静にする お医者さんに診てもらう くすりを飲む 不安な時は身近な人に相談しましょう 【講義例】 ○病気になった時の対応方法としては、主にこの3つの方法がありますよね。 ○では、病気になった時、どうして薬を飲む(使う)のでしょう? くすりを飲む 不安な時は身近な人に相談しましょう くすりの適正使用協議会
くすりが できるまで 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 ■薬が出来るまでの過程を簡単に説明 【講義例】 できるまで ■薬が出来るまでの過程を簡単に説明 【講義例】 ○では次に、薬がどのような過程で世の中に出てくるのかを簡単に見てみましょう。 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会
くすりができるまで くすりが開発されるまでには、長い年月と、莫大な開発費用(500億円)がかけられます。 基礎研究 非臨床(動物)試験 2年~3年 非臨床(動物)試験 3年~5年 臨床(ヒト)試験(治験) 【講義例】 ○一つの薬が世に出るまでには、とても長い年月と、莫大な開発費用が必要なんですね。 ○このスライドはあくまでも一例ですが、例えば薬になりそうな物質を見つけ出して、それ が薬になるかどうかを見極めるまで(基礎研究)に、大体2年から3年かかります。そし て、多くの場合、この段階で「薬にするのは無理」という結論に達し、研究が打ち切られ てしまいます。 ○こういった厳しい経過を越えて、薬になる可能性のある物質は、マウスやうさぎなどの 動物を使った各種の試験(非臨床試験)を行い、その物質の持つ効果や安全性などを確認 します。この試験に、大体3年から5年かかります。 ○動物での試験で効果や安全性が確認されると、いよいよ実際に人間を使った試験(臨床試 験・治験)を行います。この試験は、通常は3段階あって、まず病気ではない健康な人を 対象に、副作用などの安全性を確認します。続いて、実際にその病気の患者さんを対象に 効果や安全性を確認します。この段階は二つに分かれており、まず少数の患者さんで有効 で安全な投薬量・方法を確認し、次に、多数の患者さんで効果や安全性を確認します。但 し、いずれの段階でも、国が認めた薬ではありませんので、「試験に協力します」という 同意が得られた人のみが参加することになります。何れにしても、臨床試験(治験)が一 番重要ですので、この試験には、大体3年から7年くらいの年月をかけることになります。 ○そして、人間での試験で効果や安全性が確認されれば、それまでに蓄積されたさまざまな データをもとに、製薬企業が国に対して、この物質を薬として認めてほしいという申請 (承認申請)を行い、その申請に基づいて国が厳しい審査を行います。これに大体1年か ら2年かかり、国の審査をクリアーしたものだけが、「医薬品」として世の中で使われる ようになるわけです。 3年~7年 承認申請と審査 1年~2年 (出典:福島県立医大附属病院 斎藤百枝美先生、編集:くすりの適正使用協議会) くすりの適正使用協議会
薬価基準価格の算定 後発医薬品(ジェネリック) 再審査終了・特許切れ(製品・製法) * 先発特許切れ直後 7割 * 後発品既収載 最低薬価 再審査終了・特許切れ(製品・製法) * 先発特許切れ直後 7割 * 後発品既収載 最低薬価 * 既収載20品以上 最低薬価の9割 n.murakami
くすりの 効き方 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 ■くすりがどのように体に働き、効き目を発揮しているかを理解させる。 【講義例】 効き方 ■くすりがどのように体に働き、効き目を発揮しているかを理解させる。 【講義例】 ○では次に、薬はどうやってその効果を発揮するのかを見てみましょう。 ■時間があれば、以下も簡単に説明。 ○大きく分けると、薬の働きは4つに分類できます。 1.原因療法 病気の原因そのものを取り除くもの(抗生物質製剤など) 2.対症療法 病気により発生する熱や痛みのような不快な症状を取り除くもの(解熱鎮痛剤など) 3.予防療法 病気の予防を目的とするもの(ワクチンなど)。 4.補充療法 何かの原因で、身体の機能維持に必要な物質が不足した場合にそれを補充するもの (ホルモン、ビタミンなど)。 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会
くすり(成分)は、体の中を どのように巡るのでしょうか? めぐ くすりの適正使用協議会 【講義例】 ○薬が、その目的とする効果を発揮するためには、それに含まれる成分が、効いてほしい 場所(患部、標的臓器)まで届く必要がありますよね。 ○では、薬の成分が体の中をどのように巡っているか、見てみましょう。 くすりの適正使用協議会
※ 血管内に入ることによって初めて薬は効果を示すようになる! 薬 の吸収と排泄(一般的な内服薬) 薬 の一生は? 4.残りは血液に のって全身に 1.胃で溶け 2.小腸で吸収 3.肝臓で一部壊され ※1回まわるとまた肝臓へ 5.壊れた薬は腎臓でろ過され 6.おしっこの中へ ※ 血管内に入ることによって初めて薬は効果を示すようになる!
薬 の服用時間 時間ごとの服用、頓服って・・・? 食 前:食事のおよそ30分前 食 後:食事のおよそ30分以内 食 間:食事のおよそ2時間後 薬 の服用時間 時間ごとの服用、頓服って・・・? 食 前:食事のおよそ30分前 食 後:食事のおよそ30分以内 食 間:食事のおよそ2時間後 食直前:食事のすぐ前 食直後:食事のすぐ後 寝る前:就寝のおよそ30分前 頓 服:必要に応じて
血中濃度 くすりの 「血中濃度」という 言葉を知っていますか? くすりの適正使用協議会 ■薬の「血中濃度」を例に、決められた時間・回数・量などを守ることの大切さを理解 させる。 【講義例】 ○皆さん、薬の「血中濃度」という言葉、ご存知ですか? ○ご存知ないですよね。知らなくて当たり前ですから、ご心配なく。でも、薬の使い方を 理解するためにはとても大切ですし、今日の講義でも、このあと何回かこの言葉が出て きますので、覚えておいてくださいね。 くすりの適正使用協議会
けっちゅうのうど 薬の血中濃度 副作用域 有効域 無効域 くすりを飲む 時 間
血中濃度の変化 分けて飲む訳は ・・・ ?
くすりは、決められた量の2倍飲んだり、 飲む回数を多くしたら、 病気が早く治るのでしょうか? くすりの適正使用協議会 ■くすりは、決められた量・回数を守らなければいけないことを、質問形式で確認する。 【講義例】 ○それでは、今の話の応用として、皆さんに質問してみましょう。 ○「薬は、決められた量の2倍飲んだり、飲む回数を2倍にすると、2倍早く治る」と 思う人? くすりの適正使用協議会
薬の血中濃度 副作用域 有効域 無効域 くすりを飲む 時 間
くすりの 種類と形 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 種類と形 ■くすりにはいろいろな種類や形があること、また、それらの種類や形には意味(理由)が あることを理解させる。 【講義例】 ○では次に、薬の種類や形にはどんなものがあるかを見ていきましょう。 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会
くすりの種類は 大きく3つに分けられます 内服薬:口から飲むくすり 外用薬:貼ったり塗ったりするくすり 注射薬:直接、体の中に入れるくすり ■薬には、大きく分けて「内服薬」「外用薬」「注射薬」があることを理解させる。 【講義例】 生徒等の答えを受けて、 ○皆さん、いろいろな薬を知っていますね。 ○そう、薬には、口から飲むくすり(これを内服薬と言います)と、貼ったり塗ったり する薬(これを外用薬と言います)があります。 ○それから、皆さんが嫌いな(あるいは、「先ほど誰かが言ってた」)「注射薬」という のもありますよね。 ○今日は、このうちの「内服薬」と「外用薬」について、どんなものがあるか見てみま しょう。
薬 にはいろいろな形があるよ! 形には理由があります! <注射薬> <内服薬> <外用薬> 早く効く 早く溶ける、早く効く、 薬 にはいろいろな形があるよ! 形には理由があります! 早く効く <注射薬> 早く溶ける、早く効く、 粒の大きさによって溶け方や吸収の速さを調節 散剤が飲めないとき 苦い薬でも飲みやすい <内服薬> 口から飲めないとき <外用薬>
投与方法による 薬 の効き方 使い方が違うと ・・・ ?
「錠剤」にはこんな 「仕掛け」もあります 胃で溶ける膜 腸で溶ける膜 胃で溶けるくすり 腸で溶けるくすり 例えば・・・ ■二層錠を例に、錠剤の仕組みなどを説明。 【講義例】 ○では、まず、錠剤の仕組みについて見てみましょう。 ○これは、ある錠剤を半分に切ったものです。 ○錠剤の中は、このように何層にもなっていて、ここでは2種類の薬が入っていますね。 ○まず、一番外側には砂糖の層をつけて、苦さや酸っぱさを覆って飲みやすくしてあります。 また、この一番外の層は、中の成分を空気から守って、湿気を防ぐ役目もしているんです。 ○飲んだ錠剤が胃に届くと、黄色の部分の膜が溶けて、ピンクの部分の薬が溶け出します。 でも、青色の部分の膜は胃では溶けないように工夫されていますから、この部分は胃では 溶けずに、そのまま腸に運ばれるんですね。 ○そして、腸に運ばれたあと、青色の部分の膜が溶けて、白い部分の薬が溶け出すわけです。 ○胃では溶けずに腸で溶けるように工夫されている薬を「腸溶錠」と言います。これは、薬 の成分が胃の酸に弱いため、胃で溶けてしまうと成分が分解されて薬の役目を果たさなく なるため、このような工夫をしているんですね。 ○この他、1日1回だけ飲めばいいように、錠剤が少しずつ溶けるように工夫されている薬 (これは「徐放錠」と言います)などもあります。 腸で溶けるくすり
カプセルの中のツブツブに、 このような工夫を加えることがあります 例えば・・・ すぐ効くツブ ゆっくり効くツブ 胃で溶けるツブ 腸で溶けるツブ 痛みを抑えるツブ 熱を下げるツブ ■続いて、カプセル剤の仕組みについて説明。 併せて、 ①一般用医薬品の中には、いろいろな成分が含まれていること。 ②2種類以上の薬を飲む場合、同じ成分の薬を二重に飲んでしまう可能性もあるので、注意 が必要なこと。 などを説明。 【講義例】 ○次に、カプセル剤を見てみましょう。カプセル剤の場合も錠剤と同じように、薬の成分が 苦かったり酸っぱかったりすることがあるので、苦さや酸っぱさをカプセルで覆って飲み やすくしてあります。 ○それから、一般用医薬品のカプセル剤の場合には、このスライドにあるように、一つの カプセルの中にいろいろな異なる効き目の成分のツブが入っていて、いろいろな症状に 効くようにできています。 ○でも、例えば薬の中には眠くなる成分が入っているものが結構あるのですが、そういう薬 を2種類飲んでしまうと、どうなるでしょう? ○そう、余計に眠くなっちゃいますよね。 ○皆さんも大人になったら車の運転するようになると思いますが、運転してる時に眠くなっ たりしたら危ないですよね。 ○ですから、2種類以上の薬を飲む時には、同じような効き目を持つ成分が入っていないか どうか、注意が必要なんですね。
くすりを 飲む時の注意 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 ■ここまでの講義の復習を兼ねて、薬を飲む(使う)時の注意事項を再確認する。 【講義例】 ○では次に、薬を飲んだり使ったりする時に注意して欲しいことをお話しします。 ○今日のお話の中でも大切なところですから、ぜひ覚えておいてくださいね。 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会
くすりは、1回くらい 飲み忘れても 大丈夫なのですか? くすりの適正使用協議会 ■薬を飲み忘れた時にどうするかを説明。併せて、糖尿病やてんかんの薬などを例に、 飲み忘れると危険な薬があることも理解させる。 【講義例】 ○でも、決められた時間に飲むのを忘れた、なんてこともありますよね。 ○では皆さんに質問。「くすりは1回くらい飲み忘れても大丈夫」だと思う人。 くすりの適正使用協議会
血中濃度の変化 分けて飲む訳は ・・・ ?
くすりは、正しい使い方をしないと 効き目が現れません くすりの飲み忘れをしないように注意しましょう もし、飲むのを忘れた事に気付いたら、 くすりの飲み忘れをしないように注意しましょう もし、飲むのを忘れた事に気付いたら、 次の3つの方法で対応しましょう。 ① 約束の飲む時間からあまり時間が経っていない場合、できるだけ早く飲み、次に飲む時間を少し遅らせる。 ② 次に飲む時間まで、あまり時間がない場合は、1回分飲むのを飛ばす。だからといって次に2回分をまとめて飲むのは、危険なので絶対にしてはいけない。 ③ よく分からない時は自分勝手に判断しないで薬剤師に相談しましょう。 【講義例】 ○そう、薬は決められた時間に飲むことが大切ですね。だから、まずは飲み忘れをしない ように注意してくださいね。 ○でも、飲み忘れたからといって、心配したり慌てたりしなくても大丈夫です。 ○飲み忘れたらどうするか、今日は3つの方法を皆さんに教えましょう。 → スライドに沿って、3つの方法を説明。特に、2回分をまとめて飲むのは危険なの で絶対にしてはいけないことを、糖尿病薬などを例に説明し、理解させる。 ○薬によっては、飲み忘れると危険な薬もありますから、飲み忘れた時にどうすればいい か、薬剤師さんに聞くといいですよ。 〔次のスライドに繋げるために、生徒達に質問〕 ○では皆さん、決められた時間って、大体いつ頃か分かりますか? ○「1日3回・食後に飲んでください」なんて言われたことあると思いますが、「食後」 ってどういう意味でしょう? くすりの適正使用協議会
くすりはどの位の 水(量)で服用したら良いのでしょうか? ■薬はコップ一杯くらいの水で飲むとよいことを理解させる。 【講義例】 ○薬は水かぬるま湯で飲んだ方がいいことが分かったと思いますが、では、薬を飲む時の 水の量はどれくらいがいいと思いますか?
コップ1杯の水かぬるま湯で 服用しましょう 水の量が少ないと、喉や食道の途中でくすりが張り付いてそこで溶けてしまい、潰瘍を起こすこともあります。 くすりは本来、十分な量の水やぬるま湯で胃まで送られて溶け、くすりの成分が血液中に入り効果が発揮されます。 喉や食道で溶けてしまったくすりは、効果が期待できません。 【講義例】 ○そう、薬を飲むときは、コップ一杯くらいの水かぬるま湯で飲むようにしましょうね。 ○何故かというと、水の量が少ないと飲んだ薬が喉や食道の途中にくっついて止まって しまうことがあるからなんです。 ○そうすると、薬が上手く胃の中に入っていかないばかりか、くっついた部分が腫れた り痛くなったりすることもあるんですね。 ○ですから、薬を上手く胃の中へ送るために、コップ一杯くらいの十分な量のお水で飲 むのがいいわけです。 ○それから、寝たままで薬を飲んだりすると、同じように薬が喉や食道で止まってしま うこともありますから、病気で寝ていても、薬を飲むときは上半身を起こして飲むよ うにしましょう。
ペタペタ実験 実験! 2 1 水 カプセル 3 ■水で濡らした指でカプセルを触る実験 【講義例】 <目的> カプセルや錠剤が喉や食道にくっついたりしないように、コップ一杯の水やぬるま湯が必要な事を理解させる。 <用意するもの> シャーレ2つ、水、カプセル剤(空カプセルでも可) <実験手順> ①片方のシャーレに水を入れ、もう片方にはカプセル剤を入れておく。 ②シャーレの水で指をぬらし、カプセルに触る。 ~さて、どうなったかな?~ 3
指先と同じことが喉で起こると、 カプセルが喉で溶けてしまいます。 ③指にカプセルがくっついて離れない。 生徒(代表)にも実際に触ってもらい、「もしこの状態が喉や食道で起きたらどうなる でしょう?」と聞いてみる。 ④コップ1杯という十分な水かぬるま湯で飲む理由が理解できる。 〔備考〕 ○「くすりの適正使用協議会」のHPで、実験参考動画がご覧になれます。 指先と同じことが喉で起こると、 カプセルが喉で溶けてしまいます。
くすりの 保管について 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 ■薬を保管する上で注意すべき点などを理解させる 【講義例】 保管について ■薬を保管する上で注意すべき点などを理解させる 【講義例】 ○では次に、薬の保管について勉強していきましょう。 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会
【保管管理】 *先入れ先出し(有効・使用期限) *温度・湿度・光線 標準温度 20℃ 常温 15~25℃ 室温 1~30℃ 冷所 15℃以下 *先入れ先出し(有効・使用期限) *温度・湿度・光線 標準温度 20℃ 常温 15~25℃ 室温 1~30℃ 冷所 15℃以下 指定温度 2℃~10℃ n.murakami
くすりの副作用 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 ■薬には、「良い効果だけでなく、悪い効果(副作用)もあること」、「だから正しく使う 必要があること」、「万一副作用が出た時にはどうすればいいか」等を理解させる。 【講義例】 ○では次に、「薬の副作用」について勉強しましょう。 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会
副作用が起きる原因には こんなことがあります ① くすりの元の性質 ② くすりを正しく使用しなかった時 ③ 自分の体質、または体調 ④ くすりと飲食物との相互作用 ⑤ くすりとくすりとの相互作用 【講義例】 ○副作用が起きる原因は、こんなにあります。 ①~⑤について説明。 ○では、④とか⑤に書いてある「相互作用」というのは、どういうことでしょう。 くすりの適正使用協議会
かかりつけ薬局と お薬手帳 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 お薬手帳 ■講義の最後として、「相談することの大切さ」や、「かかりつけ薬局」「お薬手帳」の 意義等を説明する。 【講義例】 ○「何か具合が悪いな」とか、「薬について分からないことがあるので誰かに相談したい な」って思った時に、気軽に相談できる人がいると便利ですよね。そんな時に頼りにな るのが、「かかりつけ薬局」という考え方です。 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会
追加・差し替え用 スライド ■追加・差し替え用スライド → 以下のスライドは、講義時間や講義対象者の年齢等に応じ、適宜選択・追加・ → 以下のスライドは、講義時間や講義対象者の年齢等に応じ、適宜選択・追加・ 差し替え等を行ってご利用ください。
保 健 機 能 食 品 制 度 保健機能食品 医薬品 医薬部外品 (個別許可型・ 疾病リスク低減表示含) (規格基準型) 栄養機能食品 (規格基準型) 一般食品 (いわゆる健康食品 を含む) 特定保健用食品 条件付特定保健用食品 2001年4月からスタートし、近年の健康志向の高まりから、食品の機能性に対し正しい情報提供を行い、安全性や有効性の確かな食品が選択できるように作られた制度。2005年2月からは、条件付特定保健用食品が新たに創設される等、制度が見直されている。 54
薬 局 調 剤 の 流 れ 薬剤師法第23条 (処方せんによる調剤) 薬 局 調 剤 の 流 れ 処方せん鑑査 薬剤調製 薬剤鑑査 薬剤の交付 患者 処方せん受付 薬剤師法第23条 (処方せんによる調剤) 1.薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ、販売又は授与の目的で調剤してはならない。 2.薬剤師は、処方せんに記載された医薬品につき、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師の同意を得た場合を除くほか、これを変更して調剤してはならない。 55
養護教諭の職務 学校保健情報の把握に関すること。 保健指導に関すること。 救急体制及び救急処置に関すること。 健康診断,健康相談,相談活動に関すること。 学校環境衛生に関すること。 学校保健に関する各種計画及び組織活動の企画、立案、運営への参画及び一般教員が行う保健活動への協力に関すること。 伝染病の予防に関すること。 保健室の運営に関すること。
学校保健委員会 【学校保健委員会における留意事項】 ・ コーディネータ的な役割を担う者を予め決めておく。 ・ コーディネータ的な役割を担う者を予め決めておく。 ・ 委員会の開催時間を予め明確にする。 ・ 委員会の出欠等、事前連絡を密にすること。 ・ テーマに即した分り易い資料を、提供することを心がける。 ・ 学校薬剤師(三師)は専門的立場から提言をする。 ・ 次回のテーマ、日時、場所を確認し継続性を持たせること。 ・ 協議内容等決定事項は、職員打合せ等で必ず報告するな ど委員会のルールを決め、徹底すること。 ・ 児童・生徒を通じて、「学校だより」や「PTA通信」などの媒 体を活用し、家庭の親に確実に伝達をする。 57
くすりの正しい使い方授業 打合せ:校長、養護教諭、担任教員、学校薬剤師 意義 内容(くすり、薬物乱用防止、禁煙、アンチドーピング) 意義 内容(くすり、薬物乱用防止、禁煙、アンチドーピング) 日時(45分、90分) 人数(学年別、クラス別) 方法(パネル使用、PP使用、実験) 授業計画案の作成 授業実施(プレテスト) 授業後の検討会(実施校、薬剤師会、ポストテスト)
授業構成例(教員、薬剤師による授業) 1.授業名:薬の正しい使い方 2.対象学年:中学生 3.本時のねらい: ①薬の役割について考える。 【関心・意欲】 ②薬の種類、効果などについて学び、 正しい服用方法を理解する。 【知識・理解】 ③副作用を学び、対応方法を理解する。 【知識・理解】 ④健康3原則や心の健康の 重要性について理解する。 【知識・理解】 ⑤病気や薬の専門家としての 薬剤師の役割を認識する。 【思考・判断】
健康な生活を過ごすために大切なことを考える。 ○健康3原則、心の健康について,教える。 4.学習過程(45分) 課程 時間 指導内容 学習活動 教師の支援 (○教員、 ★薬剤師) 教材等 導 入 2分 健康な体 1.健康な毎日を過ごすために スライド等 健康な生活を過ごすために大切なことを考える。 ○健康3原則、心の健康について,教える。 薬とは 2.薬とは何なのですか? 薬の使用目的などについて知っていることを発言(記述)する。 ○&★:病気の治療、診断、予防を目的として使用されるものであることを理解させる。
課程 時間 指導内容 学習活動 教師の支援 (○教員、 ★薬剤師) 教材等 展 開 3分 薬の製造 3.薬ができるまで。 スライド等 薬を製造し、使用できるようになるまでの工程について考える。 ○or★:薬の製造、試験、流通、販売の工程について概説する。 5分 薬の効き方 4.薬はどのようにして、効いてほしい場所(患部)まで届く? スライド、 模型等 栄養素と対比して薬のたびを考える。 ○薬は血液とともに体中を巡ることを教える。★血中濃度の考えを理解させる。 5.薬を使うときの約束は? 体験から、どんな約束があるか考える。 ★用法、用量の重要性を説明する。
課程 時間 指導内容 学習活動 教師の支援 (○教員、★薬剤師) 教材等 展 開 7分 薬の種類 6.薬にはどのような種類があるのですか? スライド、見本等 使用したことのある薬、見本、パネルなどから剤形を分類する。 ○&★:種類と使い方などについて教える。 7.どうして色々な種類がある? スライド、模型等 散剤、錠剤、カプセル剤など、剤形の異なる理由を考える。 ★錠剤、カプセル剤の構造とその理由を説明する。 12分 薬を飲むこときの注意 8.薬を飲む時に注意することは? スライド、実験材料等 飲む時間や飲み忘れたときの対処などについて、体験を思い出す。 ★薬の効き方を復習しながら、、注意事項を理解させる。 9.薬を水以外の飲み物で飲んだことがある? 水、お茶、コーラなどで飲んだ経験を思い出す。 ★薬を水、ぬるま湯以外で飲んだ時のトラブルを説明する。 実験:①お茶と薬の飲み合わせ ②カプセル吸着実験
課程 時間 指導内容 学習活動 教師の支援 (○教員、★薬剤師) 教材等 展 開 2分 薬の保管 10.薬はどこに保管されている? スライド等 薬がどこに保管されているか述べる。 ★保管場所や保管するときの注意事項を教える。 5分 薬の副作用 11.副作用について知っていることを述べる。 副作用について知っていることを述べる。 ★副作用の種類、副作用が出たときの対応について教える。 12.なぜ副作用が現れるのか? 副作用の原因について考える。 ★薬と飲食物の相互作用などを例示して説明する。 ま と め 薬の相談 13.薬について相談しよう。 薬について疑問が出たときの対応について考える。 ○薬剤師が薬の専門家であることを教える。 ★お薬手帳について説明する。 質問 薬剤師に質問する。 ★質問に答える。
授業構成例(教員、薬剤師による授業) ①薬の役割について考えることができたか。 【関心・意欲】 ②薬の種類・効果・副作用などについて学び、 5 .生徒評価 ①薬の役割について考えることができたか。 【関心・意欲】 ②薬の種類・効果・副作用などについて学び、 正しい服用方法を理解できたか。 【知識・理解】 ③体と心の健康の大切さを理解できたか。 【知識・理解】 ④病気や薬の専門家としての薬剤師の役割を認識する。 【知識・理解】 6.教員評価 ①発達段階に合わせ、科学的に教えることができたか。 ②生徒が自分達に身近な学習であると捉えることができるように 進められたか。 ③生徒の悩みや質問にできるだけ答え、不安を取り除くよう 配慮できたか。