B B 通 信 11月 vol.13 × フューチャーズリーグ、卒部式が終わり、今年もいよいよあと一ヶ月となりました。1年を通じて、野球、それ以外のこと、様々なイベントがあるのが堺ビッグボーイズの1年間です。選手には1年の最後まで、思う存分、堺ビッグボーイズでの活動を楽しんでほしいと思います。 南花台の気温が日に日に下がってきている今日この頃‥。冬季練習は、じっくり時間をかけて基礎練習に取り組むことができますが、体調を崩したり、ケガをしてしまってはせっかくの冬季練習が台無しです。コンディションには十分気をつけて、その上で思う存分練習をしてもらいたいと思います。 「野球を嫌いにさせないで」 コーチ 久富 恵介 先日、OB選手から連絡をもらいました。 「○○大学に合格しました」 「おめでとう。大学でも野球を続けるの?」 「野球はもういいです・・・。」 中学時代あんなに野球が大好きだった彼からそんな言葉を聞くことになるとは思ってもいませんでした・・・。 日本のアマチュア野球は各年代別に全国大会が存在し、その大会への出場、その大会での成績ばかりに気を取られて一番大切なことを指導者(大人)が見失い、選手に結果ばかりを押しつけているよう感じます。誰もが好きで始めた野球、いつしか指導者や大人に怒られないように、気にいられるプレーをするようになっていませんか?そういう環境を作っているのは指導者や大人達です。野球をする中で戦術、技術を教えることも大切です。こういう面に優れ、結果を残し続ける指導者は「名将」と呼ばれますが、それ以上に選手の「心」を分かろうとする指導者が良き指導者だと私は思っています。 「勝ちたくないんか~?」「強くなりたくないんか~?」そんなこと言われなくても選手達は「勝ちたい・強くなりたい」と思って日々の練習や試合に挑んでいます。指導者や大人がポジティブな声を掛けるだけでモチベーションが変わり、プレー向上に繋がります。プロ野球・社会人野球の選手以外はプレーでお金を貰うことはありません。勝ちにこだわるのはそこからで十分ではないでしょうか? アマチュア野球の選手達には過度のプレッシャーを与えずにのびのびとプレーさせてあげたい、その為には指導者や大人は選手と同じように学ぶ気持ちを持つことが重要だと思います。自分の経験論を押し付けることが必ずしも良い指導ではありません。 野球が好きな選手達がもっともっと野球を好きになれるように、微力ながらこのチームでの活動・配信を続けていきます。
「継続する難しさ」 「勉強させない、競争させない」 土井コーチ 選手たちには入部当初に毎日1回何か継続しましょうとアプローチをしています。 選手たちには入部当初に毎日1回何か継続しましょうとアプローチをしています。 この取り組みは私が堺BBでプレーしていた時から言われていることです。 腹筋一回、素振り一回、どんなことでいいと言っていますが、実際継続して行うことは難しいことだと思います。 私は父親からよく読書を進められ、父親から勧められた本をよく読みました。 スポーツ選手の本が多かったのですが、その人の考え方など、とても勉強になりました。それら本の中のものの例えや接続詞などが、選手に話すときなどに頭に浮かぶので、話す力は読書から身につくのだと感じています。 父親は僕が忘れているときなどに本を進めるなどして、気づかないようにアプローチしてくれました。 そのアプローチで僕は読書を続けられたと思います。 何かを継続することは難しいことなので、保護者の方からも少し手助けしてあげてください。 「勉強させない、競争させない」 コーチ 岩井 健一 皆さんは、「フィンランド」という国をご存知でしょうか?皆さんもよく知っている「ムーミン」で有名な、北欧の人口530万人ほどの小さな国です。 フィンランドは、先進国34カ国が実施している学習調査で何度も世界1位になっています。その教育方法がとてもユニークで、日本のメディアでも取り上げられています。 その内容はどのようなものかというと… ・授業時間数は先進国34カ国の中で最も少ない ・夏休みは2カ月あり、宿題もない ・16歳になるまでテストがない ・小学6年生までは通知表もない 意外に思われるかもしれませんが、年々学力が下がっている日本の教育とは全く逆の取り組みをしているようです。大切にしているのは、いわゆる「詰め込み型」の勉強をさせていないこと、「テストも通知表もない」とあるように、「子どもに優劣をつけない」ことだそうです。 私はフィンランドの教育方針と似た取り組みをしている日本の学校に見学に行ったことがあるのですが、そこでも15歳までテストがありませんでした。しっかりと教えるのは、読み書きだけ。6歳から自分の興味のあることをとことんやらせて、本人が勉強をしたいと思ったタイミングで勉強が始まります。しかし、その後はほとんどの子どもが高校に進学し、有名大学や海外の大学にも多くの生徒が進学しているとのことでした。 校長先生に話を聞くと、「こちらから勉強をさせることがないので、勉強嫌いの子がいない」、「テストで優劣をつけないので、彼らには勉強に対して苦手意識がない」などの話をしてくださいました。そんな環境で育った子どもたちは、普通は嫌がる勉強を自分のペースですいすいとやってのけてしまうそうです。 なかなか全てを真似することはできませんが、このようなアプローチの教育もあるようです。勉強を無理にさせない、子どもに優劣をつけない。なかなか難しいことだと思いますが、堺ビッグボーイズでの指導との共通点もあるように感じています。私も何かと勉強に口出ししてしまいたくなりますが、野球と同じように、選手の勉強の様子も長い目で見守っていこうと考えています。