較正用軟X線発生装置のX線強度変化とスペクトル変化 松浦大介
実験背景 Count/bin[AU] 74W Mα: 1.775keV 34Se Lα: 1.379keV Energy(keV) 1.4 1.8 実験背景 Count/bin[AU] 74W Mα: 1.775keV 34Se Lα: 1.379keV Energy(keV)
XIS(BI1)実験で見られたX線強度変化(6/14,15,163日分) 10 0.35 0.45 0.6 1 Count/column/frame 0.1 0.5 Energy[keV]
連続成分の時間変化 連続成分は60時間で約1.3倍に増加 1.29 0.35keV 1.23 Norm 0.45keV 1.29 1.2 6keV Time[hour] Norm 1.2 60 30 1.29 1.23 1.29 連続成分は60時間で約1.3倍に増加
XISでの測定を繰り返した結果(問題点) 1.X線強度が時間変化している 2.1.4(Se?)、1.8keV(W?)のラインの成長 →XISの較正には考慮すべき内容 e E ターゲット フィラメント X線発生装置の原理 原子核のクーロン場により加速
考えられる原因 ・ラインの成長 フィラメント成分のタングステン(W)がターゲット 表面に付着したことで特性X線強度が増した ・連続成分の時間変化 ターゲットの実効原子番号が増し、 制動放射の効率がUPしたのでは? 連続X線の全強度 I∝Z2 電子加速電圧は一定とする→Z2に比例 連続成分は3日で1.3倍 →実効原子番号1.14倍
フィラメントとターゲットの汚れ(4月14日~6月20日) ・フィラメントに含まれる成分は何か(タングステン、セレン)? ・ターゲットにフィラメント成分が付着しているのか? →X線解析により確かめる(X線、電子により軌道電子を剥ぎ取る)
フィラメントのX線解析 実験セットアップ 109CdをX線源 Ag:kα 22.16keV Ag:kβ 24.94keV
実験結果 74W Lβ1 : 9.672keV Lα1 : 8.397keV 34Se Kα1 : 11.222keV Couont/sec Energy[keV] フィラメントにはタングステンは含まれている セレンの存在は議論しがたい
ターゲットのX線解析 実際にターゲット表面にはフィラメント成分が付着しているか? 実験セットアップ 付着物は非常に薄いためにx線では透過してしまうのでは →トリチウム(Β線:18.6keV)
ターゲット成分である銀のラインは確認される タングステンは確認できない→直接的証拠なし 実験結果 Cdのみ Ag:kα 22.16keV Couont/sec Energy[keV] ターゲット成分である銀のラインは確認される タングステンは確認できない→直接的証拠なし
タングステン付着のプロセス ・真空蒸着 1.抵抗加熱法 →高融点の金属に電流を流し、発生する熱による過熱 2.電子衝撃法 →電子を加速して材料に集中してあて過熱 ・スパッタ蒸着法 →加速したイオンをターゲットに衝突させて蒸発させる
課題 XISのデータ解析 実験では複数のX線発生条件を用いている ・加速電圧、ビームカレント、スリット幅 →X線強度変化の特徴を理解 勉強 制動放射と蒸着メカニズム →ターゲットへのタングステン付着によるX線の強度変化 の定量的な理解 タングステン付着のプロセス ・真空蒸着 1.抵抗加熱法 →高融点の金属に電流を流し、発生する熱による過熱 2.電子衝撃法 →電子を加速して材料に集中してあて過熱 ・スパッタ蒸着法 →加速したイオンをターゲットに衝突させて蒸発させる
仮想光子を用いた制動放射 原子核による静電場は運動する電子の静止系から見た 場合、光子が跳んでくるように仮定できる E‘、B’ E,B ローレンツ変換式 動いている系から電場、磁場をみた場合
電子が原子核に散乱されること 電場のみ存在 : B=0 原子核による静電場 電子の静止系から見た場合の電場、磁場(ローレンツ変換) Β→1電場、磁場は等しくなる→到来する光子
xがbを超えると電場、磁場は急激に減衰する 磁場、電場をx‘で書き下す xがbを超えると電場、磁場は急激に減衰する 図4.5 Ⅱのように近似 図4.5 Ⅰの用に近似
図4.5 Ⅰの領域内のエネルギー密度 領域は同じエネルギーの光子で満たされていると仮定 仮想光子密度はbに反比例する
bが大きい場合仮想光子の密度が小さくなる →散乱される光子の数が少ない bが小さい場合密度が大きくなる →散乱される光子の数が多い 電子に光子の集団が到来 電子はある決まった断面積をもっている bが大きい場合仮想光子の密度が小さくなる →散乱される光子の数が少ない bが小さい場合密度が大きくなる →散乱される光子の数が多い より原子核の近くを通る電子からの放射は強い
XISの実験では散乱断径数は変化しない、X線の強度はZ2に依存 する