田中 周太 Shuta J. Tanaka (ICRR, Univ. of Tokyo)

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田中 周太 Shuta J. Tanaka (ICRR, Univ. of Tokyo) マグネター 星雲のスペクトルモデル 田中 周太 Shuta J. Tanaka (ICRR, Univ. of Tokyo) 今回は出番なし!? 03, Oct., 2014, 高エネルギーガンマ線でみる極限宇宙2014@東大, 柏キャンパス

Pulsars in PWNe Spin period P ~ 102-3ms Rotating Neutron Star . 3C58 (Chandra + VLA) Crab (Chandra) Spin period P ~ 102-3ms Rotating Neutron Star P derivative P ~ 10−(11-13) s/s (パルサー星雲がいるやつ) Spin-down power: Lspin > 1036erg/s (Bow-shock PWNe are exception.) . . Magnetic braking by strong B-field ~ 1012G Pulse lumi. ~ a few % x Lspin   Most of Lspin releases as pulsar wind! ~ 50 of 2000 pulsars have observable PWNe. P – P diagram 1036erg/s Kaspi10

大きな電気エネルギーの極一部が磁気圏内で解放 パルサー磁気圏の標準描像 Daugherty&Harding82 ? パルサーは 回転する磁石である! (B ~ 1012G, P ~ 10ms) 1016Vの電池 (単極誘導) パルサー磁気圏 ? B-γ or γ-γ pair creation パルサー風 ? Goldreich&Julian69 パルサー風 大きな電気エネルギーの極一部が磁気圏内で解放 粒子加速と電磁カスケードによるe±生成 (パルサーからのパルスを生成) 磁気圏内では相対論的 e± プラズマが生成される

Magnetar Wind Magnetars have large surface B-field ( > 3x1014G) and some have Lx > Lspin B-powered emission? Magnetars have P Angular momentum loss!! e.g., Thompson & Duncan 95 . Wind loss Photon loss X線光度 Lspin [erg/s] Lx = Lspin Olausen & Kaspi14 表面磁場 BNS [G] 回転光度 Lspin [erg/s] Even Lx > Lspin, wind angular momentum loss would dominate for magnetars from this simple estimate.

Magnetar Wind Nebulae? PWNe are found around High-B radio pulsar. MWN candidate HBPs detected Safi-Harb13 One of young TeV PWN around high-B radio pulsar AXP 1E1547.0-5408 Kumar & Safi-Harb08 Kes 75 (PSR J1846-0258) Vink & Bamba09 Observed extended emission may be dust-scattering halo for 1E1547.0 ↑(e.g., Olausen+11)

What We Learn from MWN Magnetar の誕生時の回転周期等. (PWN ではわかる) millisecond の初期周期で増幅? Rotation Powered Pulsar との wind の性質の違い. 電磁カスケードが効率よく起きているか? 磁化率は? Magnetar の fall-back disk model. wind が出ているなら, これは棄却される. e.g., Thompson & Duncan 93

e.g., Gelfand+09, Tanaka&Takahara10, 11, 13, Bucciantini+10 One-zone Model e±, B 一様球のMWNの膨張進化 MWN内の磁場の時間進化 Lspinがほとんどe±プラズマ (Broken-PL) -1.2 < αR < -1.0, -5 < αB < -3 from past studies e.g., Gelfand+09, Tanaka&Takahara10, 11, 13, Bucciantini+10 logγ γmin γb γmax ∝γ-p1 ∝γ-p2 Le± logQ e±エネルギー分布の進化 adiabatic + synchrotron + inverse Compton coolings

MWN vs. PWN Spin evolution が違う! 慣例的に braking index を用いて 回転光度 Lspin [erg/s] 強磁場パルサーの場合 τ0 年齢よりも十分小さく, よい近似で以下のように書ける. 年齢 [yr] 初期周期が短く (P0小), 初期磁場が強いほど (B大), 初期回転光度が大きく, 回転減速が早い.

Results Applied to AXP 1E1547.0-5408 Bnow = 3μG シンクロトロン 冷却は効かない upper limit given by Olausen+11 断熱冷却のみの時の解析解 Results are insensitive to αB & αR. X-ray upper limit gives constraints Bnow < 3μG and/or p2 < -2.7. CTA will detect MWN around 1E1547.0 when Bnow < 3 μG (Bnow ↘︎ =γ-ray flux ↗︎)

Results Applied to AXP 1E1547.0-5408 Bnow = 10μG Bnow = 30μG Results are insensitive to αB & αR. X-ray upper limit gives constraints Bnow < 3μG and/or p2 < -2.7. CTA will detect MWN around 1E1547.0 when Bnow < 3 μG (Bnow ↘︎ =γ-ray flux ↗︎)

まとめ MWN は存在するのか? 回転減速には, おそらく wind が必要. 観測的には, かなり不確か. MWN と PWN の基本的な違いは NS の回転進化. 回転減速が非常に早く, 極初期のSNRとの相互作用は現在のスペクトルにさほど影響ないと思われる. MWN 非熱的放射から初期周期を知ることはできない. One - zone モデル PWN では NS の回転進化の情報を得られる. MWN では, 磁場の値 (wind の磁化率) を得られる. X-ray の観測とともに CTA などの次世代ガンマ線望遠鏡の観測がより厳しい制限を与える.

マグネター星雲 (MWN) なんてあるの? 新しいMWNを見つけると, 叩かれる (否定される). 中々, 手を出す気にならない. 例1. 1E 1547.0-5408 Vink&Bamba09発見 → Tiengo+10, Olausen+11によって否定 例2. Swift J1834.9-0846 Younes+12発見 → Esposito+13によって否定 観測された MWN 候補天体 (上記2天体) の特徴 X線のみで見えている. PWN に比べて soft なスペクトル (Γx > 3.0). PWN に比べて LX / Lspin が大きい. → MWN でなく, マグネターからの放射の (Lx > Lspin) dust scattering halo で説明可とされている

と言いつつ, negative な意見ばかりでもない マグネター星雲 (MWN) なんてあるの? と言いつつ, negative な意見ばかりでもない まず, 第一に spin-down している. マグネターからの particle outflow SGR 1806-20 の Giant Flare (寺澤 burst, Terasawa+05) 後に radio afterglow を発見 (Gaensler+05). High B Pulsar の周りに PWN が見つかっている. PSR J1119-6127 (B = 4.1 x 1013G) in G292.2-0.5 (SNRが有名人, e.g., Kumar+12) PSR J1846-0258 (B = 5.0 x 1013G) in Kes 75 (パルサーがマグネター activity!!, Gavriil+08) PSR J1819-1458 (B = 5.0 x 1013G) (パルサーはRRAT, ヘンテコパルサー)