(第7週)第2章(3) 前回のおさらいとキーワード: ■ システミック・リスク ■ セーフティー・ネット ・ 競争制限的規制

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第8章 貯蓄,投資と金融システ ム 1.アメリカ経済における金融機関と市場 ( ↑ 日本経済でもほぼ同じ) 金融システムは、ある人の貯蓄と別の人の投資 を結びつける。投資の例として、 起業のための設備投資 住宅を購入する 金融システムは、金融市場と金融仲介機関の2 つのカテゴリーに分けられる 1 8.
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2004/11/18hiroyuki moriya1 早稲田大学教育学部社会科学専修 現代社会研究4 ( マネー) 伝統的資産運用とオルタナティブ投 資 森谷博之 住商キャピタルマネジメント チーフストラテジスト オックスフォードファイナンシャルエデュケーション.
1 (第 14 週) 第5章 間接金融の仕組 み § 1 銀行の金融仲介機能 ( p.91 ~ 98 ) ① 仲介機能 ② 情報生産機能 ③ 資産転換(変換)機能 ④ 銀行貸付けにおける担保の役割 § 2 貸付債権の証券化とサブプライム問題 ( p.99 ~ 104 ) § 3 銀行以外の金融仲介機関.
金利、金融政策及び資金循環 金利の概念 金利体系 日本銀行の政策手段 資金循環. 金利の概念 金利とは:資金の貸借取引における資 金の価格である。 金利の機能:資金の配分や景気の調整。
資産運用の考え方 08bc172k 村杉な つみ. ポートフォリオのリスクと管 理 ポートフォリオ:個人や企業が保有する トータル の資産。中身は株式、 債券 投資信託、外貨金、 外国株式 など様々なもので 組み立てられている。 分散投資によって.
1 第 6 週 § 2(決済システムの安定化政策)続 き 前回の講義で学んだこと: ◆ だれが通貨をどのように供給するか ◆ 振り込み、振り替えのしくみ ◆ 日銀当座預金の役割とは ◆ 銀行の行う信用創造とは ◆ 銀行取り付けの可能性とその実例 (テキスト対応範囲: p.23 ~ 31 )
1 国際金融市場 伝統的金融市場 オフショア市場 ユーロ市場 デリバティブ市場. 2 国際金融市場の意義 資金過剰部門から資金不足部門への, 国際的な資金の調達や運用が行われる 場 個別経済次元 ①再生産に関わる資本 の節約や有給貨幣資本の動員 ②ヘッ ジ,投機,裁定のための取引 ③手数 料稼ぎ 国民経済次元.
金融経済論(小川英治) 1 貨幣供給. 金融経済論(小川英治) 2 ハイパワードマネーとマネー サプライ ハイパワードマネー or マネタリーベース or ベースマ ネー =中央銀行が供給する現金通貨。 ハイパワードマネー( H )は、公衆保有の現金通貨 ( C )と銀行保有の支払準備( R )から構成される。
貨幣の役割と貨幣市場 経済学B 第 9 回 畑農鋭矢 1. 貨幣の役割 価値尺度 財の価値を表す共通の尺度 交換手段 物々交換⇒欲望の二重の一致 貨幣によって交換が容易に 価値の保蔵手段 安全資産としての保蔵手段.
金融概論(小川担当分) 貨幣供給. 金融概論(小川担当分) ハイパワードマネーと マネーストック ハイパワードマネー or マネタリーベース or ベースマ ネー =中央銀行が供給する現金通貨。 ハイパワードマネー( H )は、公衆保有の現金通貨 ( C )と銀行保有の支払準備(
貨幣について. 講義概要 貨幣の概念 名目と実質貨幣ストック 貨幣に対する需要 政府による金融政策.
IS-LM 分析 マクロ経済分析 畑農鋭矢. 貨幣の範囲 通貨対象 M1M2M3 広義流動性 現金通貨(日銀券 +補助通貨) 預金通貨 (普通預金・当座 預金など) 主要銀行・信 用金庫など ゆうちょ銀 行・信用組合 など 準通貨 (定期預金など) 主要銀行・信 金など ゆうちょ銀 行・信用組合 など.
08BC172K 村杉 なつみ. 銀行への公的資本注入額 預金保険機構が主たる担い手と なって公的資金が注入された。 公的資金の使用途 ①破綻した金融機関 18兆6162億円 ②金融機関からの資産の 買取 9兆6483億円 ③破綻前金融機関への 資本注入 12兆3869億円 ④その他 6兆1539億円.
1 第1章 貨幣と決済の仕組み テキスト対応箇所:p. iii ~i v ,1~ 13 ◆ 準備学習(p. iii ~i v ) ◆ 序章(p. 1 ~ 3 ) ◆ 第1章 貨幣と決済の仕組み (前半部、p. 5 ~ 13 )
金融経済論(小川英治) 1 貨幣の機能と貨幣需要. 金融経済論(小川英治) 2 貨幣の機能 計算単位(価値尺度) 交換される商品の価値をある貨幣の数量で 一元的に表示する機能 交換手段 貨幣がすべての商品と交換され、すべての 商品の交換の媒介となる機能 価値貯蔵手段 貨幣が一定の価値を少なくとも一時的に蓄.
金融経済論(小川英治) 1 企業の金融活動. 金融経済論(小川英治) 2 企業の意思決定 企業は、第一段階で投資額を決定する。 第二段階で、企業は、どのように資金 を調達するか、資金調達を決定する。
ミクロ経済学 (7) 企業と資金調達 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015 年 6 月 29 日.
◇業界研究レポート 金融業界 SIGNAL.
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世界金融危機と国際通貨体制 一橋大学商学部 小川英治 マクロ金融論2016.
08ba036z  入江 洋志 現代の金融入門 第五章 1~2節.
日本における ベイルイン導入の是非 〜否定派〜
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現代の経済学B 橘木俊詔「ライフサイクルの経済学」第3回 第5章 消費と貯蓄 第6章 引退後の生活 京大 経済学研究科 依田高典.
マクロ経済学 II 第9章 久松佳彰.
第7章 どのように為替レートを 安定化させるのか
平成26年度証券ゼミナール大会 第3テーマ 「中小企業における 資金調達の方策について」
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[第10週]第4章 直接金融の仕組み(1) §1 直接金融と間接金融(p.69~74) Q1) 企業の発行する短期証券とは
経済学(第10週) 第3章 貨幣と金融取引[2-1] 前回の確認とキーワード ■ 貨幣需要と債券需要 ・ 証券の利益を構成する2つの要素
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(第7週)第2章(3) 前回のおさらいとキーワード: ■ システミック・リスク ■ セーフティー・ネット ・ 競争制限的規制  ■ システミック・リスク  ■ セーフティー・ネット    ・ 競争制限的規制     ・ 預金保険制度    ・ 自己資本比率規制    ・ 早期是正措置  金融論(第7週)

競争制限的規制 ◆ 参入規制 ◆ 預金金利規制 ◆ 店舗規制 ・ 1993 金融制度改革法 ・ 1994 定期預金金利の全面自由化 ◆ 参入規制 ◆ 預金金利規制 ◆ 店舗規制 ・ 1993 金融制度改革法 ・ 1994 定期預金金利の全面自由化 ・ 1998 持ち株会社による金融業参入

◆ 預金保険とモラル・ハザード 預金保険とペイオフ ・ 預金者1人1行あたり元本1000万円(+預金利子)を付保預金とする ◆ 預金保険とモラル・ハザード 預金保険とペイオフ ・ 預金者1人1行あたり元本1000万円(+預金利子)を付保預金とする ・ 市場規律によるモラル・ハザードの防止が目的 ・ 1996年 2001年3月までペイオフの凍結を決定 ・ 1999年 2002年3月まで凍結を延期   (当座預金・普通預金は2005年3月まで凍結) ・ 2005年4月 「決済用預金(当座預金や無利息の普通預金など)」を除く預金はペイオフの対象

◆ 自己資本比率規制 ・ 自己資本価値=企業の保有資産価値-負債価値 (=株主資本価値) ・ 銀行の場合、負債の大部分は銀行の供給する預金 ◆ 自己資本比率規制 ・ 自己資本価値=企業の保有資産価値-負債価値            (=株主資本価値) ・ 銀行の場合、負債の大部分は銀行の供給する預金 (資産)    銀   行     (負債)   総資産      預金(負債)  (実物資産や      株式(自己資本) 保有する証券など)     

銀行の自己資本比率規制 ◆ ◆ *各種資産のリスクがそれぞれ異なるため、リスクに応じてウェイトを掛けて分母の資産価値を査定 ◆  ◆ *各種資産のリスクがそれぞれ異なるため、リスクに応じてウェイトを掛けて分母の資産価値を査定  (例えば、国債はリスクゼロであり、分母には含まれない) ◆ 銀行の保有資産(貸付など)が不良資産化すると、償却によって資産価値が低下し、自己資本比率も低下する(預金の安全性が損なわれるリスクが増大)。

◆ 不健全銀行に対する「早期是正措置」 ● 預金保険制度を補完する役割 ● 日本では1998年から導入 ● 金融庁による金融検査 ◆ 不健全銀行に対する「早期是正措置」 ● 預金保険制度を補完する役割 ● 日本では1998年から導入 ● 金融庁による金融検査 ● 自己資本比率(と業務内容)にもとづき区分し、それぞれ異なる是正措置を実施 ● 自己資本比率がゼロ%を割った破綻銀行に対し、破綻処理を早期に実施

第3章 貨幣と金融取引 §1 貨幣の過不足と金融 Q1) 貨幣の3つの機能とは(確認) Q2) 自己金融とは何か Q3) 外部金融の社会的意義 Q4) 企業の資金調達手段の分類

Q1)  (確認)貨幣の3つの機能 ● 交換の媒体 (medium of exchange)    ← 一般受領性をもち、広く受け入れられる ● 価値尺度機能 (unit of account)    ← 分割が可能で質の評価が容易である ● 価値貯蔵機能 (storage of value)    ← 耐久性に優れ、永く保蔵できる

Q2) 自己金融とは何か ● どのような経済主体についても、一般にある期間において収入≠支出という事態が生じやすい。 Q2) 自己金融とは何か ● どのような経済主体についても、一般にある期間において収入≠支出という事態が生じやすい。 ● 収入>支出 → 貯蓄(内部留保)が増加   貯蓄の増加により金融資産や物的資産が形成 ● 支出>収入 → 貯蓄を取り崩す、または保有資産を売却して現在の支出に充てる。これが自己金融(内部金融)である。 ● 異なる時点の消費を平準化し、不時の支出に備えることで自身の厚生(利得や効用)が高まる。

◆ 外部金融とはなにか ● 今期、支出>収入(赤字)の状態にあり、不足資金を自己金融で賄えない人が存在 ◆ 外部金融とはなにか ● 今期、支出>収入(赤字)の状態にあり、不足資金を自己金融で賄えない人が存在 ● ここでの赤字は、「損失が出ている」のではなく、   「投資(住宅や設備など)>貯蓄」の状態 ● このような主体は、「貯蓄>投資」(黒字)の状態にある主体から資金を貨幣を借りること(外部金融)で、支出(投資)を実行することができる

外部金融が不可能な経済では・・・ ● 金融制度が未発達な時代や地域では、他者に融通できない貯蓄が貴金属の購入や穀物などに投資される(しかし、貯蓄を行う人が同時に収益性の高い投資を実行できる能力をもつとは限らない)。 ● 一方、ある主体が特定の投資について優れた専門性をもっていたとしても、その人が貯蓄を持たなければ、投資は部分的にしか実行されないか、または全く実行されない。 ● このような経済は資源(資金)が収益性の高い投資に配分されていないという意味で非効率である。

◆ 企業の代表的な資金調達手段 ● 内部金融:企業貯蓄(内部留保)による自己金融 ● 外部金融: ◆ 企業の代表的な資金調達手段 ● 内部金融:企業貯蓄(内部留保)による自己金融 ● 外部金融:  ・ 負債による調達 「証券」(手形、貸付証書、債券)  ・ 新株の発行(増資) → 自己資本の増加 ● どのような市場で資金が融通されるか  ・ 証券市場(債券市場や株式市場)    ・ 貸出市場(銀行の融資や企業間信用)

● 金融取引の基本的な構図 資 金 [ 投 資 ] [ 貯 蓄 ] 証 券 ●負債の選択 ●資産の選択 ・実物資産 ●資産の形成 ・金融資産 ● 金融取引の基本的な構図  資 金 資金余剰(黒字)の主体 [ 貯 蓄 ] 資金不足(赤字)の主体 [ 投 資 ]  証 券 ●負債の選択 (資金調達) ●資産の形成 (生産活動) ●資産の選択  ・実物資産 ・金融資産 金融取引 ・ 情報の生産 ・ リスク再配分 ・ 流動性の供給

キーワードで確認:銀行の自己資本比率規制 (p.38-41) ● 自己資本(≒株主資本) ● 有限責任制 ● 資産のリスクウェイト ● 不良債権が償却されることの影響 ● 国債保有の比率が高まることの影響 ● 国際決済銀行(BIS)基準