ウェブを活用した 思春期等相談活動に関する研究 WWW方式の開発から17年,ブラウザの誕生から15年,インターネットは急激な発展をみせ, パソコンについての深い知識がなくても利用できるシステムがそろい, 個人が自宅パソコンから情報を発信することが可能な時代になりました。 そのようなIT時代の中,性および生殖に関連した内容の私的サイトを発信し, ウェブをやりとりの場とした相談活動を開始しました。
これが,トップページの様子です。
これが,BBSの様子です。
これが,E-Mail投稿フォームの様子です
研究の目的 性と生殖に関連した内容の私的サイトを発信し,BBSとE-Mailを活用して相談活動を行った。 サイト利用状況と相談内容の集計・分析・比較を行った。 目的 性と生殖に関連した内容のサイト上で,BBSとE-Mailを活用して相談活動を行ってきたわけですが, 今回は,サイトの利用状況と相談内容の集計・分析・比較を行いましたので報告します。
研究の方法1 Pealで記述したCGIを設置してアクセスログを集積し,以下3つの視点で,アクセス数の年次比較を行った。 (1)トップページ (1)トップページ (2)内容別(妊娠,出産,中絶等15の内容に分類) (3)時間帯別(1時間毎に集計した) ※年次 2004.5. 4~2005.5.15 までの376日間を 2004年 2005.5.16~2006.5.21 までの371日間を 2005年 とした 研究の方法1 方法1 パールで記述したCGIを設置し,アクセスログを集積し,アクセス数の年次比較を行いました。 比較の視点は, (1)トップページアクセス数,(2)内容別アクセス数,(3)時間帯別アクセス数としました。 (2)内容別は,サイトの内容を,妊娠,出産,中絶等15の内容に分類し,各内容ごとにアクセスログを集計しました。 (3)時間帯別アクセス数ですが,直近1000件のアクセスログをリアルタイムで入れ替え,1時間ごとのログを集計しました。 年次比較は, 2004年5月4日~2005年5月15日までの376日間を2004年, 2005年5月16日~2006年5月21日までの371日間を2005年として比較しました。
研究の方法2 ・ BBSとE-Mail送信フォームを設置し, 投稿数と投稿内容を集計し比較した。 ※集計する時期は, 投稿数と投稿内容を集計し比較した。 ※集計する時期は, 2004.5.4~2005.5.15 とした。 方法2 サイト上に,BBSとE-Mail送信フォームを設置し,投稿数と投稿内容を集計し比較しました。 集計する時期は,2004年5月4日から2005年5月15日としました。
結果及び考察
1-(1)トップページアクセス状況 2004年 253,810 (1日平均675) 2005年 109,501 (1日平均295) 2004年 253,810 (1日平均675) 2005年 109,501 (1日平均295) トップページへのアクセスですが, 2004年では,253,810件(1日平均675件)のアクセスがあったのに対し, 2005年には,109,501件(1日平均295件)と半分以下に減っていました。
1-(2)内容別アクセス状況 内容 2004年 2005年 合計 1 妊娠のしくみ 91,927 43,774 135,701 2 妊娠したときの選択 74,354 34,780 109,134 3 出産 43,142 21,309 64,451 4 人工妊娠中絶 82,518 36,869 119,387 5 受胎調節 36,406 17,082 53,488 6 性感染症 37,987 16,457 54,444 7 ダイエット 5,977 1,660 7,637 8 子どもの発育 4,891 2,139 7,030 9 子どもの予防接種 4,451 2,352 6,803 10 子どもの栄養 3,314 1,149 4,463 11 子どもの誤飲 6,464 2,532 8,996 12 絵本の紹介 3,438 1,173 4,611 13 ヘルスプレゼンテーション 3,052 1,601 4,653 14 お菓子のレシピ 2,931 984 3,915 15 管理人プロフィール 1,242 1,034 2,276 内容別アクセス数をみると, このような多くの内容課題の中で,
1-(2)内容別アクセス状況 内容 2004年 2005年 合計 妊娠のしくみ 91,927 43,774 135,701 妊娠したときの選択 74,354 34,780 109,134 出産 43,142 21,309 64,451 人工妊娠中絶 82,518 36,869 119,387 受胎調節 36,406 17,082 53,488 性感染症 37,987 16,457 54,444 2004年,2005年ともに, 妊娠のしくみ,人工妊娠中絶,妊娠したときの選択の順にアクセス数が多く, ついで,出産,性感染症,受胎調節のアクセス数が多いことがわかりました。
1-(2)内容別アクセス状況 グラフにしてみると,出産と中絶のアクセス数には,約2倍近い差がみられることがわかります。
1-(3)時間帯別アクセス数 次に,時間帯別アクセス数をみると, 2004年,2005年ともに,16時から24時のアクセス数が多いのですが, 次に,時間帯別アクセス数をみると, 2004年,2005年ともに,16時から24時のアクセス数が多いのですが, 2005年は,2004年に比べて,8時から16時の,昼間の時間帯のアクセス数が伸びていることがわかりました。
1-(3)時間帯別アクセス数 2005年には,大手検索システムの変化があり,アクセス数の変化は,その影響を受けていると考えられる。 さらに変化の理由を知るためには,インターネット利用場所や使用している端末などの調査が必要だと考える。 1時間ごとのアクセス数をみると, 2005年では,午前10時から24時の間の1時間毎アクセス数の差が小さくなっていることがわかりました。 >>クリック 2005年には,大手検索システムの変化があり,アクセス数の変化は,その影響を受けていると考えました。 さらに変化の理由を知るためには,インターネット利用場所や使用している端末などの調査が必要だと考えました。
2-(1) BBS・E-Mail投稿状況 親記事投稿数 BBS 847件(63.7%) E-Mail 484件(36.3%) 多い BBS・E-Mail投稿状況を比較してみますと, 親記事投稿件数は,BBS 847件,E-Mail484件で, >>クリック 相談のツールとして,BBSを選ぶ人が多いことがわかりました。
2-(2) 投稿内容と投稿ツール 妊娠や出産について,専門職の相談よりも,同じ立場の人と意見交換や問題共有が可能なBBSが活用されている。 2-(2) 投稿内容と投稿ツール また,投稿内容に注目してみると, 予期せぬ妊娠833件,出産122件,性感染症100件の順に多く, さらに,内容別に投稿ツールに注目してみると, 性感染症では75%が電子メールであったのに対し,予期せぬ妊娠では59.5%,出産では95.1%がBBSでした。 >>クリック 以上のことから,妊娠や出産については,専門職の相談よりも, 同じ立場の人と意見交換や問題共有が可能なBBSが活用されていることがわかりました。 地域における保健活動においても,この研究から得られましたように, 性と生殖の課題の特性をふまえた上で,実践を展開していきたいと思います。 妊娠や出産について,専門職の相談よりも,同じ立場の人と意見交換や問題共有が可能なBBSが活用されている。
ウェブを活用した 思春期等相談活動に関する研究 以上で発表をおわります。ありがとうございました。 茨城県常総市 保健推進課 渡辺多恵子 福岡県立大学看護学部 地域・国際看護学講座 松浦 賢長