経営情報論B 第4回 第4回 経営情報システムの管理②(第7章)
情報システム投資の評価 プラスの指標(項目) データ管理(大量/迅速) 顧客管理 商品管理 注文管理 労働管理 など マイナスの指標(項目) 費用 変更の手間
2.情報投資と評価 情報システム化の投資効果 定量的に測定可能な評価指標 ・収益性に関する指標(売上高・営業利益・経常利益) 定量的に測定可能な評価指標 ・収益性に関する指標(売上高・営業利益・経常利益) +売上高利益率(=利益/売上高) +投資利益率(=利益/投資額) ・情報システムコスト(技術導入コスト・システム開発コスト) +システム運用コスト(電気代、監視スタッフの人件費等) ・能率性、経済性、生産性に関するものなど ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 定量的に測定可能⇒数値化
定性的な評価指標 (定量化困難)数値として判断が難しい ・意思決定の支援 (人の行動は意思決定の塊;講義の参加・不参加) (何かを決定した際に、情報システムがその決定にどの程度役に立ったか?) ・企業イメージの向上(手書きの請求書のイメージ?) ・サービスの向上(ネットで注文できる便利さは?迅速な対応の評価は?待ち時間が短くなった効果は?) ・顧客満足の向上 (満足と大変満足の違いは?) ・社員のモラール(意欲)向上 (社員のやる気はどの程度上がった?下がった?) ※このような定性的指標だと効果が測定しずらい。
収益性による総括的な評価の問題(金銭表示) (1)タイムラグの存在 システムを稼働したから効果が出るまでに長期間かかることもある。さらに、その効果が定量的に現れるのにも時間がかかる。 (2)情報技術以外との相乗的効果 情報投資→(従業員→組織)→効果 ※直接的な効果はない 例.POS導入→レジ打ち(ミス減・時間短縮)→売れ筋把握→業績向上 (3)間接的・波及的効果の存在 「業務合理化のため→製品サービスの質向上→顧客満足向上 に情報化推進」 ※本来の目的以外で効果 (4)収益性と情報化投資は無相関 情報化投資を行えば、自動で収益性が上がるわけではない (内部の見直しが必要)。 投資分(=コスト)を上回る利益を稼ぐのは大変。
情報システムに要する費用は?
情報システム化のコスト問題 一般的なコスト(直接的なコストしか考慮していない) 情報技術導入コスト;PCやサーバー購入し、設置する(必要なソフトも購入)。 システムの設計開発コスト;配線や電源の設置、PCとサーバーのやり取り内容決定 システムの運用管理コスト;常駐の管理者の人件費、電気代、場所代など
全体的保有コスト(Total Cost of Ownership) エンドユーザーコンピューティング(EUC)によって、情報の専門家以外の利用が進んだので、システムは分散型になり、コストも多様化した。 昔は大型のホストコンピュータが中心(PC:個人利用は進んでいない;理由は性能不足と価格高騰) 技術進歩によって、だれでもコンピュータが使える時代になった。
全体的保有コストの内訳 ・ハードウェアーやソフトウェアーのコスト (購買またはリース) ・管理コスト(システム計画、ネットワーク管理、セキュリティ管理等) ・開発コスト(会社内部での開発人件費や専門の業者への開発外注費) ・サポート・コスト(ヘルプデスク費、教育研修費、サポート人件費) ・エンド・ユーザー・コスト(マニュアル整備やアシスタントなど一般の利用者向けのサポート) ・通信コスト(回線使用料) ・ダウンタイムによる機会損失(計画的および予期しないシステム停止による損失) ※費用が一番高いのは? 運用管理費用が約80%を占めると言われている。
付加価値評価の重要性 情報システムの生み出した付加価値: =情報システムを駆使して、新たに創出した価値 (=売上高-外部からの調達費) 例. =情報システムを駆使して、新たに創出した価値 (=売上高-外部からの調達費) 例. 学園祭で原価100円の焼きそばを200円で販売した場合、(調理し、それを提供することによって)100円の付加価値を生み出したことになる。
情報生産性指標 実現した利益 株主の利益 原価を除く費用 研究開発投資額 ※少ない費用や投資で、より多くの利益(株主分は除く) 情報生産性指標= 税引き後事業利益-(株主持ち分×資本コスト) 販売費および一般管理費+研究開発費 原価を除く費用 研究開発投資額 ※少ない費用や投資で、より多くの利益(株主分は除く) を実現する方がいい。情報生産性指標は高い方が良い。 無駄な費用をかけないでいかにたくさん稼ぐかが大切。