太陽電池を用いた無線センサネットワークにおける 予測発電量を考慮した情報収集法 A Data Gathering Method Considering Estimation of Generating Power for Wireless Sensor Networks with Solar Battery.

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太陽電池を用いた無線センサネットワークにおける 予測発電量を考慮した情報収集法 A Data Gathering Method Considering Estimation of Generating Power for Wireless Sensor Networks with Solar Battery 八田武† 木下和彦† 戸出英樹†† 村上孝三† T. Hatta K. Kinoshita H. Tode K. Murakami †大阪大学大学院情報科学研究科情報ネットワーク学専攻†† 大阪府立大学大学院工学研究科電気・情報系専攻 Department of Information Networking, Osaka University Department of Computer Science and Intelligence Systems, Osaka Prefecture University

センサネットワークの長期稼動 バッテリ駆動のワイヤレスセンサネットワークの長時間稼動は、電力の制約により困難 解決案 電力効率の良いセンサ情報収集法 太陽電池等環境エネルギーの利用

研究事例 取得可能な環境エネルギーの時間的な周期性を利用し、将来発生する電力を予測[1] 環境エネルギーの有効利用を可能とする ネットワークの長寿命化を図る

研究事例 環境エネルギーの持つ周期を“ラウンド”と呼ぶ単位に分割し、ラウンドごとに発電量を予測 LEACHを拡張したクラスタベースのセンサ情報収集法 環境エネルギーを最大限に活用するためのコスト値を定義し、クラスタヘッド(CH) の選出に利用 環境エネルギーの有効利用を可能とし,ネットワークの駆動時間を伸ばすことができる[2] しかし・・・ 広範囲のネットワークには対応していない 発電量予測エネルギーの考慮はクラスタ構築時のみ 発電量予測を最大限に有効できていない

LEACHとは LEACH(Low-Energy Adaptive Clustering Hierarchy)  TDMA(Time Division Multiple Access)と呼ばれる、利用する無線周波数を短時間のスロットであらかじめ区切ってクライアントに割り当てる方式を、センサネットワークに適応させた仕組み。 クラスタヘッドをラウンド毎に選出し、省電力をはかる。[3]

提案手法:クラスタ構築 クラスタ構築開始からTwait(コスト値に比例した値)経過後 他の端末からの広告メッセージADVを受信していない CHに立候補し、クラスタ範囲内にADVをブロードキャストし、周囲の端末に通知 他の端末からADVを受信 CHの立候補を取りやめ

提案手法:クラスタ構築 低コストの端末ほどCHになりやすい CHに隣接する端末はCHにはならない →地理的に分散して配置され、電力効率の良いクラスタが構築

提案手法:データ送信 シンクまではCH 間マルチホップ通信を用いてデータを送信 広範囲のネットワークにも対応 CH 間マルチホップ通信の中継にはコスト値がある閾値以下である,CH の中でも特に大きな発電量を見込めるCH を積極的に用いる コスト値の高いCH の枯渇を防ぐと共に,環境エネルギーを有効に利用

性能評価シミュレーション 100*100mの範囲 充電可能な50[J]の太陽電池と充電不可能な100[J]の電池を備えたセンサ端末100個をランダムに配置 天候による日照量を4段階、場所による日当たり具合を2段階にわけ、日照量は1日ごとに、日当たりはそれぞれのセンサ端末で半日ごとに設定

性能評価シミュレーション 実線が提案方式、点線が既存方式 ネットワークの稼働時間を延ばすことが可能

まとめ コストが低いものをCHとして優先的に利用していくことが消費電力の低下につながり、環境エネルギー利用と併せることで有効活用ができることがわかった 性能評価はシミュレーションであったため、実際の環境の変化に対応できるかどうか疑問である 環境エネルギーでも対応できるものは限られてくると予測される。太陽電池であれば一定周期で電力を得られる可能性は高いが、風力発電は電力を不規則で得るため、本手法では向いていないと考える

参考文献 [1] A. Kansal and M. Srivasta, J. Hsu, J. Friedman,and M. B. Srivastava, “An Environmental EnergyHarvesting Framework for Sensor Networks” ACMInternational Synposium on Low Power Electronice and Design, pp.481–486, 2003. [2] 岡崎高久, 木下和彦, 戸出英樹, 村上孝三, “環境エネルギーを利用可能なセンサネットワークに適した発電量予測とセンサ情報収集法,” 信学技報, NS2006-164, pp. 35–40, Mar. 2007. [3] WebLab.ota センサネットワークのプロトコル データリンク層 http://d.hatena.ne.jp/n_euler666/20070815/1187103988 (2009年5月7日現在)