人間福祉学部 准教授 宮 嶋 淳 (みやじま じゅん) 博 士 (ソーシャルワーク)

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人間福祉学部 准教授 宮 嶋 淳 (みやじま じゅ ん) 博 士 (ソーシャルワーク) 201 5年度 医 療 福 祉 論 (3)
MSW の役割について 広島大学病院 薬剤部 藤田啓子. MSW の仕事とは? ・主に医療機関や老人保健施設、在宅介護支援センター等 に勤務し、医師・看護婦・理学療法士などと共に、 医療チームの一員として、患者さんとその家族への相談 やさまざまな援助を行っています。 ・社会福祉の専門家として、患者さんに関わる経済的、
厚生白書 各国の社会保障制度 ~スウェーデン・イギリス・アメ リカ~ 971221 波多野宏美. スウェーデン v 所得保障(年金制度) – 国民基礎年金(FP) 65 歳に達したすべての国民に定額の年金を支給65 歳に達したすべての国民に定額の年金を支給 – 国民付加年金(ATP) 従前の所得(稼得所得の高い.
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在宅医療をご存じですか? 編集:○○○○○ 訪 問 診 療 往 診 在宅医療を利用できる方(例) 在宅医療で受けられる主なサービス
目 次 第1章 大阪府保健医療計画について 1.医療計画とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
在宅医療をご存じですか? 編集:○○○○○ 訪 問 診 療 往 診 在宅医療を利用できる方(例) 在宅医療で受けられる主なサービス
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人間福祉学部 准教授 宮 嶋 淳 (みやじま じゅん) 博 士 (ソーシャルワーク) 2015年度 医 療 福 祉 論  人間福祉学部 准教授 宮 嶋  淳 (みやじま じゅん) 博 士 (ソーシャルワーク)

医療福祉学は、インターフェイスだ。 ヒトは体が健康であるだけでなく心が満たされ、家族や友人に愛され、地域などの環境に適応して初めて「人間」として幸福に生きられる。 つづき   個々に生まれ、別々に発展してきた保健医療と社会福祉が、   少子高齢社会に入った日本で、今、手をつなごうとしている。   両者を結ぶ医療福祉学こそ、21世紀に必要とされるインターフェースだ。

医療福祉学とは 広義には、保健医療と社会福祉を合わせてとらえた総括的な概念。保健福祉学とも。 保健は、医療を除く狭義の保健サービスの意味ではなく、保健医療の総称。 介護、リハビリテーション、医療ソーシャルワーク   狭義には、リハビリテーションや医療ソーシャルワーク 京極高宣「新たな学際的領域への挑戦」   近現代まで、保健医療と社会福祉は、必ずしも明確な分類がされていたわけではない。 例えば、 ナイチンゲールの時代、病人の多くは貧困者である。貧困者の多くは病気を持っていた。 ナイチンゲールは、病人には治療と看護を、貧困者には仕事と所得・保険を、提案した。 高齢化の進展で、両者はどんどん専門分化した。 医術の金言「ときに癒し、しばしば痛みを和らげ、そして絶えず励まし、勇気づける」 保健医療は、究極的には福祉を求めるものである。 とくに、患者やその家族の立場に立てば、単に治療だけでなく、心身上のケアが必要 現代の医療は、チーム医療であり、その一員に心理士やソーシャルワーカーも入る 3

山手茂の「医療福祉学」 医療福祉専門職のチームワークを育てる共通基盤 医療福祉=保健・医療・福祉の総合 医療ソーシャルワーク=患者・家族を対象とするソーシャルワーク 山手茂の「医療福祉学」・・医療福祉専門職のチームワークを育てる共通基盤  医療福祉=保健・医療・福祉の総合  医療ソーシャルワーク=患者・家族を対象とするソーシャルワーク  MSWの特徴 ①患者本人だけではなく、家族も援助の対象とすること    ②疾病・障害に対応する適切な受療・療養生活のために相談・援助するとともに、本人・家族の精神的・社会的・経済的問題の解決のために相談・援助すること、 ③とくに家族に対しては、介護負担を軽減し、家族崩壊を防止するために相談・援助すること 4

医療ソーシャルワークとは 患者とその家族がかかえる生活問題の解決を図るために専門的援助を行うこと 通常は、医療ソーシャルワーカーが専門的業務として行う。 医療ソーシャルワークとは、 患者とその家族がかかえる生活問題の解決を図るために専門的援助を行うことで、通常は医療ソーシャルワーカーが専門的業務としてこれを行う。   介護 ターミナルケア 医療福祉学=患者への援助 + 痛みや症状のコントロール + 家族への援助 医療福祉学の確立のために  知識の体系化、学問的方法の確立、学問的推進体制の整備 飯田精一  治療-医療、 援助‐福祉、 予防-保健 という3つの体系化 京極  保健医療 + 医療福祉 + 社会福祉   治療・予防  ケア  相談・援助  医療福祉学 この領域の学会  日本老年学会、日本保健福祉学会、介護福祉学会、日本認知症ケア学会、日本ケアマネジメント学会 5

健康の概念 健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会的安寧の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。 (WHO)   (WHO)       スピリチャルな状態             ↓      人間として生きる意味など存在意義に       かかわる状態。 医療福祉の概念  WHO   健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会的安寧の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。+スピリチャルな状態                   ↓        人間として生きる意味など存在意義にかかわる状態。ターミナルな状態時などに意識されることが多く、宗教的な捉え方にはとどまらないもの 医療ソーシャルワークの対象となる人々  年齢の幅  領域の幅  属性の幅  周産期:妊娠22週から出産後7日未満の時期。母体や胎児、新生児を総合的に管理し、母子の健康に関わる医療を「周産期医療」という。

川村匡由・室田人志編著(2011)『医療福祉論-これからの医療ソーシャルワーク-』ミネルヴァ書房

医療福祉の概念 医療福祉の概念 医療福祉の概念における明確な定説はない。  医療福祉の概念における明確な定説はない。 医療制度に関わる社会福祉の制度・政策、民間の事業・活動(サービス)を総称する広義の意味 医療福祉援助を行うこととする狭義の意味

医療福祉の目的 疾病の予防や治療、あるいは社会復帰を妨げられている患者とその家族を対象として、日常生活における様々な社会的障害の除去、あるいは緩和を図りながら、予防や治療、リハビリテーションを含めた包括的医療を国民に権利として提供する。 医療福祉の目的  医療福祉は、患者とその家族の日常生活における、様々な障害の除去、あるいは緩和を図りながら、包括的医療を国民に権利として提供することを目的とする。  その活動は、医療ソーシャルワーカーを中心として行われる。   疾病の予防や治療、あるいは社会復帰を妨げられている患者とその家族を対象として、日常生活における様々な社会的障害の除去、あるいは緩和を図りながら、予防や治療、リハビリテーションを含めた包括的医療を国民に権利として提供する。

 医療福祉活動 社会福祉の専門技術としてのソーシャルワークを用いる医療ソーシャルワーカーを中心として、保健・医療・福祉の関係機関や専門職種との連携・協働によって行われる。  医療福祉活動   社会福祉の専門技術としてのソーシャルワークを用いる医療ソーシャルワーカーを中心として、保健・医療・福祉の関係機関や専門職種との連携・協働によって行われる。   患者やその家族を対象とする。   患者とその家族は様々な生活障害や不安に遭遇し、日常生活の環境に対する適応能力や対処能力、応答性が弱まっている状態に陥っている。   そのような社会的機能の弱まっている人々が社会的に機能する力を取り戻し、患者やその家族が持っているストレングスを発見し、高めていく。   そのためには患者やその家族に対して、彼らが生活者として生活を形成していく能力を育成・向上のための働きかけを行い、彼らの内なる能力を発揮できる機会を設け、経験を積ませる。   それらの働きかけにより、彼らの自己決定を促進し、自己実現の達成を支援する。

医療福祉の沿革 近代的な医療福祉の萌芽はイギリス 19世紀後半、アルマナーの活動から アメリカでは1905年、マサチューセッツ総合病院のキャボット(Cabot, R.C.)が医療ソーシャルワーカーを採用 わが国では1926(大正15)年、東京・芝の済生会病院、1929(昭和4)年、聖ルカ病院で近代的医療社会事業が始まった。 医療福祉の沿革  近代的な医療福祉の萌芽は、イギリスにあった。  19世紀後半、産業革命後の貧困者の増大を救済する、ロンドンの慈善組織協会における「アルマナー」の活動が、後の医療ソーシャルワークに発展していった。  アメリカでは1905年、マサチューセッツ総合病院のキャボット(Cabot, R.C.)が患者の治療上、生活背景に関する情報収集の必要性を認識し、医療ソーシャルワーカーが採用されたことが始まりである。  わが国では1926(大正15)年、東京・芝の済生会病院、1929(昭和4)年、聖ルカ病院で近代的医療社会事業が始まった。

日本のMSWの歴史 (新生期) 1929年:浅賀ふさ・・アメリカでキャボット、キャノンに学ぶ。 1947年:保健所法 1948年:出淵みや~杉並保健所の専任SWr 1949年:全国社会福祉協議会がGHQの推奨による3ヶ月間の講習会を開催 1951年:中島さつき~東京都衛生局で「医療社会係り」に 1953年:日本医療社会事業家協会設立 1956年:ベックマン報告~医療社会事業の必要性を提言 1972年:内田守・野村茂『医療社会事業の実際』 日 本  新生期  聖路加国際病院からはじまった戦前の医療社会事業     1929年:浅賀ふさ・・アメリカでキャボット、キャノンに学ぶ。   占領期の医療社会事業-GHQの落とし子   1947年:保健所法   1948年:出淵みや~東京都杉並保健所の専任ソーシャルワーカーに   1949年:全国社会福祉協議会がGHQの推奨による3ヶ月間の講習会を開催   1951年:中島さつき~東京都衛生局で「医療社会係り」に   1953年:日本医療社会事業家協会設立   1956年:ベックマン報告~医療社会事業の必要性を提言   1972年:内田守・野村茂『医療社会事業の実際』   開業医制度の発展は、経営を優先させヒューマニズムに支えられる医療ソーシャルワークを受け入れにくくさせた   所管が公衆衛生局の保健所課であったため、医務局の熱意がなかった   医学部において医療ソーシャルワークに関する講義がほとんどなかった   健康保険の診療点数に、医療ソーシャルワーカーの活動が認められていなかった   医療ソーシャルワーカーの身分法の法制化ができていなかった

医療保障制度に関する勧告 1956年   医療における、機会の不均等である。疾病が貧困の最大原因であることを思い、生命尊重の立場に立つならば、教育と並んで、医療の機会均等は最優先的に重視されなければならぬ。しかるに、古くからの懸案である無医村の解消には、はかばかしい進捗もなく、医療機関の偏在も是正されず、政府はいたずらに少数の優秀病院の設立維持のみに重きを置いているとさえ言われる。 いかなる医療保険からも締め出されている国民が、全体の3分の1も取り残されている。すなわち、単に零細企業に雇用されているということだけで、健康保険の適用から除外されているものが、今日なお300万人もある。その家族を合わすと、その数は恐らく1,000万人に達するであろう。 医療保障制度に関する勧告  前文  医療における、機会の不均等である。疾病が貧困の最大原因であることを思い、生命尊重の立場に立つならば、教育と並んで、医療の機会均等は最優先的に重視されなければならぬ。しかるに、古くからの懸案である無医村の解消には、はかばかしい進捗もなく、医療機関の偏在も是正されず、政府はいたずらに少数の優秀病院の設立維持のみに重きを置いているとさえ言われる。また、医療費の高騰と低所得者の増加から、大病にかかった場合には、・・・(中略)・・・いかなる医療保険からも締め出されている国民が、全体の3分の1も取り残されている。すなわち、単に零細企業に雇用されているということだけで、健康保険の適用から除外されているものが、今日なお300万人もある。その家族を合わすと、その数は恐らく1,000万人に達するであろう。  また、その居住する町村が国民健康保険を実施していないため、被用者以外で何らの医療保険にも加入できない人びとも2,000万人はあると推定される。

日本のMSWの歴史 (発展期) 1973年:老人医療無料化で「社会的入院」が増加 1977年:病院で死ぬ時代に。老人病院の増大 1980年代:交通事故による遷延性意識障害の急増等 1985年:第一次医療法改正。都道府県医療計画制度導入 1989年:医療ソーシャルワーカーの業務指針 1992年:第二次医療法改正。病院の機能分化。急性期病院における平均在院日数の短縮化。 2003年:国立病院のSWrへの福祉職俸給表の適用 2006年:診療報酬改定による「社会福祉士」の位置づけ 2008年:MSWの業務「退院支援」が診療報酬に位置づけ 発展期  職能団体における資格論争の経緯  医療制度改革と医療ソーシャルワーク   1973年:老人医療無料化で「社会的入院」が増加   1977年:病院で死ぬ時代に。老人病院の増大   1980年代:交通事故による遷延性意識障害(植物状態)の急増等   1985年:第一次医療法の改正。都道府県医療計画制度の導入   1989年:医療ソーシャルワーカーの業務指針   1992年:第二次医療法改正。病院の機能分化。急性期病院における平均在院日数の短縮化。   2003年:国立病院のソーシャルワーカーへの福祉職俸給表の適用   2006年:診療報酬改定による「社会福祉士」の位置づけ   2008年:医療ソーシャルワーカーの業務「退院支援」が診療報酬に位置づけ

1983年、老人保健法の成立  保健事業の中心は市町村に。  具体的には、①健康手帳の交付、②健康教育、③健康相談、④健康診査、⑤医療等、⑥機能訓練、⑦訪問指導。  2006年度、65歳以上の者に対する健康教育、健康相談、機能訓練は地域支援事業へ。 2025年、総人口の3.3人に1人が高齢者に。

2006.医療制度改革 病院に地域医療連携室を 2006年の医療制度改革 病院に地域医療連携室を・・・MSWの配置に   患者とその家族への退院援助から安定した療養生活の支援につなげていくため、急性期から回復期、療養、介護へと地域の保健・医療・福祉・介護関係機関、関係者との連携を促進し、切れ目のない医療福祉サービスを提供  地域医療連携室   2006年の第5次医療法改正により、医療機能の専門分化に伴う急性期から回復期、療養、介護等地域の医療連携体制を構築・推進していく目的で医療機関に導入された。   ほとんどの病院に導入されており、地域医療福祉連携室等とも呼ばれる。   MSWなどの社会福祉士が置かれ、退院調整担当の看護師とともに地域の保健・医療・福祉関係機関との連携を促進、地域連携クリティカルパス等を活用し、切れ目のない医療福祉サービスを提供していく。