高専の国語教育 ―コミュニケーション能力向上のために― 一般教養科 湯城吉信 (ゆうきよしのぶ)
目的 高専の国語教育での取り組みの紹介 聴衆の皆さんからの意見聴取 企業研修の参考になれば
内容 1,聞き取りトレーニング 2,ディベート 3,会議実習
1,聞き取りトレーニング
現状の問題点 メモが取れない *学校の勉強は黒板を写すだけ はっきり読まない *みなが持っている教材は読む必要もない
方法 新聞記事(主として事件)200~300字を朗読し、問題を5問出す。 1,タイトルのキーワードを答えさせる。 2~4,内容から 5,漢字 1,タイトルのキーワードを答えさせる。 2~4,内容から 5,漢字 *通訳のトレーニングを参考に考案。
2,ディベート ―読・書・聞・話の総合トレーニング―
フォーマット 肯定側立論 (←否定側質問) 否定側立論 ( ←肯定側質問) 否定側反論 肯定側反論 否定側最終弁論 肯定側最終弁論 肯定側立論 (←否定側質問) 否定側立論 ( ←肯定側質問) 否定側反論 肯定側反論 否定側最終弁論 肯定側最終弁論 *聴衆による判定(フローシートに基づいて) 作戦タイム 2回 作戦タイム
立論の立て方(小論文) 哲学(理想、キャッチフレーズ) 現状分析(どのような問題点があるか) プラン(具体的にどうするか) メリット(実行後) *証拠資料を挙げる *メモしやすく、ナンバリング、結論を先に。
質問・反論のポイント みんなやってる 主張 理由 2 バイトしたい 証拠(データ) *出所をつけて 1
説得のポイント 価値観 理由 主張 体に悪い 周りに迷惑 ~が大事 タバコやめろ 「価値観」はツゥールミンモデルでは、「論拠(warrant)」と呼んでいる。「主張」「根拠」「論拠」←事実の推測の場合はこの用語の方が適していると思う。 (福澤一吉『議論のレッスン』NHK出版生活人新書、『議論の技法―トゥールミンモデルの原点』東京図書) ~が大事 価値観 タバコやめろ
3種類の説得方法 成績上がる 留年しない 1,利益に訴える 「あなたの得になりますよ」 2,規範に訴える 「それが決まりでしょう?」 3,感情に訴える 「私は悲しい」 草野耕一『日本人が知らない 説得の技法』 学生は勉強するものだ 親が泣くぞ!先生は悲しい
3,会議実習
会議の問題点 ・長い ・意見交換の場になっていない ・決定方法も曖昧 →「会議法」 =会議のルール(動議の取り上げ方など) ・長い ・意見交換の場になっていない ・決定方法も曖昧 →「会議法」 =会議のルール(動議の取り上げ方など) →「ミーティングスキル」
ミーティングスキル アジェンダ(進行表)の作成 ①目的の明確化 ②時間の有効活用 ③役割分担の明確化 【参考】 ①目的の明確化 ②時間の有効活用 ③役割分担の明確化 【参考】 大石加奈子『エンジニアリング・ファシリテーション ―話し合いをうまくまとめるコミュニケーション・スキル』 (森北出版、2011年)
実習例 ①学生・新社会人向けの炊飯器の考案 ②府大高専の分析 ③卒業旅行先の決定
会議で用いる手法 ①シールアンケート法 ②意思決定マトリクス法 ③メリット・デメリット法 ④ペイオフ・マトリクス法 ⑤SWOT分析&クロス分析
最後に ・高専の国語教育に対するご意見 ・企業でのコミュニケーション上の問題 ・企業でのコミュニケーション能力向上のための取り組み など承れれば幸いです。