微粒子合成化学・講義 http://res.tagen.tohoku.ac.jp/mura/kogi/ E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp 村松淳司.

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微粒子合成化学・講義 http://res.tagen.tohoku.ac.jp/mura/kogi/ E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp 村松淳司

地球温暖化問題 子供向け解説 ~結構わかりやすい

温室効果ガスの特徴

炭酸ガス排出量削減に関する世界シミュレーション

前提条件 先進国と発展途上国は同じ歴史的発展経路をたどると仮定した。実際には発展途上国は遅れているが故に先進国の技術的進歩の成果を取り入れ、より効率的に発展するものだが、そのファクターはこのモデルには組み込んではいない。

人口モデル 経済発展が人口抑制の基本 一人当りの年間収入(per capita Income)が2,000ドル/年以下では、女性の一生の平均妊娠回数は2回以上で人口増加の要因となる。一人当りの年間収入が6,000ドル/年以上では6,000ドル/年のレベルを維持するものとした。

シミュレーション結果 何の対策もしないシナリオー0の場合、人口は約100億人でおさまるが、排出量は伸び率に鈍化のきざしが見えつつも際限無く増加し続け、80年で確認可採埋蔵量を使い尽くすという結果が出た。200年後には究極埋蔵量に近い約8兆トンに達する。現時点の消費量で数百年の確認可採埋蔵量があったはずであるが、増加する消費量により、このような結果が出たものと考えられる。炭酸ガスによる温暖化よりもこちらのほうが重大な問題としてクローズアップされる。「持続的開発」の概念がでてきた背景となっていると考えられる。

結論 コストの内部経済化だけで炭酸ガス排出削減を行おうとすれば、発展途上国の人口爆発は続行し、排出削減が達成されないとともに有限な資源を使い尽してしまうことが明らかとなった。これを防止するにはコストの内部化に加え、発展途上国への資金援助が必要である。資金援助は二国間のODA、各国の制度金融、世界銀行、NGOの支援、そして環境サミットで検討されている国連の新しい機関経由の支援などいろいろルートが考えられるが、やはり先進国から発展途上国への純粋のビジネス・ベースの投資が自由貿易、自由な資金の移動という歴史が証明してきた事実からして中心となるべきものであろう。

たとえば、レジ袋....

レジ袋問題 何が問題なの? 不要なものはただゴミになるだけ・・・ レジ袋は大切な石油から作られている だから、地球から奪い取って無駄なゴミを作り、無駄なゴミを地球にばら撒いている

レジ袋の合成法

レジ袋の合成法

レジ袋の合成法

レジ袋の合成法

レジ袋の功罪 石油消費量 1袋あたり、原料の原油に換算して18.3mL 日本の年間使用量=305億枚 → 原油 約55.8万KL消費 内訳:レジ袋になった原油+製造過程のエネルギー 日本の年間使用量=305億枚 → 原油 約55.8万KL消費 日本の年間原油輸入量=約2億4千万KL 輸入量の1日分弱の原油がレジ袋に使用

レジ袋の功罪 CO2排出 ポリエチレン製レジ袋年間約15万トン生産 1年、約32万台分の普通乗用車から排出される二酸化炭素量に相等 焼却時に発生する二酸化炭素量 約12万トン 製造時にかかる二酸化炭素発生量 約4万トン 合計16万トン 1年、約32万台分の普通乗用車から排出される二酸化炭素量に相等

石油は大切な資源 石油は41年(R/P比) 新規井戸の発見、回収方法の促進などで、枯渇まで41年は最近変わっていない が、必ず枯渇する、というのが一致した見方 天然ガスも同じ道

Proved oil reserves at end 2004

Distribution of proved (oil) reserves 1984,1994, 2004

Oil reserves-to-production (R/P) ratios

Proved natural gas reserves at end 2004

Distribution of proved (natural gas) reserves 1984,1994, 2004

Natural gas reserves-to-production (R/P) ratios

Primary energy consumption per capita

環境触媒

環境触媒って何? 20世紀の負の遺産というべきか、地球環境問題の深刻化。  20世紀の負の遺産というべきか、地球環境問題の深刻化。 非難の矛先はいつも「化学」だけど「化学」の恩恵をありったけ受けているのは人間サマなのですぞ。 それは兎も角、蒔いた種は自分で刈るわけで「化学」の21世紀の任務は"Save the Earth"。 汚染物質を浄化するには、触媒は欠くことのできない技術、触媒化学は地球を救うのだ!というわけで環境浄化に使われる触媒はどんなものがあるかというと...

環境触媒 自動車排ガス浄化触媒(NOx、CO、HC) 脱硝触媒(火力発電所などのNOx) ディーゼルパティキュレート浄化触媒 ダイオキシン分解触媒 フロン分解触媒 環境光触媒(NOx、VOC、有機成分など) VOC分解触媒(揮発性有機成分、sickhouse症候群の原因) オゾン分解触媒 脱臭触媒 自動車をはじめ、身の水浄化触媒(硝酸イオン、アンモニアなど) などなど

環境触媒 環境触媒は、日本が世界に先駆けて提起した技術発想で、1)水処理、2)脱臭、3)排ガス浄化、4)防汚・抗菌・殺菌の4分野を中心に、生活・社会・産業環境のクリーン化に役立つ高機能の触媒を指します。現在の市場は推定で約2000億円ですが、2005年には10倍の2兆円規模に急成長すると予測され、多種多様な応用開発が進んでいます。とくに、光をあてるだけで反応活性を示す「光触媒」は、高温超伝導体の実用に比較されるほど革新的な触媒で、日用品から燃料電池まで幅広い用途で環境問題の解決に貢献すると期待されています。 (広告577,平成12年2月4日掲載)  

●環境触媒の用途と市場予測 三菱総合研究所の調査(1999年)によると、触媒を組み込んだ装置などを含む環境触媒の市場は、全体で約2000億円に達し、うち光触媒が約400 億円を占めると推定 これが2005年には、全体で10倍の2兆円。なかでも光触媒は20倍の1兆1000億円強に急拡大すると予測。

●環境触媒の用途と市場予測 分野別の予測は次のとおり 1)下水し尿処理、水殺菌処理など水処理分野で3500億円 2)冷蔵庫や石油暖房機などの脱臭、消臭・抗菌繊維など脱臭分野で9100億円 3)自動車エンジンや船舶用ディーゼルエンジン、ダイオキシン除去装置などの排ガス浄化分野で4000億円 4)建材・インテリア用品・トイレなどの防汚・抗菌・殺菌分野で2400億円

●脱硝触媒 NOx(窒素酸化物) の分解反応を助けて、無害な窒素ガスと酸素ガスにする

脱硝触媒といっても2種類ある ボイラー、自家発電装置、燃焼炉等各種固定燃焼装置、金属エッチングなどから発生する窒素酸化物(NOx)の除去。還元剤としてアンモニアを使用する選択的還元法触媒。 NOx(窒素酸化物) の分解反応触媒。炭化水素(HC)、CO、NOx の3成分を同時処理する三元触媒 =自動車触媒

脱硝触媒 4NO + 4NH3 → 4N2 + O2 + 6H2O

自動車触媒 現在、アルミナをベースとし白金、パラジウム、ロジウムを加えた三元触媒が主。 ロジウムは窒素酸化物(NOx)の還元能力が高く、白金とパラジウムは炭化水素(HC)と一酸化炭素(CO)の酸化能力が高い。 ガソリンエンジンの排ガス組成ではHC、CO、NOxのバランスがとれているため、HCとCOの酸化反応とNOxの還元反応を同時に行わせることができる。

自動車触媒

Pt粒子

三元触媒システム トヨタ自動車 1977 当時、世界一厳しい53年排出ガス規制に対応するため同時に酸化・還元処理する三元触媒装置。1977年、EFI方式のM-EU型エンジンに採用されクラウンに搭載された量産システムとしては世界初。 三元触媒式の排出ガス浄化装置は、電子燃料噴射(EFI)エンジンに装備され、CO、HC、NOxの3成分を一つの触媒で同時に酸化・還元処理する。そのためには、燃料噴射量を空気量に応じて常に理論空燃比(重量比で14.7)に制御する必要があり、三元触媒に入る排出ガス中の酸素量をO2センサーで検知し、酸素量に応じた燃料噴射量をコンピュータによって算出、制御する。 当時の三元触媒は白金ロジウム系を使用したペレット タイプで、直径2~4mmの粒状のセラミックスの表面に活性成分が担持され、1gあたりの表面積は50~150にm^2達した。多数の粒状セラミックスは金属ケース(触媒コンバーター)に収められ、エキゾーストマニホールドとマフラーの中間の排気管に装備された。

市販ガソリン車に装着されている排ガス浄化触媒の金属組成と比表面積

触媒活性試験結果

排ガス規制 -ガソリン車

排ガス規制 -ディーゼル大型

ガソリン車の型式と燃料蒸気圧による日間蒸発ロスの違い

燃料中の硫黄分とガソリン車のNOx排出量との関係(10・15モード) *ストイキオ=理論空燃費:ガソリン1gに対して、空気14gの割合で燃やすのがもっとも理想とされている比率。ストイキとも言う。

今後の自動車排ガス対策 中央環境審議会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第5次答申)」/2002年4月/抜粋 I.ディーゼル自動車の排出ガス低減対策(新長期目標) (目標値) ○浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化窒素(NO2)等の大気汚染状況が厳しい中、ディーゼル自動車から排出される粒子状物質の健康リスクが高いことが明らかになってきたことから、窒素酸化物(NOx)等を低減しつつ、粒子状物質(PM)に重点をおいた対策を行う。特に、重量車(車両総重量3.5t超)は、PMをより大幅に低減する。  なお、一酸化炭素(CO)については、環境基準を達成していること等から、新短期規制値に据え置く。 ○新長期目標以降の自動車排出ガス低減対策(新たな低減目標)を検討する。その際、軽油中の硫黄分の低減等、燃料対策も併せて検討する。 (備考)達成時期については、「平成17年末まで」と第四次答申(平成12年11月)において答申されている。 II.ガソリン自動車の排出ガス低減対策(新長期目標) (目標値) ○排出ガス低減対策と二酸化炭素低減対策の両立に配慮しつつ、NOx等を低減する。  なお、一酸化炭素(CO)については、環境基準を達成していること等から、新短期規制値に据え置く。 ○新長期目標以降の自動車排出ガス低減対策(新たな低減目標)を検討する。その際、ガソリン中の硫黄分の低減等、燃料対策も併せて検討する。 (達成時期) ○乗用車等は平成17年末までとする。但し、軽貨物車は、平成19年末までとする。 (蒸発ガス対策) ○燃料蒸発ガスはSPMや光化学オキシダント等の前駆物質であり、特にSPMの環境基準達成に向け、自動車対策と固定発生源対策をあわせた総合的な対策の検討を進めていくことが必要である。 (その他) ○低排出ガス認定制度等により、引き続き、低排出ガス自動車の普及を図ることが適当である。

自動車触媒のリサイクル Pt

同和鉱業の取り組み  同和鉱業は、これまで廃棄物とされていたものを資源と見なし、これをリサイクル(再資源化)することにより、世界に偏在する希少金属の安定供給をはかり、循環型社会の実現をめざして金属リサイクル事業に積極的に取り組んでいます。  1991年には、自動車用廃触媒からのPt、Pd、Rhの回収を目的とする㈱日本ピージーエムを田中貴金属工業㈱との合弁で設立しました。現在、廃触媒処理での国内シェアは、ほぼ100%、世界シェアでは25%を占めています。今後海外集荷を強化、増強しリサイクルを進めていきます。 また、1995 年に、小坂製錬所における鉛バッテリー処理と、同和ハイテックにおける液晶製造工程のスクラップからのIn 回収事業を開始しました。さらに、1998 年には、Ga、Ge のリサイクルも事業化しています。

同和鉱業の取り組み 小坂製錬所で現在処理している使用済み製品等は、従来からの故銅に加え、フィルム、酸化銀電池、電子基板、GaAs半導体、携帯電話と多岐にわたり、処理原料に占める二次原料の比率は、右のグラフで示す通りPd90%、Pb20%、Ag15%、Cu12%となっています。

光触媒

光触媒を用いた水や有機化合物の分解(常温、常圧) 2 エネルギーに係る課題と対応 安定なエネルギー供給性の確保 地球温暖化の主要因である二酸化炭素の排出抑制,固定化 平成19年度 エネルギー白書(経済産業省) クリーンかつ地域的な偏りが少ないエネルギー 水素エネルギー 太陽光発電 燃料電池の燃料(副生成物は水) 二酸化炭素との反応による    炭化水素の合成 副生成物なし 光(一次エネルギー)から 電力(二次エネルギー)への    直接変換 Ex) F. Solymosi, A. Erdöhelyi, T. Bánsági, J. Catal., 68, 1981, 371. 化石燃料の水性ガス反応 (数100 ˚C以上の熱供給が必要) 水の電気分解  (電力供給が必要) 光触媒を用いた水や有機化合物の分解(常温、常圧) 水素製造方法 光エネルギーの化学エネルギーへの変換技術 水素製造と太陽電池,どちらの応用も可能な材料

TiO2光触媒による水素生成の発見 本多-藤嶋効果 : 光電気化学的な水分解による水素生成 化学的に安定・豊富な資源量 3 400 200 800 600 1000 波長 nm 1.0 2.0 相対エネルギー強度 可視領域 地球に到達する 太陽放射エネルギー 紫外領域 本多-藤嶋効果 : 光電気化学的な水分解による水素生成   A. Fujishima, K. Honda, Nature, 238, 1972, 37. H2 O2 V hu Pt TiO2 化学的に安定・豊富な資源量    TiO2単独では水素生成速度が極めて低い.    光触媒作用の発現が約410 nmよりも短い波長の紫外光を照射    した場合に限定され,太陽光の利用に制限がある.    実用化を考慮すると,固定化(薄膜化)が望ましい.

光触媒の特異性 電子と正孔の生成 電子+プロトン→水素生成 表面機能とバルク機能の両方の制御が必要 光励起はバルクの役割 水素生成は表面触媒機能 表面機能とバルク機能の両方の制御が必要

本多・藤嶋効果   水→水素発生 解説 光利用効率を上げることが必須