定量分析 その3 はかり~電子天秤へ
古代エジプト「死者の書」より抜粋 公平と平等の象徴 トト神 アヌビス神 冥界の王 オシリス 冥界の王 オシリス 公平と平等の象徴 マヤ文明にも見られるように、人間がものをはかり始めた最初の量は時間でした。やがて道具や掘立小屋を作るようになると長さを計るようになり、同時に食糧を見積るために体積をはかるようになりました。重さの計量が始まったのは長さや体積よりももっと後のこと。都市国家が発達して貴金属や宝石に価値が生じてからでした。 天びんは人間が最初に作り出した機構をもつ計器である。数千年来それは両腕の長さが等しい、物と分銅を載せる釣り皿を持つ物とされてきた。精度も早くから高度に達し、古代エジプトのパピルスに描かれた天びんは水平をただす下げ振りも付いていた。当時の薬法の最小単位が石の分銅から復元して0.71gであることから、感度も0.1g(約1万分の1)に達していたと推定される。 パピルスに描かれた『死者の書』(エジプト) 古代エジプトのパピルス紙に描かれた裁判図。 天秤は善悪をはかる神の道具とされ、冥界の王オシリスの裁判の広間で、死者の罪業をはかり比べる様子が描かれている。羽毛は地上で最も軽いものとされ、人間の心はそれよりもさらに軽くなければならず、重くなるのは罪のせいだとされている。羽毛より軽い心臓を持つ魂だけが天に導かれるのです。
日本に残る古い天秤 地図記号 寺院 病院 銀行 消防署 警察署 裁判所 最初は貴金属や宝石用として用いられた天秤も、やがてその計量の用途を広げ、香料や薬品用としても用いられるようになりました。現在、日本に残っている古い天秤はほとんど両替商用の日本独特の形態です。両替屋とは江戸時代の金融機関。今でいう銀行のことです。貨幣は束洋でも西洋でも重量を定めて作られていたため、天秤と分銅は欠かせない道具だったようです。当時、両替商の看板にもなった分銅の形は、現在、地図上で銀行を表す記号として使われています。 地図記号 寺院 病院 銀行 消防署 警察署 裁判所
てこの原理 力点 支点 作用点
F[N] = k[N/m]×X[m] フックの法則 力=バネ定数×変位 バネの伸びは、それに 加えられた力に比例します。 バネの伸びは、それに 加えられた力に比例します。 フックの法則 F=kX 17世紀後半に活躍したイギリスの物理学者フックは1678年、物体に力を加えて変形を起こすとき、弾性限界内においては変形の大きさは外から加えた力に比例することを発見した。この法則をフックの法則、または弾性の法則という。この法則を利用したものに、バネはかりがある。 弾性というのは、物体に力を加えて形を変えたとき、この力を取り去ると、もとの形にもどろうとする性質をいう。一般に加える力が小さいときはほとんどの物体は弾性をもっているが、力が大きくなりすぎると弾性を示さないことがある。弾性の性質を保つ最大の限度を、その物体の弾性限界という。 この法則を利用したものに、バネはかりがあります。
ロバーバル機構とは? 長さの等しい棒AFBとA´F´B´を中心で柱にピン留めし、両端をT字型の棒AA´とBB´でピン留めしたものです。 A F B A F B F´ A´ F´ A´ B´ B´ ロバーバル機構とは、長さの等しい棒AFBとA‘F’B‘を中心で柱にピン留めし、両端をT字型の棒AA’とBB‘でピン留めしたものです。 両側の腕に等しい重さの分銅を、等しい距離にかけたら釣りあいました。これは、明白なことです。 では、右図のように、BB'の腕にかける分銅の位置を変えたらどうなるでしょう? ロバーバル自身の予想は「右が下がる」というものだったようですが、実際には釣りあったままだったのですね。この結果を、彼自身説明できませんでした。また当時の人たちも説明できず「ロバーバルの静止の謎(Roberval's static enigma)」と呼ばれました。 70年後、フランスの数学者ポアンソー(Louis Poinsot. 1777~1859)が解明しました。 両側の腕に等しい重さの分銅を、 等しい距離にかけたら釣りあいます。 では、左右の腕にかける分銅の位置を変えたらどうなるでしょう? 釣り合います。
一見、単純に釣り合っているように見えますが・・・ A F B A´ F´ B´ 腕のある棒は「回転」しようとしています。(回転の「モーメント」が生じているといいます。)AA’は反時計回りに回ろうとしますが、それがAFBを回そうとする力と、A’F’B’を回そうとする力は打ち消し合ってしまうのです。BB’についても同じで、腕(棹)を傾ける力は打ち消し合います。左右の分銅の位置を変えた時も同じことで、分銅の位置が変わってしまったので、AA’とBB’が回転しようとするモーメントも変化しますが、互いに打ち消し合って、正味の釣り合いには影響しない状態なのです。 図で、二つの分銅がつりあっていますが、この状態は単純に「一本の棒の中心に支点があり、支点から等距離に等しい重さの分銅がかかっている」という状況ではありません。腕のある棒AA'は「回転」しようとしています。回転の「モーメント」が生じているといいます。AA'は反時計回りに回ろうとしますが、それがAFBを回そうとする力と、A'F'B'を回そうとする力は打ち消しあってしまうのです。BB'についても同じで、棹を傾ける力は打ち消しあいます。上右でも同じことで、分銅の位置が遠くなったのでBB'が時計回りに回ろうとするモーメントは大きくなっていますが、互いに打ち消しあって、正味の釣り合いには影響しない状態なのです
上皿天秤型の図にして考えると P P f p f A F B A´ F´ B´ 上皿天秤型の図にして考えると AF = A'F' = a, FB = F'B' = b とします。 Bには荷重pが働くほかに、BB'には偏心 したために生じる力fがかかるとします。 ①PのFにおけるモーメント= bcosθ×p ②Bに働く力fのFにおけるモーメント =bsinθ×(-f) ③B'に働く力fのF'におけるモーメント =bsinθ×f ①+②+③をとると、和=bcosθ×p で、fを含む項は消えます。偏心荷重に よる影響はないということです。 同様に左の皿でのモーメントは acosθ×pです。 P P bcosθ A F bsinθ θ B b f p A´ F´ B´ f 釣りあいの式はacosθ×p =bcosθ×pで、a=bですから、Pが等しければ、振れの角度にも、荷重の偏心にも関係なく釣り合います。
上皿天びん 品物と分銅が同じ重さなら、 置く位置にかかわらず釣り合い、 重さが違えば傾くが、皿受棒は 平行に上下に移動します。 ここの長さが同じ時にバランスがとれる 品物と分銅が同じ重さなら、 置く位置にかかわらず釣り合い、 重さが違えば傾くが、皿受棒は 平行に上下に移動します。 こうして上皿天びんが出現しました。 支点 サンプルの位置が変わるとバランスが崩れる ここの長さが変わってもバランスがとれる ロバーバル機構 はかりに画期的な変化をもたらしたのは17世紀、フランスの数学者ロバーバルによって考案されたロバーバル機構である。平行四辺形のリンクは掛ける物の重さが等しければ、中心から左右異った位置にかけても釣り合い、またさおの上側でも皿を支えることができる。したがって品物と分銅が同じ重さなら置く位置にかかわらず釣り合い、重さが違えば傾くが、皿受棒は平行に上下に移動する。こうして上皿天びんが出現した。 また、この機構は、つり合い方式を工夫すれば、この平行四辺形の片方がなくても済むため、これを応用して上皿さおばかりが出現したが、この機構の原理は台はかり(てこ式であろうと、振り子しきであろうと)のほとんどすべてに応用されている。また、単一のロードセルで皿を支える商用電子はかりにもこの原理を応用しているものが多い。 支点 ロバーバル機構
場所(緯度)により重力が異なるわけ A B A C B C D D 遠心力:ゼロ 遠心力:小 重力:最大 引力 重力:大 重力:小 遠心力:大 C 遠心力:最大 D D 地球は自転しています。回転しているものには遠心力がはたらきます。遠心力は回転の中心軸(地球の場合は北極と南極を結ぶ線)から距離が遠くなるにつれて大きくなります。遠心力は地球の引力を打ち消す方向にはたらくので、遠心力が大きくはたらいているところほど、差し引き地球に引っ張られる力が小さくなります。そのため、重力は北極と南極が最大で、赤道上が最小になります。 重力:最小 地球は自転しているので、遠心力が働きます。遠心力は回転の中心軸(北極と南極を結ぶ線)から距離が遠くなるにつれて大きくなります。遠心力は地球の引力を打ち消す方向にはたらくので、遠心力が大きくはたらいているところほど、差し引き地球に引っ張られる力(引力)が小さくなります。そのため、重力は北極と南極が最大で、赤道上が最小になります。
同じ日本でもこれだけ違います。 50.031 北海道(稚内市、留萌市、網走市、根室市、釧路市など) 50.026 北海道(千歳市、小樽市、旭川市、札幌市など) 50.020 北海道(室蘭市、帯広市、苫小牧市、函館市など) 50.015 青森県 50.010 岩手県、秋田県 50.005 宮城県、山形県 基準50.000 福島県、新潟県、茨城県 49.990 群馬県、千葉県、埼玉県、東京都(八丈支庁管内、 小笠原支庁管内を除く)、福井県、京都府、鳥取県、島根県 49.995 栃木県、富山県、石川県 49.985 神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、 三重県、滋賀県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、 岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県 49.980 東京都(八丈支庁管内に限る)、愛媛県、高知県、 福岡県、佐賀県、長崎県、大分県 49.974 熊本県、宮崎県 49.969 鹿児島県、(大島郡を除く) 49.964 東京都(小笠原支庁管内に限る) 49.959 鹿児島県(大島郡に限る) 49.954 沖縄 体重50kgの人が各地域で測定を行った場合の数値を表したものです。(ただし基準(重力9.800)は、福島県とします。)