電子物性第1 第3回 ー波動関数ー 電子物性第1スライド3-1 目次 2 はじめに 3 電子の波動とは? 4 電子の波動と複素電圧

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電子物性第1 第3回 ー波動関数ー 電子物性第1スライド3-1 目次 2 はじめに 3 電子の波動とは? 4 電子の波動と複素電圧 電子物性第1 第3回 ー波動関数ー 目次 2 はじめに 3 電子の波動とは? 4 電子の波動と複素電圧 5 波動関数 6 時間と波動関数 7 波動関数と存在確率 8 波動関数のグラフ 9 まとめ

何者かが沢山「波だよ」と言っているところに電子。 電子の波動とは? 何者かが沢山「波だよ」と言っているところに電子。 正確には振幅大程いる。 電子物性第1 第3回 -波動関数- 電子物性第1スライド3-2 はじめに 1 . 5 光 の 量 ( b ) 水 素 原 子 発 ス ペ ク ト ル 波 長 ( μ m ) 水素原子の電子は、 エネルギーが飛び飛び E=-13.6×   [eV] 1 n 2 ⇒電子の波の性質の現れ ① 水素原子のエネルギー量子化が起源。

しかし、媒体がないので何が波打っているのか? 1 . 5 光 の 量 ( b ) 水 素 原 子 発 ス ペ ク ト ル 波 長 ( μ m ) ⇒電子の波の性質の現れ はじめに 水素原子の電子は、 エネルギーが飛び飛び E=-13.6×   [eV] n 2 電子の波動と複素電圧 実態のない電子の波動 実態のない複素電圧 電気回路で学習 位相を複素数で表現 比較して学習します。 電子物性第1スライド3-3-1 電子の波動とは? 電子の波ってなんだろう。 波が残ったところに電子がある。 しかし、媒体がないので何が波打っているのか? 実態のない波を考えよう。 ① 電子の波を考えるのは大変です。 ② 電子の波動は干渉し、振幅大は電子が居る。

何者かが沢山「波だよ」と言っているところに電子。 1 . 5 光 の 量 ( b ) 水 素 原 子 発 ス ペ ク ト ル 波 長 ( μ m ) ⇒電子の波の性質の現れ はじめに 水素原子の電子は、 エネルギーが飛び飛び E=-13.6×   [eV] n 2 電子の波動と複素電圧 実態のない電子の波動 実態のない複素電圧 電気回路で学習 位相を複素数で表現 比較して学習します。 電子物性第1スライド3-3-2 電子の波動とは? 何者かが沢山「波だよ」と言っているところに電子。 たとえばこんな描像? 正確には振幅大程いる。 ① 電子の波を考えるのは大変です。 ② 電子の波動は干渉し、振幅大は電子が居る。

何者かが沢山「波だよ」と言っているところに電子。 電子の波動とは? 何者かが沢山「波だよ」と言っているところに電子。 正確には振幅大程いる。 波動関数 電子の波も実体がない ⇒虚数の指数の波にしよう。 Ψ= 何かわからないので波形 を記号にしました。 eikx x方向にkの程度に すすむ波 絶対値は1 複素数ですが干渉する。 電子物性第1スライド3-4 電子の波動と複素電圧 実態のない電子の波動 実態のない複素電圧 電気回路で学習 位相を複素数で表現 比較して学習します。 ① 電子の波を複素電圧と比較しよう。

波動関数 電子の波も実体がない ⇒虚数の指数の波にしよう。 x方向にkの程度に すすむ波 Ψ= eikx 何かわからないので波形 電子の波動と複素電圧 実態のない電子の波動 実態のない複素電圧 電気回路で学習 位相を複素数で表現 比較して学習します。 時間と波動関数 電子の波 ⇒時間でも波打つのではないか? Ψ= eikx e-iωt =ei(kx-ωt) としましょう。 すると、トリックが使えて、 = dΨ dt Ψ    h -2πi E  と微分してエネルギーが出てくる    式になります。            電子物性第1スライド3-5 波動関数 電子の波も実体がない ⇒虚数の指数の波にしよう。 x方向にkの程度に すすむ波 Ψ= eikx 何かわからないので波形 を記号にしました。 絶対値は1 複素数ですが干渉する。 ①電子の波は複素数の指数関数にしましょう。

時間と波動関数 電子の波 ⇒時間でも波打つのではないか? Ψ= eikx e-iωt =ei(kx-ωt) としましょう。 電子の波も実体がない ⇒虚数の指数の波にしよう。 Ψ= 何かわからないので波形 を記号にしました。 eikx x方向にkの程度に すすむ波 絶対値は1 複素数ですが干渉する。 波動関数と存在確率 電子の波動関数は、 Ψの絶対値の2乗 ΨΨ が電子の存在確率 を表すように設定しましょう。 電子物性第1スライド3-6 時間と波動関数 電子の波 ⇒時間でも波打つのではないか? Ψ= eikx e-iωt =ei(kx-ωt) としましょう。 すると、トリックが使えて、 dΨ dt =-iωei(kx-ωt) =-iωΨ Ψで割って    h -2πi =-iω              E  と微分してエネルギーが出てくる    式になります。            =-i2πν E=hνより、 Ψ ①電子の波は時間で微分してエネルギー。

波動関数と存在確率 電子の波動関数は、 Ψの絶対値の2乗 ΨΨ が電子の存在確率 を表すように設定しましょう。 波動関数のグラフ 時間と波動関数 電子の波 ⇒時間でも波打つのではないか? Ψ= eikx e-iωt =ei(kx-ωt) としましょう。 すると、トリックが使えて、 = dΨ dt Ψ    h -2πi E  と微分してエネルギーが出てくる    式になります。            波動関数のグラフ 常に1の関数になり、 波動関数の絶対値をとると、 電子が定常的に存在 することを示す。 電子物性第1スライド3-7 波動関数と存在確率 電子の波動関数は、 Ψの絶対値の2乗 ΨΨ が電子の存在確率 を表すように設定しましょう。 ①波動関数は絶対値の2乗が存在確率。

波動関数のグラフ 波動関数を図示すると、 電子が1個存在する 場合であっても、 正弦関数になり、 時間とともに変化する。 まとめ 電子の波動関数は、場所と時間の指数関数とします。 Ψの絶対値の2乗が電子の存在確率を表します。 また、Ψは干渉し、強め合うところに電子が居ます。 ただし、Ψの値は複素電圧と同様無意味な複素数です。 波動関数と存在確率 電子の波動関数は、 Ψの絶対値の2乗 ΨΨ が電子の存在確率 を表すように設定しましょう。 電子物性第1スライド3-8-1 波動関数のグラフ y ( 実部 ) x t = 0 = e i kx- w 波動関数を図示すると、 y ( 実部 ) x t = p w e i kx- 電子が1個存在する 場合であっても、 正弦関数になり、 y ( 実部 ) x t = 2 p w e i kx- 時間とともに変化する。 ①波動関数は電子が一個でも正弦関数。 ②波動関数の絶対値が電子の存在を表す。

波動関数のグラフ 波動関数の絶対値をとると、 常に一定の関数になり、 電子が定常的に存在 することを示す。 t まとめ 波動関数と存在確率 電子の波動関数は、場所と時間の指数関数とします。 Ψの絶対値の2乗が電子の存在確率を表します。 また、Ψは干渉し、強め合うところに電子が居ます。 ただし、Ψの値は複素電圧と同様無意味な複素数です。 波動関数と存在確率 電子の波動関数は、 Ψの絶対値の2乗 ΨΨ が電子の存在確率 を表すように設定しましょう。 電子物性第1スライド3-8-2 波動関数のグラフ 波動関数の絶対値をとると、 常に一定の関数になり、 電子が定常的に存在 することを示す。 t ①波動関数は電子が一個でも正弦関数。 ②波動関数の絶対値が電子の存在を表す。

まとめ 電子の波動関数は、場所と時間の指数関数とします。 Ψの絶対値の2乗が電子の存在確率を表します。 スライドを終了します。 波動関数のグラフ 常に1の関数になり、 波動関数の絶対値をとると、 電子が定常的に存在 することを示す。 電子物性第1スライド3-9 まとめ 電子の波動関数は、場所と時間の指数関数とします。 Ψの絶対値の2乗が電子の存在確率を表します。 また、Ψは干渉し、強め合うところに電子が居ます。 ただし、Ψの値は複素電圧と同様無意味な複素数です。 ①電子の波を複素電圧と比較しましょう。