経営情報論B 第3回 経営情報システムの管理①(第7章) 情報化推進の組織体制
ツールとしての経営情報システム(道具であって、目的でない) 情報技術を駆使して、 ・情報処理の 能率化 ・管理上の意思決定や判断を支援 に加えて、 ・持続競争優位の獲得・維持を支援し、 ・組織が環境適応的かつ抜本的に改革していく (リエンジニアリング)
重要な情報化推進体制 情報部門:システム化計画、システム分析・設計・開発、システムの運用 + 組織のトップ:責任と権限を持っているものが、経営戦略策定の核となって、情報システム化計画を指揮・調整し、その効率的な実施に向けて、組織全体の視点から監督していくことが重要
情報システム運営委員会(ステアリング・コミッティー:操作) CIO(Chief Information Officer)最高情報統括役員 情報戦略の作成と実行管理 + 経営戦略の作成と実行管理 ※CEO(最高経営責任者)あるいはナンバー2が担当することが多い (代表)取締役:所有者(株主)から依頼されて、会社を監督 CEO:業務の最高責任者 CIO:情報に関する業務の最高責任者
情報システム運営委員会の機能 ① 情報戦略の策定; ② システムの目標の評価と開発の優先順位 ③ システム(プロジェクト)の進捗評価と完了の決定 ④ システム開発設計・開発・運用プロセスの評価・コントロール ⑤ 開発資源の配分に関する調整と決定
情報システム部門組織 (1)職能的組織構造; 情報システムに関する職能ごとに部門構成をする組織。 (階層構造+縦割り型)組織 (2)プロジェクト組織構造(≒事業部制); 特定のプロジェクトごとに、必要な人が集められている組織。 (3)マトリックス組織構造; 上記(1)と(2)を組み合わせた組織。 ボスが職能上とプロジェクト上の2人になる(2ボス方式)。
アウトソーシングや外部委託(最近の組織形態) 背景1 中央集中制御型から分散協調型システムに移行 ・多数のパーソナル・コンピュータをクライアントサーバー型システムが主流になる(多様な場所で様々な使い方をしているので、集中管理が困難になる)。 背景2 統合ソフトウェアーの性能向上 ・パッケージソフトの利用(開発していては費用がかさむ) 背景3 ASPとiDCの事業者増 ・アプリ(ケーションソフト)を提供(アプリの多様化) ・ iDC(ウェブサーバー管理を受託する会社) 背景4 専門知識とコスト削減 自社で情報関係の要因を雇い、最新の技術を活用するのは困難。
アウトソーシングや外部委託の問題点 知識やノウハウの蓄積ができない(外部企業が蓄積) 手放した知識やノウハウを再度手に入れるのは大変(外部企業に依存体質) 戦略策定に必要な情報が得られない(本業に悪影響?)
アップル(ジョブズ)の偉業① マッキントッシュ 1984年1月24日に発売された最初の一体型パーソナル・コンピュータ。組立不要で、マウス(ワンボタン)で操作するようになっていた。 CPUは8MHz、メモリは128kバイト(現在はCPUは2GHz、メモリは10Gバイトは当たり前) ライバルは当時コンピュータ業界の巨人と呼ばれていたIBMであった。基礎的な技術の大半はIBMが持っていた(産業用)。 発売当初は大人気であったので、増産体制を整備した結果、在庫の山となる。
アップル(ジョブズ)の偉業②、③ iPod 2001年11月17 日に携帯型デジタル音楽プレーヤー。 大容量、iTunesでは音楽を購入(音楽CDの牙城を崩し、音楽配信サービスを本格化;Napstarなど先行していた企業を追い抜く)。 ライバルはSONYのWALKMANであったが、完全に逆転。 ※音楽ソフトの流通や利用の仕方にも多大な影響を与えた。 iPhone 2007年6月29日に発売されたスマートホーン。 iPod+携帯電話(情報端末)≒PCの機能を持つ。 タッチパネル式を採用。 ライバルは携帯電話とパソコンのメーカー。 ※WEBなどの閲覧も可能になり、パーソナル・コンピュータの機能を代替し始める。
アップル(ジョブズ)の偉業④ iPad 2010年4月3日に発売されたタブレット型コンピュータ。 タッチパネル式を採用。 Wi-Fiを標準整備。 ライバルはパソコンのメーカー。 ※パーソナル・コンピュータの機能を代替し、今日までの累積販売量は1億台を超える。
ジョブズの偉業の要約 対 PCメーカー(マイクロソフト) アマゾン(キンドル) 対 携帯電話メーカー グーグル(アンドロイド;OS) アマゾン(キンドル) 対 携帯電話メーカー グーグル(アンドロイド;OS) iPad発売(PC代替) iPhone発売(スマホ;PC+携帯電話) 対 SONY iPod発売(音楽ソフトの流通変革) 対 IBM マッキントッシュ発売(コンピュータの個人利用促進) 1984年 2001年 2007年 2010年
アップルの強み; 消費者にとって魅力的な製品(操作が容易で、様々な用途に活用できる製品)を適切な価格で提供し続けていること(競争をコントロールしながら) 用途(利用者)拡大 通信とアプリの強み + 映像などの取扱ソフト拡充しつつ、競争をコントロール 販売網( iTunes、Apple Store ) + 設計は自社で行い、生産はアウトソーシング ハード マッキントッシュ iPod iPhone iPad 1984年 2001年 2007年 2010年