WHOISによる情報提供 -インターネットの社会化の中で-

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学校における個人情報の取り扱い 京都市教育委員会総務課 企画広報係長 西田 良規. <個人情報保護の基本原則> ○ 利用目的を特定して個人情報を入手する ○ 個人情報を入手する際には本人の同意を得る ○ 利用目的を超えて情報を取り扱わない ○ 情報処理を外部委託する際はしっかり監督する ○ 本人から請求があれば,保有する個人情報を開.
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個人情報保護講座 目 次 第1章 はじめに 第2章 個人情報と保有個人情報 第3章 個人情報保護条例に規定されている県の義務 第4章 個人情報の漏えい 第5章 個人情報取扱事務の登録 第6章 保有の制限 第7章 個人情報の取得制限 第8章 利用及び提供の制限 第9章 安全性及び正確性の確保 第 10.
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WHOISによる情報提供 -インターネットの社会化の中で- 2002年12月16日 InternetWeek2002/ドメイン名に関する最新動向 WHOISによる情報提供 -インターネットの社会化の中で- 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 宇井 隆晴 URL: http://jprs.jp/                 http://日本レジストリサービス.jp/

「WHOIS」を知っていますか? WHOISとは、ドメイン名の登録やIPアドレスの割当に関する情報をオンラインで提供する仕組み。 集中管理型ではない、広域的分散ネットワークであるインターネット上で発生する問題を、ユーザが自律的に解決できるようにするため情報を提供。 RFC954(NICNAME/WHOIS)によってインタフェース仕様が規定されており、TCPポート43を利用。 最近では、WebをインタフェースとしたWHOISを提供している場合が多い。 例:http://whois.jprs.jp/

WHOISで得られる情報 いつ登録されたものか どういう状態か 登録者は誰か 連絡先はどこか 例:jprs.jpの検索結果 Domain Information: [ドメイン情報] [Domain Name] JPRS.JP [登録者名] 株式会社日本レジストリサービス [Registrant] Japan Registry Service Co., Ltd. [Name Server] ns1.jprs.co.jp [Name Server] ns2.jprs.co.jp [登録年月日] 2001/02/02 [有効期限] 2003/03/31 [状態] Active [最終更新] 2002/08/02 17:44:49 (JST) Contact Information: [公開連絡窓口] [名前] 株式会社日本レジストリサービス [Name] Japan Registry Service Co.,Ltd. [Email] dom-admin@jprs.co.jp [郵便番号] 101-0052 [住所] 東京都千代田区神田小川町1-2 風雲堂ビル3F [Postal Address] Fuundo Bldg.1-2 Kanda-Ogwamachi ... [電話番号] 03-5297-2571 [FAX番号] 03-5297-2572 例:jprs.jpの検索結果 ※空白・空行や改行位置など、実際の表示結果とは異なる部分があります。

WHOIS情報公開の今昔 学術研究の流れの中で形成された公開の原則 インターネットの社会化による非公開の要求 WHOISの情報をもとにした、DMや営業活動などが問題となっている。 個人がドメイン名を登録したり、常時接続でIPアドレスの割当を受けると、WHOISで自宅の住所や電話番号が公開されてしまう。

社会的な動きとインターネットの対応 現在 一般社会での議論 インターネットでの議論 個人情報保護の社会的要請 学術研究分野での公開の原則 国際的な基本原則の形成 各TLDにおける対応措置 各国の法制度の整備 インターネット全体での議論 現在 各国の法制度に基づいた インフラとしてのインターネット

個人情報保護に関する社会的な動き OECD(経済協力開発機構)の「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドラインに関する理事会勧告」 (1980年) EU(欧州連合)の「個人データ処理に係る個人の保護及び当該データの自由な移動に関する欧州評議会および理事会の指令」(1995年) 日本における個人情報保護の法制化の流れ

OECD8原則(1) OECD理事会勧告には「OECDの8原則」と呼ばれる原則が盛り込まれている。 これはその後の日本を含めた各国の個人情報政策の基礎となっている。 責任の原則: 管理者は諸原則実施の責任を有する。 目的明確化の原則: 収集目的を明確にし、データ利用は収集目的に合致するべき。 利用制限の原則: データ主体の同意がある場合、法律の規定にある場合以外は目的以外に利用使用してはならない。

OECD8原則(2) 収集制限の原則: データ内容の原則: 安全保護の原則: 公開の原則: 個人参加の原則: 適法・公正な手段により、必要な場合には情報主体に通知又は同意を得て収集されるべき。 データ内容の原則: 利用目的に沿ったもので、かつ、正確、完全、最新であるべき。 安全保護の原則: 合理的安全保護措置により、紛失・破壊・使用・修正・開示などから保護するべき。 公開の原則: データ収集の実施方針等を公開し、データの存在、利用目的、管理者等を明示するべき。 個人参加の原則: 自己に関するデータの所在及び内容を確認させ、又は異議申立を保障するべき。

欧州評議会および理事会の指令 加盟国に国内法整備を義務づけており、第三国が十分なレベルの個人データ保護措置を確保している場合に限って個人データの移転を行うことができる旨の制限を国内法で定めるよう求めている。

日本における個人情報保護の法制化 1995年のEU指令により、十分なレベルの保護措置を講じることが関係各国に要請された。 法律の施行までに個人情報保護の措置を講じるとの附則が盛り込まれた。 この「措置」が、今年国会を紛糾させた「個人情報保護法案」。

各国ccTLDの状況 gTLD(.com/.net/.org) 韓国(.kr) フランス(.fr) 登録者の住所、担当者の住所、電話、E-Mailなど、原則的に全項目公開 韓国(.kr) 登録者の住所は非公開。担当者の住所・電話番号などの一部項目については、申請により非公開。 フランス(.fr) 個人用ドメイン名については、住所、氏名、電話番号、E-Mailを非公開とするオプションを選択できる。

日本(.jp)の状況 JPドメイン名では、登録情報の提供を次の2つの手段に分けている。 WHOISによるオンライン検索 登録者の名前、連絡先の情報(電話番号、E-Mailなど) 書面による開示請求 登録者の住所など、登録者を特定するための情報 これにより、情報公開によるインターネットの自律分散運用と、情報非公開という社会的要請の両立を図っている。

インターネットにおける国際議論 社会的な個人情報保護の動きと、インターネットにおける情報公開の必要性のバランスをどこで折り合いをつけるべきなのか、インターネットのいろいろな場での議論が進んでいる。 IETF RFC1355(1992年) CENTR WHOISポジションペーパー(2001年) WIPO ccTLD行動規範(2001年) ICANN DNSO NC WHOIS TFポリシレポート(2002年)

IETF RFC1355 Privacy and Accuracy Issue in Network Information Center Database IETFにおける検討の結果として、FYIとして公開。 登録機関のデータベースにおけるプライバシーと情報の正確性について記述。 データベースの目的、そこに含まれる情報の種類、およびその情報についてのプライバシーポリシーに関し、明瞭なステートメントを提供する必要があり、プライバシーポリシーについては、データベースに登録された者に対して通知すべき。

CENTR Position on Whois WHOISは、知的財産権の保護、消費者保護、不法行為取締、日々のインターネット運用業務などで用いられている。WHOISがなければ、これらの活動が阻害される。 情報保護の法制度化を考える際には、このようなWHOIS情報の可用性に制限を加えないよう求める。 これが、インターネット管理の透明性、明確性、公衆の信頼、そして効率性をもたらす。

WIPO ccTLD行動規範 WIPO(世界知的所有権機関)が、商標などの知的財産権任官する紛争の予防と保護に関して、ccTLD登録管理組織に対して提案した行動規範。 登録者に、正確で信頼性の高い連絡先情報を提供することを求めることを推奨。 登録者の連絡先情報がWHOISでリアルタイムに公開されることが必要。 情報保護の法制度が、ドメイン名に関する知的財産権の保護に対する普遍的なニーズを不当に損なうべきではない。

ICANN DNSO NC WHOIS TF 2002年11月30日に1つ目のポリシレポートを公開 提案されているコンセンサスポリシ 登録者は、登録更新時に登録情報を再確認し、最新の正しい情報に保つことを求められるべき。 WHOISバルクデータのマーケティング利用は、いかなる場合も禁じられるべき。 今後の課題 情報項目の統一性とよりよい検索性 WHOISにはどのようなアクセスを認めるべきか 個人と組織、それぞれにとってのプライバシーとは 法律との関係

WHOISの今後 行政や企業における情報の取り扱いを対象とした、個人情報保護に関する国際的なコンセンサスのもとでの各国の法制度の整備が進んでいる。 これに対して、WHOISによる情報公開がいかにあるべきかという国際的コンセンサスの形成と、各国の実情にあった法制度検討への反映はまだまだこれから。 WHOISはその国だけなく、世界中のインターネットユーザから利用されるものであり、国際的コンセンサスが非常に重要。

資料 OECD理事会勧告 RFC1355 CENTR Position on Whois WIPO ccTLD行動規範 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oecd/privacy.html RFC1355 http://www.ietf.org/rfc/rfc1355.txt?number=1355 CENTR Position on Whois http://www.centr.org/docs/statements/ CENTR-Position-on-Whois.html WIPO ccTLD行動規範 http://ecommerce.wipo.int/domains/cctlds/bestpractices/ bestpractices.html ICANN DNSO NC WHOIS TF ポリシレポート http://www.dnso.org/dnso/notes/ whoisTF/20020625.TFwhois-report.htm