第5章(この章を講義代替レポートとしてまとめる) 講義資料13 第5章(この章を講義代替レポートとしてまとめる) ごみ処理計画と評価方法、 および分別・収集
5.3 ごみ処理システムの評価方法 経済性 環境保全性 社会性 廃棄物処理政策は、経済性、環境保全性、社会性の3つから評価される。 5.3 ごみ処理システムの評価方法 廃棄物処理政策は、経済性、環境保全性、社会性の3つから評価される。 経済性 環境基準を満足することを前提として低コストであることが望ましい。費用だけでなく効果を金銭換算して、その差を評価指標とする(費用対効果)。 環境保全性 地球環境問題に関する意識の高まりにより、広い範囲での環境保全性がシステム選択の重要な指標になっている。評価方法としてリスクアセスメント、環境影響評価、戦略的環境アセスメント、ライフサイクルアセスメントがある。 社会性 住民の不信感、不安感、嫌悪感によって最終処分場の確保が困難となっているため、社会的評価の重要性は高い。
5.3.1 リスクアセスメント (Risk Assessment : RA) 有害な化学物質によって生じる人間の健康や生命に対する危険性を定量的に評価する手法である。 評価手順 ①毒性の評価 (どのような影響があるか) ②用量―反応関係の評価 (人間への投与量と健康影響の関係を評価) ③曝露量の評価 (人間がどれだけ摂取するか) ④リスクの見積もり 見積もり例:マトリスクを用いた方法 「負傷、疾病の重篤度」と「発生可能性の度合」のリスクの程度を割りつけておき、下図のような表を作成しておく方法。
具体的な措置例:焼却施設排ガス中ダイオキシン 見積もり例:数値化による加算方法 「負傷、疾病の重篤度」と「発生可能性の度合」を一定の尺度によって数値化し、それらを数値演算する方法。 具体的な措置例:焼却施設排ガス中ダイオキシン アカゲザルの実験で得られた用量―反応関係と、人間と実験動物の違いなどの不確実性を考慮した安全率を掛けて容摂取量が決定された。次に焼却炉排ガス拡散計算から大気中濃度を求め、呼吸に乗じて大気経由の摂取量とし、水・食物からの摂取量と合わせて許容摂取量以下になるように、濃度基準が決定された。
講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 本日の宿題 教科書p.78の3行目からの例に倣い、 ごみ処理におけるリスクアセスメントについて、 有害な物質、その物質が人体に与える影響、曝露量の評価、リスクの見積もり等について調べよ。 次回講義日 講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 注意事項:ホッチキスでとめないこと、 折り曲げないこと、すべてのページに記名のこと
5.3.2 環境影響評価 (Environmental Impact Assessment : EIA) 地域開発、大規模な施設建設を行う際に、その事業によって生じる環境への影響を事前に予測・評価し、住民や専門家などの意見を聞いて事業の施設に反映させ、環境を適切に保全しようという一連の手続き。
(Strategic Environmental Assessment : SEA) 5.3.3 戦略的環境影響評価 (Strategic Environmental Assessment : SEA) EIAが事業を行うことが決定してからその影響を評価するものであるのに対して、SEAは事業の計画段階、さらには政策決定段階で環境影響を考え、より効果的なアセスメントを行おうとするもの。3P=政策(Policy)、計画(Plan)、プログラム(Program)を対象とした環境アセスメント。 SEAの原則 ①計画などの策定者が評価を行う(EIAは事業者)。 ②住民や専門家の意見聴取が不可欠である。 ③複数案の比較評価が必要である。
5.3.4 ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment : LCA) 「天然資源の採取から、製造、流通、消費を経て廃棄されるまで」の製品のライフサイクルにわたるすべての環境影響を評価することで、環境への優しさを総合的に評価する手法。 LCAの手順 インベントリ分析(LCI:LC Inventory) 各段階における環境負荷 データを収集し、収支表と してまとめる作業。 インパクト分析 (LCIA:LC Impact Assessment) ①分類化:環境負荷物質を 影響の種類に振り分ける ②特性化と正規化:影響の 大きさを考慮して物質ご とに重みを求める。 ③統合評価:異なる種類の 影響の重要性を相対的に 評価し、重み付け係数を 決定する。
5.4 収集・運搬 5.4.1 収集・運搬機材の特性 1)バキュームカー 5.4 収集・運搬 5.4.1 収集・運搬機材の特性 1)バキュームカー 一般にバキュームカーという場合、屎尿運搬用の車両を指し、汲み取り式便所での糞尿、浄化槽に貯まった汚泥の回収を行う。
2)タンクローリー タンクローリーは、固体・液体・気体を運搬するための特殊用途自動車。貨物自動車(トラック)の一種でもあり、主に石油・ガスなどの運搬に使われる。危険物貯蔵施設の分類では「移動タンク貯蔵所」という。セミトレーラ型のタンクローリーも存在する。
3)ダンプ車 ダンプカーとは、荷台を傾けて積荷を一度に下ろすための機械装置を備えたトラックのこと。
4)機械式ごみ収集車(パッカー車) プレスローダー(圧縮板式塵芥収集車) 積載物をホッパー内で”破砕・圧縮”し、強制押出板に押付け、再度圧縮しながら積載する方式で、圧縮能力の高い塵芥収集車。
クリーンパッカー(回転板式塵芥収集車) ホッパー内のゴミを、回転板により荷箱入口まで持上げ、押込板によりゴミを押込み積載する。
ロータリープレス(荷箱回転式積込 塵芥収集車) 円形のドラムを回転させながら、ゴミを巻き込んで積み込む方式で、連続投入ができ、汚水の飛散が無いなど作業性が良いうえ、回転板などが無いため挟まれる等の危険性がなく安全。
5.4.2 廃棄物保管容器 1)ドラム缶 1.チャイム(縁) 2.注入口(大栓) 3.天板 4.換気口(小栓) 5.輪帯 6.胴板 7.地板 5.4.2 廃棄物保管容器 1)ドラム缶 1.チャイム(縁) 2.注入口(大栓) 3.天板 4.換気口(小栓) 5.輪帯 6.胴板 7.地板 2)石油缶 もともとは一斗缶と呼ばれていたが、戦後の一時期は5ガロン缶と呼ばれ、その後、18リットル缶が正式名称となった。
3)プラスチック容器 JISでは呼び用量5Lから30Lのポリエチレン缶と10Lと18Lの灯油用ポリエチレン缶が規定されている。 4)フレキシブルコンテナ フレキシブルコンテナバッグは粉末や粒状物の荷物を保管・運搬するための袋状の包材のことである。略してフレコン、フレコンバッグとも呼ばれる。
廃棄物専用コンテナ 5)傾倒方式用コンテナ 6)吊り上げ方式コンテナ 7)脱着装置付コンテナ自動車用コンテナ 8)水平脱着ボデー車用コンテナ
5.4.3 家庭ごみ収集システム 1)システムの構成要素 表5.4-1 2)収集システムの例 ①ステーション収集 ②4トン機械式収集車 5.4.3 家庭ごみ収集システム 1)システムの構成要素 表5.4-1 2)収集システムの例 ①ステーション収集 ②4トン機械式収集車 ③作業員2人 ④昼間収集 ⑤プラ袋で排出 ⑥積替えせず,処理施設 に直接輸送
どの程度の大きさの車を選ぶかによって収集効率が異なってくる 4)コンテナ収集容器の選択 コンテナ収集の利点は袋収集に比べて、 3)収集・運搬車の選択 ①収集車輛の選択 a)任意の容器で排出させるとき b)コンテナにより収集するとき ②積載量 どの程度の大きさの車を選ぶかによって収集効率が異なってくる 4)コンテナ収集容器の選択 コンテナ収集の利点は袋収集に比べて、 ①自動積み込みできる、 ②収集コストが安い ③きれい、 ④分別容器を複数設置することにより分別排出ができる ⑤ごみが常時排出できる 欠点としては ①容器の購入費用がかかる、 ②容器の設置場所が必要 ③事前に容器を設置する手間がかかる ④特別の収集車が必要 、⑤容積効率が低下する
5.4.4 収集輸送システムの改善方策 収集システム選択の評価指標は,収集サービスの改善とコストである (1)システム構成を変えない改善 5.4.4 収集輸送システムの改善方策 収集システム選択の評価指標は,収集サービスの改善とコストである (1)システム構成を変えない改善 ①収集車積載量を増加させ,収集輸送効率を改善する。 ② 1日の収集時間を延長し,1人当たりの収集量を増加させる。 ③車付定員を減らし,人件費を減少させる。 ④適正なサービス水準に設定する。 ⑤直営収集から委託収集に切り替える。 ⑥交通渋滞による作業効率の低下に対処するために 夜間,早朝収集 無線を使う (2)システム構成を変える改善 ①コンテナを用いる、 ②貯留排出機を用いる ③パイプ輸送、 ④真空式ゴミ収集車、 ⑤中継輸送