人工光合成へのアプローチと 解決すべき課題 新エネルギー獲得へのアプローチ 太陽電池:Si, 化合物半導体、

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人工光合成へのアプローチと 解決すべき課題 新エネルギー獲得へのアプローチ 太陽電池:Si, 化合物半導体、        解決すべき課題 b)光合成を真似て超えるアプローチ(2) 電力生成 太陽電池:Si, 化合物半導体、          色素増感、有機薄膜 など 人工光合成:燃料生成 植物の利用:機能の抽出、バイオマス 金属錯体による人工光合成 半導体光触媒: ホンダーフジシマ効果 半導体光触媒: ホンダーフジシマ効果

可視光、赤外光を如何にして有効に利用できるか? 世界を 主導する日本(4) ホンダー フジシマ効果 紫外光 課題: 可視光、赤外光を如何にして有効に利用できるか? H2 e- e- e- 伝導帯 2H+ 価電子帯 H2O h+ 1/2O2 工業化学雑誌, 72, 108(1969). Bull. Chem. Soc. Jpn., 44, 1148(1971). Nature, 238, 37(1972).

世界を 主導する 日本(5) 堂免、前田             工藤 阿部、佐山 等 可視光による水の光分解 三澤:赤外光

堂免研究室(東大) いくつかの(オキシ)ナイトライド材料のUV-visスペクトル 太陽光の放射 スペクトル Wavelength/nm LaTiO2N 太陽光の放射 スペクトル GaN:ZnO BaTaO2N Ta3N5 Wavelength/nm 堂免研究室(東大) Chemical System Engineering The University of Tokyo

Rh-Cr oxide/GaN:ZnOを用いた水の可視光分解 λ > 400 nm Evac. ▼ H2 O2 N2 Catalyst: 0.3 g Cocat.: Rh 1 wt%, Cr 1.5 wt% Reactant soln.: 370 mL (pH 4.5) Inner irradiation type cell with a 2 M NaNO2 aq. filter 450 W Hg lamp 量子収率 = ~ 5.2 % ( at 410 nm) 450 W high pressure Hg lamp Water cooling NaNO2 aq. Magnetic stirrer Chemical System Engineering The University of Tokyo

粉末光触媒を用いた可視光照射下での水の完全分解反応 (東京理科大学 工藤研究室) Zムービー 粉末光触媒を用いた可視光照射下での水の完全分解反応   (東京理科大学 工藤研究室) 減圧下 水素生成光触媒 (Ru/SrTiO3:Rh) 酸素生成光触媒 (BiVO4) O2 H2O Fe2+ Fe3+ 可視光 BiVO4 e- h+ Ru助触媒 SrTiO3:Rh Fe3+/Fe2+ Co錯体 H2 H+ 塩化鉄水溶液に水素生成光触媒粉末と酸素生成光触媒粉末を入れて,可視光を照射すると,水が分解して水素と酸素の泡が発生する。 可視光線 (λ>420nm) 光源:300W Xeランプ+カットオフフィルター

人工光合成 水電子源 二酸化炭素の還元 CO2 H2O 光照射 I 光照射 II 電子 電子 電子 電子 電子供与体 (酸化末端) 電子受容体 増感剤 II 電子受容体 (還元末端) CO2 水電子源 二酸化炭素の還元 次世代のエネルギー資源として、化石資源が尽きる恐れが具体化すると予想される数10年 後に備えて、太陽光エネルギーを直接電力に変える太陽光発電と太陽光エネルギーを用いて CO2と水を原料とし水素の生成やCO2の化学固定など化学エルギーに変換する人工光合成 ・有用物質の生産が期待されている。

Ag(2wt%) /BaLa4Ti4O15光触媒を用いたCO2還元反応 Amounts of products / µmol CO2 red経時変化 Ag(2wt%) /BaLa4Ti4O15光触媒を用いたCO2還元反応  (東京理科大学 工藤研究室) 水+二酸化炭素→合成ガス→有機化合物 水 + 光触媒粉末 + 光(ここでは紫外線)のみ 200 150 100 50 CO 100nm 水を還元剤としたCO2の 固定化反応に成功 e-/h+=1.0 O2 Amounts of products / µmol H2 世界を 主導する 日本(6) Kosuke Iizuka, Tomoaki Wato, Yugo Miseki, Kenji Saito, and Akihiko Kudo J. Am. Chem. Soc., 2011, 133 (51), 20863–20868

with no electrical bias 人工光合成系の実現 (太陽光、二段階励起でのH2O酸化とCO2還元の共役) 世界を 主導する 日本(7) 太陽光変換効率:0.03~0.04% CO2 + H2O HCOOH + 1/2O2 Two photocatalysts with no electrical bias under Simulated Sun-light 豊田中研 Shunsuke Sato, Takeo Arai, Takeshi Morikawa, Keiko Uemura, Tomiko M. Suzuki, Hiromitsu Tanaka, and Tsutomu Kajino , J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 15240–15243. S. Sato and T. Arai et al. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 15240.

太陽エネルギーを将来の主要な 一次エネルギー源と考えるならば・・・ ・超大面積に展開可能な技術 例えば2050年に人類の消費エネルギーの 1/3を太陽エネルギーで賄うとした場合、 1つの水素製造プラントを=10%, 5 km x 5 km = 25 km2のスケールと想定すると 約10,000個つくる必要がある。 ・輸送・貯蔵可能なエネルギー形態 水素 水素・メタノール・炭化水素・アンモニア等                      の化学物質 堂免(東大工)

水素+化学エネルギー製造プラント予想図(25km2) アンモニア 100万トン/年 または メタノール 50万トン/年 1日7.6時間AM1.5G標準太陽光照射 太陽エネルギー 27 TJ/km2 day ソーラー水素プラント エネルギー変換効率10% 25 km2 (5 km x 5 km) 水 5100トン/日 水素 570トン/日 酸素 合成プラント 反応ガス 空気 またはCO2 堂免(東大工)

重要な視点(1) まだ決め打ちはできない! + 太陽エネルギーを用いる水分解法 H2 1 ― 2 O2 DG0 = 238 kJmol-1 ▪ 太陽熱発電(CSP) + 電気分解 ▪ 太陽光発電(PV) + 電気分解 ▪ 光電気化学電池 ▪ 太陽熱化学分解 ▪ 人工光合成; 光触媒 無機固体材料(半導体) 金属錯体 有機分子・高分子材料 生体分子(酵素) Chemical System Engineering The University of Tokyo

重要な視点(2) 生成物として何を目指すか? 大気環境科学によるアセスメントの視点 Solar Fuel 水素、CO、蟻酸(HCOOH) (2電子還元生成物) ホルムアルデヒド(HCHO) (4電子還元生成) メタノール(CH3OH) (6電子還元生成物) メタン(CH4) (8電子還元生成物) C2化合物~Cn化合物 生成物として何を目指すか? 大気環境科学によるアセスメントの視点

重要な視点(3) 企業戦略の視点   パイ(市場)は巨大!   課題の共有が可能   完成技術から将来技術へ 連携が必要不可欠 政策誘導

重要な視点(4) 戦争を避ける国際社会状況を形成する為に いつまでに どのように 社会が方策を選択するか 限られたエネルギー資源(化石資源)を奪い合うのではなく 無限に近い太陽光エネルギーの利用と固定化法を人類の  叡智として互いに共有できる国際社会状況をつくる。 いつまでに どのように 社会が方策を選択するか

人工光合成を基盤とするエネルギーシステム 2050 人工光合成を基盤とするエネルギーシステム インフラ整備の開始 2040 社会による選択 2030 技術展開 事例1 事例2・・・事例n   2020 議論と選択の土俵 展開研究  事例1  事例2・・・・ 事例n   目的基礎研究 発見1 発見2・・・ 発見n   基礎科学  発見1  発見2・・・・ 発見n  

バトンリレー:人材育成 切磋琢磨 による連携 重要な視点(5) 連携 将来のイメージを社会に提案 フォーラムへの期待:スタンス しのぎを削る のではなく 切磋琢磨 による連携 将来のイメージを社会に提案

技術課題 経済性 事業主体 世界の潮流 国の政策 社会の理解 社会の選択 その他 高い志による登頂 死の砂漠 実用化のオアシス

Artificial Photo-synthesis PRESTO Project on Artificial Photo-synthesis (2009-2017) JST Preliminary Research on Embryonic Science and Technology Sakigake (Japanese)

人工光合成フォーラム リーディングサイエンティスト 若手研究者 科学技術政策決定者 企業 市民

太陽光エネルギー 石油エネルギー 死の谷

人工光合成:新エネルギー 人類の夢 必ず実現しなければならない 課題

地球をどうしますか? Thanks to Klaus Lips, Prof. Thomas Moore The translation of the German phrase on the Cartoon is: "this is how we live, this is how we live, forever..."