人に優しい3Dの普及のための 安全ガイドライン(策定中) 安全ガイドライン部会
JEITA安全ガイドライン試案等を参考に実践的ガイドラインを 作成し、利用者、及び事業サイドの安全確保を図る。 ○利用者の安全とは 3Dコンソーシアム資料 安全ガイドライン部会 3DC安全ガイドライン<目的と背景> JEITA安全ガイドライン試案等を参考に実践的ガイドラインを 作成し、利用者、及び事業サイドの安全確保を図る。 ○利用者の安全とは 3D使用による眼精疲労、不快感、健康被害リスク軽減 ○企業側の安全とは 違和感のない3D映像の提供、PL訴訟リスク軽減 現状、3D映像の生体影響の分野は研究途上にあり、 ①「こうすれば安全である。」と断言できることは少ない。 ②安全のお墨付きは、どこからも、もらえない。 ただし、リスク軽減のための推奨されるべき有意な指針は存在し、 それをまとめた3Dコンソーシアムガイドラインの作成は重要。
1. 3D利用のためのガイドライン <GL1><GL2> 年齢に関するガイドライン <GL3> 使用時間 QA1 個人差 QA2 安全ガイドライン部会 目次(検討中) 1. 3D利用のためのガイドライン <GL1><GL2> 年齢に関するガイドライン <GL3> 使用時間 QA1 個人差 QA2 使用を控えていただきたい人 QA3 2.3D映像表示装置に関するガイドライン <GL4> メガネ方式 <GL5> HMD、メガネ型ディスプレイ方式 <GL6> メガネ無し方式 <GL7> 3.3Dコンテンツ制作に関するガイドライン カメラの制御 フレーム効果 両眼視差について 等
3D利用者のためのガイドライン <GL1>自覚症状は生体からの警告と考え、疲労、不快感等、何か異常 を感じたら、直ちに使用を中止する。 安全ガイドライン部会 <GL1>自覚症状は生体からの警告と考え、疲労、不快感等、何か異常 を感じたら、直ちに使用を中止する。 <GL2>異常を感じなくても、定期的に休む。 例えば15~30分ごとに5~15分休むことを推奨する。 3DではないがVDTガイドラインを参考とされたい。 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/04/h0405-4.html VDTガイドライン該当箇所: 「作業の種類」の「単純入力型」及び「拘束型」に該当する作業に従事する者については、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けること。 GL1とGL2を利用者に周知させることを推奨 例:3D関連機器の取扱説明書への記述、イベントでの事前説明 ただし、1,2のガイドラインの場合、子供への対処 は困難と 考えられるので親同伴で回避することを推奨。 子供に3Dを見せる場合は、次ページのJEITA3Dガイドライン(年齢)を参照されたい。 * *
Q:3Dの利用時間は、どれぐらいまで許されるか A:最大2時間まで視聴した後、生理的変化を調べた研究があるが、 安全ガイドライン部会 3D利用のための基礎知識 Q:3Dの利用時間は、どれぐらいまで許されるか A:最大2時間まで視聴した後、生理的変化を調べた研究があるが、 残念ながら視聴時間について結論をだす程の研究蓄積はない。 3D機器の取り扱い説明書に利用時間の目安が書かれていた 場合にも<Gl1>と<GL2>を遵守することを推奨。 Q:個人差(両眼視差による3Dが見えやすい人見にくい人) A:両眼視差を手がかりとした立体視について、苦手な人が少なからず(2割程度)存在する。 使用者の左右の視力差、3D表示装置のクロストークの大きさ、 コンテンツの両眼視差の大きさなどが見えにくい原因となる。 Q:3Dの利用を控えて頂きたい人 A:光過敏の既往症のある人、心臓に疾患のある人 体調不良の人、睡眠不足の人、疲れた状態の人、酒気を帯びた人
メガネ方式に関するガイドライン(赤青・偏光・シャッター方式) 3Dコンソーシアム資料 安全ガイドライン部会 3D映像表示装置ガイドライン <GL4>左右の画像のクロストークが小さく、フリッカーが小さい装置を選択する。 理由:クロストークが大きいと眼精疲労が引き起こされる。小さいと快適な立体視が可能。 フリッカーが感じられると疲労、場合によっては発作を誘引することになる。 <GL5>いずれの方式の場合も表示面とメガネ、両目ともに水平にした状態で見る。 理由:斜めでは左右映像が融合困難となり、立体視が難しく疲れる。 また、直線偏光を利用した偏光メガネ方式では、傾けるとクロストークが 大きくなり、眼精疲労を誘発する可能性がある。 HMDでは顔は傾けても良いが目に対して水平に装着することが重要。 メガネ方式に関するガイドライン(赤青・偏光・シャッター方式) <GL6>赤青メガネ(アナグリフ方式)は短時間の視聴にとどめるべき。 理由:手軽ではあるが右目と左目の色の違いから生じる非常に疲れやすい。 <GL7>液晶シャッター方式シャッタースピードは120Hz以上を推奨。 理由:チラツキ(フリッカー)を軽減するため検知限以下の設定が必要。
3Dコンテンツ制作に関する ガイドライン(一部抜粋)
3D実写映像の作成手順 3D実写の作成手順 ① ① ② ③ ③ ③ ① ④ ② ③ ④ ⑤ ⑤ カメラセッティング 奥行き制御には 左右カメラの距離 を調整する必要がある。 録 画 ① キャプチャリング ② 左右画像切り出し ③ ③ 画像(左フレーム) 画像(右フレーム) ③ BMPファイル BMPファイル ① :3Dcom社 3DアダプタNu-View等 3D画像化 ④ ② :ビデオキャプチャソフト(市販ソフト)等 BMPファイル ③ :左右切り出しソフト (シャープオリジナルソフト) ④ :3D合成ソフト (シャープオリジナルソフト) 3D表示 ⑤ ⑤ :画像表示ソフトSusie (フリーウェア)等
3DCGの作成手順 3DCGの作成手順 ① ② ① ① ① ① ① ① ① ③ ② ③ ④ ④ モデリング テクスチャー作成 カラーリング テクスチャーマッピング ① ライティング ① 奥行き制御には 左右の仮想カメラの距離 を調整する必要がある。 アニメーティング ① ① レンダリング(左フレーム) レンダリング(右フレーム) ① BMPファイル BMPファイル ① :3Dデザインソフト :3Dモデルデータベース Infografica社 等 3D画像化 ③ ② :2D画像ソフトPhotoshop等 BMPファイル ③ :3D合成ソフト (シャープオリジナルソフト) ④ :画像表示ソフトSusie (フリーウェア)等 3D表示 ④
○ × 3Dソフトウェア & 3Dコンテンツ制作に関するガイドライン <GL10>画面の端に、画面より前に見える絵を置かない。 理由:違和感が生じ不快感、眼精疲労の原因となる。 ○ フレームの奥で見えないのは自然 × フレームの前なのに見えないのは不自然 フレームの 前には 表示 できない。 ここで、目 が混乱を 起こす
<GL11>左右眼の画像が上下にずれてはいけない。 理由:人間の目は、左右画像の縦ずれに対して非常に敏感で、わずかなずれでも眼精疲労の原因 になる。そのためには、左右のカメラ(仮想含む)を平行に置く必要がある。 ○ × 撮影時輻輳はつけない。 カメラが並行でないと... ここに上下のズレが生じる
<GL12>引っ込み映像の場合、スクリーン(ディスプレイ)上で両眼幅 (子供まで考えると5cm)をこえる視差はつけてはならない。 (子供まで考えると5cm)をこえる視差はつけてはならない。 理由:人の目は外側には開かないので融合せず、眼精疲労を引き起こす。 ディスプレイ 右目 右目用映像 5cmを越えないように 眼幅は5~7cm 左目 左目用映像 <GL13>過度の飛び出し量は避ける。 理由:調節と輻輳の不一致が増大し、眼精疲労を引き起こす。 左目用映像 輻輳角β度 右目 輻輳角α度 視差=|αーβ|度 左目 右目用映像
<GL14>視差はディスプレイサイズと視距離に依存するので、 コンテンツ作成時にはディスプレイサイズと視距離を 想定して作る必要がある。 コンテンツ作成時にはディスプレイサイズと視距離を 想定して作る必要がある。 理由:通常3Dコンテンツはディスプレイサイズの上で視差が決まるため。 視差=|Aーβ|度 視差=|αーβ|度 視差=|aーβ|度 ディスプレイ 左目用映像 右目用映像 左目用映像 右目用映像 左目用映像 右目用映像 輻輳角β度 輻輳角β度 輻輳角β度 左目 右目 左目 右目 左目 右目 輻輳角α度 視距離が同じでディスプレイサイズが大きくなった場合 視距離が同じでディスプレイサイズが小さくなった場合 輻輳角aが減少 視差減少 飛び出し小 輻輳角Aが拡大 視差拡大 飛び出し大
<GL15>ディスプレイの後方へ表示している場合、視距離に関わらず サイズが大きくなると右目と左目が開散方向となる恐れが サイズが大きくなると右目と左目が開散方向となる恐れが あるので特に注意が必要。<GL12>参照 理由:人の目は外側には開かないので融合せず、眼精疲労を引き起こす。 左目用映像 右目用映像 左目用映像 右目用映像 ディスプレイ ディスプレイ ディスプレイサイズを大きくすると右目と左目が開散方向になることがある。 右目 左目 右目 左目
<GL16>快適に見られる奥行き範囲を超えてコンテンツを表示しないこと。 理由:奥行きを認知メカニズムとの整合。眼は、ディスプレイ面にピントを合わせる。両眼視差(左右の目で微妙に異なる映像を見ること)により、脳はディスプレイ面とは異なる奥行きのところに物を認知する。この差が大きいと、不快感を生じさせると言われる。立体を「快適に」楽しめる奥行き範囲が存在する。 表示するコンテンツを、この奥行き範囲内に収め、不快感を起こさせないことが、重要である。 次ページの結果と下記グラフより融合限界は2度前後、快適範囲は1度程度以下と推定される。
原理:左右カメラ間距離を制御、撮影対象のシーンの奥行きをディプレイ上の 快適表示奥行き範囲に収められるよう、奥行きを「圧縮」する。 参考 推奨奥行き範囲内に立体を表示する方法 原理:左右カメラ間距離を制御、撮影対象のシーンの奥行きをディプレイ上の 快適表示奥行き範囲に収められるよう、奥行きを「圧縮」する。 ディスプレイの快適表示奥行き 被写体の奥行き
悪影響の症状とメカニズムおよび映像の物理特性 立体視疲労の症状と映像の物理特性 立体視における視覚疲労の症状 眼精疲労 自覚症状:目が疲れる、目が重い、二重に見える、目が乾く、頭が重い、頭が痛い、肩こり、 肩が痛い、背中が痛い、吐き気がする、めまいがする 他覚的評価:融合限界頻度CFF 、視機能(調節機能、輻輳機能)、視覚誘発電位 見えの不自然さ 箱庭効果 、書割効果 、画枠歪 、鉛直奥行き傾斜現象 、垂直視差 、 運動視差 、視覚負担 立体視における視覚疲労のメカニズムと映像の物理特性 左右像の幾何学的ずれ 左右像の光学的特性の差 両眼水平視差 調節・輻輳の矛盾 映像の歪