4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培

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1 II マクロ経済学のデータ. 2 第5章 国民所得の測定 マクロ経済学とは 国内総生産 = GDP ( Gross Domestic Product ) – 社会の経済的福祉を測定する尺度の1つ ミクロ経済学とマクロ経済学の違いについては、 pp. 40 – 41 も参照.
ウガンダにおける JICA の農業・農村開発 ネリカ米振興プロジェクトはウガンダ経済発展の起爆剤になりうるか? SOGAWA YUKA.
経済の仕組みと経済学. 経済学とは 「経世済民」経済 世の中を治め、民の苦しみを救うこと 人々が幸せに暮らすためのしくみでありその活動 = 経済学とは: 「希少な資源を競合する目的のために, 選択・配分 を考える学問」 2.
運動の重点推進事項(期間:10年間) (1)普及啓発 (2)資源循環システムづくり (3)土壌診断の実施 (4)環境にやさしい農業技術の実証・普及 (5)「有機の郷づくり地域」の拡大 1.
金融経済論(小川英治) 1 企業の金融活動. 金融経済論(小川英治) 2 企業の意思決定 企業は、第一段階で投資額を決定する。 第二段階で、企業は、どのように資金 を調達するか、資金調達を決定する。
なぜ貧しい国はなくならないのか 第4章 飢餓は是が非でも避けた い 堀佑太. 第1節 経済発展と農業問題 第一の農業問題 食糧不足 人口増加により未開の耕地が減少、また畑の休閑 期間が短くなり、土地の肥沃度が減少する にもかかわらず、生産性を上げる技術が開発され ないと食糧不足が起こる.
経営の科学 第 6 回 社会工学域 竹原 浩太. 今後の予定 10/22 企業金融とは何か(今回) 10/29 企業の資金調達の多様化 11/5 企業の最適資本構成 11/12 信用リスク 11/19 期末試験.
ミクロ経済学 (7) 企業と資金調達 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015 年 6 月 29 日.
経営の科学 第6回 社会工学域 竹原 浩太.
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問題の 原因 → 結果 → 現地での対策構想 化学物質の投入 森林の消失.
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(アグリビジネス事業プラン) テーマ:                         企業名等: 役職・氏名: 1.
     民族文化と開発の矛盾 ー青海省におけるチベット族の事例を中心としてー    人文社会科学研究科地域政策科学博士後期課程1年                  韓 霖.
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第1章 国民所得勘定.
農業参入計画書 株式会社○○ ○○年○○月○○日.
デフレの正体 第11講 「労働者ではなく外国人観光客 ・短期定住客の受入を」
東南アジアの伝統農法 農耕の型 p27~p35 3種類の米耕作 焼畑農業 氾濫での直播 苗(稲)を鋤かれた、あぜがある田圃に移植する
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第7章 途上国が「豊か」になるためにすべきこと
筑波大学社会経済特別講義 アフリカ経済発展の諸問題 2004年秋 第5講: アフリカ農業 (国際開発高等教育機構・政策研究大学院大学)
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マクロ経済学初級I 第5回講義.
世界金融危機とアジアの通貨・金融協力 日本国際経済学会関東支部研究会2010年1月9日.
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経済学入門7 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2007年6月8日
キーワード 絶対的な貧困 相対的な貧困 伝統社会 誘発されるニーズ 干渉主義(外からの干渉) 1
導入段階.
国際分業と途上国の経済 先進~後進国関係の背景
<キーワード> 平均収入、限界収入 サンクコスト(埋没費用)
図3 地球環境変動の中核的課題と動向 自然圏(Natursphäre) 人類圏(Anthropophäre) 生物圏 大気圏 水文圏 土壌圏
第13章 観察された行動からの評価  その他の顕示選好法 政策評価(06,12,08)三井.
国家構築の際におけるタイの「標準化」、 国民の統一化
生き方を取り戻したタイ農民:内部的開発 筆者(岩崎美佐子)の経験からの観察や示唆 I: 「地域の人による地域の開発」 =内発的な開発
PESの有効性 交通班 石井 板倉 斎藤 佐藤 .
循環構造 民間部門経済循環の流れ circular flow 家 計 企 業 (価格メカニズム) 市場機構 が働く p p 消費財市場 y
ジャストインタイム農業システム (JITAS; Just In Time Agriculture System)
8. 顕示選好法1 市場類似法、トラベルコスト法など 仮想評価法 (CVM) Contingent Valuation Methods
協同組合とは 協同組合は法人格を持った,現代経済社会における重要な経済主体である
(~浮立の里~江里桜の農地を守りながら更なる農地集積を目指す)
耕作放棄地を活かして地域を元気にしよう!
様々な研究プロジェクトに参加したい学生の準備
古典派モデル(1) 基本モデル 生産要素市場の均衡(労働市場,資本市場) 生産関数 消費関数,投資関数 財市場の均衡 政策の効果
安全な農作物生産管理技術と トレーサビリティシステムの開発
産地パワーアップ事業の取組事例 (北海道)
企業ファイナンス 2009年10月28日 資本コスト 名古屋市立大学 佐々木 隆文.
経済学入門 ミクロ経済学とマクロ経済学 ケインズ経済学と古典派マクロ経済学 経済学の特徴 経済学の基礎概念 部分均衡分析の応用.
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4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 パーカム村の歴史  1970ころ 森林を切り開いて自発的な入植開始   76   タイ政府による定住(土地なし農民の 強制移住)開始 94   農業・農協銀行(国立)の融資開始 (農村開発政策の本格化) 96   県シードセンター(農業・農協省の支部)      による大豆栽培奨励

4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 森林開拓地への移住   一世帯1.2haの土地配布(この地方では少ない)   水稲耕作に向かない土地…米の収穫低迷   灌漑のない天水田…気候変動の影響が大きい    ⇒米単作では生活できず、季節労働が盛ん 新品種の大豆   大豆油の採取用⇒自分では消費できない   県シードセンターの一元管理(品種改良実験)    作付け、農薬や肥料の投入、収穫、販売まで

4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培

4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 作付け:シードセンターの配布する種子を7月(雨季の初め)に購入、作付け  *最初の年(1996)の土地、種子、農薬、肥料代   …一世帯あたり2~4万バーツ借金(年利13%)   その後は毎年2,000バーツ程度の農薬、肥料、種子投入+雇い入れ費用 栽培:品種改良の栽培実験なので、毎月シードセンターの職員が視察

4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 販売:10月(雨季の終わり)、シードセンターの職員が買いつけ   皮むき(90バーツ/100kg)、選定(5バーツ/100kg)の費用を農民が払う   →シードセンターの基準に合えば販売(1000バーツ/100kg)   売れ残った分は市場でもっと安く販売   =実験のリスクは農民が負う

4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 4.意思決定の問題 タイ東北部、コンケーン県パーカム村の大豆栽培 (単純計算)最初に2万バーツ借りた場合  費用:利子2600+生産費用2000=4600バーツ  利益:100kgあたり905(1000-100-5)バーツ            510kg売れば毎年の費用を回収 (実例)年に3万バーツの売り上げ…3年目以降収穫が減り、1万バーツ以下の時も   +支出の増加(肥料や人件費の高騰)   →「最初の借金が返せない」…出稼ぎ再開 …「市場価値」の基準で見ても「開発」に失敗

5.まとめ:「緑の革命」の思想的な背景と社会的効果  人々の「貧困」「低開発」としての抽象化    単一基準=市場価値による地域の文脈からの切断   →「経済開発の対象」としての農民  外部投入への依存=市場への依存    →農民からの意思決定権の剥奪