環境税 熊野雄太
目次 産業別のCO2排出量 森林などによるCO2吸収量 環境税関連の資料
1、産業別のCO2排出量 独立行政法人国立環境研究所 温室効果ガスインベントリオフィス(環境省のデータベースのページから) 独立行政法人国立環境研究所 温室効果ガスインベントリオフィス(環境省のデータベースのページから) 「日本の温室効果ガス排出量データ (1990~2009年確定値)」 Excel 内容 部門別、産業別、排出源別、一人当たり、GDP当たりのCO2排出量 CO2以外の温室効果ガスの排出量 など
基本的に燃料の燃焼によるCO2排出を考える。 窯業土石、化学に関しては工業プロセスで出るCO2も計算に入れる。 産業の区分 基本的に燃料の燃焼によるCO2排出を考える。 窯業土石、化学に関しては工業プロセスで出るCO2も計算に入れる。 農 林 水 産 鉱 業 建設業 食料品 パルプ紙板紙 化学繊維 石油製品 化 学 ガラス製品 窯業土石 鉄 鋼 非鉄地金 機 械 重複補正 他業種・中小製造業
統計方法について 計算方法によって排出量が異なる 直接排出量 間接排出量 その産業が直接排出した量 直接排出量に加え、エネルギー供給元での発電や発熱の際の排出量を各産業のエネルギー使用量によって振り分けたもの 計算方法によって排出量が異なる
産業の排出合計(工業プロセス含む)約3億6000万トン 全排出量に占める割合32%
産業の排出合計(工業プロセス含む)約4億3000万トン 全排出量に占める割合37%
鉄鋼 窯業土石 他業種、中小企業 化学 1990~2009年のCO2排出推移(間接排出)
2、森林などによるCO2吸収量 「日本温室効果ガスインベントリ報告書」2011年4月 温室効果ガスインベントリオフィス 吸収量を測る指標 LULUCF(Land Use, Land-Use Change and Forestry) 土地利用、土地利用変化及び林業分野の総称 森林や新規植林などの土地利用の変化からCO2吸収量を計算する 吸収だけでなく排出も含まれる 算出値は不確実性が高いと言われている
LULUCFの分類と2009年度の吸収・排出量 排出源 吸収・排出量 森林 -73668 農地 265 草地 -276 湿地 23 開発地 千トンCO2換算 排出源 吸収・排出量 森林 -73668 農地 265 草地 -276 湿地 23 開発地 816 その他の土地 1.049 その他 268 合計 -71523
日本の全排出量と吸収量の関係 1990 1995 2000 2005 2007 2008 2009 排出に対する吸収の割合 -6.097% -6.661% -6.974% -7.040% -6.461% -6.455% -6.249%
1990~2009年の推移
3、環境税関連の資料 経産省 環境省 中央環境審議会 総合政策・地球環境合同部会 中央環境審議会 総合政策・地球環境合同部会 グリーン税制とその経済分析に関する専門委員会 H.20~22 全9回 環境税の経済分析に関する専門委員会 H.17 全8回 地球温暖化対策税制専門委員会 H.13~15 全14回 地球環境税等研究会 H.20~21 全4回 その他資料 「環境税の具体案」 H17~23 「税制改正要望の結果」 H17~23 経産省 産業技術環境局 地球温暖化対応のための経済的手法研究会 H20~21 全10回 中間報告
「環境・持続社会」研究センター JACSES Japan Center for a Sustainable Environment and Society 炭素税研究会 JACSES、気候ネットワークなどのNGO、研究者、税理士、企業人などで構成された団体
「アジア太平洋統合モデル」 「グリーン税制とその経済分析に関する専門委員会」 H.20~22 全9回 経済分析によく用いるモデル AIM(Asian-Pacific Integrated Model) 「アジア太平洋統合モデル」 国立環境研究所と京都大学が共同開発 温室効果ガスや気候変動の推定から政策を評価する
1,将来の社会経済シナリオ 2,必要なエネルギーサービス 3,新機器・技術、エネルギー種の決定 他には、「AIM技術選択モデル」 いくつかのシナリオに対して、新機器導入の初期費用と3年間の運転費用が最小になるように決定される シナリオの種類 現状維持、環境税、補助金など 例として 1,将来の社会経済シナリオ 2,必要なエネルギーサービス 3,新機器・技術、エネルギー種の決定
2、価格弾力性 燃料の価格上昇が消費に与える影響について 「エネルギー需要の弾力性推定」 対象 産業、貨物運輸、旅客運輸、業務、家庭の5部門 データ 日本エネルギー経済研究所「エネルギー経済・統計要覧」 推定方法 シラー・ラグ分布を用いた最小2乗法でエネルギー需要関数を推定し、そこから短長期の弾力値を推定
短期 長期 メディアンラグ(年) 産業 -0.052 -0.525 4 貨物運輸 -0.047 -0.303 旅客運輸 -0.174 結果 エネルギー価格1%上昇に対するエネルギー需要の変化率 短期 長期 メディアンラグ(年) 産業 -0.052 -0.525 4 貨物運輸 -0.047 -0.303 旅客運輸 -0.174 -0.491 5 業務 -0.145 -0.500 家庭 -0.268 -0.287 短期…価格が上昇した年度の値 長期…価格効果が全て出た時の値(0年目からの合計) メディアンラグ…価格効果が50%超となる年数
環境税が持つ効果は長期的 京都議定書の目標達成には高税率が必要 考察 短期の弾性力は長期に比べて小さい →課税による効果は長期的に出る →課税による効果は長期的に出る 部門によって効果の出る期間が異なる →エネルギーの直接使用(家庭)と使用機器の省エネ化(企業)による違いか 環境税が持つ効果は長期的 京都議定書の目標達成には高税率が必要
3、環境税による効果 価格効果 財源効果 アナウンスメント効果 環境ビジネス開拓
環境ビジネス開拓 価格効果 アナウンスメント効果 財源効果
4、その他考える点 製造業におけるエネルギーコストの割合 工場の海外移転 「炭素リーケージ」 税の名前も重要? エネルギーコストだけが原因ではない。為替、賃金、製品需要、インフラ整備なども要因。 「炭素リーケージ」 ある国で排出削減された結果、他の国での排出量が増えること 税の名前も重要? 単なる増税というイメージだと納得できない 環境のためという意識が必要