地域におけるICT展開の課題と展望―ICTを用いた安心と安全の確保― ニューメディア研究会 2013.04.15 (株)地域・技術経営総合研究所 (株)多夢 中原 新太郎
0.1.地域・技術経営総合研究所とは 地域と技術経営を扱う コンサルティング企業です。 地域経営も技術経営(MOT)の手法を援用します。 コンサルティング企業です。 地域経営も技術経営(MOT)の手法を援用します。 ポリシー 頑張る人と地域の応援団 地域活性化と企業経営のゴールキーパー 税引き後利益の10%を社会貢献へ 地域・技術経営総合研究所 : 地方自治体、一般企業対象 多夢←NPO、ベンチャー企業対象
0.2.代表者:よろずサポーターとして16年の実績 震災復興 地域活性化 地域情報化 起業支援 経営と技術両方 の学術団体で 役職を経験 毎年上記学術 団体にて、ほぼ 毎年シンポジウムを開催 盛岡市石割桜 2
0.3.自然災害の度にお手伝い(復興支援)16年 災害発生の度に、その教訓とICT進歩で、対応が進化 ・1995年:阪神・淡路大震災→パソコン通信+スニーカーネット (死者:6,434名 行方不明者:3名 負傷者:43,792名) 課題・教訓:電話の輻輳、安否確認・生活情報提供の必要性 ・2004年:新潟県中越地震→ 緊急地震速報、GIS、無線LAN 課題・教訓:速報システム、映像情報の重要性認識(しかしシステム貧弱) ・2007年:新潟県中越沖地震→緊急地震速報、BCP(事業継続)(←リケン工場被害)、 コミュニティFM (日経地域情報化大賞2007特別賞) (部品工場被災、死者15名 負傷者2345名 ) 課題・教訓:複数機関(警察・消防・防衛・県庁)での情報共有の重要性 ・2009年:台風9号→ 地域SNS、SNSコミュニティ (兵庫県の佐用町、穴粟市中心に多数の家屋が床上浸水、倒壊) 課題・教訓:SNSによるコミュニティ力回復で被害の局限化/復旧加速 3
目次 1.はじめに 2.なぜ、安全・安心とICTなのか 3.自然災害とICT:教訓と課題 4.重大事件とICT:教訓と課題 5.総務省、自治体の取組 6.これからの安全・安心対応のICT -期待される公共ブロードバンド移動通信システム- 7.まとめ 参考資料[大安協と、その成果の御紹介] 参考文献
1.はじめに:1995年から18年 1995年は平成日本の防災の一大エポック 自然災害 1/17:阪神・淡路大震災(大都市圏直下型地震) 自然災害 1/17:阪神・淡路大震災(大都市圏直下型地震) 事件・事故 3/20:地下鉄サリン事件(世界初の都市型毒ガステロ) ↓ 少子高齢化だけでなく、災害・事件についても日本は「課題先進国」 多発する災害に鍛えられた高度先進技術の応用と運用 日本の経験と日本発のICTによる対策を世界へ提供 世界に貢献できるのは環境技術だけではない。 世界に提供できるソフトもゲーム・アニメだけではない。 対策:技術+人・組織の対応(ソフト)
2.なぜ、安全・安心とICTなのか 社会環境の変化:災害の質の変化と劇場型事件の増加 ICT技術の発達:一部の専門家の世界→利活用の多様化 防犯カメラの活用 地域SNS(ひょこむ、はまっち、大津SNS等)/mixiのコミュニティ 電子メールの活用など ICTをテコにした組織間の壁を打破した防犯体制へ 学校、PTA、自治会、警察、地元企業などが瞬時にやりとりできる 作法を決めておく必要があるが、決めておけば、 組織の長を通さなくても、現場同士でやりとりできる
2.1.社会環境の変化 by大安協(一部加筆) 犯罪に対する住民の不安増大 90年代後半から犯罪認知件数は増大 犯罪件数:95年:178万件、03年:279万件、08年:182万件 検挙率:95年の42.2%か。03年の23.2%まで低下 なお、02年からは改善、犯罪件数も03年がピーク(警察白書) 自治体財政の緊迫化 ICT活用によるコストダウンと選択による受益 NPO、コミュニティーと行政、産業界との連携 コミュニティーの力の衰退 核家族化 単身世帯の増加(独身者、独居高齢者) (自営ではない)共働きの増加 近所の気配のしない住宅(気密性増大、壁の遮音性向上、高層住宅) →不安な状況の進展に対し、コミュニティーの力が発揮できない
2.2.技術の発達と社会構造 by大安協(一部加筆) ICTの発達と普及 パソコンの普及 インターネットの普及 RFID(無線ICタグ)の進化と普及 通信容量の増大と低廉化 モバイル通信・機器の普及 カメラ、センサー、表示装置の低廉化 GPSなどの位置情報測定技術:高度化と低廉化 GIS(地理情報システム):同上 社会の組織構造の変革 地域社会に混在する性格の異なる組織間の連携構造 =多様な主体が安全・安心まちづくりという目的で結集できる 既存の縦割り型情報システムの壁を撤廃するポテンシャル 組織の壁を超える動き 技術スタッフとしてのNPOなどの発達(地域SNS/IX、FM局の運用)
2.3. 縁by大安協 縁(しょくえん)=地縁=コミュニティ =地面に打つ「くい」 織縁=同じ企業やNPOに属する 職縁=同じ仕事をしている 識縁=同じことに興味がある 幟縁(しえん)=ICTの支援で結集できる同じバナー(幟)のもとに集う(この指とまれ)ソサエティ 近世まで縄張りといえば、地縁中心主義のことだったが、近代は縄張りに対する横串 だったはずの職能系列などを縦割りと呼ぶ 幟(のぼり、シ)=志(2) 志(1)=こころざし 志(2)=しるし
3.自然災害とICT:課題と教訓 災害発生の度に、その教訓とICT進歩で、対応が進化 ・1995年:阪神・淡路大震災→パソコン通信+スニーカーネット (死者:6,434名 行方不明者:3名 負傷者:43,792名) 課題・教訓:電話の輻輳、安否確認・生活情報提供の必要性 ・2004年:新潟県中越地震→ 緊急地震速報、GIS、無線LAN 課題・教訓:速報システム、映像情報の重要性認識(しかしシステム貧弱) ・2005年:スマトラ沖地震→特定非営利活動法人BHN(Basic Human Needs 1992年設立) を経由した業界団体(CIAJ)主体の支援 (通信業界OBからなるスタッフを派遣、救援チームのための無線 通信網と被災者のためのFM放送局構築+FMラジオ16千台寄贈) 課題・教訓:日本の社会システムは世界に通用、人というソフトの強さ ・2007年:新潟県中越沖地震→緊急地震速報、BCP(事業継続)(←リケン工場被害)、 コミュニティFM (日経地域情報化大賞2007特別賞) (部品工場被災、死者15名 負傷者2345名 ) 課題・教訓:複数機関(警察・消防・防衛・県庁)での情報共有の重要性 ・2009年:台風9号→ 地域SNS、SNSコミュニティ (兵庫県の佐用町、穴粟市中心に多数の家屋が床上浸水、倒壊) 課題・教訓:SNSによるコミュニティ力回復で被害の局限化/復旧加速