航空システム 青山幹雄:情報技術と航空の共進化:グローバルな航空ITネットワークの形成,情報処理,vol.44,No.12(2003)
エレベータ群管理 廣田薫編著:「ファジイ技術の実用化応用:第9章ファジイルールベースを用いたエレベータ群管理」,シュプリンガー・フェアラーク東京,1992
エレベーターの各種専門家たちの知識を生かした群管理。それを可能にしたのがAI技術のひとつ、エキスパートシステムです。コンピューターに、専門家の持つ知識や経験などを知識データとして記憶。逐次入力される状態データと合わせて推論し、問題解決を図ります。さらに、従来のソフトウェア技術では取り入れることが困難だった、断片的な知識や、あいまいな知識までも「ファジー理論」を応用して移植。専門家たちが考えるのと同じように群管理します。 http://www.mitsubishi-elevator.com/jp/html/product/manage_sys/index.html
すべての乗客のイライラをなくす、人間的な群管理。そのために採用したのが心理的待時間評価方式です。物理的な待時間を、待つ人が心理的に感じる時間に変換。さらに、待時間だけでなく、満員による通過確率、乗場ボタンからの距離、乗車時間、かご混雑度、インジケータを見たときの心理などを心理的待時間に換算して、その和で評価する多目的制御方式をとっています(評価項目は群管理方式、乗場表示器具により異なります)。エレベーターを利用するすべての人のイライラが、最小になるようにサービスします。
現時点の状況のみならず、将来のかご位置や呼び発生を予測し、現時点から近い将来にわたり最適なサービスを行います。図の例で、10階の下り呼びAが登録されると、従来方式では全部のかごの中で評価値が最小となる4号機が割り当てられます。しかし、そうすると上方階に3台ものかごが集中し、下方階のサービス低下が考えられます。この場合下記のルールを適用して割り当てると、近い将来上方階にかごが集中する可能性の高い2号機と4号機以外のかごの中から、評価値の最も良いかご(3号機)を割り当てます。2号機と4号機を温存したため、10階の下り呼びの待時間は若干長くなりますが、近い将来まで考えた全体的な待時間を短縮できます。 サービスが完了したかごに対しても、将来のかご位置や呼び発生を予測し、呼びが長待ちにならないような位置にかごを待機させます。(大局観分散待機動作)
行先予報システム 玄関階などの混雑階に乗場操作盤を設けて、行きたい階のボタンを押すと、サービスするエレベーターをボタンのすぐ横に表示し、どのエレベーターに乗れば良いか簡単に確認できるシステムです。 混雑階では行先予報システムにより利用客を行先階別に分け、混雑を最小限にするとともに乗車時間を短縮しますので、特に混雑時における群管理性能が向上します。 また、行きたい階の呼びは自動的に登録されますので、乗車後にエレベーター内で行先階ボタンを押す必要はありません。