ロコモ度判定法 策定の背景 氏名:●●● ●●● (所属:●●●●●●).

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ロコモ度判定法 策定の背景 氏名:●●● ●●● (所属:●●●●●●)

平均寿命と健康寿命の差 80.21 71.19 86.61 74.21 健康寿命 平均寿命

■ 要支援・要介護の原因 骨折 関節系疾 患 脊髄損傷 平成25年厚生労働省 国民生活基礎調査より改変

国民の有訴率 出典:平成22年国民生活基礎調査より 65歳以上を参照

一方、国民の“運動器”への認識は低い状況にある ◆各器官の意味を知っていた方の割合 % 77.8% 76.3% 75.2% 70.6% 40.8% 運動器 循環器 泌尿器 消化器 呼吸器 「ロコモティブシンドローム」2014年3月認知度調査より

運動器への意識・関心を高め、 運動器障害を予防・改善することで 日常生活が制限される人を 減少させることが必要 健康寿命延伸のポイント 運動器への意識・関心を高め、 運動器障害を予防・改善することで 日常生活が制限される人を 減少させることが必要

ロコモティブシンドローム ロコモの定義 運動器の障害のため移動機能の低下をきたした状態のこと。 (略称:ロコモ) (和名:運動器症候群) 運動器の障害のため移動機能の低下をきたした状態のこと。 進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。 2007年、日本整形外科学会が超高齢社会を見据え、提唱 市民の方々の運動器への関心を高め、 ロコモ予防することを通じ、健康寿命の延伸に寄与する

ロコモの定義 Locomotive (自ら移動できる)

ロコモ 健康日本21(第二次)への採用 80% 240人 340人 現状 平成26年 36.1% 目標 平成34年 現状 平成22年 男性 ロコモ 健康日本21(第二次)への採用 2013年4月から開始した、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な指針、 『健康日本21(第二次)』において、目標項目として設定され、重点目標である 『健康寿命延伸』への貢献が期待されている 目標①:ロコモティブシンドロームを認知している国民の割合の増加 現状 平成26年 36.1% 目標 平成34年 80% 目標②:足腰に痛みのある高齢者の割合の減少(千人あたり) 現状 平成22年 男性 265人 女性 371人 目標 平成34年 男性 240人 女性 340人

ロコモの予防、ロコモに 当てはまる人の悪化の防止が必要 予防医学的見地から ロコモを判別することが必要 健康寿命延伸のポイント ロコモの予防、ロコモに 当てはまる人の悪化の防止が必要 予防医学的見地から ロコモを判別することが必要

予防医学的見地によるロコモ判別 ロコモの予防、対処、予後について判定を行う際の基準となる値 =「臨床判断値」が必要

2025年問題

2025年問題 2025年問題が差し迫る今こそ、 ロコモを判別する 「臨床判断値」が必要

ロコモ度テスト(日本整形外科学会 2013年発表) 幅広い年齢におけるスクリーニングが必要 客観的指標による評価(移動能力の数値化)を実施 若いうちから運動器の重要性を知ってもらうことの大切さ

将来ロコモとなり得る可能性を判定するもの ロコモ度テスト(日本整形外科学会 2013年発表) 現在の移動能力を ①立ち上がりテスト…下肢筋力  ②2ステップテスト…歩幅 ③ロコモ25…身体状態・生活状況 の3つのテストで測り、そのテスト結果を、 年代平均値と比較することで、 将来ロコモとなり得る可能性を判定するもの

ロコモを判別する「臨床判断値」 ロコモ度テストによる ロコモ度判定

ロコモ度テストによる ロコモ度判定法の詳細について 氏名 ●●● ●●●  (所属 ●●●●●)

臨床判断値とは 疾患や病態の予防、治療、 予後などについて 判定を行う際の基準となる値

年齢別の割合(立ち上がりテスト) 臨床判断値ではない

年齢別の平均(2ステップテスト) 臨床判断値ではない

! ロコモ度テストを使用した 臨床判断値が必要

ロコモ度テスト  立ち上がりテスト   2ステップテスト  ロコモ25 1 2 3

 立ち上がりテスト 1 …下肢筋力

体重支持指数(weight bearing index WBI)  =大腿四頭筋筋力/体重 平地歩行には40%、軽い運動には60%必要 黄川1991 階段を手すりなしで上れる人 : 67.5± 17.5%   手すりが必要な人 : 39.9± 8.9% 村永2001

立ち上がりテストとWBI 村永 信吾 Prog. Med 30:3055-3060 より引用

 2ステップテスト 2 …歩幅

身長158cm 2歩幅 210cm   ・・・ 2ステップ値 210÷1 58 =1.33 

歩幅と歩行速度 歩行速度=歩調×歩幅 高齢者の歩行速度の減少は、 歩調は不変で歩幅が減少することで生じる

2ステップ値と歩行速度 村永 信吾 Prog. Med 30:3055-3060 より引用

専門家の観察から 膝を曲げ身体を沈めながらの大股歩行の 2ステップ値は1.3以上 足でけりだしながらの大股歩行の 2ステップ値は1.1以上 1

 ロコモ25 3 …身体状態・ 生活状況

・25項目の自記式質問票 ・1問ごとに5つの選択肢 ・選択肢に0~4点が配点 ・合計点(0~100点)で評価 ・点数が低いほど良好

運動器に関わる身体・生活状況を評価します 25問の各選択肢の合計点数で 運動器に関わる身体・生活状況を評価します 0点 1点 2点

「ロコモ25」の困難さの 出現には順序性がある

ロコモ25区分における25項目の困難さの出現率 ロコモ25 区分(総点) 区分1 区分2 区分3 区分4 区分5 区分6 区分7 0-6 7-15 16-23 24-32 33-40 41-49 50-100 トイレで用足しをするのが困難である 0% 2% 13% 10% 32% 52% 73% 隣・近所に外出するのが困難である 25% 36% 74% 78% 100% 風呂で身体を洗うのが困難である 3% 33% 55% 81% 82% 外に出かけるとき、身だしなみを整えるのが困難である 5% 31% 56% 86% 家の中を歩くのが困難である 46% 71% 95% シャツを着たり脱いだりするのが困難である 9% 21% 70% 家の軽い仕事が困難である 8% 49% 91% ズボンやパンツを着たり脱いだりするのが困難である 51% 58% 85% 電車やバスを利用して外出するのが困難である 11% 59% 93% 親しい人や友人との付き合いを控えている 6% 16% 38% 54% 68% ベッドや寝床から起きたり、横になったりするのが困難である 18% 50% 64% 84% 腰かけから立ち上がるのが困難である 20% 62% 87% 96% 家の中で転ぶのではないかと不安である 77% 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である 17% 28% 普段の生活でからだを動かすのが辛い 66% 89% 家のやや重い仕事が困難である 41% 72% 90% 97% 地域での活動やイベント、行事への参加を控えている 44% 69% 79% 94% 背中・腰・お尻のどこかに痛みがある 61% 休まずにどれぐらい歩くことができるか 急ぎ足で歩くのが困難である 22% 92% 頚・肩・腕・手のどこかに痛みがある 67% 先行き歩けなくなるのではないかと不安である 階段の昇り降りが困難である 19% 88% スポーツや踊りが不安である 下肢のどこかに痛みがある 資料)岩谷力 Bone Joint Nerve 4(3), 2014 のロコモ25項目の最良回答選択率の資料から、許可を得て出現率を算出し作成

ロコモ25による重症度区分 区分1(0-6点): 区分2(7-15): 区分3(16-23): 区分4(24-32): 区分5(33-40): 区分6(41-49): 25項目中のいずれの項目でも困難さを自覚する人が50%を超えない区分 身体の疼痛、急ぎ足で歩く、階段昇り降り、休まずに歩く、で困難さを自覚する人が50%を超える区分 2kgの買い物、家の重い仕事、地域での催し物への参加を控える、で困難さを自覚する人が50%を超える区分 腰掛から立ち上がる、電車やバスで外出する、で困難さを自覚する人が50%を超える区分  風呂での洗身動作、衣服の着脱、室内歩行、隣近所への外出、で困難さを自覚する人が50%を超える区分 トイレ動作で困難さを自覚する人が50%を超える区分

区分2(7-15点) :移動機能低下が始まっており、対策           が勧められる 区分3(16-23点):移動機能低下がすすんでいるが、           生活は自立している 区分4(24-32点):要支援状態相当 16点は別研究での整形外科専門医の判断による特定高齢者相当の者(星野ほか 2011),(Seichi A, et al. 2012)の基準と一致している

ロコモ度テストの臨床判断値 ロコモ度テストは2013年に公表されたばかりなので、 現在までのところロコモ度テストを用いた 要介護サービスを受けることを エンドポイントとした縦断的研究結果はない (数年のうちには研究結果が出る見込みではある)

地域住民コホート縦断研究 65歳以上の一般地域住民が平均4年後に 要介護サービスを受給するようになる 予測因子

椅子立ち上がり時間が長くかかる 通常歩行速度(m/秒)が遅い 要介護の予測因子 1 2 (椅子から5回立ち上がるのに要する時間(秒)) Akune T. et al ,2014

そこで、 ロコモ度テストによる判断値を設定すると 縦断研究で要介護サービスを受給するようになることの 予測因子であることがわかっている ①椅子立ち上がり時間が長くかかる ②通常歩行速度が遅い と関連があるか?を地域住民コホートで検証

40㎝の高さから立てない 1.3未満 7点以上 ロコモ度1 どちらか一側でも片脚で 整形外科専門医が、移動機能低下が始まっていると判断する段階 どちらか一側でも片脚で 40㎝の高さから立てない 立ち上がりテスト 1.3未満 2ステップテスト (膝を曲げ身体を沈めながらの大股歩行が困難) 7点以上 ロコモ25

20㎝の高さから立てない 1.1未満 16点以上 ロコモ度2 (足でけりだしながらの大股歩行が困難) 整形外科専門医が、生活は自立しているが移動機能低下が 進行していると判断する段階 両脚で 20㎝の高さから立てない 立ち上がりテスト 1.1未満 2ステップテスト (足でけりだしながらの大股歩行が困難) 16点以上 ロコモ25

ロコモ度1 ロコモ度2 ①椅子立ち上がり時間 (椅子から5回立ち上がるのに要する時間(秒)、 FTSST(five times sit to stand test))が長くかかる ②通常歩行速度(m/秒)が遅い の関連性の有無を検討 ロコモ度1 ロコモ度2

検討結果

ロコモ度1 ロコモ度2 とも 歩行速度<0.8m/秒、FTSST>12秒に対して、 3つのテストの判断値は それぞれが独立した因子として有意に関連 該当数が増える毎にその関連性は強くなる (ロコモ度1のFTSSTの該当数1を除く) ロコモ度2のほうがロコモ度1より関連性が強い

ロコモ度2 ロコモ度1 ロコモ度2 とも 縦断研究で要介護サービスを受給するようになることの 予測因子であることがわかっている ①椅子立ち上がり時間が長くかかること ②通常歩行速度が遅いこと に対して、 3つのテストの判断値は十分な関連性を 有していると判断した

ロコモを判別する 「臨床判断値」として妥当 ロコモ度1 ロコモ度2 は ロコモを判別する 「臨床判断値」として妥当

ロコモ度テストによるロコモ度判定法

ロコモ度による対策 ロコモ度1 ロコモ度2 「ロコモ度1」は、移動機能の低下が始まっている状態です。加齢に伴って筋力や バランスが落ちてきている可能性があるので、ロコトレ(ロコモーショントレーニング) を始めとする運動を習慣づける必要があります。また、十分なたんぱく質とカルシウム を含んだバランスの取れた食事を取るように気を付けましょう。 ロコモ度2 「ロコモ度2」は、移動機能の低下が進行し、自立した生活ができなくなるリスクが 高くなっている状態です。特に痛みを伴う場合は、何らかの運動器疾患している 可能性があるので、整形外科専門医の受診をおすすめします。

ロコモ度テストの臨床判断値設定により ロコモの予防、対処の目安ができる ロコモの予後予測ができる !

ロコモ度の臨床判断値を用いた ロコモの予防、悪化の防止へ

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