「歌舞伎におけるスター広告戦略」 ~江戸より現代へ~ 1DS04178T 佐伯絵里加 所属:大島研究室
はじめに 江戸時代において誕生した広告方法を、深いつながりのあった歌舞伎を中心に調査し、 江戸時代において誕生した広告方法を、深いつながりのあった歌舞伎を中心に調査し、 現代の歌舞伎俳優の活躍と合わせて、歌舞伎が生み出してきた広告的側面とその可能性を述べる。
卒業論文構成 序論 第一章 江戸に形成される町人文化 第一節 消費都市への成り立ち 第二節 江戸で華開く文化 第三節 商業の発展と広告 序論 第一章 江戸に形成される町人文化 第一節 消費都市への成り立ち 第二節 江戸で華開く文化 第三節 商業の発展と広告 第二章 歌舞伎と広告 第一節 江戸最大の娯楽『歌舞伎』 第二節 歌舞伎の影響力 第三節 歌舞伎における広告 第三章 歌舞伎俳優のスター性 第一節 人気を誇った歌舞伎俳優 第二節 二代目市川團十郎の生涯 第三節 二代目市川團十郎の広告における貢献 第四章 現代の広告における歌舞伎 第一節 歌舞伎の「今」 第二節 歌舞伎と現代広告:事例研究 結論 脚注・参考文献 図録 謝辞
江戸に形成される町人文化 江戸幕府開闢 商業繁栄 広告メディアの誕生 娯楽文化の繁栄 ※庶民が文化形成の担い手となり、 「意気地」や「張り」を重んじた 「江戸っ子」という美意識が誕生する。 広告メディアの誕生 娯楽文化の繁栄 ※ 引札・本の巻末 (浮世絵などを利用)・・・・etc 歌舞伎・浄瑠璃・川柳・・・・・・etc ※ 歌舞伎は最大の娯楽となる ニュースソース・流行の発信源の役割を担う
歌舞伎における広告 Ⅰ.歌舞伎自体が関わるもの 例:積物 Ⅱ.歌舞伎俳優が関わるもの ① 町中での宣伝(イメージキャラクター) 例:積物 Ⅱ.歌舞伎俳優が関わるもの ① 町中での宣伝(イメージキャラクター) 例:浮世絵などに商品名をさりげなく入れる ② 舞台上での広告(タイアップ広告) a 「劇中広告」 例:助六劇・・・実際に存在する商品や店を登場 させ、宣伝する劇 b 「広告劇」 例:外郎売・・・外郎(薬)の言い立てのみ行い、 宣伝する劇 a 「劇中広告」助六劇 b 「広告劇」外郎売
歌舞伎俳優のスター性 人々に好まれる演技力はもちろん、 流行物を生み出す「歌舞伎俳優」 ⇒ 人々の注目の的 例:二代目市川團十郎 流行物を生み出す「歌舞伎俳優」 ⇒ 人々の注目の的 例:二代目市川團十郎 ・・・初代にも負けず最も多くの作品を初演。 「助六劇」や「外郎売」といった、「タイアップ 広告」を演目に取り入れるなど、歌舞伎界 に革新をもたらした人物。CMタレント第一号。 二代目市川團十郎
歌舞伎が生み出す広告的側面 歌舞伎俳優を利用した広告 = 約300年以上続いた伝統的広告方法 ・現在の例 歌舞伎俳優を利用した広告 = 約300年以上続いた伝統的広告方法 ・現在の例 十一代目市川海老蔵(株式会社伊藤園・ヤマキ株式会社) 二代目中村勘太郎(Timberlandとのコラボレーション)
まとめ ・現在 → 歌舞伎の役割や必要性が変化 歌舞伎俳優 新しい試みにより話題性を作り上げる 歌舞伎という伝統芸能を伝え残す ・現在 → 歌舞伎の役割や必要性が変化 歌舞伎俳優 新しい試みにより話題性を作り上げる 歌舞伎という伝統芸能を伝え残す メディアの多様化に伴い様々なメディア に進出し活躍する 更なる広告への貢献が期待できる 市川海老蔵 (株)ヤマキ 季節の愉しみ篇・冬 (2007年度 秋冬CM) 中村勘三郎 2007年 ニューヨーク公演
参考文献 『目からウロコの江戸時代』武田櫂太郎著(PHP,2003) 『江戸人と歌舞伎』田口章子監修(青春出版社,2002) 『広告で見る江戸時代』中田節子著 林美一監修(角川書店, 1999) 『江戸っ子と助六』赤坂治績著(新潮新書,2006) 『江戸時代の歌舞伎役者』田口章子著(中央公論新社,2002) 『江戸の歌舞伎スキャンダル』赤坂治績著(朝日新聞社,2007) 『江戸事情』第四巻文化編 NHKテーマ別情報部編ヴィジュアル百科(雄山閣出版社,1992)