効率を改善 人工系に接続 CO2還元 ATP生成 低効率 高効率.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
燃料電池、太陽光発電の原 理の現状と問題点の調査 2S12 番 谷藤隆彦 2 S08 番 澤田紘志 監修 木下祥次 エネルギ変換工学 第 11 回講義資 料.
Advertisements

π電子自由自在 -C≡C- ポリジアセチレン ナノワイヤー FET素子 結晶工学 ナノ複合体 結晶内反応 イナミン化合物 環状化合物
地球環境史(地球科学系) 現代地球科学(物理系学科)
科学のおもしろさの中から省エネを考えよう!
医薬品素材学 I 3 熱力学 3-1 エネルギー 3-2 熱化学 3-3 エントロピー 3-4 ギブズエネルギー 平成28年5月13日.
6//24 地球環境と生物のイベント:先カンブリア時代 7/15 地球環境と生物のイベント:古生代
水処理工学(1) 水中の物質変化、水の汚れと富栄養化
化学反応式 化学反応:ある物質が別の物質に変化 反応物 → 生成物 例:酸素と水素が反応して水ができる 反応物:酸素と水素 生成物:水
山口大学大学院理工学研究科 物質工学系学域精密化学分野 山本豪紀
人工光合成へのアプローチと 解決すべき課題 新エネルギー獲得へのアプローチ 太陽電池:Si, 化合物半導体、
光化学 6章 6.1.3 FUT 原 道寛 名列__ 氏名_______.
活性化エネルギー.
地球温暖化.
HPLCにおける分離と特徴 ~逆相・順相について~ (主に逆相です)
温暖化ガスの排出抑制の困難さ ●温暖化防止: 温暖化ガスの排出抑制が必要 ● CO2排出の抑制の困難さ
好気呼吸 解糖系 クエン酸回路 水素伝達系.
代謝経路の有機化学 細胞内で行われている反応→代謝 大きな分子を小さな分子に分解→異化作用 第一段階 消化→加水分解
緩衝作用.
固体電解コンデンサの耐電圧と漏れ電流 -アノード酸化皮膜の表面欠陥とカソード材料の接触界面-
福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
環境表面科学 ~環境触媒~ 村松淳司.
電池の化学 電池とは化学反応によってエネルギーを 直接に(直流)電力に変換する装置 どんな化学反応か? 酸化還元反応 電流が 流れる 電流が
光化学 6章 6.1.4 Ver. 1.0 FUT 原 道寛.
研究の背景 緒言 オゾンの効果 ①除菌 ②脱臭 ③脱色 食品衛生 室内空間を快適にする 水を透明にする 利用した製品は多数ある.
3)たんぱく質中に存在するアミノ酸のほとんどが(L-α-アミノ酸)である。
第15章 表面にエネルギーを与える 生命と惑星の共進化による惑星燃料電池の形成
F)無節操的飛躍と基礎科学(20世紀~) 1.原子の成り立ち:レントゲン、ベックレル、キューリ(1911) 、ラザォード、モーズリー、ユーリー(重水素、 1934)、キューリ(1935)、チャドウィック(中性子1935)、ハーン、シーボーグ 2.量子力学 :プランク(1918), アインシュタイン(1921)、ボーア(1922)、ドブローイ(1929)、ハイゼンベルグ(1932)、ゾンマーフェルト、シュレーディンガー(1933)、ディラック(1933)、ハイトラー、ロンドン、パウリ(1945)、ボルン(1
社会システム論 第5回 生態系(エコシステム).
大気の構造とオゾン層             紫外線 酸素分子(O2)    →   オゾン(O3) オゾン層: 紫外線Bの 99%を吸収して熱に変える 20-40km 地表.
ボルタ電池 (-)Zn|H2SO4aq|Cu(+)
大気圧パルス放電によるメチレンブルーの脱色
Thanks to Klaus Lips, Prof. Thomas Moore
日本の電気エネルギーの ベストミックスはこれだ!
酸化と還元.
色素増感太陽電池を作って 発電実験をしてみよう ーSPPでの授業実践を通してー
有機バイオ材料化学 5. カルボニルの反応 5-1 アルデヒド・ケトンのその他の反応 5-2 カルボン酸やその誘導体の反応
一分子で出来た回転モーター、F1-ATPaseの動作機構 ーたんぱく質の物理ー
光化学 6章 6.1.4 FUT 原 道寛 名列__ 氏名_______.
支援課題名 フッ素化合物の合成(課題番号:S-13-NI-21)
耐COアノード用錯体触媒の機構解明と設計に向けた第一原理計算
第8回(山本晴彦) 光学的計測法による植物の生育診断
光環境と植物 第10回 光量と植物の生長について
H E 燃料電池応用の調査 O 発表者 脇田悠司 田中甲太郎 松本芳郎 担当教官 廉田 浩.
持続可能社会実現にむけた現実的なシナリオ
光電子分光 物質中の電子の束縛エネルギー(IP)を測定する方法 IP=hn – K.E. 物質の性質~(外殻)電子の性質
考えよう!地球温暖化エネルギー ~伝え、広げ、そして行動しよう~
生物情報計測学 第7回 植物の生育・水分状態の計測.
プラズモン共鳴を用いたC-dot-Ag ナノ粒子-シリカコンポジット 薄膜蛍光増強
研究課題名 研究背景・目的 有機エレクトロニクス材料物質の基礎電子物性の理解 2. 理論 3. 計算方法、プログラムの現状
平成30年7月7日 平成30年度 宇都宮大学教員免許状更新講習  【中学校理科の実験講習】 ボルタ電池、備長炭電池.
現在の環境問題の特色 ● 環境問題の第一の波: 1960年代の公害 (水俣病、イタイイタイ病、四日市・川崎喘息など)
カルビンーベンソン回路 CO23分子が回路を一回りすると 1分子のC3ができ、9分子のATPと 6分子の(NADH+H+)消費される.
有機バイオ材料化学 5. カルボニルの反応 5-1 アルデヒド・ケトン.
超格子原子層材料の展開 東北大WPI 藤田 武志 Tokyo Univ..
超低コスト型色素増感太陽電池 非白金対極を使用 色素増感太陽電池 Dye-sensitized solar cells (DSSCs)
ATP合成酵素の分子進化と活性制御 久堀 徹 博士 (東京工業大学資源化学研究所附属資源循環研究施設)
GW space-timeコードの大規模な有機-金属界面への適用に向けた高効率化
燃えるとはどんなことか.
化学1 第12回講義        玉置信之 反応速度、酸・塩基、酸化還元.
モル(mol)は、原子・分子の世界と 日常世界(daily life)をむすぶ秤(はかり)
近代化学の始まり ダルトンの原子論 ゲイリュサックの気体反応の法則 アボガドロの分子論 原子の実在証明.
色素増感太陽電池を作って発電実験をしてみよう ーSPPでの授業実践を通してー 川村 康文 「遺伝 2005年11月号」掲載
Spectrum Genius 農業用照明 について
My thesis work     5/12 植木             卒論題目 楕円偏光照射による不斉合成の ためのHiSOR-BL4の光源性能評価.
物質とエネルギーの変換 代謝 生物体を中心とした物質の変化      物質の合成、物質の分解 同化  複雑な物質を合成する反応 異化  物質を分解する反応 
好気呼吸 解糖系 クエン酸回路 電子伝達系.
特論B 細胞の生物学 第6回 エネルギーはどこから 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
 3.栄養分をつくるしくみ 光合成.
好気呼吸 解糖系 クエン酸回路 電子伝達系.
新エネルギー ~住みよい日本へ~ E 山下 潤.
Presentation transcript:

効率を改善 人工系に接続 CO2還元 ATP生成 低効率 高効率

植物体から外に取りだした明反応部分の活性をいかにして持続させることができるか? 効率を改善 人工系に接続 CO2還元 ATP生成 低効率 課題: 植物体から外に取りだした明反応部分の活性をいかにして持続させることができるか? 高効率

人工光合成へのアプローチと 解決すべき課題 新エネルギー獲得へのアプローチ 太陽電池:Si, 化合物半導体、        解決すべき課題 b)光合成を真似て超えるアプローチ(1) 電力生成 太陽電池:Si, 化合物半導体、          色素増感、有機薄膜 など 人工光合成:燃料生成 植物の利用:機能の抽出、バイオマス 金属錯体による人工光合成 金属錯体による人工光合成 半導体光触媒: ホンダーフジシマ効果

金属錯体による人工光合成 水電子源 二酸化炭素の還元 CO2 H2O 光照射 I 光照射 II 電子 電子 電子 電子 電子供与体 (酸化末端) H2O 増感剤 I 電子受容体 増感剤 II 電子受容体 (還元末端) CO2 水電子源 二酸化炭素の還元 次世代のエネルギー資源として、化石資源が尽きる恐れが具体化すると予想される数10年 後に備えて、太陽光エネルギーを直接電力に変える太陽光発電と太陽光エネルギーを用いて CO2と水を原料とし水素の生成やCO2の化学固定など化学エルギーに変換する人工光合成 ・有用物質の生産が期待されている。

金属錯体による人工光合成 何がボトルネックなのか? 課題: 水から如何にして電子を取るか? 金属錯体による人工光合成 何がボトルネックなのか? 課題: 水から如何にして電子を取るか?

水分子から如何にして 電子を引き抜くか? ( H2O H+ + OH- ) 1) 1 電子 OH radical 2) 2 電子 3) 4 電子

4-electron 酸素発生錯体 Meyer(米) Harriman(英) Nocera(米) Hill(米) Sun(スウェーデン) Fujita(米) 田中 八木 正岡、酒井 定金 4-electron Conversion Ir, Ru, Co, W, etc. Gersten, S. W.; Sasmuels, G. J.; Meyer, T. J. J. Am. Chem. Soc. 1982, 104, 4029

段階的4光子/4電子変換 は可能か? 通常の光子密度下 (1 x 1015 photon/s) 例えば クロロフィル分子には  0.6 秒/1光子 つまり  2.4 秒/4 光子  2.4 秒/4 光子 の間、活性化状態を維持する必要がある。

光子束密度条件による制限 ChemSusChem, 2011, 4, 173. 段階的4光子/4電子変換 は可能か? 段階的4光子/4電子変換 は可能か? 光子束密度条件による制限 ChemSusChem, 2011, 4, 173. 通常の光子密度下 (1 x 1015 photon/s) 例えば クロロフィル分子には  0.6 秒/1光子 つまり  2.4 秒/4 光子  2.4 秒/4 光子 の間、活性化状態を維持する必要がある。

自然の不思議 すごさ

光合成反応中心付近のAFM像 Svetlana Bahatyrova, Raoul N. Frese, C. Alistair Siebert, John D. Olsen, Kees O. van der Wert, Rienk van Grondelle, Robert A. Niederman, Per A. Bullough, Cees Otto & C. Nell Hunter, Nature, 430, 1058 (2004).

光の捕集 反応中心

光子を集中して反応中心に 伝達 反応中心

水分子から如何にして 電子を引き抜くか? ( H2O H+ + OH- ) 光子束密度条件の 束縛をいかにして 解決するか? 水分子から如何にして 電子を引き抜くか? ( H2O H+ + OH- ) 2) 2 電子酸化(1光子2電子変換) 1 電子酸化 2 電子酸化 4 電子酸化 次の光子を待たなくてもよい!

世界を 主導する 日本(2) 1光子で水の2電子酸化活性化の発見 Chem. Comm., 1681(1987), J. Am. Chem. Soc., 118, 6311(1996). 119, 8712(1997). 125, 5734 (2003).

金属錯体による人工光合成 水電子源 二酸化炭素の還元 CO2 H2O 光照射 I 光照射 II 電子 電子 電子 電子 電子供与体 (酸化末端) H2O 増感剤 I 電子受容体 増感剤 II 電子受容体 (還元末端) CO2 水電子源 二酸化炭素の還元 次世代のエネルギー資源として、化石資源が尽きる恐れが具体化すると予想される数10年 後に備えて、太陽光エネルギーを直接電力に変える太陽光発電と太陽光エネルギーを用いて CO2と水を原料とし水素の生成やCO2の化学固定など化学エルギーに変換する人工光合成 ・有用物質の生産が期待されている。

Re錯体によるCO2の光還元 紫外光 DMF/TEOA = 5/1 L = Cl φ= 14% TON=7 (Lehn. J. M. et al, Helv.Chim.Acta., 1986, 69, 1990.) L = P(OEt)3   φ= 38% TON=7 (Ishitani. O.; et al, J.Photochem.Photobiol.A:Chem., 1996, 96, 171.) L1 = P(OEt)3, L2 = MeCN   φ= 59% (Ishitani, O.; Inoue.H.: et al, J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 2023.)

世界を 主導する 日本(3) 石谷(東工大) FCO=0.59 hn (365nm) (total 2.5 mM) World record in homogenious photocatalysts for CO2 reduction DMF/TEOA(5:1 v/v) 石谷(東工大) (1) Dalton Trans., 2005, 385. (2) J. Am. Chem. Soc., 2005, 127, 15544. (3) Res. Chem. Intermed., 2007, 33, 37 (4) J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 2023. 19

世界最高の効率を示す光触媒を開発 CO2 CO e- Lehn Ishitani Ishitani CO2 CO Photocatalyst / hn Electron Donor 2011 71 % CO CO2 hv e- 100 % 量子収率 / % 66 % 59 % 36 % 14 % 1986 1996   2008 2010 2015 2008 2010 Lehn Ishitani Ishitani

可視光を効率よく吸収する高効率光触媒を開発                              石谷研究室(東工大) 2CO2 + 2BNAH CO + H2CO3 + BNA2 Surlamolecular Photocatalyst / hn (>500 nm) BNAH in DMF-TEOA FCO = 26 % TNCO > 200 TFCO = 4.7 min-1 DMPBIH TNCO > 2000 TFCO = 5.3 min-1 Faraday Discuss. 2011