来客者数に影響を与える 気象データ項目に関する研究 こんにちは。0523029の高橋みなみです。 これから、来客者数に影響を与える気象データ項目に関する研究の発表を行います。 流通情報工学科 0523029 高橋みなみ 指導教員 鶴田三郎教授 黒川久幸准教授 2009年2月10日(火)
発表の構成 使用するデータと分析手順 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 3 カレンダー的要因の検討 4 気象の要因の検討 5 発表の構成 鶴田・黒川研究室 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 使用するデータと分析手順 3 カレンダー的要因の検討 まず発表の構成を説明します。 1.研究の必要性及び対象とする要因 2.使用するデータと分析手順 3.カレンダー適要因の検討 4.気象要因の検討 5.分析結果と要因のまとめ となります。まず、1つ目から説明していきます。 4 気象の要因の検討 5 分析結果と要因のまとめ
購買行動⇒品揃え 研究の必要性と対象 ◎どの商品を選ぶか 今日は 何買おう 今日は散歩しつつスーパーまで行こう ◎店舗まで行くか 研究の必要性と対象 鶴田・黒川研究室 ◎どの商品を選ぶか 今日は 何買おう 今日は散歩しつつスーパーまで行こう 今回なぜ来客者数と気象を対象とするのか。 それは、一つの例として、小売店にとって、天気の変化や気温差からどのような商品を買うのかといった消費者の購買行動は、商品の品揃えに影響すると考えられるからです。(下らへんを示す) その際、気象変化が来客者数に影響する場合、図のように、2つの段階に分けることができます。 1つ目は、消費者が店舗まで行く際に気象が影響しているのかといった段階 (右を示す) 2つ目は、消費者が店舗で商品を選ぶ際に気象が影響しているのかといった段階です。 (左を示す) 今回は、1つ目の、店舗まで行くかということを、来客者数の実際のデータを用いて分析を行います。 急に寒くなったら、どの商品が売れるだろうか。 ◎店舗まで行くか 購買行動⇒品揃え
Wed. 来客者数に影響を与える要因 コスト削減 作業量 適切な人員配置 利益up↑ 安売り→毎週水曜日 鶴田・黒川研究室 来客者数に影響を与える要因 鶴田・黒川研究室 Wed. 来客者数 (立地、特売、チラシ) 店舗側の要因 (晴・雨、気温、風) 気象の要因 (曜日、月、祝日、年末) カレンダー的要因 利益up↑ 安売り→毎週水曜日 コスト削減 作業量 適切な人員配置 今回、データとして入手できたレジ通過客数、つまり買い物をした人数を来客者数とします。(真ん中を示す) 既存研究から、来客者数が常に一定ではなく変化する要因として、主に3つの要因に分けました。(三角形) 1つ目は、立地、特売、チラシなどの店舗側の要因。(ピンクを示す) 2つ目は、曜日、月、祝日、年末といったカレンダー的要因。(青を示す) 3つ目は、晴・雨といった天気、気温、風といった気象の要因です。(黄色を示す) なお、今回扱った1つの店舗では、来客者数や一部の商品の1つあたりの平均売価の金額から、水曜日に安売りが行われていることが分かりました。よって、店舗側の要因の一部である特売という要素を曜日別に含んで考慮することにしました。(左上を示す) なお、来客者数の変化の要因を把握すると、店舗を運営する上での作業量や作業人数をある程度予測することができ、適切な人員配置から無駄なコスト削減をすることで利益アップが見込めると考えられます。
発表の構成 使用するデータと分析手順 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 3 カレンダー的要因の検討 4 発表の構成 鶴田・黒川研究室 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 使用するデータと分析手順 3 カレンダー的要因の検討 次に、使用するデータと分析手順について説明していきます。 4 気象要因の検討、項目ごとの影響 5 分析結果と要因のまとめ
使用するデータと分析手順 カレンダー的要因 気象の要因 ・最大瞬間風速(m/s) ・最高気温(℃) ・日照時間(h) ・降雪合計(cm) 使用するデータと分析手順 鶴田・黒川研究室 POSデータ:来客者数<(株)KSP-POSより購入> (2007年10月1日~2008年9月30日の366日分 食品スーパー1店舗(東京・商店街に立地) カレンダー的要因 気象の要因 ・1日の降水量合計(mm) ・最大瞬間風速(m/s) ・最高気温(℃) ・日照時間(h) ・降雪合計(cm) ・現地気圧(hPa) ・平均湿度(%) *数値で扱えるもの ・曜日 ・月 ・平日の祝日 ・年末 ・年始 ・GW ・お盆 POSデータは、 気象庁 http://www.jma.go.jp/jma/index.html
行く? or 行かない? 研究で明らかにすること 数値が高いと影響するのは・・・? 降水量 湿度 気温 日照 風 積雪 天気 気圧 研究で明らかにすること 鶴田・黒川研究室 降水量 行く? or 行かない? 湿度 気温 日照 風 積雪 天気 気圧 以上のことから、研究で明らかにすることは、来客者数に影響を与える気象データ項目の把握となります。 分析では、来客者数を目的変数。曜日や気象条件などの要因を説明変数とし、相関分析と重回帰分析を行っていきます。 数値が高いと影響するのは・・・?
発表の構成 使用するデータと分析手順 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 3 カレンダー的要因の検討 4 発表の構成 鶴田・黒川研究室 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 使用するデータと分析手順 3 カレンダー的要因の検討 次に、カレンダー的要因の検討を行います。 4 気象要因の検討、項目ごとの影響 5 分析結果と要因のまとめ
影響大! カレンダー的要因の検討 約350人ほどの差 約1300人ほどの差 図1 月ごとの平均来客者数 図2 曜日ごとの平均来客者数 カレンダー的要因の検討 鶴田・黒川研究室 約350人ほどの差 約1300人ほどの差 影響大! なぜカレンダー的要因をはじめに検討するか。それは、気象の要因よりもはるかに月や曜日による来客者数への影響が大きいからです。 図1は、月ごとの平均来客者数。図2が、曜日ごとの平均来客者数を表わしたものです。 それぞれ、来客者平均の差を見やすくするため、縦軸の人数は異なっています。 人数が多い月や曜日と人数の少ない月や曜日との差を示します。 図1の月ごとによるものは、約350人ほどの差。 それに対し、図2の曜日ごとによるものは、約1300人ほどの差があると言えます。 したがって、カレンダー的要因を先に検討することにし、影響のある項目を確定し、その上で気象による影響をみていきます。 図1 月ごとの平均来客者数 図2 曜日ごとの平均来客者数
カレンダー的要因の検討 Holiday 月・曜日・平日の祝日・年末・年始 ⇒来客者数に影響 表1 カレンダー的要因の重回帰分析結果 カレンダー的要因の検討 鶴田・黒川研究室 表1 カレンダー的要因の重回帰分析結果 Holiday まずは、カレンダー的要因の重回帰分析を行った結果をみていきます。 縦軸の項目は、月・曜日・平日祝日・年末・年始・GW・お盆 横軸の項目は、係数・t値・影響・来客者数の増減となっています。 重回帰分析において、t値は、要因として統計的に係数が信頼できるかというものを表します。 (*単なる偶然によって計算された変数の係数が出てくる可能性は、正規分布表の両側で5%以下であるといえるのが2であるため) t値が絶対値2より大きいものを来客者数に影響する項目として、考えることができるため、 次の欄の影響の有無を○×で表しました。 また、影響の大きさは、係数でみることができ、その+-により来客者数増を表すものは+。 来客者数減を表すものを-としました。 この表から、月と曜日は大きく来客者数に影響を与えていることが分かります。 平日の祝日である日、また年末なども来客者数増加します。 逆に、年始は、減少する項目だとわかります。 また、来客者数減少に影響しないものとして、GWとお盆ということが分かりました。 月・曜日・平日の祝日・年末・年始 ⇒来客者数に影響
発表の構成 使用するデータと分析手順 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 3 カレンダー的要因の検討 4 発表の構成 鶴田・黒川研究室 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 使用するデータと分析手順 3 カレンダー的要因の検討 続きまして、気象に関する要因の検討を行います。 そして、降水量による影響もみていきます。 4 気象要因の検討、項目ごとの影響 5 分析結果と要因のまとめ
> 影響の強いカレンダー的要因と含めても気象は影響を与えている 気象要因の検討 表2 気象要因も含めた重回帰分析の結果 鶴田・黒川研究室 気象要因の検討 鶴田・黒川研究室 表2 気象要因も含めた重回帰分析の結果 > 表2は、表1で分析を行ったものの説明変数に気象データの項目を追加し、再度、重回帰分析を行った結果です。 まず、全体的にカレンダー的要因のほうが桁違いに影響を与えている要因だということです。 カレンダー的要因に7つの気象項目を1つずつに分析すると、どの項目も影響しているというデータが 得られましたが、全て含めて分析を行うと、気圧は来客者数に影響を与えないことが分かりました。 また、日照時間と最高気温は来客者数増加に影響を及ぼし、 逆に、雨、雪、風速、湿度に関しては、来客者数減少に影響を与えていることが分かります。 影響の強いカレンダー的要因と含めても気象は影響を与えている
気象要因の検討 雪 正月 図3 水曜日における1年間の来客者数の推移 鶴田・黒川研究室 気象要因の検討 鶴田・黒川研究室 実際に、図3は、今回の店舗で特売の曜日である水曜日を1年間の来客者数の推移でみたものです。 図より、水曜日は、年間の平均3300人ほどですが、正月や雪といった要因があるときは、1300人以上の来客者数が減少していることが確認できます。 雪 正月 図3 水曜日における1年間の来客者数の推移
降水量の違い 1日の降水量で20mm以上になると 来客者数への影響が強くなる! 表3 降水量の重回帰分析 約200人 降水量の違い 鶴田・黒川研究室 表3 降水量の重回帰分析 以上 係数 t値 影響 5mm -135.4 -3.8 ○ 10mm -148.2 -4.1 20mm -278.6 -6.0 30mm -289.0 -4.7 40mm -194.1 -2.5 50mm -237.6 -2.9 60mm 70mm -206.7 -2.1 80mm -157.9 -1.4 × 90mm -58.9 -0.5 100mm -105.9 降水量の違いによる来客者数の影響の分析結果を示したものが表3.。 1日の降水量が5mm以上、10mm以上とし、そのあとは10mmごとに100mm以上までを分析しました。 その係数を表したのが図4となります。 どの降水量も来客者数減少に影響がありますが、特に注目すべきところは、 20mm以上になると、10mm以上の時の平均来客者数に比べて200人ほど減少するところです。 このことから、ただ雨が降るだけではなく、ある程度の強さになった場合も、来客者数に影響することが 実際のデータからみても、確認することができました。 約200人 図4 降水量ごとの係数の関係 1日の降水量で20mm以上になると 来客者数への影響が強くなる!
発表の構成 使用するデータと分析手順 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 3 カレンダー的要因の検討 4 発表の構成 鶴田・黒川研究室 1 研究の必要性と対象・影響を与える要因 2 使用するデータと分析手順 3 カレンダー的要因の検討 4 気象要因の検討、項目ごとの影響 5 分析結果と要因のまとめ
行く! 行かない! まとめと今後の課題 積雪 最高気温 今後は、複数の店舗を 曜日と月の変動以外に、 年末年始も要注意。 まとめと今後の課題 鶴田・黒川研究室 曜日と月の変動以外に、 年末年始も要注意。 雨が20mm以上も。 お客さんが来るのに大変なときこそ安売りを! 行く! 行かない! 最高気温 日照 あたたかい、 行動しやすい 足場が悪い、移動しにくい 物を運びずらい 今回のまとめとして、もう一度図で表します。 消費者の購買行動は、店舗まで移動しにくいから行かないという購買心理に関係していることが 考えられます。また過去の20年前の論文では、風やあまり降らない雨、日照に関しては、影響力はほとんどないとのことでしたが、2009年の今、生活様式や便利さなどから、少しの気象の変化でも大幅に影響してしまうことも分かりました。 今後の課題として 今回、気象の要因を中心にみていくために、1店舗を対象とし分析しました。 しかし、店舗の立地やその土地の気候などによって、来客者数に影響を与える項目や影響を大きさは、 店舗ごとに異なることが考えられます。 したがって、複数の店舗を分析する必要があり、より一般的にどの気象項目が影響を与えやすいかを検討していく必要があり さらに来客者数と作業人数との関係から、実際の社会にどのように生かせるかという検討も考えられます。 以上で、今回の発表を終わります。 湿度 特に 北風 積雪 降水量 今後は、複数の店舗を
鶴田・黒川研究室 ご清聴頂き、 ありがとうございました。 ご清聴頂き、ありがとうございました。
追加資料 表1 曜日別来客者数の比 表2 月別来客者数の比 *ただし、90%信頼区間外をのぞく 鶴田・黒川研究室 曜日 平均 比 月 表1 曜日別来客者数の比 表2 月別来客者数の比 月 平均 比 10月 2649 1.05 11月 2518 1.00 12月 2484 0.98 1月 2347 0.93 2月 2404 0.95 3月 2479 4月 2616 1.03 5月 2535 6月 2601 7月 2610 8月 2515 0.99 9月 2584 1.02 全体 2529 曜日 平均 比 月 2369 0.94 火 1963 0.78 水 3390 1.34 木 2016 0.80 金 2351 0.93 土 2417 0.96 日 3184 1.26 全体 2529 1.00 *ただし、90%信頼区間外をのぞく
追加資料 平均来客者数 比 晴 2576 1.02 曇 2577 雨 2087 0.83 雪 2288 0.90 90%信頼区間 2529 鶴田・黒川研究室 天気は、今回の期間で65種類ほどの天気概況 ⇒晴・曇・雨・雪の4つの分類 (例:晴一時曇りのち雨→晴) 対象期間により来客者数が異なるため、天気は比で扱う。 表3 天気別来客者数の比 平均来客者数 比 晴 2576 1.02 曇 2577 雨 2087 0.83 雪 2288 0.90 90%信頼区間 2529 1.00
追加資料 モデル式 Y=-2528+1881a1+2406a2+343a3 切片 月 曜日 平日の祝日 鶴田・黒川研究室 モデル式 Y=-2528+1881a1+2406a2+343a3 切片 月 曜日 平日の祝日 +765a4-768a5+769a6-5a7-4a8 年末 年始 天気の比 降水量 湿度 +11a9+63a10+223a11 最高気温 1mm以上 50mm以上
追加資料 気象データ項目で考慮すべきもの ・天気の比、降水量合計、最高気温、平均湿度 前日の降水量が1mm以上または50mm以上 鶴田・黒川研究室 気象データ項目で考慮すべきもの ・天気の比、降水量合計、最高気温、平均湿度 前日の降水量が1mm以上または50mm以上 かつ当日降水量0.5mm未満 気象データ項目で考慮しなくてもよいもの 平均気温、最低気温、雷、気温差
論文で行った分析 鶴田・黒川研究室 天気データについて ・天気概況を晴、曇、雨、雪の4つの分類にして、1・0変数 として扱う。 ・雨は、マルチコ現象(相関分析と重回帰分析の異符号) ・カレンダー的要因と気象データ1つずつの相関において 昼の天気の曇は影響しない。 ・雷は一時的なため、影響しない(ゲリラ雷雨)
要旨で使用した表 鶴田・黒川研究室
追加資料 鶴田・黒川研究室
追加資料 鶴田・黒川研究室
追加資料 鶴田・黒川研究室
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