Collision tomography: physical properties of possible progenitors for the Andromeda stellar stream 三木洋平(筑波大学 ) 森正夫(筑波大学) R. Michael Rich (UCLA)
Contents Introduction アンドロメダ・ストリーム N体シミュレーションの結果・解析 議論 まとめ アンドロメダ銀河 (M31) http://www.ccs.tsukuba.ac.jp/Astro/Members/mmori/M31/M31-j.html より転載
マゴリアン関係 銀河の中心領域には106-1010 M 程度の超巨大ブラックホール(SMBH)が存在 MBH ~ 0.002Mbulge Marconi & Hunt 2003 銀河の中心領域には106-1010 M 程度の超巨大ブラックホール(SMBH)が存在 MBH ~ 0.002Mbulge SMBHの形成・成長過程はまだよく分かっていない 109 SMBHの質量[M] マゴリアンに関する話 107 109 1012 バルジの質量 [M]
階層的構造形成 CDMモデルの下では、小さい構造が先にでき、衝突・合体を繰り返して銀河が成長 銀河中心のBHも合体すれば、 MBH ∝ Mbulge が成り立つ CDMだと、ボトムアップシナリオ。銀河は合体して太っていく。だから、初期にマゴリアンがあれば、この関係が説明可能!
BH連星の合体に関する理論 等質量のBH連星は宇宙年齢以内に合体できない(Begelman et al. 1980) 周囲の星に角運動量を輸送して軌道を縮める BH連星の周囲から星がいなくなる 軌道進化のtime scaleは緩和時間(>>宇宙年齢) 非等質量のBH連星(岩澤さん講演)、 BHが多数いる場合(谷川さん講演)、3軸不等ポテンシャルなどが考えられている Loss cone depletionにより、現在までに合体させることは不可能! N=10^11, R=10 kpc, m=M_sun t_r = 9\times10^6 Gyr
非等質量BH連星の離心率進化 Matsubayashi et al. 2007 5 Myr 10 Myr 5 Myr 10 Myr 質量比 1:1000 軌道長の進化が止まっても、離心率が大きくなれる 非等質量だったら、どうやら宇宙年齢以内に合体出来そう。 だったら、そうした初期条件をどう作るかということが大事になる。 単純に考えれば、minor mergerを考えればこういった状況になっている。 だから、minor mergerの力学過程を詳細に理解することが大事である。 そこで、近傍銀河M31で見つかったminor mergerの痕跡について紹介します。 T=4.6\times10^3 yr => T=1000= 5 Myr IMBH = 3000 M_sun 0.086 pc SMBH = 3\times10^6 M_sun 質量比1:1000 Bnは粒子数の違い、1->1795, 2->3589, 3->7177, 4->17942 軌道長半径 1-離心率 0.01 5 Myr 10 Myr 5 Myr 10 Myr
アンドロメダ・ストリーム イーストシェル ウェストシェル アンドロメダ・ストリーム アンドロメダ銀河(M31)周辺の詳細な観測により、ストリームやシェルといった構造が見つかっている(Ibata et al. 2001, 2007 etc.) ストリームの視線速度が測定されている(Ibata et al. 2004; Chapman et al. 2006 etc.) ストリームは、M31の中心から 150 kpc 以上にわたって延びている (McConnachie et al. 2003) 銀河中心から遠方でのDMの質量分布を探る手がかりになる N体シミュレーションを用いた先行研究 (Fardal et al.2007; Mori & Rich 2008) 1 Gyr 前にM31に衝突した矮小銀河の残骸 矮小銀河の軌道、質量は調べられた 空間構造はよく再現されている ストリームの速度構造についてはあまり調べられていない ウェストシェル アンドロメダ・ストリーム McConnachie et al. 2009
ストリームの速度構造(観測) Trethewey et al. (in prep.) M31周辺のRGB星の分光観測データを用いてストリームの速度構造を解析 http://www.ari.uni-heidelberg.de/meetings/ milkyway2009/talks/posters.html データは、国際会議“The Milky Way and the Local Group - Now and in the Gaia Era”のポスターで発表され、現在webページから取得できます。 Radial velocity [ km s-1]
Trethewey et al. (in prep.)の結果 Radial velocity [ km s-1] ポイントは視線速度の中心値、バーは分布の広がりを表わしていて観測誤差ではない Projected radius [kpc]
N体シミュレーションの概要 矮小銀河モデル M31モデル 矮小銀河の軌道 FIRST(筑波大CCS)を用いて計算 King sphere (M、rt、cがパラメータ) 65536体、全246パラメータセットのパラメータサーベイ M31モデル Fix potential を仮定 先行研究(Fardal et al. 2007)と同じモデル Hernquist バルジ、Exponential disk、 NFW ハロー 矮小銀河の軌道 先行研究(Fardal et al. 2007; Mori & Rich 2008)と同じ FIRST(筑波大CCS)を用いて計算
構造の形成過程
Results of Simulations Data from Irwin+2005 50 kpc
矮小銀河の軌道を変えた場合 青が今までの軌道、赤が変化させた軌道 多少軌道を変化させても、空間構造はあまり変化しない 50 kpc
ストリームの速度構造の解析 Ibata et al. 04; Guhathakurta et al. 06; Trethewey in prep. 観測をよく再現できた M31ハローの密度分布が遠方で∝r -3 となっていることを示唆 宇宙論的シミュレーションから示唆されるDMハローの密度分布がM31で成り立っていることを示唆 Fardal らの軌道 Radial velocity [ km s-1] 変化させた軌道 Projected radius [kpc]
議論: 現在のBHの位置 ~109 M の矮小銀河 銀河ハロー内にBHが漂っている!? BHの運動を正しく追いかけるためには BHは常にprogenitorのコアに付随すると仮定 銀河ハロー内にBHが漂っている!? BHの運動を正しく追いかけるためには BH粒子をおいた計算 M31のディスクを粒子で表現した計算 progenitorのコア 50 kpc
まとめ ストリーム・シェルなどの空間構造をうまく再現した ストリームの速度構造についてもよく再現している 矮小銀河のポテンシャル・エネルギーが重要 ストリームの速度構造についてもよく再現している 宇宙論的シミュレーションから示唆される密度分布がM31のハローで成り立っていることを示唆 M31ハロー内に105-6 M程度のBHが漂っている可能性がある Future works として、BHいりのシミュレーションをすることで、現実的な初期条件に示唆を与えることができる。