2006年度からのリハビリ日数制限と発症後60日以内の入院制限の影響

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2006年度からのリハビリ日数制限と発症後60日以内の入院制限の影響 鶴巻温泉病院回復期リハビリテーション病棟(医師) 2 澤田石 順  全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

はじめに 2006年度からの疾患毎にリハビリテーションの日数上限が設定された 同年度から回復期リハビリ病棟への入院が発症・手術後60日以内に制限された(以前は90日) 特にリハビリ日数制限は社会問題化し、現在に至るも解決していない 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

目 的 2006年度の診療報酬改定(二種類の日数制限)の影響を明らかにする in Ohsaka 目  的 2006年度の診療報酬改定(二種類の日数制限)の影響を明らかにする 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

04年1月1日~08年3月31日に入院し08年10月21日までに退院した症例 対   象 04年1月1日~08年3月31日に入院し08年10月21日までに退院した症例 改定前: 2005年度末までに入院 824例 改定後: 2006年度以降に入院 812例 対象から除外: 精査・治療のための転院、死亡ないし入退院時FIMのいずれかのデータが欠如 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

自宅退院率〓「自宅または家族宅」への退院率 比較の方法 FIM利得〓退院時FIM-入院時FIM 自宅退院率〓「自宅または家族宅」への退院率 自宅退院率にはχ二乗検定、その他はWilcoxonの順位和検定を用いた 入院時FIMによる層別化は4段階で実施 年齢、入院時FIM等は中央値で示す 統計処理にはフリーソフトウェアの R version 2.6.0 を用いた 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

全 体 脳卒中 83.5%→82.5% 骨折 11.5%→12.2% 脳卒中の死亡率 1.3%⇒3.0% 全    体 脳卒中 83.5%→82.5% 骨折 11.5%→12.2% 脳卒中の死亡率 1.3%⇒3.0% 同 精査・治療転院率 4.7%⇒3.3% 骨折の死亡率 2.2%⇒2.0% 同 精査・治療転院率 1.1%⇒2.9% 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

* Wilcoxonの符号付き順位和検定で p <0.05 脳卒中全体 年齢 発症後 日数 入院時 FIM 入院時FIM 18~41の割合 FIM効果 改定前 74 37 49 40.8% 19 改定後 75 * 31 50 41.2% 22 在院日数 自宅退院率 180日超入院割合 改定前 113 55% 15% 改定後 * 117 61% 17.5% * Wilcoxonの符号付き順位和検定で p <0.05 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

* Wilcoxonの符号付き順位和検定で p <0.05 骨折全体 年齢 発症後 日数 入院時 FIM 入院時FIM 18~41の割合 FIM効果 改定前 85.5 53 65.5 40.8% 13 改定後 84 * 42 61  41.2% 14 在院日数 自宅退院率 90日超入院割合 改定前 106.5 47% 64% 改定後 * 91 50% * Wilcoxonの符号付き順位和検定で p <0.05 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

脳卒中: 入院時FIMの階層 & 発症後日数 * * * p<0.05 in Ohsaka 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

脳卒中: 入院時FIMの階層 & FIM利得 * * p<0.05 in Ohsaka 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 2008/2/15 鶴巻温泉病院

脳卒中: 入院時FIMの階層 & 自宅退院率(%) * * p<0.05 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

まとめ 60日以内の入院制限により、入院時発症後日数は有意に短縮したが、「死亡または精査・治療転院」は5.5%から7.5%に増加した。これは病状が不安定なままの入院が増加したことを示唆する。 脳卒中患者の180日超入院が、リハビリ日数制限後に増加した(15%⇒17.5%)。 骨折患者の90日超入院は改定前は64%で、改定後は50%に減じた。 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院

結 語 2006年度の診療報酬改定は当院のごとく重症者の入院割合が高い回復期リハビリ病棟に大打撃を与えていると推察される 結  語 2006年度の診療報酬改定は当院のごとく重症者の入院割合が高い回復期リハビリ病棟に大打撃を与えていると推察される 入院までの日数制限にも、リハビリ日数制限にも妥当性はなく、速やかに廃止されねばならない 全国回復期リハ病棟連絡協議会 第13回研究大会 in Ohsaka 2008/2/15 鶴巻温泉病院