薬は正しく飲もう! 2010年10月24日 天城薬局 美崎陽子
薬は一番効果でるように、飲みやすいように、加工されている。 薬の飲み方 薬の種類 薬は一番効果でるように、飲みやすいように、加工されている。 薬の種類 特 徴 剤型(薬の形) 内服薬 (飲み薬) 口から飲んで消化管から吸収、血液にのせて全身に運ばれる薬 錠剤、カプセル剤、散剤(こな薬)、顆粒剤、液剤、シロップ剤 外用薬 (塗り薬、坐薬など) 患部に貼ったり、塗ったり、口以外の部分に入れたりする薬。 坐薬、貼付剤、軟膏剤、クリーム剤、点眼剤、吸入剤、エアゾール剤、噴霧剤 注射薬 注射により、皮内、皮下、筋肉内や血管に直接注入する薬。内服薬よりも早く効き、胃や腸で分解される薬は効果が高まる。 注射剤、点滴剤
内服薬の経路 栄養やほとんどの薬がここから吸収される。 坐薬 薬や食べ物の入り口 非常に強い酸性、タンパク質や薬を分解したり、病原微生物を殺す。 アルコールは胃で吸収される。 栄養やほとんどの薬がここから吸収される。 坐薬
剤型の工夫 ・カプセル ・腸溶剤(糖衣錠) ・三層錠 ・マイクロカプセル 薬は胃で分解するのを防いたり、徐々に溶けて長時間効果を持続する工夫がなされている。 ・カプセル ・腸溶剤(糖衣錠) ・三層錠 ・マイクロカプセル ・
散 剤(こな薬) ・体重に応じて細かく量を調整できる。 ・溶けやすく、効き目が早い。 ・色がついており、調剤ミスの防止に役立つ。 散 剤(こな薬) ・体重に応じて細かく量を調整できる。 ・溶けやすく、効き目が早い。 ・色がついており、調剤ミスの防止に役立つ。 ・顆粒(小さな粒)にしたものが多い。
錠 剤 一般的な錠剤:こな薬より扱いやすい 徐崩性錠剤:早く溶ける粒と、ゆっくり溶ける粒を混ぜて錠剤にしたもの: 薬の効果が長続きする。 錠 剤 一般的な錠剤:こな薬より扱いやすい 徐崩性錠剤:早く溶ける粒と、ゆっくり溶ける粒を混ぜて錠剤にしたもの: 薬の効果が長続きする。 糖衣錠:甘く飲みやすい。胃では溶けず、腸で溶けるように工夫したもの(腸溶錠)もある。
コーティング錠剤 糖衣錠:お砂糖の層で薬を包んだもの
カプセル剤
液 剤 ・飲みやすく、乳幼児、小児用が多い。 ・水に弱い薬は使用しにくい。
外用薬:ぬりぐすり ・患部に直接ぬる薬。皮膚から吸収されやすいように工夫されている。 軟膏とクリームのちがいが解りますか?
吸引剤 ・霧状にし、のどなどに噴霧して用いるもの。 ・効き目が早く、発作をおさえるのに効果がある。
薬の正しい飲み方 薬袋に書かれたことを守ろう 薬袋に書かれていること 1.患者さんの名前 2.薬の種類(内服薬、外用薬、頓服薬など) 3.用法(薬の使い方:[例]1日3回 毎食後14日 分) 4.用量(1回分の薬の量: [例] 1回量 錠剤1錠) 5.薬局や病院の名称、所在地 6.調剤した薬剤師の名前 7.調剤年月日(薬を調剤した日)
薬袋の例
薬の正しい飲み方 「飲み方」の意味 飲み方 説 明 代表的な薬(参考) 食前 食事の30分くらい前 食欲増進剤、漢方薬 食直前 食事の直前 一部の糖尿病薬 食後 食事のあと30分くらいまで 解熱・鎮痛剤 食間 食後2時間くらい 胃壁保護薬 寝る前 寝る30分くらい前 睡眠薬 〇時間毎 決められた時間ごとに 抗凝血剤
薬をもらう時、薬剤師に「おくすり手帳」を見せ、確認しましょう! 薬の正しい飲み方 くすりと薬の相互作用 ・2種類以上の薬を同時に使用した場合、くすりと薬がお互いに影響し合い、薬の効き目が変わることがある。 ・薬の数が多いほど、相互作用はおこりやすい。 薬をもらう時、薬剤師に「おくすり手帳」を見せ、確認しましょう!
薬の正しい飲み方 くすりと食べ物の相互作用 効き目を弱める例 なっとう(ビタミンK)とワーファリン(血栓防止) 牛乳・ヨーグルトと抗生剤(テトラサイクリン系、ニューキノロン系) ミネラルウォーターと骨粗鬆用薬(ビスホスフォネート) 効き目を強める例 グレープフルーツ(ジュース)と降圧剤(カルシウム拮抗薬の一部) コーヒー・紅茶と喘息薬(テオフィリン) アルコール(酒類)と睡眠薬 お茶(タンニン)と鉄製剤(抗貧血薬) 薬はぬるま湯または水で飲むのが一番!
薬の正しい飲み方 実験:お茶で飲んではいけない場合 貧血治療薬には鉄(Fe)が含まれています。この鉄は赤血球を作るのに重要な成分です。 お茶に含まれるタンニンは鉄と結合して、赤血球中のヘモグロビン(Hb)に渡すべき鉄を横取りしてしまい薬の効果をなくしてしまいます。 Fe Fe 抗貧血薬 未成熟赤血球 ✖ 成熟赤血球 Fe お茶(タンニン) タンニンと鉄が結合 (黒くなる) 未成熟赤血球のまま
薬の正しい飲み方 実験:錠剤やカプセルは壊してはいけない 薬は最も効果が発揮できるように作られていますので、医師 の指示がない限り噛んだり、壊したりしてはいけない。 実験:カプセルは胃液で薬が壊れるのを防ぎ、安全な小腸内まで運ぶのに役だっている。 胃液:強い塩酸の中にタンパク質を分解する酵素がある。 実 験 薬が直接胃液と接すると分解する 薬の効果がなくなり、デンプンが分解されず、青色を示す。 くすり (タカジアスターゼ) カプセルが中の薬を守ってくれる カプセルに守られた薬により、デンプンが分解され、青色が消える
薬は自分のために飲むもの 薬は正しく使うことにより、最大の効果を発揮します。 ・お医者さんの指示や薬袋に書かれていることを守って、正しく飲みましょう。 ・解らない場合は、薬剤師に聞きましょう。
ご静聴ありがとうございました おわり