平成24年度 核物理研究センター 安全衛生講習会 電気編 平成24年度 核物理研究センター 安全衛生講習会 電気編 (主に)これから実験室で活動を始める方へ
電気作業をするにあたって 安全に関すること (低圧/高圧・特別高圧)電気取扱者安全衛生特別教育 電気工事士/電気主任技術者 電気工事の結果による 災害発生防止に関すること 電気工事の際に守らなければならない事柄 (電気設備技術基準・解釈) 例えば、 電線の太さ、遮断機の性能、接地工事の種類 1.6mm直径の電線の許容電流は27A (15Aラインに使用) 電気の危険性 安全作業、管理 (低圧/高圧・特別高圧)電気取扱者安全衛生特別教育 電気工事士/電気主任技術者
RCNPの電気 電圧の種類 大学中央変電所から6600Vで受電 RCNPで変圧 単相100V/200V 三相200V 三相440V ご家庭の場合 電柱上の変圧器まで6600V 引き込み線は200V/100V ほとんどの方は低圧のみ使用 電圧の種類 直流 交流 低圧 750V以下 600V以下 高圧 750Vを超え7000V以下 600Vを超え7000V以下 特別高圧 7000Vを超えるもの
電気の危険性 感電(電撃)の危険因子 通電電流の大きさ 通電時間 通電経路 (心臓通ると危険) 電気災害 感電、火傷、アークによる眼障害 火災、爆発、機器の焼損 感電(電撃)の危険因子 通電電流の大きさ 通電時間 通電経路 (心臓通ると危険) 電圧の大小には直接関係しない。 低圧でも油断は禁物
100V活線を切ると・・・ 低圧用保護手袋、絶縁マットなどを使用して安全に実習しています。 絶対にマネしないでください。
人体への影響 通電電流の大きさと人体反応 感知電流 (右図a) 離脱電流(右図b) 心室細動電流 火傷 0.5mA(商用AC)/2mA(DC) 離脱電流(右図b) 通電経路の筋肉が痙攣し神経まひ。運動の自由がきかなくなる。運動の自由を失わない最大電流10mA (商用AC) 不随電流:離れられない・声も出ない・意識はある。 苦しいらしい 触らない!(2次災害)電源を切る! 心室細動電流 心臓の血液循環機能が失われ数分以内に死亡。 C1(通電経路:左手~両足) 50mA・秒 火傷 アークやスパークの数千度の高熱によって起こる熱傷 電流が流れるときの内部組織の抵抗に基づくジュール熱によるもの 人体抵抗 内部:手~足間で500Ω 皮膚:0Ω(水濡れ)~10kΩ(乾燥)
災害事例
災害事例 1 場所/被害/あらまし 対策 作業時はコンセントを抜く。/活線の露出を避ける。 RCNP他 私(無傷) (熱縮チューブ) 災害事例 1 場所/被害/あらまし 対策 作業時はコンセントを抜く。/活線の露出を避ける。 (熱縮チューブ) 濡れた手で作業しない。 RCNP他 私(無傷) 自作回路のテスト中、AC100V部分に触れ感電。ピリピリして痛かった。 この手の経験は数回あり。 内部に手を入れる際にコンセントを抜かなかった。/何度もやるうちにコンセントを抜くのを忘れた。
災害事例 2 場所/被害/あらまし 対策 遮断機で回路閉 RCNP 検電器で停電を確認 私(無傷、ヒヤリ) 遮断機に表示、スイッチにテープ 「停電作業中」、「再投入禁止」etc. RCNP 私(無傷、ヒヤリ) 分電盤に配線を追加する作業をしていた際、ふと気づくとブレーカーが切れていなかった。(ヒヤリ) 一度ブレーカーを切ったが、別の作業のために再投入し、再度切るのを忘れた。 単相3線200Vのブレーカーだったので、あやうく200Vの電撃をくらうところだった。
災害事例 3 Lab.で聞いた話 場所/被害/あらまし 対策 絶縁性の棒などを使って離れたところから操作すべきだった RCNP 技官(重症) 安易なベテラン(先生/先輩)のマネは危険 ベテランは模範的行動/教育を RCNP 技官(重症) 高電位に浮かせて置いていたオシロのつまみを触って感電。電撃をうけ両手に火傷、気絶。 他方の手はハウジングの扉を触っていた。(閉回路形成) 直前に先生もオシロつまみを触ったが先生は片手だった。
災害事例 4 Lab.で聞いた話 場所/被害/あらまし 対策 高感度(感電防止目的)の漏電遮断機 GSI(Germany) 大学院生(死亡) まず片手で触る? GSI(Germany) 大学院生(死亡) ラックにささったモジュールに触れて感電。救急車で運ばれたが亡くなった。 他方の手はラックを握っていた。(回路形成) 漏電事故 AC 200V では人体に流れる電流も大きい
気をつけましょう 電撃そのものだけでなく、2次災害もある 思いつき作業は危険 KY(危険予知)ミーティング/ Tool Box Meeting 高圧では充電部に直接接触しなくても、人体がある限界内に近づくと電撃をうける。 (離隔距離の確保/保護具/防護具) 電気災害の要因 停電せずに作業 ⇒停電作業 停電範囲が周知されていない ⇒区画 誤操作(違う電路を停電など) ⇒検電 誰かが開閉器を投入した ⇒禁止処置
部屋でも気をつけましょう 機器で漏電が起きた際に電流 たこ足配線 トラッキング現象 アース線 足の数は少なくても・・・ 容量オーバーでの使用 通常のコンセント/テーブルタップは15A/1500W用 テーブルタップのシリアル接続は要注意 許容電流を超えるとケーブル・電線は発熱する トラッキング現象 コンセントに溜まった埃に湿気 が加わり電極間がショートする (埃×湿気) アース線 機器で漏電が起きた際に電流 をアース線で逃がす。(人体 抵抗より小さな経路。水回り では危険性が高い。)
最後に ガイドブックの電気の章もご一読ください 次の一歩…. 低圧電気取扱者安全衛生特別教育(2日間) 昨年度は講師を招いてRCNPにて開催 第2種電気工事士 6月に筆記試験 / 7月に技能試験 (今年度の申し込みは終了) カーラーの救命曲線 心臓停止後3分で50%死亡 呼吸停止後10分で50%死亡 多量出血後30分で50%死亡(体重の8%の血液の20~30%) 参考 低圧電気取扱安全必携(低圧特別教育テキスト/中災防) 高圧・特別高圧電気取扱者安全必携(高圧・特別高圧特別教育テキスト/中災防)
おしまい
電気に関する安全衛生特別教育 教育内容(安全必携より) 労働安全衛生法においては、電気取扱作業などの危険業務に従事する者に対し、安全に関する特別の教育を行うことを事業者に義務付けています。 低圧電気取扱者安全衛生特別教育(2日間) 高圧・特別高圧電気取扱者安全衛生特別教育(4日間) 電気に関する基礎知識 区分・危険性・感電・人体反応・短絡・漏電・・・ 電気設備に関する基礎知識 安全作業用具に関する基礎知識 絶縁用防具、検電器 活線作業および近接作業の方法 絶縁防護/救急処置/災害防止(災害の事例) 関係法令 労働安全衛生法(抄)・・・
第2種電気工事士 電気工事士法 電気に関する基礎理論 配線理論と配線設計(電気設備技術基準) 電気工事の作業に従事する者の資格および義務をさだめることによって、電気工事の結果による災害発生の防止に寄与することを目的とする。 電気工事の際に守らなければいけない事柄 (電気設備技術基準・解釈) 例えば、 電線の太さ、遮断機の性能、接地工事の種類 試験 6月に筆記試験 / 7月に技能試験 今年度の申し込みは終了 第2種電気工事士テキストより 電気に関する基礎理論 配線理論と配線設計(電気設備技術基準) 電気機器と工事用材料および工具 電気工事の施工方法 一般用電気工作物の検査と測定方法 一般用電気工作物の保安に関する法令 配線図